レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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2位
1回
2015/07訪問 2015/07/17
浅草へはよく行くにも関わらず、ずっと未訪だったお店に念願かないお邪魔してきました。
今回は、前日に営業の確認の上、昼の開店時間12:00に予約をしました。
開店10分前にお店の前に着くと先客はどなたもおらず正真正銘の1番乗りです。
緑が多く粋な外観は、雷門のうなぎ屋『色川』や『初小川』に通じるものがあります。『色川』といえば、昨年亡くなったオヤジさんはチャキチャキの江戸っ子で美味い鰻を作ることが最優先。普段は軽妙洒脱なトークをしながら鰻を焼きているのですが、無粋とあらば客でさえも怒鳴り飛ばすような方でしたっけ。私は先入観を持たないために訪問前はあまり他の方の投稿などは読まないのですが、こちらはワクワクが強すぎて少々読んでしまいました。すると絶賛の声とともに長時間待つとか女将さんを怒鳴る声が聞こえるとかネガティブな声もちらほら。
妻と待ちながら「こちらのご主人も色川のオヤジさんのような方なのかもね?」とおしゃべりをしていると開店の5分ほど前に玄関の引き戸が開き、女将さんが店内へ案内してくれました。玄関を入ると左側には腰掛と素焼きの灰皿、右手はトイレがあり、もうひとつ引き戸を開けて店内です。店内右側の小上がり席は、足を伸ばしてゆっくりと寛げる掘りごたつのような座卓が3つ。座卓の間は洒落た衝立で仕切られています。
左手には2人掛けのテーブル席が2つ。空いたスペースには、粋な調度品と壁には味のある毛筆で書かれた書が架かっています。
女将さんが、温かいおしぼりとお品書きを書いた扇子を持ってきてくださいます。
「おそばは、せいろ、そばとろ、せいろ天もりの3つしか出来ないんです。昔はいろいろ作っていたんです。お父さんのやる気はあるんですよ。でも、お父さんも70を過ぎておそばのように細く長くいきましょうね。私が言うんですよ。ごめんなさいね。」ととても上品におっしゃいます。
「わかりますよ、女将さん。自分も職人のような仕事をしてますから。50を過ぎて、経験を積むことで技術は上がってやる気はあっても根気が続かないなぁって感じることがありますから。女将さんは旦那さんを愛していて、良い仕事をしてほしいと願っているのですね。」と心の中でつぶやきます。
蕎麦前にビールとそばやきみそ、粗挽きそばがき。おそばはそばとろとせいろ天もりをお願いしました。
壁に架かっている書を見まわしていると、以前作っていたであろうお品書きに交じって一茶庵の創始者である片倉康雄さんの友蕎子の号が入った書があります。女将さんにお尋ねすると「ここに飾ってある書は、みんな大旦那さんに書いていただいたんですよ。大旦那さんには、以前の柳通りの店もこの店の造作も考えてくださったんです。」とおっしゃいます。
なるほど!こちらのご主人は片倉康雄さんの元で修業された方だったのですね。
まず、そばやきみそとビールを女将さんが運んできてくれました。中の蕎麦の実が香ばしくて、とても美味しいそばやきみそだと思います。
後で聞いたのですが、箸置きなどはご主人自ら竹に細工を施し、作ったそうです。
続いて陶製の鍋に入った粗挽きそばがきです。滑らかでモチモチした食感は、私の好みです!味も山葵や調味料もいらないほど私の好みです。ただ、残念だったのはパクパク食べてしまったために、この日の朝、ご主人が大豆を煎って手作りしたというきな粉がいただけなかったことです。まあ、きな粉は次回のお楽しみということで(笑)
女将さんが、熱々のそば茶を持ってきてくれました。
「おそば、お待たせして申し訳ありません。もう少しで出来上がりますからね。」と後から来たお客さんが先におそばを食べていることを気にしているようでした。
あら、気づきませんでしたよ。しっかり、そばやきみそと粗挽きそばがきを堪能していたものですから(笑)
それよりこのそば茶は美味いです!お蕎麦屋さんで食後に出されるそば茶はおうすが多いですが、このそば茶はお濃茶です。蕎麦の味もしっかりします。
天ぷらとそばとろのつゆです。
天ぷらは、正にサクサクでカラッと揚がっています。しかも時間が経ってもしんなりせずにサクサクしています。並の天ぷら職人では敵わないのでは?と思うほどです。
そばとろのつゆはメレンゲのようです。やはり時間が経ってもフワフワで分離しないのはすごいの一言です。
真打のおそばの登場です。
そばとろには、ネギと山葵の薬味がついてきました。
せいろ天もりのおそばの薬味は、ネギと辛味大根です。
見た目にも美しいザ・生粉打ち蕎麦です!
新蕎麦がある程度熟成した時期でお店の照明が食材を鮮やかに照らすものだったら?さぞや美しいでしょう!
まず、何もつけずにおそばだけをいただきます。
生粉打ち蕎麦なのになんと滑らかな喉越しなのでしょう!水切りの具合も丁度良いのでつゆも薬味もつけずにほとんど食べてしまいました(汗)
つゆは強いかえしを使っているわけではないのに出汁を上手く包み込んでいます。これならば、山葵は必要ありません。つゆにつけるときの絡みを良くするために大根おろしだけなのは納得です。
こちらの蕎麦湯は、白濁しておらず透明に近いさらっとしたタイプです。しかし、つゆに割ると滋味深い味に変わる魔法の蕎麦湯です(笑)
蕎麦を食べるときに使わなかった山葵をちょっと舐めるととても滑らかで甘みの後からピリッと辛味がきます。良い山葵を丁寧におろしていることがわかります。
後からいらしたお客さんも帰ってしまい、私たちだけになってしまったのでご主人も厨房から出てきてくれました。中にいらしたときとは打って変わって柔和なお顔です。
ご主身を聞くとお父様は吉原で履物屋さんをしていたそうです。やはり、下町の職人さんの系譜なのですね。
私たちが行った蕎麦打ち教室の主催者とご主人は懇意にしていて話が弾みました。その方を通じて岐阜・下呂の名店『中佐』のご主人にも刺激を受けたとおっしゃっていました。
有難いことに片倉康雄さんがご元気な頃の貴重な写真も見せていただきました。ご主人や八王子の『車家』ご主人が片倉さんに指導を受けている写真のそばにこちらの女将さんが蕎麦を打っている写真もありました。想像通り若い頃の女将さんはとてもお綺麗な方でした。
「女将さんの言葉からはご主人を愛してる様子がとても伝わりましたが、実はご主人の方が惚れてますね。」と言うと「よせやい。」と頬を赤らめる少年のような顔。「図星ですね?!」一同、爆笑です。
表面は下町の頑固職人でその実、女将さんの手のひらの上で師匠を敬愛し、蕎麦道を自由に歩む少年のようなご主人を垣間見ました。
お腹も心も満たされ、2時間近くの間、本当に楽しいひとときでした。有難うございました。
3位
4回
2017/08訪問 2017/08/11
【土用の丑の日の行事食】
夏の土用の丑の日に食べるものというと、うなぎが好物でない方も一番に浮かんでくるのは「うなぎ」であろう。
夏の土用の丑の日に鰻を食べる習慣についての由来には諸説あるが、平賀源内が発案したという説がよく知られている。
最も一般的な話としては、夏にうなぎの売れ行きが悪いうなぎ屋が、平賀源内の元に相談に赴いた。源内は「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、そのうなぎ屋は大変繁盛した。その後、他のうなぎ屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日にうなぎを食べる風習が定着した、というものである。
一説によれば「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習があったとされ、うなぎ以外には瓜、梅干、うどん、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)などを食する習慣もあったようだ。
【鰻専門店の鰻と牛】
『鰻はし本』四代目・橋本正平さんは、次々と画期的な試みにチャレンジしている方である。
店で使う活鰻は、同店のフラッグシップブランド「泰正オーガニック鰻」を鹿児島大隅の泰正養鰻から直引きしている。
泰正オーガニック鰻が入荷しない時は取引先の鰻問屋から好みの養鰻場を指名して買い付けるというこだわりようだ。
使う魚は鰻をはじめ川魚に特化しているのも特筆すべき点である。
また、川魚以外の食材もオーガニックにこだわり、極力自家調理にこだわりを見せる。
その橋本正平さんが、江戸から続く「土用期間には“う”のつくものを食し滋養を得よ。」の考えに基づき、〈うとうの丼〉を土用の間だけ限定で提供するという。
