3回
2017/07 訪問
天使のえび登場!
2017/07/24 更新
2017/07 訪問
ワインが格別だった
1回目の訪問で際立ったのは、オーセンティックな味。
そして今回2回目に際立ったのは、バルバレスコ。
2011年なので、バルバレスコとしてもどちらかというと若い方かもしれないが、当然とはいえ非常に美味しい赤であった。
そしてそれをグラスで頂けるとは。。。
前回ドアを閉めてほしいと書かせて頂いた。
今回そのドアが閉まっており、そこを開いてイタリア人のウェイターが出迎えてくれた。
ドアが開いたままであると、迎える側も実は気がつかないこともある。
麻布十番の中では比較的静かなエリアであるが、そこからドアを中に入ってインテリアを味会う感覚。
うん、これがいい。素直にそう思った。やはりドアは閉めたほうがよい。
前回は、口の中でイタリアを感じさせてくれたと書いたが、今回は、ドアを閉めたことでこのインテリアが生きてより空気感もイタリアになっていた。
メニューについては、相変わらずオーセンティックな味であることの評価は変わらないが、ズッパ・ディ・ペッシェの食材の貧弱さが気になった。とくに海老の質。1500円の前菜ならこれもありだが、3000円のメイン料理にこれはない。
採点としては、上記の説明で明らかなように雰囲気とドリンクは+0.1、しかしCPは-0.2とさせて頂いた。
2017/07/23 更新
2017/07 訪問
最も本場の味に近いイタリアン
オーセンティックであることを最大のポイントとしている私にとってこれほどどんぴしゃなお店はない。
料理はミラノ料理が中心のようではあるが、それだけということでもないので、そういう意味では本当にオーセンティックではないのかもしれないが、しかし口の中にイタリアを感じたというのが一番の感想である。
東京のイタリアンの中で、どんなに美味しくても少なくとも口の中だけはイタリアにいるのではないかと感じさせてくれるレストランはほとんどない。
もちろん新鮮な食材が多い日本において、その日本の食材をイタリア料理に昇華することに見事に成功しているレストランも数多い。
しかし、このディエチは、そういう方向ではなく、本当に本場そのままを大切にしていることを感じさせてくれる数少ないレストランである。
それだけでも大きな評価に値する。
味だけではなく、そのポリシーの表れのひとつがどうぞペット連れでという点である。
イタリアでは、ワンちゃん連れは当然。だからこちらでも当然。ただ、それだけのことという極々自然体のサービス。
そのため、お客様の多くがワンちゃん連れで来られている。
しかし、ここはそのためだけに来るお店ではなく、本当に美味しいイタリアンであることをまず強調しておきたい。
店内は、ちょっと洞窟のなかにでもいるような雰囲気。それがまた美味しさを引き立てる。
前菜からプリマピアッティ(パスタとリゾット)、そしてメイン、もちろんデザート、どれもがきちんとイタリアであった。
では一つ一つのメニューを覚えている限り。
前菜
鮮魚のカルパッチョ:
絶妙の厚さの白身そしてたっぷりとした量。日本のイタリア料理店にかけているのが量であることを改めて認識させられる。
味付けもシンプルでありながら非常に美味しい
ブラータとドライトマト:
ブラータ(生クリームが中に入っているモッツァレラチーズ)に旬の自家製ドライトマトの組み合わせ。
味付けはされておらず、オリーブオイルとお塩でどうぞという形。
美味しくないはずはないが、今まで食べた中でも特に絶品のブラータである。
プリマピアッティ
サマートリュフのタヤリン (tajarin)
シンプルなチーズと黒コショウのパスタ、カチョエペペにたっぷりのサマートリュフをかけた細めの平たいパスタ。
もちろん、たっぷりのトリュフがポイントであることは言わずもがなであるが、味付けも本場さながらという何とも言えない絶品料理。
ミラノ風サフランリゾット
見た目は実にシンプルなきいリゾットであるが、味は絶品。
チーズの味がしっかりと効いている。
メイン(魚料理)
キンメダイのソテー アスパラガスとサフランのソース
こちらの良さは、思った通りの料理が出てくること。そして量もしっかりと。
ここまでに口の中をイタリアにされているところに、美味しいお魚料理。
満足感が高い。
デザート
チョコトルタ
思ったよりもずっと軽いチョコレートケーキ。
