12回
2024/12 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
ジャスト地元、池袋2丁目が誇る「定食 美松」である。
通い始めてもうスグ35年ぐらいになるのではなかろうか。
池袋に住み始めて、デビューは遅めだった。
ハッキリした記憶では、平成4年(1992年)から数年は、激通いしていた。
職場の人間とランチタイムを過ごしていたからだ。
もちろん、移転前の店である。
その頃は、1,500円を超えるのは「銀ダラ焼き定食」ぐらいで、あとは千円前後がメインだった。
最近は、全てが2千円以上で、3千円手前も当たり前になってきた。
各々の食材が高くなったセイもあるが、その価値があると思って、度々訪問している。
今年は、結構な人が集っていたため、並ぶのがキライな人間はやや遠ざかってしまった。
「みがきにしん煮付定食」(2,000円)+「タラコよく焼き」(400円) ーー 写真の通り。
京都の松葉さんで、にしんそばを食べ損なったコトもあったかも知れない。(笑)
メニューで見たときから、他よりも強い誘惑があった。
身欠ニシン、王道の味付けである。
あぁ、美味しい。
創作和食でも、奇をてらった和食でも、ダシの押し売りでもなく、ごくごく普通の煮付けである。
煮付け汁は、醤油・味醂・酒に、砂糖を多めに加えたような味わい。
最近は、こういう王道のレシピに、鰹ダシを立たせてみたり、そもそも醤油でなくそばつゆなどを使って差別化を図る店も増えてきた。
身欠ニシンの良さを感じづらくしているようなレシピだが、最近の人はタレの差別化で感動するようなので、ダシの押し売り的な料理も高く評価される。
いや、一蓮托生に述べているわけではない。
キチンとした和食屋ならば、の話である。
食材のレベル感でもあろう。
今のチェーン店化した大戸屋でダシの押し売りをしても嫌悪感は無いが、キチンとした和食屋でやられると嫌悪感につながる感じ。
だから、店により、僕は全く逆のコトを主張して書くコトがある。
ソレは、各々の店の有るべき姿がハッキリしている場合である。
身欠ニシンの器には、サツマイモとレンコンの天ぷらも。
ソレらもまた美味しい。
汁をほとんど吸わない衣の状態も、よく考えられている。
メインの身欠ニシンも美味しいが、他の面々も最高である。
小鉢のカボチャサラダ、レーズンとナッツが素晴らしく良い働きをしている。
ただ入れればイイというモノではない。
選ばれしレーズンであり、ナッツである。
この店の汁椀に至っては、池袋最高峰の汁椀であろう。
過去に何度もお代わりしているぐらい魅力的である。
この時期、身体が温まるようにも、よく考えられている。
追加した、「タラコよく焼き」。
コレは、メニューからは無くなっていたが、あるかどうかお聞きして焼いてもらった。
棲家でも自分で焼くが、この店のタラコ焼き、粒が立ってる感覚で最高なのである。
35年ぐらい、魅了され続けている「タラコよく焼き」である。
今回添えられていた、大根の粗おろし、こういう感じもまたニクイ。
最後まで書かなかったが、漬物がまた良い働きをする。
今回は、はんなりメンバー。
定食とは、こうあるべきだ、の全てを考えて作られているコトがよくわかる。
満足しかない。
ごちそうさまでした。
2024年、本年もありがとうございました。
またスグに書き始めるが、本稿をもって今年最後のレビューとしたい。
世間では、名が売れている店や料理人に忙しそうであるが、僕はこれからも、できれば名も無き料理人たちを応援していきたいと思っている。
この「美松」の大将や女将さんもそうである。
「楊」の孤独のグルメの撮影で調理した人と違う四川出身の料理人もそうである。
板橋「洋庖丁」の超火力を繰り出すマスターもそう。
いやいや、単なるバイト君でも、心を込めた料理は美味しいものだ。
世間は、右向け右状態で、超行列店と閑散店に二極化しそうなぐらい、ますます極端になってきたと感じた1年であった。
地元・池袋も、仕事で頻繁に訪れた埼玉方面も、横浜中華街も、大阪のミナミも、大行列店を多く見てきた。
人生、まだたくさんの時間がある人はいいのかも知れないが、僕らの世代は残された時間が少ない。
