3回
2016/12 訪問
うなぎ創作 鰻樹 -manju- ~2016年うなぎ納め~ | うなぎ大好き
毎年、本業の仕事納めの夜は1年間の無事に仕事が出来た感謝と自分への慰労を兼ねて大好きな鰻をいただくことにしている。名付けて【うなぎ大好き的うなぎ納め】である。
今年は、カミさんが〈うなさし〉が食べたい、とのリクエストで『うなぎ創作鰻樹-manju-』でうなぎ納めをさせていただいた。
年末年始期間限定で『樽酒黒松剣菱』の提供があるという。
最初の一杯はこれで決まり。
〈剣菱〉の由来は、永正2年以前(約五百年前)創業者稲寺屋伝によるとその酒標は、天地陰陽夫婦和合の象にて生々たるその瑞気を感じ精気の回天を為すと言う。
酒の由来も夫婦でのうなぎ納めぴったりだ。
カミさんがリクエストした〈うなさし〉が到着。
〈うなさし〉を提供する店は全国でも限れれた数店のみ。
それを近場で食せるとは何と幸せなことか。
〈うなさし〉を作る時に鰻の皮をひく。
ひいた皮を串に巻いて焼いたものが〈うなぎの皮焼き串〉
〈うなさし〉よりもレアな逸品である。
外はパリッパリッに焼かれ、中は鰻のコラーゲンがたっぷりなのだ。
あっという間に升酒がなくなってしまったので〈天狗舞・山廃仕込純米酒〉をお願いする。
〈うなぎのオイル煮〉
ハーブの香りと赤唐辛子・黒胡椒の辛みが絶妙。
洋の東西の魅力を併せ持っているので、日本酒にもワインにも合う。
鰻樹では、仕入れた活鰻の肝だけを使う。
なので肝吸い付きのメニューが多いと肝は余らない。
今日は肝焼きが出来るという幸運に恵まれた。
肝焼きにあわせて〈越乃景虎〉を燗酒で追加。
1本は〈肝焼き・タレ〉で
1本は〈肝焼き・塩〉でいただく。
どちらも新鮮な肝特有のプリプリ感。
他店でも滅多にお目にかかれない塩の肝焼きには嵌ってしまった。
鰻の塩焼きに覚醒してしまったので〈ガマの穂焼き〉をオーダー。
鰻を骨ごとぶつ切りにして焼く訳だが、正にシンプルイズベスト。
酒がまだあるので〈うなぎのたたき〉と
期間限定の〈うなぎのユッケジャン〉を頼む。
熱くて辛いだけでなく、いろいろな野菜の旨味も出ているコクのあるスープ。
それに負けない鰻の旨味が特出している。
寒い時期にはもちろん良いが、夏のスタミナをつけるのにも良いと感じた。
2016年の〆は別名・紅白重ともいわれ縁起の良い〈白蒲重〉にする。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2017/01/manju_shirakaba.mp4白焼も蒲焼も鰻喫した。
これで気持ち良く年を越せる。
2016年は【うなぎ屋さんレポート】をのべ80軒書かせてもらった。
レポートしていないものを含めると100軒近い鰻専門店で鰻をいただいたことになる。
そして、鰻を通じて多くの良いご縁をいただいた。
生産者、問屋さん、職人さんに鰻関係の友人などなど全ての方々と鰻をはじめとする食材に感謝して大鰻足の1年を締めくくりたい。
ありがと“う”ございました。
2017/01/05 更新
2016/12 訪問
うなぎ創作 鰻樹 -manju-
==2016年12月30日==
「うなぎ創作 鰻樹 -manju- ~2016年うなぎ納め~」
毎年、本業の仕事納めの夜は1年間の無事に仕事が出来た感謝と自分への慰労を兼ねて大好きな鰻をいただくことにしている。名付けて【うなぎ大好き的うなぎ納め】である。
今年は、カミさんが〈うなさし〉が食べたい、とのリクエストで『うなぎ創作 鰻樹 -manju-』でうなぎ納めをさせていただいた。
年末年始期間限定で『樽酒 黒松剣菱』の提供があるという。
最初の一杯はこれで決まり。