『鰻はし本』こだわりの鰻の蒲焼に神戸で3代続く『ゆさか精肉店』がこの丼だけのために〈ミスジ・サンカク・バラ〉を特別にブレンドした牛肉と有機玉葱で作る究極の〈鰻と牛の丼〉
これは食べに行かねばならない。
【川の滋味】
昼、夜限定5食のみの〈土用丼〉
すでに夜は予約で満席とのことで昼の部を目指して出陣する。店の前に10時半に到着。一番乗りだ。
開店準備をしていた橋本さんに「早っ!」と言われながら11時の開店を待つ。
待つのもうなぎ屋を訪れる醍醐味のひとつなのだ。
席に案内されて、まず出されたのが〈鯉のお椀〉
橋本さんが、再び鯉と向き合う時間を作り「鯉と塩」で仕立てたお椀ということだ。
鯉は泥臭いというイメージを覆す逸品。
鯉の旨みだけを凝縮し、川の香りだけをほんのり残す。
そして、牛蒡とオクラの風味が良いアクセントになっている。
川の滋味が溢れている。
土用蜆があるのだから鯉を土用に使うのも有だ。
〈鯉する土用椀〉というネーミングは如何だろうか。
カミさんと2人で行って、〈土用丼〉限定5食のうち2つをいただくのはさすがに気が引ける。
もう一つは〈鰻重〉をお願した。
お椀は〈赤だし〉
〈鰻重〉に使用の鰻は宮崎佐土原「和匠うなぎ」の新仔ということだ。
すっきりした脂にねっとり感は新仔らしい新仔である。
『鰻はし本』さんへ伺うたびにタレが美味くなっているように感じる。
ベテラン職人さんの
「タレは年数でなく、どれだけ良い鰻をくぐらせたかだ。」
という言葉を思い出す。
【〈土用丼〉を食す】
有機野菜が美味しい〈サラダ〉
器の模様が鰻のようでニッコリ。
ついに登場 〈土用丼〉
橋本さんが教えてくれた、この日の〈土用丼〉のスペックは以下の通り
鰻:宮崎青木養鰻場新仔3.5P牛:熊本県菊池市産「和王」共励会最優秀賞ミスジ/サンカク/バラ/ヤリをゆさか精肉店が独自ブレンド玉葱:北海道産有機マスタード:大分県香々地産(自家漬)紅生姜:有機梅酢(自家漬)
これだけの食材を使い、手間をかけて、税別3,700円。
素人ながら原価率が心配になる。
さまざまな部位の牛肉の食感を楽しめて、牛本来の旨みに有機玉葱の旨さのデュエット。
そこに太物の新仔鰻のボリューミーでふわとろな食感と爽やかな脂の旨みとタレの旨みも加わり、ひとつの丼の中で旨みのカルテットを奏でる。
自家製のマスタード、紅生姜は味の変化や箸休めにもってこい。
高スペックの〈土用丼〉は、ポールポジションから一気にゴールへ駆け抜けた。
鰻専門店の本気度を余すところなく、鰻喫させていただいた。
〈土用丼〉は、秋の土用に再会できるのか、はたまた来年か。
橋本さんの斬新な企画に今後も期待したい。
うなぎ断ち『断ち物』という自分が好きな物を断つことで願いを成就しようとする願掛けの方法をご存知でしょうか?
願いが実現するまで、もしくは自分が決めた期間内まで好きな物を断つのです。
諸般の事情で内容は詳しく書けませんが、お盆休みが明けたころに自分の力ではどうにもならないことが起きてしまいました。
出来ることといえば、ただただ事態が好転するようにいのるだけ…。
そんなときにたまた『断ち物』を知りました。
特別、信心深いわけでもないのですが、いたたまれない気持ちから2か月と期間を区切って始めることにしました。
うなぎ大好きなので、もちろん断ち物は【うなぎ】です。
断ち物の問題点を上げるとすれば挫折しやすいところでしょうか。
特に好きな物であればあるほど、もしくは習慣になっていればなっているほど、断ち物は失敗しやすくなります。
元来、意志の弱さから逃れるためにこのサイトの更新やうなぎ関連のSNSも中断することにしました。
すると多くの方からご心配のメッセージを頂戴しました。
メッセージをいただいた方に事情を記して返信をすると今度は励ましのメッセージをいただきました。
感謝してもしきれない有り難さです。
メッセージをいただいた方や事情を伝え聞き、ご心配、応援をしてくださった方々にこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。
~祝回帰仕立て~八重洲『はし本』四代目の橋本正平さんからは、いち早くご心配のメッセージをいただいたのと1時間ほどで帰宅できる利便性から再開する際は最初に伺いたいと思っていた。
伺う1週間ほど前に私に付き合って2か月間うなぎを食べずにいてくれたカミさんと2人で「特別誂え」の予約が可能か?問い合わせると快く予約を受けてくださった。
ワクワクした1週間が経ち、いよいよ当日。
予約時間の少し前に東京メトロ・日本橋駅A7出口から地上へ出て、何度か通った『はし本』さへんの道を進む。
街のネオンまでも煌めいて見える。
うなぎだけでなく、この2か月は仕事場と自宅の往復がほとんどで、都内へ来るのも2か月ぶりだからだろうか?
ファミリーマートの角を曲がって『はし本』さんの店前へ。
”うなぎ”の文字までも懐かしく感じられる。
お店に入ると、用意してくださっていた2階の個室へ案内される。
部屋の卓の上には
ーうなぎ大好き様 祝回帰仕立てー
と記された特別のおしながきが用意されていた。
橋本さんの心遣いがとても嬉しい!
橋本さんがいつものようにこれから割くうなぎを持って来てくださった。
特別誂えでもこの日限りの献立を用意してくださったことにお礼を言って、うなぎの説明をしていただく。
この日のうなぎは『宮崎佐土原和匠うなぎ』
佐土原和匠うなぎは宮崎県宮崎市佐土原町の養殖場、高木養鰻場・齋藤養鰻場、高須水産が鰻本来の美味しさ、天然うなぎ以上の栄養価を目指し品質改良を行い養殖した鰻です。
和匠うなぎは「安全な水」、「安全な飼育」、「安全な商品」3つの安全によって養殖しています。
(宮崎砂土原和匠うなぎHPより要約引用)
とても可愛い顔をしているうなぎです。
こんな可愛いうなぎをいただくのは残酷と思う方もいるかも知れません。
しかし、私たち人間は他の生物の生命をいただいて、生きていく存在なのです。
多くの方が「いただきます。」と手を合わせるのは、感謝と慎みの証ではないでしょうか?
私の知っている養鰻家の皆さん、鰻専門店の皆さんは、より安全でより美味しくを目指しています。
それは人間の欲望を満たすためにしているのでしょうか?
私の答えは”否”です。
大切な生命をいただくのですから生命を粗末にしないために愛情を以て育て、愛情を以て調理する結果だと思うのです。
鰻供養や放生会が各地で催されているのはその証拠のひとつだと感じています。
うなぎが絶滅危惧種に指定されて以降、絶滅危惧種を食べるのはいかがなものか?という意見を耳にします。
では、絶滅危惧種に指定されていない生物は貪り食べて良いのでしょうか?
もちろん、そんなことは許されざる行為です。
他の生物も住みやすい環境にすることや種を守るために制限を設けることは必要だと思います。
一方で食べるために育てられた生物は、貪ることなく、感謝と慎みの心を以ていただくことが生命を粗末にしないことだと私は思います。
賛否両論あると思いますが、これがうなぎ断ちをしている最中に私が思った今のところの考えです。
先付 わかさぎ酢橘南蛮漬
わかさぎの美味しさにシャキシャキした食感のセロリと人参が酢橘の酸味に融合しています。
まず、お願いしたお酒はサッポロビールの”無濾過”プレミアム樽生ビール「白穂乃香」
「白穂乃香」は、、活きた酵母をそのまま残しているので徹底した品質管理が必要なため、こだわりをもった厳選店でしか飲めない。
自宅近くでは提供しているところがないのでビール好きのカミさんに飲んでほしかったのだ。
心臓酒http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/10/hashimoto01.mp4割き立てのうなぎの心臓はピクピク動いています。
そこに日本酒を注ぎ、一気に飲み干す。
うなぎの血には毒があるので、噛んではいけません。
肝わさ
肝わさが来たところで日本酒をお願いすることにする。
『はし本』さんでは、日本酒のチャート表が用意されていて好みや料理に合わせたお酒が選べるようになっているが、日本酒愛好家である橋本さんに聞くのが一番である。
お勧めは、島根・王禄酒造の「超王禄」
辛口でキレがあり、芳醇な味わいの美味しい酒だ。
王禄酒造・石原丈径社長の「超王禄のお知らせ」の文章に感銘深い言葉があるので、転載させていただく。
「王祿 今を超えてゆく為に」
酒は単なる嗜好品ではなく人と人を繋ぎ心を和らげ慰めるそして時には大きな支えとなり力を与える
その役割は非常に重いものだと考えます
科学の進歩と共に日本酒醸造技術もめざましい進歩を遂げ続けています
だが常に普遍であり続けなければならないものがあるとすれば
それは造り手の志のみであると言えるでしょう
この言葉は、酒のみならず、どんな仕事にも共通の理念ではだろうか?
