7回
2025/12 訪問
天婦羅、衣で旨味を閉じ込め、極限に高める。
衣は食材の旨味を閉じ込め引き出すためにある。天婦羅の技法は揚げることにあらず、料理の全てが凝縮している。
上村さんは太白ごま油を用いて、低温で火入れすることで、食材の香りも旨味も全て極限まで引き出す。素材の香りと味を極限まで高める。
横浜に世界レベルの店があることと、この出会いに感謝。
衣は軽く纏っている程度。どれだけ食べても重さもしつこさもない。
上村さんの衣と、他店の衣を比べてみてほしい。
写真を見るとその違いは歴然。上村さんの衣は立体的であり立っている。素材が透けて見えるほど薄い。
空気をたくさん含ませて揚げているからだと思う。
そのためには粉の扱いも、油の温度も常に管理する必要がある。
純白な太白ごま油を使用するから、衣・油からは胡麻の香りは一切なく、素材を邪魔しない。
逆に言えば胡麻の香りで誤魔化さない。
種のネガティブな要素は全て仕込み段階で取り除いている。
品書
車海老頭
車海老高めの温度(香り)
車海老低めの温度(甘味)
アスパラ(穂先:香りと味、根本:水分を纏った野菜本来の甘み)
他の食べ方でこんなおいしいアスパラは食べたことがない
蓮根 (茨城 やまちゃん蓮根。甘味、柔らかな食感、蓮根の概念が覆る)
鮍の肝和え(鮍の肝は上品な天然のマヨネーズのような味わい。)
鱚(なにも付けずにそのまま。鱚の旨味、甘みが強く感じられる)
帆立(甘みと香りが引き出されている)
白子溜まり焼(蒸してから焼き上げることで香ばしさとともに、柔らかな食感と白子の甘みと旨味が存分に感じられる、海苔との相性が抜群)
甲箱蟹の殻付き揚げ(殻はそのままで崩しながら、内子外子の甘みが一番強く感じられる調理法)
蕪(下味をつけ茹でたとろとろ食感の蕪、衣は纏わせるのみ)
鮍白子和えの手巻き(見たらわかる、旨い美味いやつ)
熊本の赤茄子(天つゆに浸しながら食べることで、まるで揚げ出し茄子。中はトロトロにしあがっている。もちろん茄子の香りを強く感じる)
椎茸(二ノ宮の原木椎茸、椎茸特有の臭みがない、クリアな香り。椎茸の旨味が閉じ込められ強められている)
牡蠣(今まで食べた牡蠣の料理の中で一番美味しい。牡蠣の味、甘み、旨味が極限、それでいて嫌な苦みがない。天婦羅の食感も相まって最高の一言)
天丼茶漬け、天丼のダブル。
水菓子
天かすとマスカルポーネアイス(天かすは胡麻の香りは全くなくただただ食感と若干の甘みを纏うのみ、マスカルポーネアイスに食感をプラスしてくれる)
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▼今回は天ぷら
天ぷら上村 @tempura_uemura
神奈川県横浜市南区白妙町3-40-1 加藤ビル 1F
2025/12/13 更新
2025/10 訪問
天ぷらは、脱水、火入れ、焦がし、粉の調整、仕込みetc... 深淵を味わう
秋から冬へ、魚介のみでなく、野菜、茸も味わえるのが天麩羅の楽しみ。
こちらは天麩羅のみでなく、間に供される品々にも深い技術が刻まれています。
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▼今回は天ぷら
天ぷら上村 @tempura_uemura
神奈川県横浜市南区白妙町3-40-1 加藤ビル 1F
天麩羅はほんとに美味い、火入れの技で、違う食べ物のようにふるまう。特に野菜は甘みや食感が昇華される。蓮根は甘い芋のように変化、それでいてサクサク食感も残っている。
そして車海老。いつも当然のように一番最初に供され、当然のように頂いているが、
「殻を香ばしくサクサクに揚げ、香りと甘みを存分に引き出すこと」や
「エビの身を香り味豊かに食感にも変化をつけて揚げ切る技術」は表現し難い素晴らしさ。
芸術作品を頂いていると形容すべき。
驚いたのはイクラ、まるで濃厚な卵かけご飯を食べているかのような豊潤な旨味、ご飯が浮いてるスープもいくらで仕上げてるとあって、イクラという命から存分に旨味を抽出している。
秋刀魚の肝包み焼きを取っても、揚げ以外の品のレベルが高すぎていつも驚く。
この技術に裏打ちされた、天種の仕込みは他店とはレベルが段違い。天麩羅が当然に美味しいのも頷ける。
遠方から食べに来るべきお店。
品書き
海老の足、車海老(良く上げ)、車海老(レア)、アスパラ、鮪となにこれ漬けの手巻き、鱚、天然舞茸、イクラの極上の一品、松茸、蓮根、本柳葉魚、穴子、秋刀魚肝包み焼、銀杏、シイタケ海老、サツマイモ、天茶、ほうじ茶プリン。
2025/12/06 更新
2025/06 訪問
感無量。圧巻の天麩羅を前に言葉を失する。
天婦羅ほどある意味シンプルだが非常に奥が深い料理はないかもしれない、、、
揚げるのではなく、脱水・焼き・メイラード・火入れ等様々な要素が含まれている。
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▼今回は天ぷら
天ぷら上村 @tempura_uemura
神奈川県横浜市南区白妙町3-40-1 加藤ビル 1F
6月の上村さん
いつもながら、素晴らしい天婦羅を頂きました。
品書
車海老の頭、車海老①(良く揚げ)、車海老②(レア仕上げ)、水茄子、白甘鯛、アスパラ、鱚、
トウモロコシのすり流し(調味料不使用素材のみ)、トウモロコシ①黄色いやつ、筍、鮎、鮪刺身、穴子、ペコロス、トウモロコシ②しろいやつ、蛤、かき揚げ天茶、ほうじ茶プリン
天ダネの時点で仕込みを施すことで、臭みを完全に排除し、素材の美味さを十分に引き出してから火入れをされる仕事はいつも感動させられます。
今回感動したのは天婦羅のみならずトウモロコシのすり流し。
調味料は不使用にもかかわらず驚くべき甘みと芳醇な香り、夏の先附としてお鮨屋さんなどでも出していいのではと思わせる一品。天婦羅の途中に出されることで口をさっぱりリセットしつつもしっかりと料理としての楽しみを感じさせる一品でした。
天婦羅に関しては野菜の天ダネが今回は素晴らしかったです。もちろん魚介が素晴らしいのは前提ですが。野菜の甘み香りを衣に閉じ込め旨味・香りを含んだ芳醇なエキスが口の中であふれ出す瞬間はたまりません。