〈剣菱〉の由来は、永正2年以前(約五百年前)創業者稲寺屋伝によるとその酒標は、天地陰陽夫婦和合の象にて生々たるその瑞気を感じ精気の回天を為すと言う。
酒の由来も夫婦でのうなぎ納めぴったりだ。
カミさんがリクエストした〈うなさし〉が到着。
〈うなさし〉を提供する店は全国でも限れれた数店のみ。
それを近場で食せるとは何と幸せなことか。
〈うなさし〉を作る時に鰻の皮をひく。
ひいた皮を串に巻いて焼いたものが〈うなぎの皮焼き串〉
〈うなさし〉よりもレアな逸品である。
外はパリッパリッに焼かれ、中は鰻のコラーゲンがたっぷりなのだ。
あっという間に升酒がなくなってしまったので〈天狗舞・山廃仕込純米酒〉をお願いする。
〈うなぎのオイル煮〉
ハーブの香りと赤唐辛子・黒胡椒の辛みが絶妙。
洋の東西の魅力を併せ持っているので、日本酒にもワインにも合う。
鰻樹では、仕入れた活鰻の肝だけを使う。
なので肝吸い付きのメニューが多いと肝は余らない。
今日は肝焼きが出来るという幸運に恵まれた。
肝焼きにあわせて〈越乃景虎〉を燗酒で追加。
1本は〈肝焼き・タレ〉で、1本は〈肝焼き・塩〉でいただく。
どちらも新鮮な肝 特有のプリプリ感。
他店でも滅多にお目にかかれない塩の肝焼きには嵌ってしまった。
鰻の塩焼きに覚醒してしまったので〈ガマの穂焼き〉をオーダー。
鰻を骨ごとぶつ切りにして焼く訳だが、正にシンプルイズベスト。
酒がまだあるので〈うなぎのたたき〉と期間限定の〈うなぎのユッケジャン〉を頼む。
熱くて辛いだけでなく、いろいろな野菜の旨味も出ているコクのあるスープ。
それに負けない鰻の旨味が特出している。
寒い時期にはもちろん良いが、夏のスタミナをつけるのにも良いと感じた。
2016年の〆は別名・紅白重ともいわれ縁起の良い〈白蒲重〉にする。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2017/01/manju_shirakaba.mp4
白焼も蒲焼も鰻喫した。
これで気持ち良く年を越せる。
2016年は【うなぎ屋さんレポート】をのべ80軒書かせてもらった。
レポートしていないものを含めると100軒近い鰻専門店で鰻をいただいたことになる。
そして、鰻を通じて多くの良いご縁をいただいた。
生産者、問屋さん、職人さんに鰻関係の友人などなど全ての方々と鰻をはじめとする食材に感謝して大鰻足の1年を締めくくりたい。
ありがと“う”ございました。
==2015年9月18日==
Facebookにうなぎ愛のある人たちが集まる「うなぎ愛好会」というグループがある。その主要なメンバーAさんが2015年8月にオープンした『うなぎ創作鰻樹』の第1号のお客さんで贔屓にしている。
Aさんの投稿を見るたびに『うなぎ創作鰻樹』へ行きたい衝動が高まり、ついに訪問が叶った。
JR武蔵野線・吉川駅南口ロータリー右側の横断歩道を渡り、右へ進む。2階にお店があると聞いていたので少し視線を上に向けると白地に“うなぎ”と黒で書かれたのぼりが見えた。目当てのビルの階段を昇ると無垢の木に『鰻樹』と書かれた看板が出迎える。右手の引き戸を開けて店内へ。
店主の鈴木裕介さんは、「うなぎ大好き」とも交流のあるうなぎ問屋で経験を積んだのち、埼玉・松伏の『川昌本店』で修業をしたそうだ。鈴木さんが手が空いているときにお話しが出来ることを期待してカウンターに座る。
まず、生ビールをお願いして、おすすめを聞くと「お飲みなるならうなぎ串の食べ比べはいかがですか?」もちろんお願いする。
