8回
2025/07 訪問
喜びと寂しさと。
7月最初の月曜日12:47、3日連続の訪店であり、'25最後となる訪店のはずだったのですが。。
頂いたのは以下のとおり。※価格は税込み。
友:●元祖いぶきのラーメン(1,000円)。
妻:●元祖いぶきのラーメン+麩増し(1,000円+100円)。
私:●元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(1,000円+100円+200円)。
いつもながら美味い!の一言ですが、当レビューのポイントは別のところにあります。
果たして来年も女将さんの頑張りでいぶきのラーメンを食べられるのか、そもそもその時点でいぶきはいまだ存在しているのか。
実はそんな不安を抱いているのは決して私だけではなく多くの弟子屈町民の想いであることを、西沢商店の金子店長との前日の会話で知りましたーー単なる観光客でしかない私と地元の人々を同列で語ること自体がそもそもナンセンスですね。
退店時に、そんな想いと共に、無理のない範囲で来年もお店があると嬉しい、そして何よりもお元気で!と菅野さんに伝えると、思いがけない言葉が返ってきたのでした。
・今年いっぱいで引退することを決めた。
・しかし後継者が決まったので、店はこれまでどおり続けていくことになった!
嬉しい、けれど寂しくもある。そんな話をしつつ、この日はお店を後にしたのでした。
ご馳走様でした!
もう厨房に立つ菅野さんとお会い出来ないかも知れませんが、本当にお疲れ様でした!
ちなみにこの日の支払いは妻と私の合計額で2,400円。'25いぶき詣での三日間の中で初めて計算上正しい金額をお支払いしたかも(笑。
厨房に立つ女将さん。
元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(1,000円+100円+200円)。
元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(1,000円+100円+200円)。
元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(1,000円+100円+200円)。
店内風景。もともと焼肉屋だったいぶきですが、2009年頃の元スナックだったこちらへの移転を機に炉端焼き屋に転じ、その後さらに現在に続くラーメン屋に業態変更。歴史を感じさせます。
2025/08/23 更新
2025/07 訪問
2年半避けてきたものがまさかの食わず嫌い、人生最高のみそラーメンに出逢う。
7月最初の日曜日、前日に続きこの日もいぶきです。11:54の入店時には満席でしたが、すぐに空いたテーブル席に陣取ります。
この日は大きな目標がありました。みそラーメンを喰らう!
その達成のために、「怒らないでね」と先ずは女将さんに道理を通すと「怒るわよ」とのつれない返事。それでもめげずに「今日は味噌ラーメンをください」と伝えると、「怒るほどじゃわね」と(笑。
※菅野さん自身が常に「元祖いぶきのラーメン(以降「元祖」)推しで、たとえばチャーハンなどを頼むと「マジで?」といった呆れ顔をするのです(笑。
この日頂いたのは以下のとおり。※価格は税込み。
友:●元祖いぶきのラーメン(1,000円)。
妻:●みそラーメン+麩増し(メニュー上は1,100円+100円)。
私:●みそラーメン+麩増し+大盛り(メニュー上は1,100円+100円+200円)。
たとえ愛するいぶきであろうとも、味噌ラーメンが苦手な私は初訪店以降2年半にわたりどうしても注文する気になれなかった鬼門。しかし今日こそは!
その結果は;
なにこれ、美味いじゃん!
みそラーメンのスープはなんと「元祖」のスープに味噌を後足したものだったのです。
言ってみれば「元祖」スープに軽く一手間を加えた(=軽く味噌風味を加えた)もので、味噌みそしておらず、それが美味至極。スープの見た目も「元祖」のスープが若干茶色がかった程度で、半透明さを保っています。
今日までまさに「食わず嫌い」、びっくりしました。
その感動に、これまでの高評点をさらに0.1ポイント上げることにしました。
ご馳走様でした!