火傷注意ですが、冷たいお酒とともに流し込むと至福です。
四季が移ろうの機微の美しさを上村さんの天婦羅は感じさせてくれます。
また伺います。
Words failed me as I faced a transcendent display of tempura, leaving me awash in emotion.
There may be no other dish as seemingly simple yet profoundly deep as tempura.
It's not just about frying—it's a delicate interplay of dehydration, roasting, Maillard reaction, and precise heat control.
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shares his favorite spots in Tokyo and Yokohama.
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This time: Tempura Uemura
@tempura_uemura
3-40-1 Shirotaemachi, Minami-ku, Yokohama
Katō Building 1F
My visit to Uemura this June.
As always, the tempura was exceptional.
Menu Highlights:
Shrimp head, Shrimp #1 (well-fried), Shrimp #2 (rare finish), Mizunasu (water eggplant), White tilefish, Asparagus, Whiting,
Corn purée (made with only the ingredient itself—no seasoning), Yellow corn tempura, Bamboo shoot, Sweetfish, Tuna sashimi, Conger eel, Baby onion (pekorosu), White corn tempura, Clam, Kakiage tempura with ochazuke, Hōjicha pudding
What continues to amaze me is the preparation before frying—thorough treatment of ingredients that completely removes any unwanted odor and enhances their natural flavor. Every item is gently and expertly cooked to perfection.
What struck me this time was not just the tempura, but the corn purée. Despite containing no seasonings, it delivered astonishing sweetness and an elegant fragrance. It would make a perfect amuse-bouche even at a sushi counter. Served mid-course, it refreshed the palate while standing as a delightful dish on its own.
This time, the vegetable tempura truly stood out.
Of course, the seafood is always outstanding, but the vegetables revealed their full aromatic sweetness enclosed within a crisp, delicate batter. The rich essence bursting in your mouth with every bite is pure bliss.
Careful—it's piping hot. But chase it with a sip of cold sake, and you're in heaven.
Uemura's tempura allows you to feel the subtle beauty of Japan's shifting seasons.
I’ll be back again.
2025/12/06 更新
2025/05 訪問
職人の魂がこもった天婦羅。夫婦で営む天婦羅最高峰店。
初夏の天婦羅、今回も最高の江戸前天婦羅を頂きました。
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▼今回は天ぷら
天ぷら上村 @tempura_uemura
リラックスした雰囲気でいつも天婦羅を頂いてます。
この日は知り合いの料理人(職人)の方と同席、
職人同士の料理に対する強い思いの話を肴に、絶品天婦羅とともに日本酒を沢山いただきました。
日本酒の銘柄が豊富でいつも感動してます。
そして、白ワインのムルソー。一般的な白ワインよりも強い味わいをもつ一本。
強めの白ワインが、天婦羅の香りを引き立て、所謂マリアージュにより一つの料理となる感覚も味わえます。
毎回飲み過ぎてしまい、品書きは失念。
しかし天婦羅最高峰の味は、私の脳と魂に刻まれてます。
また伺います。✨
Early summer tempura—once again, an outstanding experience of Edomae craftsmanship.