甘めのタレ・白焼き・塩コショウ・醤油の効いたタレの4種類のうなぎの串が1度に楽しめる。鈴木さんによると塩コショウはうなぎが食べられなかった人もこれを食べてうなぎが食べられるようになった人もいるそうだ。鈴木さんが如何にうなぎを好きになってもらいたいかがうかがえるエピソードのひとつだろう。
続いて「うなぎの皮焼き串」を焼いてもらう。
鈴木さんは、うなさしで有名な川昌で修業したのでこちらも「うなさし」は人気メニュー。川昌では、うなさしに湯引きした皮も付くが、こちらでは皮を竹串に巻きつけタレ焼きにしているのだ。ひれ焼きは、うなぎの串焼きを出す店ではあるが、皮焼きはとても珍しい!外はパリッと中はミディアムレアで鰻のコラーゲンと旨みが半端ない!フグでも身と皮の間はトウトウミと呼ばれ美味い部分。その部分が堪能できるオリジナルうなぎ料理だ。
コラーゲンつながりでお隣・三郷の『川魚根本』の蒲焼は生蒸しでコラーゲン感が楽しめると鈴木さんに振ると、鈴木さんがうなぎ問屋に勤めていた頃、根本へうなぎを納めていたそうです。先日、お話を伺った根本4代目のお父さんは、小さい鰻が混じっていると中川に放していたなどという話も聞けて、鰻ワールド全快です(^-^)
次に「うなぎのたたき」をいただきました。
皮は普通の白焼きよりも強く焼き、大根おろしやネギなどの薬味がトッピングされ、ポン酢とごま油ベースのタレ。ふかけられた胡麻、塩、山椒の風味が美味しさを一層引き立てます。
〆は、Aさんが提案したという蒸さない関西風で甘めのタレと蒸した関東風で辛めのタレの2種類の蒲焼がのった相盛りうな重。
関東風は、ふっくら蒸しあげて醤油と味醂だけで作ったキリリとしたタレがよく合う。川昌直伝の蒲焼ですね♪
関西風は、やや名古屋テイストを感じた。鈴木さんにそれをいうと、味の調節のためにたまり醤油が入っているとのこと。甘みもはちみつなど数種類の甘味をブレンドしてスッキリとした旨甘さに仕上げてある。もちろん、地焼きなので皮はパリッとしていてサクフワの蒲焼だ。
いろいろな鰻料理を美味しくいただき、鰻の話もたくさん楽しくできた素敵な時間でした。きっかけを与えてくれたAさんに感謝です!
鈴木さんをAさんたちは“(うなぎ)王子”と呼びます。この若さで知識も豊富で料理の腕も確か。納得のニックネームです。
『鰻樹』を回しているプリンスとプリンセス。厳しい状況の鰻業界に新風を吹き込んでくれることを心から願っています。
2017/01/04 更新
カミさんと息子が【鰻問屋もがみ】さんで見学させてもらって、我が家の鰻熱はうなぎ昇り。
「やっぱり、鰻は美味しいよね。」
「また、食べたいね。」
という訳で今日は家族で鰻を食べに行く相談がまとまったようだ。
赤ん坊がいるので子供可で座敷か、小上がりがあるお店が第一条件。
婿殿は「〈うなさし〉が食べたい!」と言う。
ここで『川昌』か、『鰻樹』に絞られた。
『鰻樹』の店主・鈴木祐介さんは【鰻問屋もがみ】でも修業されていたので問屋さんの話もさらに聞けるからと『鰻樹』に決定。
日曜日のディナータイムに運良く予約も出来た。
いろいろな鰻料理があるので銘々、一品料理をひとつずつ頼み、シェアしてたのしむことにする。
まず、お酒を飲む人にお通しの〈肝煮〉
婿殿は最初からお目当ての〈うなさし〉
みんなも食べたいので大皿で
鰻の血には毒があるので〈うなさし〉を作るには特殊な技術がいる。
だから全国でも鰻の刺身を提供する店は数店しかない。
首都圏では『川昌』と『鰻樹』だけではないだろうか。
そして、〈うなさし〉を作る工程で鰻の皮を引く。
『川昌』では鰻の皮をふぐのように湯引きして出すが、『鰻樹』では鰻の皮を〈うなぎの皮焼き串〉として出している。
〈うなぎの皮焼き串〉といったら皮の下のコラーゲンがギュギュっと詰まっていてサイコーに美味いっ!