たまに、どうしても、という店があってもいいと思う。
でも、闇雲に並ぶのはどうも性に合わない。
食べることは好きだが、行列しているその時間を足していけば、旅行もよりできるだろう。
本もたくさん読めるだろう。大事な人たちといっぱい語らうこともできるだろう。
ここ数年は特に、食べることに時間を使い過ぎないようにしている。
だから、サッと食べられて、満足点に到達しやすい食事が多くなっていく。
ラーメンや他の麺類もそう、大好きな寿司屋も飲みながらなんてのは地元だけ。
高級中華でラーメンだけ、焼きそばだけ食べて帰るような図々しさは、年寄りの特権だ。(笑)
思い入れの強い店、思い出の店などには移動時間をかけるかも知れないが、徐々にコンパクトに生きようと思ってもいる。
まぁ、思っているだけで、いざ走り始めたらどうなるかわからないのであるが。
来る2025年、僕にとって、どんな1年になるだろう。
末筆になりましたが、本年も僕の拙い文章を読んでくださいました皆々様、本当にありがとうございます。
東京にも、郷里の京都のように美味しい天下一品のこってりラーメンがあったことに驚き舞い上がり、多くの同郷人に何とか伝えたいと思った2013年4月、苦手だったパソコンのキーボードのブラインドタッチの練習にもちょうど良いと始めた、この「食べログ」のレビュアー。
気づけば、12年目を迎える。
途中で何度も運営サイドとぶつかりながら、ここまでやってきた。
投稿ルールの度重なる改悪と不鮮明さに辞めていった多くの先輩レビュアーたちを想い、下書きに戻された時こそ、より多くのレビューを投稿するという真反対の姿勢で戦ってきた。
また、この食べログで多くのレビュアーさんたちと知り合いになれた。
実際に仕事でも活かされたことは、素直に感謝したい。
来る2025年も、皆々様にとって良き年になるよう真に祈念いたします。
ありがとうございました。
2024年12月31日、池袋の片隅で
京夏終空
みがきにしん煮付定食。
身欠ニシン。
汁椀。
小鉢。
定食+タラコ焼。
タラコよく焼き。
身欠ニシンの様子。
小鉢の様子。
この粗おろし。
この日のメニュー。
伝票。
12/29〜1/7休み。
テーブルアイテム。
入口付近。
別の出入口。
外観。
2024/12/31 更新
2023/08 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
「夏の美松」、である。
「閑さや 腹にしみ入る 美松メシ」
こころ静かに、気持ち穏やかに、自らの食欲に応じる。
ジャスト地元、池袋2丁目が誇る「定食 美松」である。
今までさんざん書いているので、この店のああだこうだについては、冒頭では繰り返さない。
過去にも書いているが、毎年、夏頃になると、この店も落ち着いてくる傾向がある。
4月、5月は、美松デビューする人が多くいるようで、雰囲気が若干違うと感じる。
単に高いだけだと思う人が来なくなり、逆に、満足を感じた人が再訪する。
だから、お店の色が、どんどん洗練されていく感じなのである。
「天然マダイ正油麹焼・定食」(2,100円)+「ご飯大盛」(100円)+「タラコ焼」(400円) ーー 写真の通り。
天然マダイ正油麹焼、美味。
漬け、上々。焼き、上々。
タラコよく焼き、いつも通り最高。
でも、ホントは、小鉢の肉じゃが、漬物、ご飯、みそ汁の方が最高なんじゃないか、と思ったりする。
各々の居場所、各々の強弱、各々の味わいがありながら、1食としての定食に集う。
飛び抜けた高級食材がソコにあるわけではない。
飛び抜けた施しがあるわけではない。
30年以上通っている池袋の片隅の単なる定食屋である。
「ぶくろにても ぶくろなつかしや ほととぎす」
今回は、芭蕉でいってみた。(笑)
でも、そんな感じである。
ごちそうさまでした。
(文責:京夏終空、2023.8.17)
(110件/3.51)
2023/08/17 更新
2023/04 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
ジャスト地元、池袋2丁目が誇る「定食 美松」である。
今までさんざん書いているので、この店のああだこうだについては、冒頭では繰り返さない。