橋本さんの料理をいただいていても心が和らぎ、エネルギーをもらえるのは同じ理念があるからだと感じる。
お酒をいただいていて、カミさんがふと「酒器はどうしてガラス製なのかしら?」と言う。
橋本さんにお聞きすると、冷酒の酒器は友人でもある東京・湯島の『木村硝子店』のものを使っているそうだ。
ひとつひとつ丁寧に職人さんが作った極薄のガラス酒器は、唇が触れた時の違和感が全くなく、シンプルにお酒の味を楽しむことができる。
酒器にしても縁を大切にして、共通の理念を求める橋本さんのこだわりが垣間見えた。
鯉こくhttp://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/10/hashimoto02.mp4信州出身のカミさんには、鯉こくが出るのは嬉しいサプライズだったようだ。
信州では、鯉は馴染み深い魚でお祝いの席などには必ず供される。
特に江戸時代から養殖が始まったといわれる佐久鯉は現在も信州・佐久の名産品である。
丁寧に育て、調理された鯉料理は、臭みもなく、脂肪が適度に乗って美味しい。
今回、はし本さんで初めて鯉こくをいただいたが、鯉の滋味を残しつつ洗練された仕上がりは川魚にこだわったはし本さん自慢の逸品だと思った。
うなぎ骨せんべい
意外に手間のかかる骨せんべいの割き立て揚げ立ては格別だ。
くりから焼
「くりから焼の塩って珍しいわね。」とカミさん。
くりからはある意味、うなぎの美味しいところをギュッとまとめて串に刺したもの。
「今日のうなぎの旨さを楽しんでください」というひと品だと自分は思う。
顔を出してくれた橋本さんにカミさんが「塩がなくてもいいくらい美味しいですね。」
「塩なしでも充分美味しいと思いますが、塩をして焼くと旨味が引き出せます。後から塩をするのとはまた違います。」と橋本さん。
正に塩梅だのだろう。
肝焼
「肝焼だけはお見せしたうなぎ以外の同じ和匠うなぎの肝を使用しております。」と丁寧に説明してくださる。
うざく
酢の物好きのカミさんは
「あ~この酸っぱさが、肝焼のほろ苦さをリセットしてくれる。」と微笑む。
肝焼の余韻を十分に楽しんだ頃合いに〆のお食事の前に出されたうざく。
カミさんと同じく、献立の配慮を感じる。
有機野菜のお漬もの
はし本さんの有機野菜のお漬ものは、いついただいても美味いっ!
こと、人参は人参嫌いも治るのではないか?という甘さと旨味を感じる。
美味しい有機野菜を仕入れ、橋本さん自ら正に手塩にかけて漬けている。
さらに奈良漬も無農薬の瓜を使用した奈良漬を千葉・香取の「寺田本家」から”自然づくりの奈良漬”を取り寄せるというオーガニックへのこだわりが、食べる側の心を打つ。
鰻重 肝吸 宮崎佐土原・和匠うなぎ
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/10/hashimoto03.mp4はし本さん秘伝の江戸前のキリリとしたタレが天然鰻よりも脂質、旨味成分が豊富な飼料で育てられた和匠うなぎにとてもマッチしている仕上がり!
素材を活かした調理に感謝!
2か月ぶりの鰻重ということもあって、鰻面の笑みがこぼれる。
はし本さんでは、どこの養鰻場で育てられたうなぎかを知らせている。
今回は「宮崎佐土原和匠うなぎ」だったが、来週1週間は鹿児島大隅「泰正オーガニック鰻」の提供だという。
ブランド志向によって付加価値を設ける訳ではなく、生産者の顔の見える関係を食べる側にも知ってほしいとの思いからだということが話していて伝わる。
米や野菜も以前は生産者はもちろん産地すらわからなかった時代がある。
現在は、生産者を写真付きで紹介している店舗をよく見かけるようになった。
私の知っている養鰻家は、安全はもちろん、水や飼料に工夫を凝らして美味しいうなぎを育てようとしている。
私は、養鰻家の鰻愛を受け止めるためにもはし本さんのように養鰻家が見えるようにするのは大歓迎である。
果もの 柿(奈良)
食事の後、橋本さんにはうなぎ談義にたくさんお付き合いいただいた。
鰻愛あふれるお料理にお気遣いに心より感謝申し上げます。
うなぎ断ち明けにお腹も気持ちも鰻福になって家路についた。
名古屋でうなぎ・日本料理店を展開するしら河グループの社長の弟さんで『しら河今池ガスビル店』店長を務める森田恵次さんから
上京するので、うなぎ屋さんか東京下町のディープな居酒屋さんへ行きましょうとお誘いを受けた(^-^)
3月に名古屋でお会いした時に、東京か名古屋でまたお会いしましょう!という約束を守ってくださった。嬉しい限りである!
森田さんの行きたいことろをお聞きすると、いろいろ行きたいけれど今回は『はし本』さんへ行きたいとおっしゃるので即決まり!
森田さん自ら『はし本』さんの「特別誂え」を予約してくださった。
当日、約束の時間少し前に着くと
森田さんから「中に入っています。」とのメッセージがあり、店内へ。
橋本さんにご挨拶をすると2階の奥の部屋だというので2階へ上がる。
設えが和ませてくれる。
森田さんに再会のご挨拶をしていると、橋本さんがこれから「特別誂え」で割くうな様を持ってきてくれた。
本日のうな様は、鹿児島大隅の『大和水産』で育てられたそうだ。
橋本さんも好きな養鰻場のひとつだそうで、好きな養鰻場のうな様は同じ飼料会社という共通点があるそうだ。
橋本さんと話している最中に何度も容器から飛び出そうとする元気印のうな様である。
まず、サッポロビールが東京都、横浜市、川崎市のエリアの厳選したお店でのみの限定販売している「白穂乃香」で乾杯。
川魚に力を入れている先付も美味!
鰻の心臓酒
噛まずにゴクリ
お料理の合間に森田さんとうなぎ談義。
東京近郊で本場の名古屋うなぎが食べられるお店を『しら河』さんで出店してほしいとお願いする。
実は以前、東京駅近くに出店依頼があったそうだ。
しかし、東日本大震災の影響で計画が中止になってしまったという。
そのような事実を知らずにお願いをしてしまい申し訳なく思う。
鰻の小肝わさ
どじょうと菜の花のお椀
「どじょうと菜の花のお椀」と聞いて、蓋をとるまでは、丸のどじょうが入っているものとばかり思っていいた。
割かれたどうじょうに出会ってサプライズ!
川魚が苦手な人にも受け入れられる上品なお椀に仕上がっている。
『はし本』さんで特出しているのは日本酒。
どの料理にどの日本酒が合うか、日本酒の味わいの特徴とともにチャートにまとめてあり選びやすい工夫がなされている。
4代目の橋本正平さんが日本酒愛好家を名乗っている面目躍如だ。
数ある日本酒のラインナップからこの日、自分が選んだのは香川県地酒「川鶴」
爽やかな飲み口だがしっかりとした旨味が感じられる。
地焼くりから焼串
くりから焼にするとうなぎの味がよくわかる誤魔化しのきかない品。
日本酒に合いますなぁ(^-^)
鰻骨煎餅
有機香の物
お待ちかねの「鰻重」
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/04/hashimoto01.mp4鰻重が来ると今までのうなぎ談義が嘘のように無口に(笑)
橋本さんの話では〆の鰻重を持ち帰りにする方が多いとか?