強いて言うならむしろもっと甘くてもと言いたいほどである。
こう見ると実は極めて代表的な味をシンプルに提供していることがわかるが、それだけに本場のバランスが生きていると思う。
デザートメニューは、もう少しパンチが欲しい気がする。
ワインもグラスで頂いたのだが、このレベルのワインをグラスで提供して頂けるのはうれしい。
近々別のメニューを試したい。
欲を言えばというレベルであるが、
一つはドアは閉めて欲しい。この梅雨の時期(残念ながらそこはイタリアにはない部分)、やはり若干湿った生温かい空気が入ってくるのは気になった。
ともすると見逃しがちにもなるエントランスでもあるので、やりたいこともわからないでもないが、それはそれで別のことを考えて欲しい。
もう一つは、ほぼ必ず東京のイタリアンで私が言いたくなることなのだが、「本場」がこの店のキーワードなのであえて言わせていただくと、もっとレストラン全体に陽気な空気が流れていてほしい。もちろんイタリアでもすべてのお店が陽気であるわけでもないし、どこぞのスタッフが大声で掛け声をかける規則のあるレストランもうっとうしい(「規則」になっている時点で陽気ではない)のだが、このお店にはもう少し陽気な空気が合うと思う。
その一旦は我々客側も担うべきだとも思うが。
私が付けた点数が示す通り、東京で最も美味しい本場のイタリアンである。
2017/07/23 更新
シンプルでありながら、いやシンプルであるがこそ、シェフのオーセンティックな料理に対するこだわりと確かな技術を感じる料理に、自然にこちらに足が向く。
前回、ズッパ・ディ・ペッシェに使われていたエビの質についてコメントさせていただいた。
早速、その点を向上していただいていたのには驚きを隠せない。
それは、ニューカレドニア近海の天使の海老。
近年、天ぷら店などでもよく出されているが、この有頭海老を使っていただくと、こちらのお店のメニューは数倍にも強固なものになることだろうと容易に想像がつく。
今回も本当にオーセンティックな料理を堪能させていただいたのでいくつかコメントを。
(これほど、この「オーセンティック」という言葉を連呼したいレストランは他にはない。私がそれを判断基準とすると謳って点数をつけているのだからもちろん最上級の賛辞である。)
ドライトマトのマリネサラダ
自家製のドライトマトであるが、いわゆる保存可能なドライトマトとは異なり、非常にフレッシュなドライトマト。なんか矛盾している表現であるが、要するに乾燥しているというよりは果汁が凝縮されてまだ残っている状態といえば伝わるだろうか。
美味しい。
コーンのスフォルマティーノ
季節によって使用する食材が変わるというスフレ。
コーンの味とチーズがよく合う。
これも本当に美味しい。
天使の海老のリゾット
これは通常メニューにはなくクリスマスなどの特別メニューで作るとのことのですが、どうしても天使の海老を味わいたくてちょっとおねだりして作っていただいた。
結論からいうと、私がこれまで食べたリゾットの中でもベニスで食べたイカ墨のリゾットと並んで、世界で最も美味しいリゾットかもしれない。
天使の海老であること、そしてもちろん有頭海老での使用であることは、とても重要である。
これからのこちらのシーフードメニューにこの有頭海老が使われると思うと多いに楽しみである。
スイカのグラニータ
スイカの美味しさが凝縮された美味しいグラニータ。
スイカというのは一見オーセンティックから離れるようであるが、そのまま食べても美味しい群馬産のスイカということでそれをグラニータにするのは、スイカもソルベにすることに慣れているイタリアらしいといえると思う。
とにかく美味しい。
今回料理、サービス、CP、そしてもちろん総合評価の点数を上げさせていただいた。
理由としては、
前回から食材の質にすぐに対処してくれたこと。
メニューにはない料理を出してくれる柔軟性。
これまで実は若干評価が低かったデザートメニューであったが、最高のグラニータが食べられたこと。
これでついに4.5点。日本のイタリアン最高の点数であることはもちろんのこと、もはやミシュランの星がついていないお店はない域に入ってしまった。めったに付けない点数なので、料理を思い出しながら、またほかのレストランの採点とも比較して、慎重に熟考させていただいたが、やはり点数を上げない理由がなかった。
天使の海老のズッパ・ディ・ペッシェを再度食べに来なければ。。。(笑)