'25夏の怒涛のいぶき詣で第2回を終え、翌日は第3回です(笑。
店舗外観。
みそラーメン+大盛り+麩増し(1,100円+200円+100円)。
みそラーメン+大盛り+麩増し(1,100円+200円+100円)。
みそラーメン+大盛り+麩増し(1,100円+200円+100円)。
みそラーメン+大盛り+麩増し(1,100円+200円+100円)。
みそラーメン+大盛り+麩増し(1,100円+200円+100円)。
みそラーメン+大盛り+麩増し(1,100円+200円+100円)。脂層の下に潜らせふにゃふにゃになった麩が美味そうです。
2025/08/23 更新
2025/07 訪問
今年も食べられる幸せ。
7月最初の土曜日11:57、およそ13ヶ月ぶりの訪店。
お久しぶりです、と言ってもおそらく一人で店のすべてを切り盛りされている女将、菅野さんは私のことなど覚えていないでしょうが、そんなことは関係ありません。私が彼女のこともいぶきのラーメンの味もしっかり覚えているのですから (^^)。
80歳までは頑張ってお店を続けたいと仰っていた彼女女ですが、逆に言えばもういつ引退されてもおかしくない状況にあって未だお店を継続されていることにひたすら感謝しかありません。
カウンター席に並んだ三人がこの日頂いたもののは以下のとおり。※価格は税込み。
友:●元祖いぶきのラーメン(1,000円)。
妻:●元祖いぶきのラーメン+麩増し(メニュー上は1,000円+100円)。
私:●元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(メニュー上は1,000円+100円+200円)。
1年以上ぶりですから、いぶきを全身で感じるためにも先ずは「元祖いぶきのラーメン」。
ちなみに価格は2年前800円、1年前900円、そして今年は1,000円になっていました。
あぁ、これこれ、これです! 経年的傾向なのかこの日のブレなのかは分かりませんが、これまでに比べ脂が少しマイルドになっている?
スープ表面を覆っているラードなどを一切用いぬ100%豚骨由来の脂層が特徴ですーー「あっさり醤油」と「あっさり塩」のスープはまったく異なりますーーが、それが美味さのみで脂のくどさを微塵も感じさせないところが「元祖いぶきのラーメン」の実に素晴らしいところ。
脂層が多少マイルドになった様に感じられたとは言え、スープの上に乗せられた麩が脂層に阻まれスープをまったく吸い込んでいかないのはいつも通り。もちろん麩にはスープをたっぷり吸って欲しいので、自ら箸でスープの中へと潜らせておきます。
※その他詳細については繰り返しになるので、私の以前のレビューを是非ご覧ください。
本当に美味しかったです、ご馳走様でした!
こうして、'25夏の怒涛のいぶき詣で(計3回+泣きの1回)が始まりました。
店舗外観。
元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(メニュー上は1,000円+100円+200円)。
元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(メニュー上は1,000円+100円+200円)。
元祖いぶきのラーメン+麩増し+大盛り(メニュー上は1,000円+100円+200円)。
品書き。
2025/08/20 更新
2024/06 訪問
いぶき詣で’24(3/3)。あっさり醤油ラーメン麩増しとあっさり塩ラーメン麩増し。
6月最初の火曜日12:45、昼営業終了時間の15分前に着店。
今日も来ちゃいましたとカウンター越しに伝えると呆れつつも嬉しそうに破顔する女将さんでしたが、注文の品を伝えると、えぇっ?本当に!?と驚きを隠せません。
そう、この日も我々は未体験料理にチャレンジするためにやって来たのです。
私:●あっさり醤油ラーメン大盛り+お麩増し(メニュー上では900円+大盛り?円+麩増し?円)。
出来上がって付け台に置かれたラーメンを自らテーブルに運んできた(※)瞬間に、その丼から立ち上る香りと麺顔に「元祖いぶきのラーメン」との大きな違いを知り、スープを一口啜った瞬間にその別世界の味が舌から全身に広がります。