割き立て、焼き立ての鰻重は滅多にお目にかかれない。それだけで価値がある。
2人で「もったいないなぁ」とハモってしまった(笑)
デザート
「他にも行きたい東京のうなぎ屋さんがあったけれど、はし本さんへ来て良かった。」と森田さんも大鰻足の様子だった♪
自分は「特別誂え」は昨年11月以来だが、前回よりも素材の質が上がっていると感じた。
『はし本』さんは、5月から川魚にこだわったメニューにリニューアルすると聞く。
ますます進化することに期待したい。
森田さんと『はし本』さんで「特別誂え」を堪能して、うなぎ談義に花を咲かせた翌日。
しら河グループの基幹店『料亭大森』が名古屋城正門前の名古屋能楽堂レストランに移転して『しら河別邸日本料理大森』としてオープンする。
『しら河別邸日本料理大森』さんのますますの発展を心からお祈りしたい。
森田さんはまた秋に上京する予定だそうだ。また、ご一緒で来たら嬉しい。
『はし本』さんへは、近々別の遠方からの友人と伺う予定だ。さらなる進化が楽しみである。
森田さん、橋本さんに心から感謝してこの項を閉じる。
==2015年11月17日 再訪=
日本橋 はし本 ~特別誂え鰻重~
東京駅八重洲北口、日本橋駅高島屋口からも徒歩5分ほどに昭和の雰囲気が残る一角がある。その小路に創業から四代続く老舗のうなぎ店『日本橋 はし本』がある。
『日本橋 はし本』の四代目・橋本正平さんの名刺には、ハイパー鰻クリエーターという肩書が書いてあり、鰻に対する情熱は並々ならぬものがある。詳しくはホームページの「こだわり」に譲るが、老舗の伝統を守りながら斬新なアイディアでうなぎ好きの心を揺さぶるのだ。
最近も産地や育成期間の違う地焼きの白焼きの食べ比べや焼きおにぎりの上にタレ焼きの鰻をのせた鰻茶漬けなどありそうでなかった裏メニューも試みている。
それとは別に伝統に忠実に美味しい鰻を食べさせてくるメニューがある。
それが、今回いただいた夜の部10名限定の「特別誂え鰻重(蒲焼)」である。
説明をホームページから引用させていただく。
こちらは1月~5月、9月~11月限定のメニューです。お客様が御来店されてから、これより召し上がる活鰻を見ていただき、店主直々に産地や餌、鰻の歴史や生態等の説明をさせていただきます。その後に割いて白焼、蒸し焼きして仕上げますので1時間前後のお時間を要します。お時間に制限のあるお客様のご利用はお断り致します。関東の鰻文化を源流とした忠実な手仕込みで、一本の鰻が織りなす最高級の物語をお届けする当店最高峰の鰻重となります。
今月を逃すと1月まで食べられないので、予約をして伺った次第である。
こちらが「特別誂え鰻重(蒲焼)」のおしながき。
橋本さんがこれから裂く活鰻を持ってきてくれた。
宮崎産の新仔ということだ。
「先付」は旬の牡蠣
「お飲み物は?」と聞かれたのでお勧めの辛口純米酒をお願いする。橋本さんは日本酒愛好家でもあるのだ。
〆張鶴の純米吟醸をいただく。
隣の席の方も〆張鶴を飲まれていて「今日のお料理に合いますよ。」と話しかけてくださった。
「鰻の心臓酒」
裂きたての鰻だからこそ出せるのだ。
うなぎ好きなことを知っているので特別に「肝焼」も出してくれた(^.^)
美味しい料理に酒の追加をお願いしていると、隣の席の方に〆の鰻重が運ばれてきた。
「お重の蓋をとるときは感動ものだよね。」
「人生最後の食事は鰻だな。」という会話が耳に入る。
気分が良くなって来たところでこの会話。お隣さんも相当なうなぎ好きのようで、しばしうなぎ談議に花を咲かせて、名刺交換までさせていただいた。楽しいひと時をさらに楽しくなりました。お付き合いいただいたYさんに感謝申し上げますm(__)m
「小肝わさ」
さっきまで活きていた鰻の肝はやはり新鮮で美味い!
「骨せんべい」
自家製というだけで美味いのに揚げたてはまた格別!
「地焼くりから焼串」
裂きたて鰻の地焼は、皮目のコラーゲン感がハンパない!かりふわ(^○^)
「お漬物四点盛」は盛りつけも綺麗で美味。さらに酒が進んでしまう(^^ゞ
さあ、真打の「鰻重」登場!
焦らしが多いとのご指摘を受けているのでさらっと #うなパカ 動画を
正統派江戸前鰻を堪能致します♪
活鰻は4Pサイズだが、くりから焼の部分を引いているので5Pサイズほどになって江戸前蒲焼としてはちょうど良い大きさである。
当たり前のことだが、裂いてからの時間が少ないほど味が来る。
鰻面の笑みがこぼれる♪
皮目の焼き加減も良い塩梅。
蒸し時間は15分ほどだという。このサイズなら蒸しと焼きとのバランスが良く、ふわとろなのに濃い旨みも感じられる。
「デザート」の柚子シャーベットでお口もさっぱり。
すっかり、お料理を堪能した後、橋本さんとたっぷりうなぎ談議をさせていただいた。
橋本さんの鰻愛1000%の言葉に偽りなし!
お腹も心も鰻福、鰻足の二の酉の夜♪ 自分的には丑の日ですが(笑)
次回は、橋本さんの工夫を凝らしたアラカルトをいただきに行こうと思う。
==2011年9月12日 訪問==
はし本 八重洲
『開高健が喰った!!』という本を読んでから行ってみたかったうなぎ屋さんが東京駅から徒歩5分の「はし本」です。
東京国際フォーラムで行われた「自然エネルギー財団」の設立イベントの帰りに行ってきました。
開高健さんは
「鰻重は、はみ出るほど大きなものを食べるべし。鰻っちゅうのは、豊かな気分で食わないとあかんのや。」「いい鰻かどうか判断しようと思ったら、少し冷えてから食うてみい。」「天然でも養殖でも、うまいものはうまい、まずいものはまずいのよ。」と言っていますが、うなぎ好きとしてはお説ごもっともです。
うな重 い
開高健さんのお説に従えば、最上級の「うな重・に(5670円)」を注文すべきでしょうが、白焼きも食べたかったのと懐の関係で「うな重」は一番小さな「い(2205円)」になってしまいました。
白焼き い
白焼きも小さい方の「い(3150円)」ですが、せめて画面いっぱいに写してみました(笑)
4位
4回
2017/09訪問 2017/10/05
【顔の見える養鰻家】
鹿児島大隅・泰正養鰻は、14年間完全無投薬の【泰正オーガニック鰻】を厳選して昨年から鰻専門店などへ出荷を始めたことは当サイトですでにご紹介した。
うなぎ好きの間ではよく知られたブランド鰻もいくつかあり、無投薬を謳う養鰻場もある。
それらは間違いなく美味しい鰻を提供している。また、鰻資源の減少からノンブランドでも質の良い鰻を育てる養鰻場も出てきている。
その中で私が【泰正オーガニック鰻】を推奨する理由は、生産者の顔が見えるからである。
近年、野菜や果実の農家、畜産家は生産者名や生産過程を公表しているところが多くなってきている。
しかし、鰻の場合は国産の場合は宮崎県産、静岡県産など都道府県ごとが多く、消費者が生産者の名前までわかるのはごく一部である。
泰正養鰻は、横山桂一さん自身がSNSを使って自ら生産過程などを公開していることろが画期的だ。
私は、いくつかの養鰻場を見学させていただいて、養鰻家のご苦労を一般の方よりも知っている。
だからこそ、泰正養鰻のように顔の見える養鰻家が出てきてほしいとの願いを持っている。
信頼関係のある取引今年に入り、泰正養鰻の横山さ桂一さんのもとには取引の依頼が数多く寄せられているという。
しかし、家族経営の小さな養鰻場ということもあり出荷数も限られいるので、顔が見え、信頼関係を築けたところだけの取引になるそうだ。
そのひとつに今回の出荷からさいたま市桜区・西浦和駅前『うなぎ処古賀』が加わった。
入荷数も限られているそうなので、予約を入れて伺った。
入口に「泰正養鰻オーガニック鰻」のメニューが貼ってある。
『うなぎ処古賀』の〈うな重〉よりも価格は高め。
古賀さんは、お客様に受け入れられるか、悩んだそうだ。
しかし、適正な値段をいただいて、その分持てる技術と真心をこめて召し上がっていただこうとすることにしたという。
愛情いっぱいに育てた鰻を江戸前の最高の技でいただける喜びで食べる前からワクワクする。
【裂き立て、蒸し立て、焼き立て】
古賀さんが開業前に長年勤めていた南千住の名店『尾花』は、注文を受けてから活鰻を裂き始める。
その分、待ち時間が長くなってしまうことでも有名だ。
『泰正オーガニック鰻』では、お待たせしても美味しく食べてほしいとの願いからその手法を踏襲するそうだ。
今回は、古賀さんのご好意でその様子を見せていだだくことが叶った。
まず、これから裂く泰正オーガニック鰻の活鰻を見せていただく。
はるばる鹿児島から長旅をして3日目だが、驚くほど元気が良い。
数量限定とはいえ、提供2日目の昼で残り3尾。
古賀さんの危惧は杞憂だった訳である。
お客様は、値段に見合った美味しいものを求めている証だろう。
やはり、予約をして正解であった。
元気の良かった活鰻が鮮やかに裂かれていく。
続いて串打ち。
注目は、腹側の肝を外したくぼみの薄い肉を持ち上げるように、竹串で縫うように刺していく。
この串打ちの技が見た目も美しい蒲焼になる秘訣なのだ。
白入れ
江戸前鰻では、白入れをしっかりと出来るか否かで見た目と美味しさの両立が図れると私は思う。
皮目にしっかりと火を入れることで一番美味しい皮下の脂が閉じ込められて、深蒸しをしても旨みが逃げない技術だと思う。
白入れが終わると和蒸籠で蒸す。
鰻の状態で蒸し時間を見極めるのも大切である。
レアな泰正オーガニック鰻の肝焼き。
ご存じのように肝は鰻1尾につき1つ。
何尾も裂かないと肝焼きは出来ません。
前に注文してくださった方々のお陰でいただけます。感謝!