「キンキ煮付・定食」(2,300円)+「たらこ焼(よく焼き)」(400円)+「ごはん大盛・白飯」(100円)+「お代わりみそ汁」(150円) ーー 写真の通り。
メインのキンキの煮付け、弱火でゆっくり時間をかけて炊かれた感じのデキである。
味がそこそこ染み込んでいるのに、身の表情はレア気味で柔らかい。
ただ、キンキそのものとしての味的には、旬のナゴリ的な味わいだと感じた。
やや濃厚で脂のノリも強め。
肝付きである。一旦内蔵全部を出して、肝だけ戻された雰囲気もある。
この肝の雰囲気だけなら、ハシリのような気もした。
ゴボウ、生姜、ネギが合わせられている。
タラコ焼きは、いつも通り最高である。
素材の良さも、焼きの良さも、よく伝わってくる。
小鉢、漬物、ご飯、みそ汁、お茶、最高である。
みそ汁、アサリのみそ汁で気に入ってお代わりした。
野菜のみそ汁もありますよと提案されたのだが、アサリ好きである。(笑)
各々が、俺が、俺がと、でしゃばらず、キチンと居場所をわきまえている。
もちろん、メリハリがあるなかで、ではある。
そういう、昔なら、むしろ普通で当たり前のコトが、できなくなった店が多いなかで、こういう定食が何より嬉しい。
ごちそうさまでした。
合計して2,950円。
高いと言えば、高いが、自宅で各々の最高の食材を集め、キンキを炊いて、タラコを焼いて、アサリのみそ汁作って、などとやっているコトを考えると、ごくごく妥当だとも思う。
以前も書いたが、単に高いと思う人が来なくなるから、お店もどんどん洗練されていく感じがする。
移転前から、30年以上通っている、地元の定食屋さんである。
(文責:京夏終空、2023.4.18)
(91件/3.51)
キンキ煮付・定食。
キンキ。
たらこ焼。(よく焼き)
みそ汁。
途中・全体図。
身の表情。
肝。
キレイでしょ。(笑)
なかなか良いデキ。
この日のメニューボード。
他、メニュー。
天井付近。
入口付近、店内から。
2023/04/18 更新
2022/07 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
ジャスト地元、池袋2丁目が誇る「定食 美松」である。
今までさんざん書いているので、繰り返さない。
「カンパチ正油焼・定食」(1,600円)+「たらこ(よく焼き)」(450円) ーー 写真の通り。
メインのカンパチと、タラコ焼きは、いつも通り最高である。
素材の良さも、焼きの良さも、よく伝わってくる。
小鉢、漬物、ご飯、みそ汁、お茶、最高である。
俺が、俺がと、でしゃばらず、各々がキチンと居場所をわきまえている。
そういう、昔なら当たり前のコトができなくなった店が多い。
ごちそうさまでした。
(文責:京夏終空、2022.7.20)
(39件/3.43)
カンパチ正油焼・定食。
カンパチ正油焼。
たらこ(よく焼き)。
小鉢。
シジミ汁。
途中・全体図。
脇役でない脇役。
定食メニューボード。
シジミ貝殻。
メニュー。
営業時間変更。7/19から。
店内から。
天井。
入口。
外観・側方。
2022/07/20 更新
2022/04 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
美味しい和定食の昼ご飯が食べたい。
そう思ったとき、地元では一番最初に頭に浮かぶ店である。
地元、池袋2丁目が誇る「定食 美松」である。
毎回書いているが、移転前の「美松」時代から、約30年通っている店である。
「銀ダラ正油麹焼・定食」(1,600円)+「ご飯大盛」(100円)+「たらこ焼き」(450円) ーー 写真の通り。
大きさもあるのだろうが、この「銀ダラ」の定食としては安い設定。
かつての「美松」時代では、1,800円での設定のときも多かった。
味や焼きは、申し分ない。
タラコ焼きは、僕の好みの「よく焼き」。
うん、美味しい。
モノを選ぶ、確かな目。
モノに対して、手をかけるときと、かけないときの見極め。
何も特別な焼き方をしているわけではない。
しかし、火の通りを熟知しているからこそ、ジャストの時間で提供される。
どこどこのブランドの炭火でもなければ、炙りもしない。
ソコにある調理器具での最高を引き出す。
