4回
2025/12 訪問
[今日の浅草橋いちかつ.x+2]
ロースかつ定食(900)
浅草橋駅ガード下のとんかつ屋、いちかつへ濃く行きます。
12月から値上げしてロースかつ定食が850円から900円になりましたが、それでも1000円でお釣りが来る矜持を保っているのが素敵です。
新卒で入った会社で、ロンドン支店長を歴任しMr.ロンドンと通り名のついたダンディだがお金にシビアなY部長の「ランチは1000円までにしてくれ」という名言をふと思い出しました。彼は今も元気にしているのだろうか。
そんなことを考えつつ日本茶を飲みながら出来上がりを待ちます。
目の前で揚げてもらったロースかつが不味いわけありません。
とんかつ、ライス、たくさんキャベ千。完全栄養食ですね!
まだお風呂かな?一緒に入ろう! 今度ね!って…もう俺といちかつは、何でもありでしょ?(笑)
また湯船に浸かって、ちょっと恥ずかしそうな顔のかわいいいちかつを見せてね! チュッ!
とメールしたくなるような夜でした。
2025/12/06 更新
2025/11 訪問
今日のいちかつ.x+1
浅草橋のガード下に潜むとんかつ屋、「いちかつ」へ濃く行く。それは僕にとって、ある種の帰還のようなものだ。
カウンターに座り、熱い日本茶(グリーン・ティー)を啜りながら、僕はただ静かにその時が来るのを待つ。頭上の線路を電車が通過するたび、微かな振動がグラスの水面を揺らす。
僕はロースかつ定食(850円)を注文した。
目の前で、職人が肉に衣をつけ、油の中に滑り込ませる。その一連の動作には、無駄な装飾は一切ない。そして、目の前で揚げられたロースかつが不味いわけがない。それは物理学的な真理であり、この世界の数少ない公理のひとつだ。
皿の上に並べられた黄金色のとんかつ、白いライス、そして山盛りのキャベ千(シュレッド・キャベツ)。それらは、完璧な均衡を保った完全栄養食(パーフェクト・フード)として、そこに存在していた。
サクサクという衣の音を聞きながら、僕は脳内で、誰にも届くことのない架空のメールをタイプライターで叩くように打ち込んでいた。
「愛しいいちかつ! おはよー! チュッ(笑)
もう俺といちかつは、既に逃れようのない運命共同体(デスティニー・コミュニティ)となっておりますので、どうか世界の終わりまでお付き合いください(笑)。
明日の晩は、君を抱っこして、腕枕をして寝てあげるからね。
ねえ、いちかつ! 俺にもチュッは?(笑)」
もちろん、返信は来ない。しかし、そのとんかつの脂の甘みは、僕の問いかけに対する、最も雄弁な答えだった。
そんなメールを送りたくなるような、深く、静かな夜だった。
2025/11/28 更新
ガード下に息づく良心への集中
浅草橋駅ガード下。都市の喧騒の中に静かに佇むとんかつ屋いちかつへ、私は今宵も濃く足を運ぶ。
ここは単なる食事の場ではない。日本の食文化における良心と、職人の美学が凝縮された、精神を整えるための道場である。
Mr.ロンドンの教えと1000円の美学
時代の波には逆らえず、ロースかつ定食は850円から900円へと改定された。しかし、ここで注目すべきは値上げの事実ではない。1000円でお釣りが来るというサンクチュアリを死守しようとする、その矜持である。
この価格設定を見るたび、私はかつての上司、Mr.ロンドンことY部長の言葉を身体的に思い出す。
「ランチは1000円までにしてくれ」
ダンディでありながら金銭にシビアだった彼。その言葉は単なる節約術ではなかった。己にフレームを設け、その制約の中で最大のパフォーマンスを追求せよという、仕事の流儀であり、ダンディズムの極意だったのだ。私は日本茶を啜りながら、この教えを反芻し、精神を統一して揚がりを待つ。
完全栄養食による身体のメンテナンス
目の前で揚げられたロースかつ。そのライブ感、音、香りが不味いはずがない。
とんかつ、ライス、山盛りのキャベ千。
この三位一体のバランスは、タンパク質、炭水化物、ビタミンを網羅した、まさに現代の完全栄養食である。これを体内に取り込むことは、明日への生命力を充填する行為に他ならない。
境界を超越した主客一体の境地
食後、満たされた私の心は、店との関係性を超越し、融合へと向かう。
* 「まだお風呂かな?一緒に入ろう!」
* 「今度ね!」
* 「もう俺といちかつは、何でもありでしょ?」
この脳内メールは、湯船という最も無防備な空間さえも共有したいという、対象への全的受容の現れである 。
恥ずかしそうな顔を想像し、「チュッ!」と結ぶ。これは、店への愛着が論理の壁を突破し、純粋な情動として溢れ出した、魂のコミュニケーションなのだ。
結論:制約の中にこそ自由がある
1000円以下という制約の中で、これほどの自由と 幸福を提供してくれるいちかつ。
この夜、私はY部長の教えと、とんかつの熱量を全身で受け止め、最高の上機嫌で夜の街へと戻っていくのであった。