【愛情いっぱいの鰻を活かした技を堪能】
泰正オーガニック鰻の〈肝焼き〉
多くの方が抱いている「肝焼きは苦い」という概念を覆す逸品。
素材の良さとひと手間かけた技が光る。
〈白焼〉
実は私、白焼は地焼き派なのです。
しかし、この白焼には脱帽です。
本山葵を添えてくれましたが、いりません。
生醤油を箸の先で1滴たらしただけで旨みが口中に広がる至福の江戸前白焼。
そして、真打の泰正オーガニック鰻の〈鰻重〉登場。
見目麗しい鰻様。
雑味の全くなく、今シーズン最後で旨みが凝縮された泰正オーガニック鰻は『うなぎ処古賀』のタレと相性が良い。
1年8か月以上の間、24時間体制で水の温度やPhなど育ちやすい環境を整え、我が子のように育んだ鰻を長年培った技術の粋を結集した逸品は食べるものを感動させる。
うなぎが好きな方々にこの感動を分かち合いたいと思う。
『うなぎ処古賀』では、10月26日(木)から泰正オーガニック鰻の新仔を入荷予定とのこと。
数量限定のために予約は必須と思われる。
今年の盆休みは、8月14日~16日。
休みに入る前から盆休みは鰻三昧すると心に決めていた。
まず、最初に伺ったのはJR武蔵野線・西浦和駅前の『うなぎ処古賀』さんである。
自分の休みは毎週水曜日、古賀さんも水曜定休でなかなか伺うことが出来ないでいるのだ。
いつもは予約して伺うが、この日は突撃訪問することにした。
西浦和駅に着いたのは、12時半過ぎ。
店内へ入ると、幸いに上がり座敷がひとつ空いていた。
久ぶりなのでいくつか鰻前をいただくことにしよう。
ビールと〈どじょうの唐揚げ〉〈うざく〉をお願いする。
テーブル席の先客もまだ注文の品が来ていないようなので、運ばれてきたビールとお通しの枝豆でゆっくり待つとする。
意外に思う方もいるかもしれないが、うなぎ好きにとってこの時間も至福の時なのである。
〈どじょうの唐揚げ〉が到着。
ほろ苦く川魚の野趣を残すこまどじょうをカラッと揚げてあり、ビールのつまみにはもってこいだ。
〈うざく〉もやって来た。
古賀さんが長く勤めていた某有名店の味を彷彿させる。美味し!
鰻はビタミンCを補えば完璧な栄養食というのはご存知の通り。
水分が多く、あまり栄養価が高くないと言われている胡瓜だが、ビタミンCやカリウム、カロチンが含まれている。
さらに利尿作用のある成分の「イソクエルシトリン」が含まれているので、むくみ解消効果があり、脂質を分解してくれると言われている「ホスホリパーゼ」という成分も含まれている。
漢方では、身体を冷やす作用もあるので、夏にはもってこいなのだ。
ところが、胡瓜には「アスコルビナーゼ」というビタミンCを壊してしまう酵素も…。
それでは、ビタミンCを補えないではないか。
でも大丈夫!アスコルビナーゼは酸に弱いので、酢を加えることによって、ビタミンCを壊す働きを抑えられる。
酢の物で食べることでビタミンCが壊れてしまう心配をすることなく胡瓜の栄養効果が得られるわけだ。
鰻と胡瓜の酢の物である〈うざく〉は、正に先人の知恵。
今日は奮発して、蒲焼の量が一番多い〈鰻重・松〉をお願いする。
「おいしい」って漢字で書くと「美しい味」って書くんだよ!と言いたくなる〈鰻重〉
綺麗でしかも美味しい鰻重は至福の時である。
古賀さんで大鰻足。
お盆休みの鰻三昧は、絶好のスタートを切れた。
古賀さん、有難“う”ございました。
大変、美味しゅうございました。
父の日でのとある調査で「お父さんがしてほしいランキング!」のダントツの1位は「一緒に食事をする」だそうです。
しかも「何を食べたいか?」ではウナギが1位!
我が家の娘からもこんなLINEが
嬉しいですね^^
1も2もなくOKです!
行くのはもちろんうなぎ屋さん(笑)
さっそく西浦和の『うなぎ処古賀』さんへ連絡すると私たちが着く時間は予約で満席ですが、空けば入れてもらえるとのこと。
さすが父の日!盛況ですね(^-^)
西浦和に着いて、駅前のカフェで待っていると
「お席の準備が出来ました」の連絡があり、お店へGO!
娘の運転なのでまずはビールで乾杯!
予めお願いする品を連絡しておいたので
まずは串焼きから
希少部位の「うなぎレバー串」は1本だけ 仲良くシェアします^^
肝焼きは人数分ありました(≧▽≦)
「白焼梅(ハーフ)」
綺麗でふっくらした白焼
おろしたての山葵をちょっとつけて お口の中でとろけます(*^▽^*)
はやラストオーダーの時間に
「どじょう唐揚げ」が食べたいというお母さん(^^ゞ
カラッと揚がっていて、ビールのつまみにサイコーですね!
ウナギスキー&タマゴスキーの娘がリクエストした「う巻き」
「どうしたらこんなに綺麗に出来るのだろう?」
箸を出さずに、しばし見惚れていた娘でした(笑)
中には鰻がぎっしり
見ても食べてもウマッキー♪
娘がお願いした「鰻まぶしご飯」
カミさんがお願いした「鰻重竹」
蓋を開けた瞬間「綺麗な蒲焼だねぇ」と一同うっとり
私は父の日特権で「鰻重松」
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/06/koga01.mp4綺麗でしかもボリューム鰻点!
口の中へ入れるとねっとりとした食感でとろけていく!
これぞ 江戸前鰻だ!
帰り際に古賀さん、女将さんと少しお話をさせていただいた。
次の定休日(6月22日)には、国立研究開発法人水産研究・教育機構増殖研究所南伊豆庁舎へ鰻の完全養殖の見学に行かれるという。
美味しい鰻を作るだけでなく、資源問題も取り組んでいらっしゃる。
帰りの車の中で娘が、綺麗で美味しい鰻だったと鰻足気に言ったあとで
「料理って人柄が出るよね。」とポツリ
嬉しい、嬉しい父の日だった^^
「鰻福会」という全国各地のうなぎ屋さんがSNSでつながる会がある。
もともとは「うなぎ大好き」を開設当初から応援してくださっていた「日本養殖新聞」が情報交換のために構築したLINEグループが発展して、2014年9月から親睦、情報交換の集いを開いているそうだ。
管理人は「日本養殖新聞」の高嶋取締役編集長から「鰻福会」のことを伺って、鰻福会会長の名古屋・うな豊の服部社長とご縁ができた。
鰻福会の会員の皆さんは、とにかく熱い鰻愛にあふれる方ばかりだという印象なのだ。
西浦和駅前にある『うなぎ処古賀』の古賀秀喜社長も鰻福会の会員である。
美味しい「うな重」をいただき、お話を伺っててきた。
JR武蔵野線・西浦和駅で電車を降りるとホームからもお店の看板とうなぎのノボリが見えるので、初めてでも迷うことなく行けるのだ。
店内へ入って感じたのは清潔感だ。
右側には小上がり席、左側にはテーブル席がある。
おすすめの「鰻重」は、「梅」からが1尾付けだそうだ。
「竹」は「梅」よりも大振りな鰻が1尾、「松」は「梅」と同じ大きさの鰻が1尾半ということだ。
ちなみにこの日の鰻は宮崎産ということだった。
本当ならば「松」をいただきたいところなのだが、この後、うなぎ好きの会「うなぎ愛好会」の集いがあるので、「梅」をお願いした。
お重の蓋をとって、思わず「美しい!」と呟いてしまった。
炭火を使って、これだけ美しく焼く蒲焼はなかなかお目にかかれるものではない。
小さ目の鰻をお願いしたにも拘わらず、ふっくらとろける食感も流石のひとことである。
甘さを抑えたキリリとしたタレといい、ザ・江戸前蒲焼だ!