※うっかりしていると普通に女将さんが運んできてくれますが、去年足腰の痛みから少し休業されて以降、出来上がった料理を自ら受け取りに行くお客さんが増えている様です(友人談)。
両ラーメンの大きな違いは以下2点。
・脂量。
スープに浮かぶ脂がありません。これだけで「元祖いぶきのラーメン」とはまったく別物の料理です。
興味深いことに、同じ麩が乗せられているのですが、「元祖いぶき」では脂の層の存在により人が意図してスープに沈めぬ限り麩がまったくスープを吸わないのに対し、「あっさり醤油」の方は見ている前でみるみるスープを吸って柔らかくなっていきます。
・魚介。
スープを一口啜っただけでカツオの強い風味を感じます。こっちは魚介系なんだ!という発見。
「元祖いぶき」のほとんど豚骨+鶏ガラ少々という肉100%に対し、「あっさり醤油」は100%魚介ーー女将さんに聞いたところこちらの出汁はカツオと昆布のみ。
同じ醤油味で共通点はあるものの、両者はまったくの別ものラーメンなのです。
しかしこれも美味しいなぁ、超高ポイント。「元祖いぶき」よりちょっと塩っぱさが強いですが。
では「元祖いぶき」と「あっさり醤油」のどちらに軍配を上げるかというと、私は「元祖いぶき」。
友人&妻:●あっさり塩ラーメン+お麩増し(メニュー上では900円+麩増し?円)。
私は妻の残したスープを二口ほど啜っただけなのですが、ごま油を強く感じます。こりゃまたまったく違うラーメンですねぇ。
「元祖いぶき」「あっさり醤油」「あっさり塩」の3種を食べた友人と妻の感想。
・「あっさり塩」も美味しい。けれどややコクに乏しいかな。それと三つの中では一番塩っぱい。
・3種の中から選ぶならば、「元祖いぶき」「あっさり醤油」を交互に食べるかな、とのことでした。
支払額は、この日は3,000円/三人。同じ金額のラーメン三杯、私は大盛り150円を頼んでいるので、この日の麩増しは50円/人という計算なのか、はたまた大盛り150円は勘定に入れなかったのか(笑。
今回は五日間で同じ店を3回も訪店するという私の人生史上初の快挙(暴挙)により、本当に楽しい経験が出来ました。そしてさらに自信を持って言える様になったのでした。「いぶき凄いぜ」。
退店時に女将さんに、(私と妻は)明日弟子屈から去るので、来年また来られる様に頑張ります!と言うと、「来月じゃなくて来年?死なない様に頑張るけど」と。
店を出る直前に女将さんと妻と私の記念撮影。そして女将さんと私が互いに「お元気で!」と声を掛け合って店を後にしたのでした。
また来ます。まだ引退せず頑張ってください、菅野さん!ご馳走様でした!!
2024/06/14 更新
2024/06 訪問
いぶき詣で’24(2/3)。元祖いぶきのラーメン 麩増しとチャーハン。
6月最初の日曜日11:11着店も、11時開店なのですが暖簾が出ていません。
友人が店に入り、2, 3分後に戻ってきて両手で大きな丸。ちょっとスタートが遅れただけでしたーー店舗の上に住まわれている女将さんに来店を伝え、今日の営業の有無を確認したのです。
この日はチャレンジデーとして、私のチャーハン以外に妻と友人も未食料理に挑戦です。
私:●チャーハン(800円)。
そもそも、持ち帰って数時間も経ったチャーハンをフライパンで温め直して食べても美味しかったので出来立てを食べたくなった、というのがこの日の訪店理由だったのですが、やはり店舗で頂く熱々チャーハンと数時間後経ったものとでは味がかなり違います。
味気ないパラパラではなくほどよくしっとりした正統派チャーハンは、レタス多めなのでレタスチャーハンと呼んでも良さそうです。
かすかに感じる独特の味は、もしかしてあのラーメンのスープを入れているから?
そのチャーハンは頭抜けた美味ラーメンに比肩は出来ないものの普通に美味しく、この日「元祖いぶきのラーメン麩増し」と合わせて頂きましたが良いコンビネーションでしたね。
それにしてもチャーハンの写真が一枚もない。私、どうやら舞い上がっていた様です。。
●元祖いぶきのラーメン麩増し大盛り(メニュー上では900円+大盛り150円+麩増し?円)。
言うまでもなくサイコーです。
友人&妻:●あっさり醤油ラーメン(900円)。
これまで「元祖いぶきのラーメン」一辺倒だった友人が、妻と共にこちらを初食。
私も二口三口味見しましたが、友人と妻二人の感想は;
え、これ美味しい! もしかするとこっちの方が好きかも?
