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お酒と食の日々

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いな舟鶴岡/日本料理、郷土料理、居酒屋

1

  • 夜の点数:4.8

      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2024/06 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

【いな舟 六月旅情 くじら汁の約束】

六月の山形。
湿り気を含んだ風が田んぼの匂いを運んでくるような、しっとりとした午後だった。東京のごちゃごちゃを抜け出して、ふと思い立ち電話をかけた。

「くじら汁は、時期的にありますか?」と訊ねると、受話器の向こうから「ご用意しておきますよ」と返ってきた。
声の主は女将だ。その声には不思議な安心感があって、まるで“ここは全部任せて大丈夫ですよ”とでも言うような包容力があり、その声に惚れてしまった。

店は「いな舟」という名で、地元の人に聞いても「ああ、あそこはいい」と口をそろえる。
小さな暖簾をくぐると、そこには昭和がそのまま時間を止めて佇んでいるような空間があった。
色を忘れてしまったかのような壁、ただ息をしている そして女将ひとりが静かに切り盛りするまるで小さい頃に母親の実家に帰ってきたかのような。

カウンターに座ると、まずは地元の刺身。
ひと口食べると海の奥行きが口の中に広がり、お店と海が一本の線でつながっていることを確信する。
つづいてこのわた。
酒飲みにとっては“静かなる爆弾”だ。これはいかん、と思いながらも酒がすすむ もう失神しそうだ。

焼き物は地元の魚。火の入り具合が絶妙で、皮はパリッ、身はふわっとしていて、箸が止まらず いつのまにか右手に焼き魚、左手に日本酒の二刀流が皆伝になっていた

そして、待ってましたのくじら汁。
熱い湯気の向こうから、懐かしさのようなものがふわりとやってきて、気がつくと子供のころの夏休みを思い出していた。
ごろっとしたじゃがいもに、脂ののった鯨
これは旅人へのご褒美だ。

日本酒は地元のもの。地酒というのは“いま、この場所でしか出会えない味”というやつだから、それがいい。

気がつくと、私はまだいた。
女将は黙々と、でもどこか優しい目で料理とお酒をいつくしんでいるかのようだ
いい店だ、と思った。
東京から来たが、ここにはまた来たい。いや、来る。理由なんかいらない。ここに、あの声とくじら汁がある限り。

2025/06/17 更新

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