それも古賀さんの話を伺えば、納得するのだ。
古賀さんは、東京・麹町で江戸時代から9代続いた「丹波屋」(現在は廃業)や食べログ東京都うなぎ部門・昼のランキング1位の「尾花」などの名店で研鑚を重ねたいう。
また、川魚を主とする日本料理のスペシャリスト団体「野田屋東庖会」の青年部部長もされていたこともあり、NHK土曜時代劇「陽炎の辻」の技術指導もされたそうだ。
浦和で開業されてからは「浦和のうなぎを育てる会」の活動にも参加している。
伺った日は、ちょうど「秋の土用の丑の日」でこんなイベントも
お店独自でも
年に4回ある土用の丑の日には
「お客様に日頃の感謝を込めての超特価!! 国産うなぎ蒲焼1300円!!(要予約)」
という企画も
店内で待っている間に何にかのお客さんが予約の蒲焼を取りに来ていた。
そして「うなぎ募金」協力店でもある。
「うなぎ募金」とは
【この募金活動は、「独立行政法人水産総合研究センター」で取り組んでいる、「完全養殖うなぎの量産技術開発」が一日でも早く実用化となり、これまで100%天然資源のシラスウナギを使用していたうちの何割かを人工シラスウナギで補って、自然保護、安定供給につなげていくという観点から、「独立行政法人水産総合研究センター・ウナギ統合プロジェクトチーム」の研究費等に充てる寄付金を募るものです。】(「日本のうなぎを育てる会」のうなぎ募金の説明より)
古賀さんの「鰻重」は美しさ、香り、食感、味のいずれを一流の江戸前鰻職人の仕事だと感じる。
当代の名人のひとりといっても過言ではない。
それでいて、見た目も口調も優しく、親しみやすい人柄なのだ。
また、紹介したようにお客さんを大切にし、鰻を通して社会貢献活動もしている。
口で言うのは簡単だが、なかなか出来ることではない。
それを可能にする原動力は「鰻愛」なのではないだろうか?!
このようなサイトをしていると「おすすめのうなぎ屋さんは?」とよく聞かれる。
江戸前鰻が食べたい方に自信を持って推薦できるお店がひとつ増えた鰻足、鰻福の出会いであった。
5位
1回
2015/11訪問 2015/11/02
藤沢駅南口の大通りから一本入ったところにある『はま吉』 読み方は「はまよし」
「藤沢へ行く」と西浦和の『うなぎ処 古賀』の古賀秀喜さんに話したところ、「私の紹介と言って、はま吉さんへ行ってみてください。」と勧められた。
『はま吉』店主の中村さんも古賀さんと同じく、南千住の名店『尾花』で研鑚を積まれた方だそうだ。
店内に入ると左手に炭の焼き台があり、年配の男性が鰻を焼いている姿が見える。
とても丁寧な焼き方で見とれてしまう。
手を休めたところで
「浦和の古賀さんに聞いてやって来ました。」と話しかけると
「それは、それは。ありがとうございます。」と柔和な笑顔で答えてくれた。
右手には調理場側にカウンター7席。
通路を挟んで4人掛けのテーブル席が3つ。
店内は、基本的に和で統一されているのだが、カウンターやテーブルなどが黒でまとめられているのでモダンな雰囲気も醸し出している。
日曜日の昼過ぎに伺ったところ、ほぼ満席。カウンター席に空きがあったので幸い待たずに座れた。
座るとすぐに、お茶とおしぼりが運ばれる。お茶が美味しい。お茶が美味しいうなぎ屋さんは期待が持てるという法則が自分の中にはある(笑)
今日は奮発して「特上うな重」をお願いした。
30分ほどでお待ちかねの「特上うな重」が到着。
昼の閉店時間が過ぎて、テーブル席が空いていたので
「こちらでごゆっくりお召し上がりください。」とテーブル席を勧めてくれた。
気遣いが嬉しく、お言葉に従った。
お重からして素敵である。
蓋をとると、お重いっぱいの鰻様がおわします。
美しいビジュアルにフワトロな食感、キキリとしたタレ。
The江戸前鰻である!
自分が食べた『尾花』の鰻よりもほんの少し焼きが強めであるが、鰻の質で調整されているのかもしれない。
特上は、ご飯を食べ進むと中にも鰻様がいらっしゃる(^-^)♪
中の鰻は、とろけるというよりもクリーミーになっており上質の鰻のテリーヌを食べているようだった。
また、こちらの「うざく」も絶品だと思う。
土佐酢で和えているのか甘さ酸味のバランスが素晴らしい逸品だ。
昼の最後の客だったこともあり、食べた後に店主の中村さんご夫妻と少しお話をさせていただいた。
ご夫妻の言葉の中から“鰻愛”をとても感じる。
話をしていると、お孫さんがちょうど散歩から帰って来た。
中村さんの眼差しからお孫さんを慈しむように鰻も作っていらっしゃるのだなぁと感じる。
中村さんの優しさが料理にも表れていると美味しさの秘密を納得した。
http://unagi-daisuki.com/post-5162
6位
1回
2015/07訪問 2015/07/09
郡山で所用が出来て、久しぶりに福島県へ行くことになりました。
往きは、常磐道経由でかねてから行きたかったいわきの魚栄で昼食をとろうということにしました。
7月は月末に土用の丑の日があるために、人気のうなぎ屋さんはどこも混雑することが予想されます。ですから数日前に予約可能か問い合わせたところ、可能だというので11時の予約と料理もうな重の中串、白焼きの細串、きも焼きに別注のきも吸いをお願いしておきました。
魚栄を地図で確認するとJRいわき駅の近くのようですが、その周辺ははじめてなのでカーナビだけを頼りに行きました。広い道から一方通行の細い道に入った丁字路で「目的地周辺です。運転お疲れ様でした。」のアナウンス。
丁字路の右を見ると魚栄の駐車場の看板がありました。お店は丁字路を左へ進みすぐ右側にあります。一方通行の規制がわかり辛いので挿入した地図画像を参考にしてください。
少し早く着いてしまったので、近くを散策して開店5分前にお店の前に戻るとまだ暖簾は出ていませんでしたが、店先には打ち水がしてあり開店準備が整っているよです。間もなく、店内から感じの良い女性が顔を出し「ご予約の方ですか?」と問われたので、名前を告げると店内へ誘われて入口右側のテーブル席へ案内されました。左側は小上がり席で座卓が並んでいます。どの席にも綺麗に箸が並べられており、予約のお客様の準備してあるようです。
電話予約の際に注文しておいた品を確認し「きも焼きだけは少し待ってください。」と告げられて、ほどなく白焼きのセットが運ばれてきました。白焼きは妻の前に置いてもらい、続いてすぐに私の前にうな重のセットも到着しました。
まず、白焼きから何もつけずに頂きます。まさにとろけるようだとは、この白焼きのためにあるのではないか?と思うほどです。とろけた後には芳醇な鰻の旨味が口の中に広がります。
白ご飯を食べた妻が「このご飯美味しい!久しぶりにこんな美味しいご飯を食べたわ。」というではありませんか!?