ソレこそが、料理ではないだろうか。
今回は、親父さんの動きを見ていて、そんな風に思った次第である。
ごちそうさまでした。
(文責:京夏終空、2022.4.12)
(38件/3.41)
2022/04/12 更新
2021/10 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
この時期なれば、もう「カキフライ」あるよね、…きっと。でも、心配だから…。
僕は、美松の店前の不審者である。
でも、通報しないでね。(笑)
その日の定食のラインナップが、何であるのか、外から眺めるのである。
この店、この時期は、南側の扉が閉じられているコトが多いが、その横のガラス窓から黒板をうかがうコトができる。
ただ、悲しいかな老眼と近視の入り混じった眼では、なかなかピントが合わない。
で、ついついガラス窓から中を覗き込むようにして不審者さながらの様相になるのである。
覚えている方も多いと思うが、移転前の店もそうだった。
入口扉の遥か左の方の格子窓の一部から、中の黒板が読み取れたのだ。
あぁ、今日はもう銀ダラ西京焼が終わりだとか、季節モノの確認などにも、有益な覗きなのである。
だから、僕は、美松の店前の不審者を約30年演じているコトにもなる…。(笑)
さて、カキフライである。
これまた池袋西口の名店、簡易的洋食の殿堂「キッチン チェック」で今シーズンはフラれ続けている。
10月15日の夜の部から、チェックではカキフライが始まると地元情報があったのだが、タイミングが悪く、どうも訪問すると、売り切れ状態ばかりなのである。
そんなコトもあったので、よりカキフライには慎重になってしまった今シーズンなのである。
しかし、この「美松」では、そのメニューがもし無くなったら、スグに黒板からそのメニューを消すという習慣が移転前の店から徹底されている。
だから、その文字が読み取れれば、安心なのである。
「カキフライ定食」(1,700円)+「ご飯大盛」(100円)+「うるめいわし」(300円) ―― 写真の通り。
麗しの美松のカキフライである。
大ぶりで、かつ、味わい深いカキフライである。
衣はカラッとややカタめに、中は、じんわりふんわり新鮮な味わい。
濃厚だとは言わない。
新鮮なのだ。
むしろ、貝柱やヒモの表情までみずみずしい。
スダチをひと回しして、ソースで食べる。
うん、最高。
たまに、カキフライ風味のタルタルソースを食べているのでは?と思うぐらい、味わいの根幹をタルタルに持っていかれているコトを満足する怪しいカキフライもあるが、そういう心配は一切無い。
味が足りないと感じる方々は、きっと、タルタルファンなのだろうと思う。
また、濃厚では無いと書いたが、ソレは好みの問題もあると思う。
もちろん、牡蠣そのモノの質感はあるが、概ね、やや死後熟成が進んだ方が、カキ独特の風味がより強く出てきて好きだという場合もある。
僕は、どちらも好きである。
ウルメイワシ、こういうのをしがみながら食べる白メシも好きである。
酒なんかは、大人になってからああだこうだと言っているだけで、子供の頃より長年慣れ親しんだ味わいは、やはり白メシとの相性が重要である。
うん、美味しかった。
ごちそうさまでした。
(文責:京夏終空、2021.10.26)
(27件/3.42)
2021/10/26 更新
2021/09 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
続々々・地元、池袋2丁目が誇る「定食 美松」である。
毎回書いているが、移転前の「美松」時代から、約30年通っている店である。
「新サンマ塩焼定食」(1,500円)+「焼きタラコ」(450円)+「お代り・特みそ汁」(250円) ―― 写真の通り。
サンマ、旨し。
ソレ以上、言うコトがない。(笑)
サンマ良し、塩ふり良し、焼き良し。
背身も腹身も皮も小骨も全部食べられる。
モノが良くて焼きが良いから、キレイに食べられる。
いつもの焼きタラコ、最高。
どうして、家で焼くのと違うのか、永遠の謎である。
みそ汁、旨し。
お代りみそ汁、通常150円だが、具沢山バーション250円。
すすっていると、ソレでも安いと思ってしまう。
日本の正しき定食。
