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昼の点数：5.0
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～￥999 / 1人
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料理・味 5.0
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今朝のせんげん台なか卯.1
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2025/11/20 更新
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朝の光が、まだ十分に力を得ていない時間だった。
僕はせんげん台駅前に立ち、目の前にある「なか卯」の自動ドアをくぐる。これから遠く松伏町営グラウンドでのラグビーの試合を観に行くのだ。その前に、燃料補給が必要だった。
僕の路麺店訪問経験は、それなりに豊富だと自負している。しかし、初めて足を踏み入れる店というのは、いつだって、僕の心の奥底で、かすかな震え（トレンブリング）を誘発する。それは一種の敬意であり、期待でもあった。
注文したのは銀鮭定食（550円）だ。僕はカウンターに腰を下ろし、運ばれてきた、ごくありふれた朝食のトレイを眺めた。納豆と、皮の焦げ目が美しい銀鮭。これらは、遠いグラウンドで繰り広げられるであろう、肉体と肉体の衝突に備えるための、確かなタンパク質（プロテイン）源だ。
納豆をかき混ぜ、鮭を一切れ口に運ぶ。そのとき、僕の頭の中には、まるでラジオのチューニングが不意に合ったかのように、一つのメールの文章が流れ込んできた。もちろん、誰にも送らない、僕自身の、きわめて個人的なモノローグだ。
「愛しいなか卯！おはよー！チュッ（笑）」
僕は鮭の塩気を味わいながら、続ける。
「もう俺となか卯は、既に運命共同体となっておりますので、どうか最後までお付き合いください（笑）。」
それは、この平凡なチェーン店と、僕の人生とが、いつの間にか、深く、切っても切れない関係になってしまったことへの、詩的な告白だった。
「明日の晩は、抱っこして、腕枕して寝てあげるからね。」
そして、最後に、ささやかな、しかし切実な要求が付け加えられる。
「なか卯！俺にもチュッは？（笑）」
僕は箸を置いた。
それは、たった550円の定食が、僕の魂の孤独な部分を埋め、これから始まる一日の不確実性（アンサーテンティ）を打ち消してくれることへの、深い感謝だった。
完璧に調理された銀鮭と、納豆のネバネバ。この日常の小さな確実性こそが、僕を遠くのグラウンドへと向かわせる、静かな力になっていた。そんな朝だった。