3回
2022/11 訪問
薪火と素材と創作力
昨年に引き続き、同時季のご訪問。
今回の京丹後は、間人蟹の購入とこちらでの食事が目的です。
薪の炎が見えるカウンター、間が空くと思わず炎に見入ってしまいます。
今回の品々はこちら。
【にえばな】
アルデンテのお米。
いつにも増して良い硬さです。
【セコ蟹と焼き野菜】
昨年も悶絶したお料理。
セコ蟹の美味しさもさることながら、薪で火入れした野菜がえらく美味しい。
【鯛の昆布締め】
野菜との合わせ具合が良いですね。
和風カルパッチョのよう。
【甘鯛とムキタケのお椀】
こちらにしては、出汁感がしっかりした吸い地。
素材とも合って沁みるお味。
【穴子としめ鯖の寿司】
穴子としめ鯖それぞれが主張し過ぎないバランスの妙。
【キハダマグロとカンパチ】
芥子酢醤油で頂きます。美味しいのですが、他が好み過ぎて印象が薄れてしまいます。
【鰆の焼き物】
赤酢の酸味と薬味のバランスが良い。
思わずうんうんと頷いてしまう。
【カジキマグロの味噌漬け】
味噌漬けにすることで水分が抜けて旨味が強くなってるのかな。
食感もハムの塊のよう。金平牛蒡のソースも良いなぁ。
【ウスバハギの和物】
ウスバハギの心地良い食感。
肝とは知らずに無造作に口に運びましたが、後にとっておけば良かったと後悔。
【蟹と白子の米粉揚げ】
これは、もうズルいと思ってしまう。
今回、一番印象残りました。
海老芋もシンプルなのに、なんでこんなに美味いのか。
【穴熊とシロノハイイロシメジのお椀】
しっかりした量の穴熊を食べたのは初めて。
終盤の提供でしたので、脂身が少し重たく感じました。
【ブダイのお焦げご飯】
不細工なのでブダイだそうな。
満腹でしたが、口が欲するので2回お代わり。
【シャインマスカットの干し葡萄】
自家製とのこと。
シャインマスカットの干し葡萄は頂いたことはありますが、レア感のあるのは初めて。
一緒に出して頂いた黒文字とニッキのお茶が凄く合う。
総論、大満足です。
今回はこれまでの中で一番素晴らしく感じました。
いわゆる高級食材でなくとも技術や創作力で素晴らしいお料理に。
こちらに来ると、食材の相場価格と料理としての満足度は必ずしも比例しないと改めて感じられます。
お隣のお客さんは立派な蟹のお料理でしたが、全く羨ましく感じませんでした。
むしろ色々な食材を楽しめてこちらの方が良かったと思えたぐらいです。
久しぶりに気持ちが高揚するお料理が頂けました。
2022/12/04 更新
2019/06 訪問
素材の味が引き立った品々
随分前から行ってみたかった此方。
一方で、これまで和久傳系のお店とは今ひとつ相性が良くなくて、どうかなぁと思っていましたが、結論として杞憂に終わりました。
この日は伊根の舟屋に泊まった翌日、天の橋立を経由して到着。
今回、頂いた品々は此方。
【前菜】
・鮑、水茄子とアワビの肝醤油
【揚げ物】
・稚鮎、ズッキーニ、人参と玉ねぎ甘酢漬け
【お造り】
・チカメキントキ、黒ムツ、アラ
【椀物】
・きじはた、白瓜、じゅん菜
【焼き物】
・金目鯛、トマトと玉ねぎのソース
肉厚な金目鯛の火入れ具合がとても良いです。
【野菜の炊き合わせ】
・ヤングコーン、筍、フリルレタス、万願寺唐辛子。金目鯛で取った出汁が濃厚で美味。
【タコともずくの冷たいお吸い物】
【賀茂茄子の雲丹醤油あんかけ】
・一転して濃い味付けですが、あんと揚げ茄子の相性が良く、お酒を頂きたくなる品。
【太刀魚のご飯】
・三つ葉、山椒、牛蒡で良い香りづけと食感。
【水菓子】
・和三盆のアイス、煮梅
総じて、出汁や塩分はとても控えめで、素材がひき立ってます。
これまでもこういったタイプのお店は多々ありましたが、経験した中で一番かもしれません。
ともすれば素っ気なく感じそうですが、素材の風味や香味野菜などによる香り付けや食感の妙で、まとまりがあり、満足度が高い品々に仕上がっています。
ある意味エッジが効いていて、私にとって、こういうお店はとても魅力的です。
決してアクセスがいい所とは言えませんが、これからも足を運びたいと思えるお店です。
2019/07/05 更新
ほぼ一年ぶりの縄屋さん。
10月の訪問は初めて。
京丹後の旅は、途中、竹中罐詰でオイルサーディンの缶詰、飯尾酒造で富士酢のまとめ買いなど、食材購入が中心です。
この週は弥栄窯がお休みでカンパーニュやブリオッシュなどが買えず残念。
旅のメインは縄屋さん。
今回頂いた品々はこちら。
【アオリイカの一品】
蕪の葉っぱを擦って酢で和えたペーストと頂きます。
毎回思うことですが、ローストした小蕪が美味い。
【甘海老と人参の葉っぱのかき揚げ】
かき揚げがお菓子のよう。
甘海老と一緒に頂くと、油のコクが加わります。
新鮮な組み合わせで、とても印象に残った一品。
【ウスバハギと煮凝りポン酢】
肝は大切に食べたくなる美味さ。
【のろげんげとシメサバの寿司】
げんげは初めて頂きましたが、上品で穴子のようにふんわりした食感。
ヌルヌルした粘膜も出汁で割ってチュルっと頂きました。
少し身構えましたがクセもありません。
【くえのお椀】
少しコラーゲン質なクエの身質とオオモミタケの出汁が相まって滋味深い。
【芭蕉カジキのこなれ鮨】
こなれ鮨はこちらのオリジナルとのこと。
発酵させた飯のようです。
【クロシビカマスの焼物】
からし水菜、ルッコラ、赤水菜などを添えて。
富士酢でしょうね、すっきりした酸味。
【白カジキの味噌漬け】
味噌に漬けてから蒸しているそうです。
カジキの食感が心地よい。
【バイ貝と菊菜のおひたし】
こなれ鮓の付け合わせの蔓紫もそうですご、何気にこの菊菜の茹で加減も何ともいい具合なのです。
【紅ずわい蟹の蕎麦粉揚げ】
紅ずわい蟹を蕎麦粉の衣で揚げています。解いた蕎麦粉がポタージュのよう。
海老芋の衣は米粉。
これは美味かったなぁ。
【アミタケのおこげ】
アミタケの他、イサキも。
卑しく3杯お代わり。
【シャインマスカットの干し葡萄と黒文字茶】
水菓子も含めると12品。
昨年に頂いた品と同様の料理が多かったものの、とても満足。
野菜と魚介類の組み合わせの妙は唯一無二ではないでしょうか。
今後も定期的に伺いたいお店の一つです。