凛とした気持ちになり、背筋が伸びる。
ありがとうございました。
ごちそうさまでした。
今回は、美味しいサンマが食べたかったから訪問した。
もうスグ、美味しいカキフライも食べたいと思うようになる。
そして、ココに来る。
(文責:京夏終空、2021.9.27)
(26件/3.42)
新サンマ定食+α。
新サンマ・表情。
3点セット。
焼きタラコ・よく焼き。
お代り・みそ汁。
ごちそうさまでした。
焼きが良いからキレイでしょ。
店内光景。
その日の定食黒板。
いろいろ。
伝票。
外観・一部。
2021/09/27 更新
2021/08 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
続々・地元、池袋2丁目が誇る「定食 美松」である。
「美松」時代から、約30年も通っていると、毎年、ある傾向が見て取れる。
このレビューの前段、ちょっとイヤな書き方になるかも知れないが、地元民として、率直にそんな風に思うのである。
4月、5月くらいからしばらくは、やや店内が浮つく感じがする。
新社会人や転勤者、さらに新入生たちが池袋西口デビューし、何らかの噂を聞きつけて多く訪問するからだ。
初めての訪問で、勝手がわからないという部分も当然にあるだろう。
しかし、夏頃から、何だか、お店の雰囲気が概ね落ち着いてくるような気がする。
人それぞれの価値観なので断定的に言うつもりはない。
しかし、モノの良さに理解が届かず、単に高いと思う人が再訪しないから、お店の色もどんどん洗練されていくような感じもする。
あえて逆側の人から言わせれば、高いのに騙され続けて慣れてしまった人々が確定する頃、と言ってもイイかも知れない。
今年に関しては、お店の移転・統合から、モノは試しに的な客が一巡した部分もあるような気もする。
8月末頃の状況では、ジャストの昼時には、2,3人、4,5人ぐらいと、若干行列ができる日が多く見受けられるが、ソレ以外は、比較的すんなり入れる。
店内は、概ね静かになり、ベラベラと大声で話す人もいなくなる。
店員さんも、ソレに合わせて、静かに丁寧に、お声かけしてくれる。
皆が、その膳に向き合い、頷くようにして食べている。
この店は、地元でも、一番客層がわかりやすい店だとも言える。
ごく一部の意見以外は、概ねその価格で判断が分かれると思う。
価格的妥当性の各人の価値観が、すべてであるような気もするのである。
「紅鮭焼定食(大)」(1,500円)+「玉子焼」(450円)+「シラスおろし」(400円) ―― 写真の通り。
定食の膳には、メイン、小鉢、漬物、ご飯、みそ汁と並ぶ。
「(大)」は、ご飯大盛で、プラス100円。
シャケでしょ、玉子焼きでしょ、シラスおろしでしょ、で、何故2,350円???
そう、思う人が来なくなる…だけである。
そう、特別なモノなんて、何もないかも知れない。
でも、例えば、今年食べた鮭で一番美味しかったのは?今年食べた玉子焼きで一番美味しかったのは?などと聞かれれば、真っ先に候補として頭に浮かぶ店の一つなのである。
ソレが、僕にとっての揺ぎ無い価値なのである。
ごちそうさまでした。
写真は、玉子焼きが最初に提供された関係上、「玉子焼き定食」のような撮影をしてそういう注釈を付けたのだが、実際には無い。
あくまでも、紅鮭定食に追加しただけである。
(文責:京夏終空、2021.9.5)
(25件/3.42)
2021/09/05 更新
2021/08 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
続・地元、池袋2丁目が誇る「美松」である。
毎回、ああだこうだと書いているので、その部分は繰り返さない。
しかし、膳が手元に届いた瞬間、これほど、じんわりと頷ける膳は少ないのだろう、と思う。
「めぬけ西京焼定食(大)」(1,500円)+「たらこ焼」(450円)+「お代り・みそ汁」(150円) ―― 写真の通り。
定食の膳には、メイン、小鉢、漬物、ご飯、みそ汁と並ぶ。
「(大)」は、ご飯大盛で、プラス100円。
和食系の定食では、ごくあたり前のラインナップなのだが、この店の場合、冒頭に書いたように、深くじんわりと、うんうん、うんうん、と何だか頷いてしまうのである。