うな好き女子には堪らないだろう。
上の娘は〈うなぎのたたき〉をチョイス。
カリッカリに焼き上げた皮の香ばしさとふっくらした身にたくさんの薬味とポン酢ベースのソースがマッチしている。
これも女子受けするうなぎ創作料理だろう。
〈ガマの穂焼き〉はカミさんが好きな料理。
鰻を筒切りにしてシンプルに塩焼きしているので、鰻の旨みをストレートに味わえる。
自分のように子供のころ、川で鰻を釣った世代には懐かしい品である。
うなぎ創作といってもこのような奇をてらわない料理を提供するところが発想の柔軟性だと感じる。
玉子好きの息子は〈う巻き玉子〉
定番の鰻料理も美味いっ!
私は〈うなぎの天婦羅〉
サクサクの衣を纏った天婦羅は、鰻の旨みが濃縮されている。
塩を少しつけるとさらに旨味が引き立つ。
薬味をのせて、ポン酢風味のつゆでも美味いっ!
辛いもの好きの下の娘は〈うなぎのユッケジャン〉
山椒の風味が効いていて、辛さの中に和風の旨みを活きている。
見た目は似ているが、焼肉屋さんのユッケジャンとは一線を画す。
この辛さでも鰻の旨みがしっかり残っているのは流石のひとこと。
この発想の豊かさが凄い!
〆も銘々いろいろお願いした。
〈金のうな丼〉
発祥は店主の修行先『川昌』だが、良さを活かして鰻樹オリジナリルに仕上げてある。
シンプルイズベストな〈うな丼〉
半身なので女子の〆にはちょうど良い。
〈白蒲重上〉
白焼も蒲焼も食べたい欲張りな人には絶対にお勧め。
〈東西重〉
関東風の蒸しの入った蒲焼と関西風地焼きの蒲焼がひとつのお重で楽しめる。
我々マニアックな鰻好きの要望で実現した裏メニュー。
タレも江戸前風のキリッとしたタレと地焼きに合った甘めのタレが選べるのは嬉しい。
何度も伺っているが、初めて頼んだ〈塩まぶし〉
これは絶品!
私は地焼きの白焼きの美味しさに惹かれて年に数度、名古屋『うな豊』さんの〈白焼き重〉を食べに出かける。
それを彷彿させるが、これもまた鰻樹らしさが現れている優れものだ。
薬味とお出汁が付いているので、まずはそのまま、薬味を乗せて、お出汁をかけてと楽しめる。
食べ終わって、他のお客さんが帰られた後に店主の鈴木さんに修業時代のお話を聞かせていただいた。
鈴木さんのご実家は飲食店をされていて、料理を作るお父様の姿に憧れて、この道に入ったそうだ。
問屋時代は、夏場の繁忙期は寝る暇もないくらいの忙しさに加え、朝ら晩まで鰻を裂いているので手はパンパンでグローブのようになっていたという。
それでも【鰻問屋もがみ】の佐藤社長が若い衆の気持ちを汲んでくれたので頑張れたという。
そして、豊かな発想は『川昌』時代に磨かれたそうだ。
そう話す鈴木さんの顔には、『川昌』の飯塚裕志料理長を兄のように慕い、リスペクトする姿があった。
鰻樹の料理の素晴らしさは鈴木さんのセンスと努力があってのことだと思うが、感謝の気持ちを忘れないその姿勢に裏付けられていると感じざるを得ない。
やはり、料理は人柄が作ると感じた家族団欒の鰻の時であった。