食べる前にご飯をよく見ると半ば透き通って艶やかな色合いです。口にすると一粒一粒は中まで火が通っているが決してべとつかず、サラサラしているが硬さも粗さもなく、噛むとほのかな甘みと上品な香りが感じられるお米自体も良いお米ですし、炊き方も素晴らしいことがわかりす。後でお米について尋ねると、産地銘柄にはこだわらずお米屋さんにその日の一番良いお米を良い状態で毎日届けてもらっているそうです。
うな重の蒲焼きですが、やや甘めのタレですが、香ばしく焼き上げられているためにとても美味しい仕上がりになっています。中は白焼きと同じくとてもクリーミーです。美味しい、美味しいと口に運んでいるとあっという間になくなってしまいました。中串は写真のように丼で提供されますが、細串はわっぱのような器で大串はお重で提供されるそうです。ちなみに白焼きはみな同じ器だそうです。
隣のテーブルのお客さんは、予約時間よりも10分ほど早く着いたようです。ちょうど10分経つとうな重の大串が運ばれてきました。やはり予約時間にあわせて仕上がるようにしているようです。運ばれて来たお重の中には、大振りの蒲焼きがお重の中で重なり合っていました。中串ではなく大串にすればよかった食べ終えてから後悔しています(笑)
きも焼きは、ふっくら蒸したきもをあっさりとタレ焼きして串に刺さずに提供されます。これまた美味しいです。きも吸いの肝もきも焼きの肝を使用しているようです。ほんのり香ばしさが加わっています。
お新香は塩加減がちょうど良くシャキシャキした浅漬けに奈良漬も1切れ付いています。山椒も香り高い山椒が用意されていますし、白焼きについていた山葵は、甘みのあとから辛味がふぁーと広がる良い山葵をきめ細かくおろしてありました。
鰻料理以外も非常に満足の出来るお店で、魚栄を目的にいわきへ来る価値があると私は思いました。うな重のご飯はタレを吸って熱々の蒲焼きで蒸されたためかやや柔らかく感じたので、次回はかば焼きの大串にご飯をお願いしようかと早くも思案しています(笑)
7位
2回
2016/03訪問 2017/01/07
炭焼 うな富士 ~名古屋鰻福ツアー Chapter1 ~ | うなぎ大好き
大好きなアーティストのツアーファイナルに参戦するために夜行バスで名古屋へやって来たうなぎ好き夫婦。
ライブ鑑賞だけなら昼頃の東京発新幹線に乗れば間に合うのだが、名古屋といえば名古屋メシ。名古屋メシといえばうなぎとなってしまうのがうなぎ好きの性。
そういう訳で早朝、名古屋駅近くのバスターミナルへ着いて、名古屋モーニングをしながらうなぎ屋さんの開店時間を待つ。
名古屋うなぎとひと口に言ってもお店によって美味しさはさまざまなのだ。名古屋うなぎ初体験のカミさんが効率よく名古屋うなぎを堪能できる店を選んで巡るのだ。
まず、1店目は昭和区の山王通り沿いにある『うな富士』さん。
行列必至の店なので開店の1時間ほど前の9:45に店の前に到着する。すぐ後から4,5名の方たちが着いたので、タッチの差での1番乗りだ。
『うな富士』さんは、冬場の寒い季節は店前にテントを出して、少しでも待つ人が暖をとれるように配慮している。
温かいお茶のサービスもあるので有り難い。
旧知の水野尚樹会長、柴田哲滝社長が店が出てこられたのでご挨拶。
柴田社長が「お待たせして申し訳ありません。」名古屋メシの本を貸してくださった。
うなぎ好きは、待つのも楽しみのひとつなのである。美味しい鰻を想像しているだけでワクワクするものだ。
お借りた名古屋メシの本を見ると何度か名古屋へきているが、モーニングの他には鰻しか食べていないことに気が付く(^^ゞ
一冊には、「ひつまぶし」がごちそう名古屋メシのカテゴリーに入っていて妙に納得する(笑)
開店30分前を過ぎると続々とお客が集まり始めテントの中は満員なり、テントの外に行列が出来始める。
開店10分前に受付が始まり、並んだ順番に名前と人数を申告。全く混乱がないのが不思議な光景。
1番乗りなので最初に名前を呼ばれて店内へ。
ビールで喉を潤します。
そのお供には「うなぎの枕」 『うな富士』オリジナルのうなぎのかまぼこ。
噛むとうなぎの香りが口の中に広がり、そこにビールを流し込む。至福です!
酢っぱさ加減が絶妙の「うざく」甘いタレをまとった蒲焼のコントラストと言ったら…
名古屋のうざくはデラウマ!
さあ、お待ちかねの「肝入りうなぎ丼」はちょびっとかっこええロックにのって登場や~
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/03/unafuji01.mp4肉厚の地焼きうなぎの上に黒光りした肝焼きがのってインパクト抜群!
外はカリッと中はフワッとした食感は名古屋のうなぎならではのもの!
噛めばジューシーなうなぎの脂!口の中はうなぎワールド満開。
名古屋流は濃厚甘めのタレが多いが『うな富士』さんは、うなぎの味もしっかり感じられる絶妙さ。
ご飯を食べ進めば、もう一切れうな様がいらしゃり、こちらはご飯で蒸されてフワトロ。
コクのある肝焼きもあり、ひと丼で3度もどえらりゃ~うみゃ~「肝入りうなぎ丼」
続いて「ひつまぶし」の登場
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/03/unafuji02.mp4おひつにギッシリ敷き詰められたうな様は壮観でさえある。
蓋をとるとうなぎとその下に敷かれた刻み海苔の香りが混然一体となって、江戸の花巻そばを彷彿させる。
差し詰め「花巻うなぎ」といえばよいのだろうか?
セオリー通りに1杯目はそのままいただく。
予想通りにうなぎと海苔の香りは相性が良いのだと感じる。
うなぎというと川魚の印象が強いが、遠くの海から長い旅をしてきた魚ということを思い起こさずにはいられない。
2杯目は、山葵と刻みネギをのせて
3杯目は、お出汁をかけて
どの食べ方も美味しいけれど、自分はそのまま食べるのが口にあっていたので残りはそのままガッツリいってしまった。
カミさんは、地焼きのジューシーさに驚き、うなぎの脂に旨味を感じたと喜んでいた。
スタッフの気配りも気持ちよく、名古屋うなぎ1軒目を鰻喫して、大鰻足でした!
水野会長、柴田社長はじめ『うな富士』の皆さん、ご馳走様でしたm(__)m
2015年は、これまで2度、名古屋へ行っている。
1度目は、成人の日の3連休の日曜日。この日は、夕方から栄のライブハウスで行われる音楽ライブが目的だった。
昼は名古屋の鰻を食べようと軽い気持ちが間違いだった。
以前から「うなぎ大好き」でリンクを貼らせてもらっている『うな豊』さんも食べログ・名古屋うなぎランキング1位の『うな富士』さんも長蛇の列。とても開演時間に間に合いそうになかったので断念(>_<)
7月は、海の日連休あとの火曜日に。
『うな富士』さんは第3火曜日で休み。『うな豊』さんは、前日祝日営業の振り替えで休み。
今年中に名古屋で行きたかったうなぎ屋さんへ0泊2日の弾丸ツアーを急遽決行した!
午前中は仕事をして、午後の新幹線へ飛び乗り、一路名古屋へ。
まず、1軒目は名古屋駅で中央線に乗り換え、鶴舞駅から徒歩10分ほどの『うな富士』さんへ行く。
着いたのは、ディナータイム開店30分前。
先客は誰もいない。1番乗りである。
正月は、ここにたくさんの人がいて断念したのを思い出す。名古屋人の鰻愛を思い知ったのだった。
開店10分前に名前を告げて、開店時間の17:00に入店。
開店前は3組待ちだったのだが、開店するとぞくぞくとお客さんが入ってきて、あっという間に8割方の席が埋まってしまう。
自分は、開店前に店頭に置いてあったお品書きで「肝入りうなぎ丼」と決めていたので、早速注文する。
うなぎ好き仲間にLINEで『うな富士』さんの写真を送ると
「水野会長、柴田店長によろしくお伝えください。」とメッセージが入る。
iPhoneを持って、ご挨拶に行き、名刺交換をさせていただく。
蒲焼、白焼と蒲鉾のコラボである「うなぎの枕」は登録商標のようだ。
お酒、ビールのおつまみに!!でら旨! とメニューにあるが、正にその通りで、でら旨だ!酒がほしくなる(^^ゞ
「うなぎの佃煮」は自家製の新商品ということだ。
味がしっかり染みていて、これもでら旨!添えてある山葵をちょっと付ければ、完全に酒のアテだ。
他のグループで来ているお客さんは、新鮮魚介類てんこ盛りの「うな富士盛り」を頼んでいる。
小食なグループなら「うな富士盛り」で飲んだ後は、「うなぎ丼」は入るまい。
そんな時に「うなぎの佃煮」のお茶漬けは、ヒットの裏メニューになる予感がする。
さあ、お待ちかねの「肝入りうなぎ丼」の登場だ!
恒例?の#うなパカ動画で
すごいボリュームだ!
名古屋で肝焼きを食べるのは『あつた蓬莱軒本店』に続いて2軒目だ。
こちらの肝焼きは、ワイルドかつ繊細な印象だ。
タレのまとわりが半端なく、すごく香ばしい。中はプリプリジューシーだ。
「うなぎ丼」に+500円なのだから、絶対にお勧めの品だ!
食べ進むと、中にも鰻様がいらっしゃる。
ご飯の上の名古屋の鰻様はカリフワジュシー、ご飯の中の鰻様はフワトロ。1丼で2度美味しい!
いや「肝入りうなぎ丼」は3度美味しいのだ!
大鰻福で大鰻足\(^o^)/
美味しかったお礼を言いに水野会長と柴田店長の元を行くとお忙しい中、手を止めてしばしうなぎ談議にお付き合いしてくださった。
帰り際には、一緒に写真も撮っていただいた。
私の鰻面の笑みからも美味しさが伝わるのではないだろうか?!
水野会長、柴田店長、ご馳走様でした!
また、名古屋に行きたくなってしまう!