料理や、食器たちの美しさもある。
各々の大きさや、バランスもある。
でも、俺が、俺が、と主張する料理が並ぶような膳でなく、皆、自分の居場所と役割りがわかっていて、静かに、しかし堂々と落ち着いて存在している膳である。
そして、各々を口にすると、さらに、頷くのである。
こうあって欲しいと思う、こう、の味わいや状態を、どれもほんの少し上回ってくる感じなのである。
だから、…満足する。
一昔前は、こういう定食を食べさせる店がいくつもあったような気もするが、今は、少ない。
ムダに高級食材などを使い、俺が俺がと、主張させる。
「食」の立て続けに迫る様は、時として嬉しいが、時間軸の中での本来の向き合い方の流れを失い、気品のような落ち着きからは離れていく。
常夏の国が好きな人は別にイイが、個人的には、四季のある国を好む。
毎回、見事な膳だと思う。
ごちそうさまでした。
きっと、こういう食事が、和食の真のグルメなんだろうと思う。
虚構のグルメには無い、揺ぎ無い、凛とした存在感がある。
地元・池袋2丁目が誇る「美松」である。
移転前の場所から通算すれば、もう約30年の付き合いになる。
毎日通うような定食屋でなく、たまに「美味しいもの」という感じで利用している店である。
(文責:京夏終空、2021.8.31)
(25件/3.42)
2021/08/31 更新
2021/05 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
地元・池袋2丁目が誇る「美松」である。
アゼリア通りにあった旧「美松」時代から、ちょっと上の定食屋である。
毎日通うような定食屋でなく、たまに「美味しいもの」という感じで利用している人がほとんどだったと思う。
キチンとした食材を、キチンとした料理で、それなりの価格で提供し続けている店なのだ。
この界隈、そういう和食系定食では「わだつみ」と双璧を成す。
僕も、この美松とは、約30年の付き合いである。
「焼魚・赤魚定食」(1,400円)+「たらこ焼き」(450円)+「お代わりご飯」(150円) ―― 写真の通り。
この店の場合、何も書きたいとは思わない。
美味しいからである。
何がどうだとかとか、素人が言えるレベルの店でない感じがヒシヒシとする。
僕の中では、地元の「おむすび」と「焼魚の定食」は、美松なのである。
以上である。
たらこ焼き、旧美松時代から、好んでいる。
何が違うのかよくわからないのだが、家で焼く感じとは異にする。
半焼き、よく焼きなど、いろいろ注文してきたが、美松だからこそ、よく焼きが美味しい。
そう思っている。
汁、漬物、全てに一切の妥協が無い。
満足。
ごちそうさまでした。
(文責:京夏終空、2021.5.25)
(20件/3.41)
2021/05/25 更新
2020/10 訪問
池袋2丁目、「定食 美松」。【11th】
「美松」+「美松はなれ」=「定食 美松」という感じになったか?
地元・池袋2丁目が誇る「美松」である。
僕自身も、もう30年近い付き合いになる。
とうとう「はなれ」時代は、レビューせずに終わってしまった。
大事に、大事に、などと考えていると、…そびれる。
「美松」時代から、ちょっと上の定食屋である。
毎日通うような定食屋でなく、たまに「美味しいもの」という感じで利用している人がほとんどだったと思う。
ここ10年ぐらいで、僕の周囲の知り合いでも、週1以上通っている人は滅多にいなかった。
30年、20年ぐらい前はいた。金曜日の昼は「美松」だとか、そう決めている人が。
キチンとした食材を、キチンとした料理で、それなりの価格で提供し続けている店なのだ。
約7年半前、「美松」のレビューの書き出しでこう書いた。
「正直、ちょっと高い。」
そう、前述した通り、高いのである。
でも、その「高い」は、他の安価な定食屋やチェーン店などに比べてである。
高いけど妥当だと思う人が通っているのである。
でも、そういう感じが、ちょうどイイんじゃないかな。
雰囲気も崩れないし…。
高いだけだと思った人は再訪しないから…。(笑)
そして、30年以上続いている店なのである。
「おむすび定食(2ヶ)」(1,000円) ―― 写真の通り。
おむすび2コで、千円???
