1回
2021/10 訪問
宝石のように輝くラムの赤ワイン煮
帯広一人旅で。海鮮やらジンギスカンが続いたので、ここらでイタリアンでもということで数店を検索。宿についてからの予約ということもあって二軒が満席とのこと。
そこでたどり着いたのがこちらのお店。宿からタクシーで向かう。コロナ明けの最初の月曜日ということもあって中心街は人影まばら。
店内も先客はおらず一瞬嫌な予感がしたもののカウンターに着席。
マスターは気さくな男性。コロナの話なんかをしながらワインの好みを伝えると赤のボトルをもってきてくれる。一口飲んで、この店で正解かなと。タンニンの効いたダークチョコレートを思わせる品のいいワインだ。
<前菜盛り合わせ>
一品一品味の違いが際立っている。一品一品が単独の料理としていける強さがある。野菜も道産の変わった品種をピクルスにしていたり、ボタンエビが鎮座していたり、所々に北海道を感じる。良いスタートで期待が高まる。
<ラムの赤ワイン煮>
写真を見ていただきたい。このルックスだ。宝石のような輝きを放つダークブラウンがなんと美しいことか。添えられているのはフリットされたゴボウ。独特の香りが食欲をそそる。ラムの味の濃さにはこのくらいでないと釣り合わない。
そしてラム本体。とろける柔らかさ。羊らしさがほのかに残るが牛肉に近い味だ。赤ワインと合わせながら食べる至福の時間が、ボリュームもたっぷりのためゆっくり流れる。
ソースに混じっているのはレンズ豆。これがまた食感のアクセントになって実によく考えられていた。この店が名店であると確信した作品であった。
<パスタ>
すでに腹八分目に医者いらずではあったのだが、大阪から帯広までは頻繁に来ることはできないため、パスタも注文することとした。
この位になると酔いもかなり回ってきて、好みを伝えて、あとはお勧めでお願いした。アマトリチャーナのようなものだったと記憶しているが、正確な名前が思い出せない。これがまた絶品だった。麺の硬さ、塩気、辛さ、油のバランスが完璧である。
ちなみにシェフは厨房で黙々と調理。カウンターからそのお姿は見えるが迷いない動きで見ていて気持ちが良い。
地方都市の食べログではよくあるのだけれど、この店の点数や口コミと実態が合致していない典型例だと感じた。私が帯広に住んでいれば毎週のように通うだろう。帯広在住の方々がつくづく羨ましい。
2021/10/18 更新
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2021/10/18 更新