私の感想は、次回のいぶき詣で’24(完結編)で。
そう、元祖いぶきのラーメンとはまるで別物の美味しさを自らの舌でしっかり確認すべく、我々は再び中一日を開けて再訪店するのでした(笑。
この日両脚を釧路湿原のブヨ(ブユ)に刺されまくってとんでもないことになっていた私は長ズボンも靴も履けず短パンとスニーカーで訪店したのですが、北海道に似つかわしくない短パンと豹柄サンダルといういでたちが女将さんの爆笑を誘ってしまったのはどうでも良い話。
ご馳走様でした、また二日後に! (笑)
元祖いぶきのラーメン麩増し大盛り。
あっさり醤油ラーメン(900円)。
あっさり醤油ラーメン(900円)。
あっさり醤油ラーメン(900円)。
最高の状態に仕上がった麩。
この麩が用いられています。
もしかしたら切られていないこちらかもしれませんが。
店内風景。
店舗外観。
2024/06/13 更新
2024/05 訪問
いぶき詣で’24(1/3)。元祖いぶきのラーメン麩増しと特製ザンギ。
5月末の金曜日12:13着店。先客三人で、我々三人組はスナック感漂うテーブル席に座ります。
こんなにも美味いラーメンを食べさせてくれるに、地元民以外はほぼすべて有名なあちらのラーメン店の方へ流れていくため、相変わらず混雑とは無縁のお店です
●元祖いぶきのラーメン麩増し大盛り(メニュー上では900円+大盛り150円+麩増し?円)。
前回友人が食べる様を見て、大盛りはやめてライスにしようと思っていたのですが、私はいぶきのラーメンが食べたい!のだからやはりラーメン大盛りで。
麩増しは必須オプションです。
ちなみにデフォの元祖いぶきのラーメンは900円。去年2月より100円値上がりしていましたが、この味を出すための惜しげもない原材料投入を考えればむしろ安いものです。
15ヶ月ぶりとなる元祖いぶきのラーメンは相変わらずのスカウター破壊スーパーラーメンZ。
女将さんが一日がかりで仕込むスープから上がる湯気は昨年よりも少し多い?つまりラードや魚介などは一切使用せず豚骨から出る脂100%のスープですが、少し脂分が控えめになったのでしょうか?
しかしレンゲで掬って口に運ぶと、原価回収不能とも言われるその超絶豚骨醤油スープの美味さに変化は感じられません。食べ終えれば唇がテラテラになるほどの脂分ですが、しつこくも重くもない不思議なスープです。
※今回は食べ終えしばらくした後のスープの写真も載せました。表面の油分が冷えて油膜として固まっているそれを見ると怯むかもしれませんが、その写真と実際の味の乖離を是非ご自分で体験して頂きたい。
肉勝ち厚めのやや塩味の強いチャーシューも健在、海苔やメンマ、ネギと共にいぶきワールドを形成しています。
そしてオプション注文により追加された麩は、このオプションを頼まない人にその理由を聞いてみたいくらいの魅力に溢れています。
※この日のお麩は4切れでしたが、前回は3切れ。日によって値段や内容に若干の揺らぎがあるのもいぶきの個性です。
去年私を連れてきてくれた友人は何度も訪店しているにも関わらず、元祖いぶきのラーメンしか食べたことがないと言うので、以下2点を持ち帰りオーダーしました。
■持ち帰り
●特製ザンギ(800円)。
6ピースでしたが、いつもそうかどうかは不明。だっていぶきさんですから(笑。
カリでははなくややしっとり、そしてなんとなく想像していたよりもさっぱりと上品な味。ザンギに不慣れな私はこの味を他店と比べられませんが、ラーメンのサイドオーダーに、酒のアテにとても良い選択肢です。
●チャーハン(800円)。
フライパンで温め直して頂きました。ザンギとチャーハンは調理後数時間経って頂いたので、お店で出来立てを味わってみたいぞということで、なんと二日後にも訪店してしまいました(笑。
ご馳走様でした、また二日後に! (^^)
店舗入り口。
元祖いぶきのラーメン麩増し大盛り。
元祖いぶきのラーメン麩増し大盛り。
元祖いぶきのラーメン麩増し大盛り。
元祖いぶきのラーメン麩増し大盛り。
元祖いぶきのラーメン、冷えるとスープ表面の脂が固まってきます。なのにクドいどころがさっぱり頂ける脅威のスープ。
店内風景。
店内風景。
店内風景。一人でこのお店の全てを仕切る女将さんがチラリと写っています。
厨房に立つ女将さん。たった一人でこのお店の全てを仕切っています。
店内風景。
品書き。
店舗外観。
持ち帰った特製ザンギ(800円)。
持ち帰った特製ザンギ(800円)。
持ち帰ったチャーハン(800円)。
