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昼の点数:4.4
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 4.4
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|サービス 3.5
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|雰囲気 3.5
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|CP 3.3
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.4
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| サービス3.5
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| 雰囲気3.5
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| CP3.3
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| 酒・ドリンク- ]
正しい蕎麦店
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二色もり(1,100円)2024年5月
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蕎麦湯2024年5月
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外観2024年5月
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2024年5月
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2024年5月
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2024年5月
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2024年5月
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2024/06/08 更新
水道橋近くの蕎麦店です。
お店は、水道橋とお茶の水の間、インテリジェンスな古い街らしく、近隣には出版関係の中小企業の多い場所にポツンとあります。
近隣に飲食店はまったく無いわけではありませんが、商店街のようなものは形成されておらず、点在している印象です。
住居兼店舗といった感じの建物で、シンプルに白い暖簾がかかっていますね。
店内は、2人用と4人用のテーブル席が数卓、有名店の割には小さなお店で、ランチタイムのピークは過ぎているはずですが満席でした。
雰囲気はちょっと上品な蕎麦店ですが、壁に掲げているメニューがすべて筆で書かれているあたりに情緒を感じますね。
また、入口付近にある水槽は観賞魚を飼うものではなく、生け簀の役割なようで車海老がいました。
メニューですが、もりで1,000円というちよっと高めの設定です。しかし、お店の奥には蕎麦を打つスペースがあり、店内で手打ちしているのがわかります。食べてみれば、この価格であることに納得できるでしょう。
2色もり、合いもりあたりが常連さんの人気メニューではありますが、フォトジェニックでメディアが取り上げられることが多いからか、鮎の冷やがけ(2,300円)を注文する人が見受けられます。
余談ですが、『冷がけ』とは、茹でた蕎麦を冷水で締めたものに冷たい汁をかけたもの。讃岐うどんで同じ調理法をした場合は『ぶっかけ』と言います。
讃岐うどんブームの後に蕎麦に対してもぶっかけと呼ぶ人が出てきましたが、それは蕎麦の食文化を知らない人の言葉ですね。
ちょっとしたことですが、こういう食文化を大切にしているあたりも名店の証であり、好印象です。
いただいたのは、
■二色もり(1,100円)
この日の二色は、生粉打ち(蕎麦粉100%)と紫蘇打ちでした。
旬を味わうのは、「走り」と「名残」を楽しむもの。「盛り」ではないのです。
紫蘇は、4月に芽を出し、初夏から夏にかけて旬を迎えます。露地栽培で関東地方なら5月では本葉が4枚ぐらいの頃でしょう。まさに「旬の走り」です。いいお店はわかってらっしゃるので、こういうメニューなのでしょう。
また、「大葉」ではなく「紫蘇」という表記もいいですね。「大葉」は青紫蘇を愛知県豊橋市の農家がブランド化するために名付けたものです。正しくは、「紫蘇」です。
鮎のひやがけも気になるところですが、蕎麦と向き合うべく、二色もりにしました。
つけ汁は濃口と淡口が選べます。淡口のほうが塩気は強いと丁寧に説明書きもあります。
江戸の蕎麦は濃口と相場が決まっているので悩むことなく濃口を選択です。
生粉打ちは、本物の蕎麦という味がします。蕎麦の香りをはっきりと感じますが、外殻を含まないので洗練された香りです。生粉打ちと田舎そばとの違いは、白米と玄米のような感じです。
食感もしっかりしています。これを食べると、町のお蕎麦屋さんの白い蕎麦が更科ではなく、小麦粉が多いということがわかるでしょう。
柔らかくて香りも少ないのは小麦粉が入っているもので、こちらの生粉打ちを食べれば、本物を学べます。
薬味は、わさび、ネギ、ゴマ、大根おろしがありますが、せっかくの風味を失いたくないので、使わずにいただきました。
紫蘇切りは、細かく緑色のものが見え、青紫蘇が入っているのがわかりますね。
食べれば、食感は生粉打ちとさほど変わらず、しかし、香りは紫蘇の爽やかな風味が広がります。
これも薬味を使うのはもったいないですね。紫蘇が薬味です。
紫蘇はそうめんを食べるときの薬味のイメージがありますが、蕎麦との相性もいいでしょう。自宅でも蕎麦に合わせてみようと思いました。
つけ汁は、かえしの鰹が香る、いいものですが、真価を発揮するのは蕎麦湯のときですね。
鉄瓶で提供される蕎麦湯は、 トロトロです。これを入れると、つけ汁から出汁の香りが広がります。薬味を入れて蕎麦湯をいただくと、上質なスープのような味わいです。
ちなみに薬味のわさびは、本わさびをお店で擦っていますね。香りが違います。
真剣に蕎麦と向き合えば、シンプルなれど美味しくて、日本固有の食文化を感じられます。
接客をする年配の女性の対応がおもしろいですね。
けんちんそばを頼んだお客さんは、「今日は暑いでしょう?ざるそばとけんちん汁にしなさい」と注文を変えられていました。おそらく、お客さんはその日の気分で食べるものを決めたのではなく、「ここのお店でけんちんそばを食べるぞ!」と決めてきての訪問だったでしょうに町のお蕎麦屋さんの常連さんとのやり取りのような感覚でメニューチェンジです。
女性のひとり客が、鮎のひやがけと二色もりを頼むと「どちらも蕎麦だけど、本当に食べきれるの?」と聞きます。遠方から来たのならば、名店の名物を満喫したいから2品頼んでいるのに多くて食べられないだろうと心配してのことでしょう。
このやり取りでお客さんも緊張してしまったようで、次の質問の「どちらから?」に対し「北海道からです」との回答。
ひやがけか、もりか、どちらから先に食べるのかという質問だったのですけどね。
真摯に取り組んだ結果、名店となって有名になり、一見さんの多くはネットで調べてきているのにそのあたりの理解が無いようで、無自覚のまま、おもしろくなっています。
蕎麦打ちだけでなく、メニューの名前、旬の素材を使うところも含め、すべてにおいて正しい蕎麦店ですね。
美味しい蕎麦が食べたい人におすすめできることはもちろんですが、正しい食文化を学びたい人にもおすすめのお店でしょう。
蕎麦通を気取るなら、まずは、ここで学ぶといいですね。私も勉強させてもらいました。