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▼This time: Tempura
Tempura Uemura @tempura_uemura
I always enjoy their tempura in a relaxed and welcoming atmosphere.
On this visit, I was joined by a fellow chef—
sharing drinks and deep conversations about culinary philosophy between professionals, paired with exquisite tempura.
The sake selection here is always impressive and deeply satisfying.
And the white wine of the day—Meursault, with its bold character—
surpassed the typical white wine, offering a powerful profile.
Its robust taste amplified the aroma of the tempura, creating a true mariage—a harmony where food and wine merge into a single, elevated experience.
As always, I indulged a bit too much and forgot to note down the course.
But the pinnacle of tempura flavor remains etched in both my brain and soul.
I'll be back again soon.
2025/12/06 更新
2025/02 訪問
火入れ、脱水、蒸し焼き。仕込みを施した天種を絶妙な火入れで絶品に。
素材の味を生よりも強く引き出す。
天麩羅という料理、技術を使い食材を昇華させる。
そんな職人さんがいるお店です。
海老の甘みを極限まで引き出し、
鱚は揚げる前にお鮨屋さんの如く仕事を施し、
油の中で衣を着せて絶品の天麩羅へ仕上げる。
天ぷらのみでなく、いくらのエキスソースといくらを乗せて食べる卵かけご飯を海苔とともに頂く一品など、天麩羅の間に出されるお料理も美味。
特にこのメニューはいくらの濃厚な旨味、良いところだけを味わえるよう作られている。途中から海苔と合わせ、海苔の香りと共に味わう。
江戸前の天麩羅を是非一度、お試しください
2025/02/26 更新
2025/01 訪問
車海老の香りが、何日も脳内に漂う。本物の天ぷら。東京のミシュラン星付き店と同レベル。
大将の上村さんと、給仕の女性スタッフのみで営業。
油を数回変えながら、天だねに対する仕込みをしっかり行う。所謂仕事をしてから油で火を通す。
蒸す、脱水する。
天ぷら店の代名詞、海老。
火の通り加減を変えて最初に提供される。
海老の甘みと香り、衣の食感。
巻サイズの海老は天ぷらにされる為に存在する。
と言ってしまうほど美味い。
鮨屋での修行経験もあり、コースの随所に大将の背景が伺える。
サラダ、海老の足、車海老火入れ強め、車海老レア目、鱚、白子醤油焼きと海苔で磯部に
蕗の薹、筍、カワハギの肝和え、蓮根、自家製唐墨の磯部あげ餅とともに、
穴子、鯛と山芋の紫蘇巻き、椎茸の海老詰め、海胆、カワハギの手巻き、牡蠣、蛤、
天茶、ほうじ茶プリン
The restaurant is staffed only by the owner, Mr. Uemura, and his female wait staff.
Carefully prepare the tempura, changing the oil several times. After doing the so-called work, it is heated with oil.
Steam, dehydrate.
Shrimp is synonymous with tempura restaurants.
It is first served with varying degrees of doneness.
The sweetness and aroma of the shrimp, the texture of the batter.
Roll-sized shrimp exist to be made into tempura.
It's so delicious I have to say.
He also has training experience at a sushi restaurant, and you can see his background as a chef throughout the course.
インスタもやってます、こちらも是非チェック✅
@ryopei_sushimania.doctor
https://www.instagram.com/ryopei_sushimania.doctor/
2025/12/06 更新
鮨屋での修行をし、その後天婦羅の修行を開始された上村さん。
天婦羅はミシュラン獲得歴のある横浜の名店「ふく西」。
独立後当初はふく西分店として営業されていたが、天ぷら上村として完全独立を果たし、自身のスタイルで天婦羅を奏でる。
天種の仕込みに拘り、種自体のネガティブな要素を消し、味を引き上げる。
そして火入れにて素材の味をより高める。
太白ごま油を使用し、素材の本来持つ香り味を引き出し、極限までに高める。
そのために低温での調理に拘る。
一般的な天婦羅屋がごま油を使い高音で揚げるのは、天種のネガティブな要素を上げることで消し飛ばすため。同時に素材が本来持つ香りも味も捨ててしまっている。
天ぷら上村を美味しいと感じ愛する人に食べてもらいたいと考え、SNSやネット、立地での集客はしない。
まだ30代前半とだがすでに天婦羅の技術は恐ろしく高く、信念はとても強い。
既に怪物のような職人。ただただ今後が末恐ろしい。
2025/12/11 更新