持ち帰ったチャーハンをフライパンで温め直し器に移しました。
2024/06/12 更新
2023/02 訪問
弟子屈の魂ラーメン、恐るべきスープ。
※創業年の誤りを修正しました。
人生2回目となる弟子屈の締めをこちらで頂きました。
弟子屈町とは、東京23区のおよそ1.25倍の面積をもちつつも居住人口わずか7,000人弱という「大きな」町。屈斜路湖や摩周湖も町内にあり、釧路川も流れています。
その弟子屈町には「弟子屈ラーメン」という有名なお店もありますが、地元民は誰もが「いぶき」推し。
観光客相手のチェーン店「弟子屈ラーメン」と、そのチェーン店の礎であり地元民に愛される個人商店「いぶき」という、かなりしっかりした棲み分けがなされている様です。
以下前置きが長くなります。ラーメンのことだけを知りたい方は●までぶっ飛ばすことをお勧めしますが、いぶきとは何なのかを知ることも味の内。よろしければお付き合いください。
このお店は他県民のみならず、同じ北海道でも数時間離れた場所に住まう方からは幻のお店と呼ばれています。その理由は、どうやら営業時間の短さ。
昼は11:30〜13:00、夜は18:00〜22:00。夜営業は長めですが、実は弟子屈は日本の鹿猟のメッカーー石を投げれば鹿猟師に当たります。他の走行車もない夜に辺鄙な場所で鹿に激突したら運転者の生死にかかる問題となるわけで、子屈近辺に住まう方以外にとっては、食べたくてもなかなか食べられないラーメン、即ち幻のラーメンなのです。
では地元の方々にとってのこのお店はと言うと、弟子屈唯一の繁華街、ではなく飲食店の集まっているエリア故 ^^;、飲んだ後の締めにこちらを訪れる呑兵衛たちが多々いる様ですーーそもそも1981年創業のいぶきは焼肉屋、続いて炉端焼き屋であった過去を持ちます。ラーメンはその頃からの大人気メニューだったとのこと。また、今でも何種類もの日本酒一升瓶が存在感を持って並べられています。
そんな方々を迎えるのは、ご高齢の女将さん。彼女お一人でこのお店のすべてを仕切られています。
たしかに営業時間は短いですが、スープの仕込みから調理、接客のすべてをこなされているこの女将さんを愛さぬ方が無理というもの。
だからこそこのお店が、弟子屈になくてはならない存在なのでしょう。
2/7(火)11:32、開店直後に友人と訪店。入店すると既に先客一人。我々はカウンター席に陣取ります。
●元祖いぶきのラーメン(1,000円/大盛り+お麩増し)。
私も友人も彼曰くマストなお麩増し、そして私のみ大盛りで。上記価格1,000円はこの日私が支払った値段ですが、普通盛り800円をベースとして、大盛りや具材トッピングの値段には50円程度の揺らぎがあるとのこと。お麩増し+半ライスを頼んだ友人も1,000円の支払いでしたが、同じ内容で前回は1,050円だったと言っていました。
注文から15分ほどで着丼。
刻まれた長葱、メンマ、海苔、焼豚、そしてデフォルトの一つからリクエストで増えた三つのお麩。シンプルで良いです。
そのお味は、うわわわっ!
スープ。
単に豚骨スープの一言では片付けられない、表層を1cmくらいの脂が覆う粘度もある濃厚な豚骨醤油スープです。脂層を通して麺が見える半透明タイプ。
しかし毎日およそ一日煮込んで作られるというこのスープからは、不思議なことに所謂豚骨臭はほとんど感じられません。表面の脂層故に、熱いのに湯気もほとんど上がりません。
ラードなどは一切使われておらず、脂はすべて豚骨由来だそうです。
腰を抜かすほど美味しいスープです。
絶対に欠かせないというお麩増しは、そのスープを吸ってクタッとなったお麩を食べればその必然性に超納得。
また、ライスをもらってそれにこのスープをかけて混ぜて頂くのも絶品な様です。
麺。
縮れ細麺です。このスープを持ち上げる最適解です。
しかしスープのあまりの美味しさに、麺の味をほぼ忘れてしまいました ^^;。
お麩。
固いお麩ですが、あっという間にスープを吸い込んでクッタリします。お麩だけを食べてはいないのでーーそんな人いませんね(笑)ーーお麩の味自体はまったく分かりません。
その他具材の味も、スープを前にほとんど覚えていません、ごめんなさい。
80歳までは引退せずにお店を続けたいとおっしゃっていた女将さんも、もうそろそろそのお歳に近づかれてきました。恐るべき弟子屈のソウルフードを本当の幻になってしまう前に食すことが出来て感無量。
でも、まだまだ頑張って下さい、菅野さん。また伺います。今年、遅くとも来年にはまた。
ご馳走様でした!