だと思う人はやめた方がイイ。
美松は、みそ汁、漬物、小鉢などにも多大なる神経を使っている店である。
ムダな、いや、いい加減な皿や鉢など一つも無い。
定食屋とは名乗っているが、日本料理店といっても通用するレベルだと思う。
みそ汁を口に含めばわかる。何とも滋味深く。淡くはんなりする。
漬物を口にすればわかる。何とも良い塩加減と漬け具合。
俺が、俺が、と主張する料理が並ぶような膳でなく、皆、自分の居場所と役割りがわかっていて、静かに、しかし堂々と落ち着いて存在している膳である。
もちろん、各人、好みもあろう。
僕だってある。味も、調理程度も。
でも、料理人の意図するトコロはブレず、筋が通っている料理。
ある意味、安心するのである。
歳を重ね、より、そう思うようになった。
柔らかくにぎられた「おむすび」である。
今回は、アサリとタラコにした。
風味、食感、温度、見た目。
じんわりと、うなずく。
満足。
ごちそうさまでした。
いつも、僕は、決まり文句で、「4.0」以上の店に「大満足。ごちそうさまでした。」と書き添えるのだが、「大」満足というコトバも似合わないような気がしてやめた。
静かに、着実に、確実に、胸の内で満足している。
ソレを、大満足と呼ぶなら、そうであろう。
(文責:京夏終空、2020.10.23)
(10件/3.09)
2020/10/23 更新
「閑さや 腹にしみ入る 美松めし」
初夏の「美松」。
2年ぐらい前にも、この句を使った。
この日、11時過ぎ、3人目の客だった。
次の客がなかなか来ない。で、ホントに静かな時間が流れていた。
たまにあるんだよな。
こういう感じ。
ジャスト地元・池袋2丁目が誇る定食屋。
もう35年ぐらい通っている。
通っていると言っても、最近は「ごくたまに」になってしまった。
行列が大の苦手な人間、仕方ない。
「むぎとろ定食」(2,500円)+「ご飯大盛」(100円)+「たらこ(よく焼き)」(450円) ーー 写真の通り。
この日の「むぎとろ定食」のメインは、「めぬけ西京焼」。
「美松」の西京焼、「焼き」もイイ感じで、味わいも京の石野さん系の雰囲気で好み。
初夏の「メヌケ」、身の味わいに品があり、美味。
もっと脂ののったモノも好きだが、この初夏の頃の味わいは優美である。
「初ガツオ」ならぬ、「初メヌケ」的な雰囲気。
カットレモンや、粗おろしの大根おろしも良い働きをする。
「むぎとろ定食」は、むぎとろ以外に、小鉢、漬物、ご飯、みそ汁が付く。
むぎとろ自体も美味しいのだが、合わせられている白ゴマとアオサ海苔の風味がまた良い。
小鉢、鶏肉の肉じゃが的なモノ。
「美松」では、同じ日の小鉢も、定食によって変えられたりする。
「定食」全体のバランス感は、女将さんのセンスも光る。
今回の定食の小鉢、やや濃いめで、やや甘めな味を意図して持ってきているのがわかる。
ご飯、ついつい大盛にしてしまう。
ウマいおかずは、白メシが足りなくなるのが世の常である。(笑)
この日のみそ汁は、シジミ汁。
この汁椀も、実は、定食によって変えられたりする。
過去にも、みそ汁のお代わりを何度かしているのだが、選択できたりする。
良きシジミだった。
こういうみそ汁のシジミを、頭ごなしにダシ用だから食べるべきでない、とする人種もいるが、ダシ用なのか、そうでないのかは、身の表情を見れば明らかで、ダシでとられたあとにも追加入れしているモノで、十二分に美味である。
たらこ・よく焼き、ついつい追加してしまう。
何度も書いているのだが、「焼き」の妙なのである。
粒が立っている感じ。
最近は、減塩のモノを用意しているようである。
ただ、この「たらこ」、メニューのどこにも載っていない。
追加で「玉子焼き」を注文する人は多いが、「たらこ」は隠しメニューなのである。(笑)
全体を通して、やはり「腹に沁み入る」感じが心地良い。
同じ大盛りメシでも、ガテン系でバクバク食べるべき定食もあるが、静かに向かい合う定食もあるのである。
1つ1つに満足し、全体を通しても、大満足。
ごちそうさまでした。
予算的には、約35年前に比べ、倍近い価格帯になったが、ソレでも「美松めし」は、たまには向き合いたいと思っている地元民である。
(文責:京夏終空、2025.5.24)
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