8位
1回
2015/06訪問 2015/06/08
浦和駅西口の「うなぎ浜名」へやって来ました。
こちらは、食材にこだわっているようです。鰻は、大井川共水うなぎ。米は、新潟産コシヒカリ。地どりは、徳島・阿波尾鶏。
うな重の中(税別3800円)と肝焼き(税別580円)にKIRIN一番搾り中瓶(税別650円)をお願いしました。
「30分以上お待たせしますが、よろしいですか?」「はい」
美味しいうなぎは、待つものです。
すぐにビールとお通し(タコとクラゲの酢の物税別300円)が届きました。
お通しでビールを飲んでいると、ほどなく肝焼きが到着しました。肝焼きは、綺麗にうなぎの肝が串にささっています。肝のほろ苦さはあるもののエゴさは全くありません。さすがブランドうなぎです。
そして、待つこと35分。うな重がやって来ました。鳳凰の塗りのお重です。肝吸いのお椀も塗りです。
うな重の蓋を開けると炭火焼き独特の香りとともに蒲焼きの美しいビジュアルが目に飛び込んで来ました。炭火焼きでこんなに綺麗な蒲焼きは珍しいと思います。
口に入れるとふんわりトロけるような食感です。美味し!食べた瞬間、うな重の大を頼まなかったことを後悔しました^^;
ご飯もお米の粒が立っています。炊き方もややかためでうなぎにぴったりです。
肝吸いの肝もプリプリ感が残っていて美味しいです。
お新香には奈良漬もあって、テンションMAX!
帰りにご主人と女将さんと少しお話しました。まず、炭火での美しいビジュアルを褒めると女将さんは「たまたま、良いところが当たったんですよ。」とおっしゃいますが、寡黙なご主人は「解る人には、解るんだよ。」とポッリ。職人なんですね^_^
こちらは、ご主人が20代半ばに店を構えてもうすぐ40年だそうです。多分、ご主人は鰻とお客さんと向き合えるキャパに抑えているので、大きなお店ではありませんが、とても丁寧に調理された美味しいうなぎが頂けます。うなぎの街・浦和の真骨頂を垣間見ました。
今日は温かいを通り越して暑いです。
今年一番の暑さになるようです。
そんな日は、喉越しの良いそばをたぐるのにピッタリです。
仕事が早く終わったので、初石に向かいます。
そう、流山すず季さんです。
昨年の大晦日に年越しそばをお願いしてからずいぶんと間が空いてしまいました。
久しぶりにも関わらず、女将さんが笑顔で迎えてくれるのは嬉しいですね。
今日は〈今昔そば〉と決めていました。
お願いすると〈生粉ざる〉は売り切れだとか。
〈今昔そば〉を頼めるラストだったようでラッキーです。
はじめは〈生粉ざる〉
手前のそば猪口に薬味を入れて、そばをたぐります。
やっぱり美味いですね。
続いて〈田舎ざる〉
向こう側のそば猪口を手前によせて、薬味とそばをいただきます。
鼻へ抜ける風味はサイコーです。
ご馳走さまでした。
運良く日曜日の晩に予約が取れたので『流山すず季』さんへ
予約の時に〈おまかせで酒菜七種盛り合せ〉も頼んでおいた。
『流山すず季』さんの魅力は蕎麦の美味さもさることながら本格的な蕎麦屋酒が楽しめることにある。
〈蕎麦味噌〉
〈湯葉〉
〈海老芋の蟹餡かけ蕎麦の実添え〉
〈きのこと地元ほうれん草のお浸し〉
〈むかごと銀杏〉
〈穴子の風干し〉
〈自家製鴨ロース〉
最初の日本酒はお気に入りの〈山形正宗〉から
他にも蕎麦屋酒に合う地酒が用意されていて嬉しい。
どれも美味しく酒とともに楽しんだが、〈自家製鴨ロース〉は安定の美味さだ。
良い鴨が入手できないとメニューに載らないこともあるので巡り合えたのはある意味幸運。
蕎麦屋酒を堪能した後は〆の蕎麦。
〈蕎麦三昧コース〉をいただく。
まず、〈生粉打ち十割そば〉
丸抜きなので蕎麦の旨みを十二分に堪能できる逸品である。
玄蕎麦は、群馬、福井、北海道のブレンドということだ。
今年は天候不順の為に壊滅的な打撃を受けた生産者もいるという。
生産者も自然が相手なのでご苦労が多いと思う。
自然の恵みをいただいていることに改めて感謝したい。
〈牡蠣南ばん〉
松島産の牡蠣は小粒だが旨みが濃縮されて美味。
透明感の甘汁は奥行きが深く滋味深い味がする。
〈田舎そば〉
茨城産の在来種に近い品種を手刈り天日干ししたものを鈴木さんが手挽きした田舎そば。
添えられた辛み大根を少しだけつけていただくと蕎麦の香りが鮮烈になる。
今日もすっかり堪能させていただいた。
美味いだけでなく、鈴木さんの愛情が込められて、その人柄が感じられることが素晴らしい。
帰りには〈年越しそば〉の予約をした。
今年もまたお節作りの後で真剣勝負で蕎麦を茹でる。
少し気が早いが『流山すず季』さんのお陰で良い年が迎えられることだろう。
==2015. 5.12訪問==
平日限定 おまかせ会席
今度の日曜は、結婚記念日なので一足早く妻とお祝いです。
行きつけの更科すず季で平日限定のおまかせ会席を楽しみました。
献立は
・胡麻豆腐
・盛り込み料理
秋田の蓴菜、焼き味噌、沖縄の枝豆、新生姜の甘酢漬け、蕎麦寿司(玉子焼、穴子、胡瓜)
鴨ロース、鱚の風干し、にしん旨煮、蛍烏賊の沖漬け風
・あさり酒蒸し
・鮎の一夜干し 丸十のレモン煮添え
・鱧と海老の真薯と夏野菜のお椀
・天ぷら
鱚の梅紫蘇巻き
谷中生姜の肉巻き
・そば
・デザート
そばがき善哉アイス添え
どの料理も美味しいのはもちろん御主人の料理への哲学、愛情が具現化されたものに感じました。
先日、御主人とつゆの話をしましたが、納得のいく醤油を何種類もブレンドし蕎麦にあわせてかえしを作っていくとお聞きしました。その思いは、酢加減、塩加減にも表れており、良い素材を良い調味料で作られているのがわかります。
また、献立も普段私たちが食べているものを抜いて、私たちの好みをイメージして創作されたようです。
食事の後、御主人としばし対話
納得のいく蕎麦を探して巡り合えた蕎麦を簡単にはわけてもらえず、農家から畑を借りて蕎麦栽培をはじめ何年もかけて信用を得て、最上級の手刈り、天日干しの蕎麦を名人と言われる蕎麦農家からわけてもらえるようになった話を直に聞きました。
「蕎麦農家から預かった蕎麦をお客様から預かったお金で循環させる役目」と御主人。
よくウィンウィンの関係とか三方良しとか言いますが、そのような中にいる私自身の幸せを感じた夜でした。
※点数は満点をつけたいところですが、まだまだ進化する伸び代を考慮して、敢えて下げております。
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たたずまいは、普通の街の蕎麦店です。
しかし、その料理のレベルん高さは名店に引けを取りません。
蕎麦は、ぬき実を石臼製粉した十割蕎麦の生粉そばと玄蕎麦を手挽きした田舎そばの2種類。
それぞれつゆを変えて、提供されます。
どちらも風味、味、食感ともに優れたバランスで蕎麦の美味さを引き出すようにこしらえています。
濃い目の辛口には、蕎麦にちょっとだけつけて
余ったつゆは、濃い目のつゆにあわせた蕎麦湯で頂きます。
また、天ぷらや酒肴のレベルも高いです。
天ぷらはサクッとしており、天ぷら専門店の天ぷらといってもよいくらいです。
天だねも海老は身が柔らかくて味が濃いサイマキ海老、穴子は活〆のメソを使用しています。
大きさよりも味の良さを好んだ江戸の伝統を感じます。
天ぷらは、専用の天つゆかローズソルトで頂きます。
ローズソルトは、南米ボリビア産です。美味いものは取り入れる。温故知新ですね(^^)
このローズソルト。もちもちの食感と蕎麦の香りが楽しめるこちらのそばがきとも相性抜群だと思うのです。
山葵醤油で頂くよりも私は好き♡
また、ポンシュ好きには嬉しい地酒が置いてあります。
メニューに載っている田酒、宝剣などの他に今人気の獺祭や取扱店が限られている山形正宗辛口純米も仕入れてあったりします。
肴には、ふっくら炊いたにしんの旨煮、焼味噌、美しくふわふわの出汁巻玉子(夜のみ)など本格的な蕎麦屋酒が楽しめるのポイントをあげています。