いつになく長い店舗紹介となりましたが、素晴らしいスープと店舗を一人で支えられている女将さんに興味が湧き、訪店後に色々とネットを漁って得た(友人も知らぬ)情報を盛り込んでみました(笑。
そもそもその友人に「弟子屈で有名なラーメン店があるじゃん。そこに行きてぇな」と言うと、「あぁあそこね。でもあそこより絶対的に美味い地元民御用達の店があるんだよ」と彼。それが今回の訪店への流れだったのですが、以後謹んで関東地区応援部員を務めさせていただきます。
さて、明日からまた米国です。わずか6日の超短期行って来いですが、また何店舗か紹介出来ればと思っております。乞うご期待 (^^)。
店舗外観。
店舗外観。
女将さん。
元祖いぶきのラーメン(1,000円/大盛り+お麩増し)。
元祖いぶきのラーメン(1,000円/大盛り+お麩増し)。
元祖いぶきのラーメン(1,000円/大盛り+お麩増し)。
スープを吸ってトロトロになったお麩。これがまた素晴らしい。
店舗入り口。
店内風景。
厨房風景。
メニュー。
店内風景。
店内風景。
友人もその存在を知らなかったという、いつかきっと弟子屈で、というご当地キャラ(笑。
ご当地キャラ、いつかきっと弟子屈で。
ご当地キャラ、いつかきっと弟子屈で。と卓上調味料。
店舗外観。
2025/09/17 更新
想像だにしなかった異常事態のおかげで我々は再び弟子屈へ。
ということで7月中旬の火曜日11:43、我々はいぶきの専用駐車場に立っていました。そう、終わったはずの'25年いぶき詣での泣きの一回が実現したのです(^^)。
元祖いぶきか味噌かという究極の二択の狭間で悩むはずが、友人と妻があっさりと味噌を注文。
ならばと、調理手間を考え私も味噌にするよと女将さんに伝えると、ありがと〜と言って調理を始めます。
ということでこの日の注文は以下のとおり。※価格は税込み。
友:●みそラーメン(1,100円)。
妻:●みそラーメン+麩増し(メニュー上は1,100円+100円)。
私:●みそラーメン+麩増し+大盛り(メニュー上は1,100円+100円+200円)。
私にとっての二度目となるいぶきのみそラーメンはやはり実に美味しい。
端的に言えば豚骨醤油味噌ラーメンですが、元祖いぶきのスープに味噌を加え少々味変といったものですから、一口啜れば口の中に広がるのはいぶきならではの味、歴史の味。
1981年創業のいぶきは、2000年代初頭に現店舗へ移転、業態も焼肉屋から炉端焼きへと転換しましたが、その当時から締めの一杯としてラーメンが人気だったようですーーその後2007年頃にラーメン店へと業態転換。
21世紀になってからでも既に四半世紀が過ぎようとしており、その間にもいぶきのラーメンが様々に味の変遷を経てきたことは想像に難くありません。私は直近3年間の味しか知りませんが、その歴史の積み重ねが美味しくないはずがありません。
そしてその3年間の間にも、ほんのわずかずつであれ味が変化してきているように思われます。具体的には、スープの濃さが極々微妙にマイルドに、そしてスープ表面を覆い尽くす豚骨由来の脂層の厚みが年に0.5mmずつ(笑)薄くなってきている様な。
ーー創業以来変わらぬ味などというものが本当にあるとすれば、それは時の流れから取り残された過去の遺物。料理でも人でも、変化し成長して初めて味が出てくるものだと思うのですが、如何でしょう。
この45年間店を切り回されてきた菅野さんも今年いっぱいで引退予定。お店は続きますが、自分でも大好きで毎日の様に食べるという彼女の作るラーメンは、今、進化の頂点に怠惰したとの言えるのかもしれません。
本当にお疲れ様でした。
この日のお支払いは妻と二人分で2,200円。今日はどうやら麩増しと大盛り分が請求されなかった様です(笑。
ご馳走様でした、本当に美味しかった!
<追記>
‘25年9月現在、新たに女将となる方が、引き継ぎなどのため菅野さんと一緒に店に立たれているそうです。