7回
2024/05 訪問
鎌倉マイベストレストラン
1年ぶりになってしまったIZA。鎌倉はそれなりに来ているが、イチリンハナレやNAM Iさんに行っていた事もありこちらになかなか行く機会がなかった。
久しぶりの芝先シェフの料理。いつも通り、こだわりのノンアルコールペアリングで。
*梅ミントソーダ
その名の通り、自家製梅シロップとミントのソーダ
・タルト
定番のタルト。今回は焼いた茄子をバルサミコにつけたものにキャビアとディル。茄子の甘さ、バルサミコの酸味、キャビアの塩気とコクにディルの爽やかな香り。相変わらずいいスタート。
・赤エビのマリネ
赤エビはオレンジやバジルの風味をつけている。ズッキーニのペーストがソースがわりで、焼いたズッキーニ。そしてストラッチャテンダ。ストラッチャテンダはブッラータチーズの中身。これにパルミジャーノのチュイールを添えている。
・タコの赤ワイン煮
タコを赤ワインで柔らかく煮たもの。その上にウイキョウのサラダ、ウイキョウの種で香りづけ。また、新じゃがをピューレにしてタイムの香りを加えたものを添える。さらに新じゃがのチップスをトッピング。
*ジャスクルト
ジャスミン茶とヨーグルトドリンク、パインの果汁
・鮎のコンフィ
鮎をコンフィにしてヨーグルトとハーブのソースを添えたもの。その上にトマトや玉ねぎで作った地中海風ソースをのせている。焼いたきゅうりが添えておりマイクロセロリをかけている。
鮎のコンフィが素晴らしい。特に内臓の甘さと苦さがソースに合う。当然ドリンクがヨーグルトベースなのでピッタリである。きゅうりは鮎の香りにあわせたのだろうか。ところが焼いたきゅうりが妙においしい。うまく組み合わせたものだ。
*グレリング
グレープフルーツシロップにノンアルコールリースリングとハーブティーをブレンドしたもの
・帆立のスコッタート(写真撮り忘れ)
帆立はまわりをしっかり焼いているが中は生。ミキュイよりも生に近い。帆立の下にグレープフルーツの皮を煮詰めたシロップで和えたクスクスが引いている。一緒に頂くと帆立の甘さとグレープフルーツの甘さ、香りがよく爽やかに頂ける。暑い日という事もあり、今回は爽やかな香りのものが多い。帆立にはグレープフルーツシロップが塗ってある。塗ってから焼いたとの事。青紫蘇のスプラウトがいいアクセント。
*カカオワイン
カカオとノンアルコールのメルロー
・定番のスプーン
今回は、豚バラ、フォワグラのテリーヌ、松の実、カカオニブ、きゅうり、あんずのジャム、ミルクチョコ、マジョラム
30回以上噛んで味わうもの。シェフの解説付き、、(笑)
カカオニブやミルクチョコの香りがあるのでカカオワインとよく合う。順繰りに様々な味わいと香りが巡ってくる。
しかし、いつも思うが組み合わせが素晴らしい。
*クラフトビール
ノンアルコールビールに生姜、カルダモン、クミン、などを加えたもので、シロップも入っているので少しだけ甘味を感じるがスパイシーなビール。
・パニーノ
シェフがイタリアのシチリア地方に住んでいたころ、住まいの近くで出ていた屋台のパニーニを再現してみたとのこと。
パンは丸いチャパタで、中はサルシッシャ、パプリカ、ししとうでクミンやコリアンダーで香りづけしたスパイシーなマヨネーズソース。かぶりついて頂く。サルシッシャの旨味や野菜の甘さ、これにピリッとしたソースが合う。こればビールにぴったりだろうか。クラフトビールドリンクには完璧に合う!
*和紅茶
鹿児島産の和紅茶にゆずの香り。グラスの淵に山椒塩が塗ってある。
・温玉
温玉に生ハム、ホワイトアスパラ、ポルチーニ。上にペコリーノチーズをかけて最後にナスタチュームを香りと彩でのせたもの。ベーコンと牛乳のソースがかかっている。
温玉とソースがいい塩梅でホワイトアスパラの甘さやポルチーニの香り、生ハムとペコリーノの塩味とコク、最後にナスタチュームの爽やかな香りがうまくまとめている。和紅茶の山椒塩のついているところで飲むとこの料理にぴったりと合う。
・イカ墨のオルゾット
大麦で作ったイカ墨のリゾットである。レモンの皮をおろしたもの、ボッタルガを最後に振りかけてある。
大麦なのでしっかりと噛むことになるが、イカ墨の旨味がじわじわと出てくる。レモンの香りが爽やかでいい。
・SDG’s
要するに定番のズッパディペッシェである。料理で使った魚介の殻やアラ、野菜の切れ端などすべて旨味を抽出したスープ。
具材は一切ないが旨味の宝庫である。
*赤紫蘇ざくろ
ザクロビネガーに赤紫蘇と炭酸
・パスタ
鶏のラグー、砂肝、ハツをソースにした手打ちパスタ。ローズマリーの香りをつけ、皿の縁にレバーパテを添えてある。レバーパテは途中から味変でつかうのがいい。内臓も混ざっている鶏のラグーと旨味とコク。やや太めのパスタとよく合う。途中でパテを混ぜると一層旨味が増し、あっという間に食べてしまった。
・スズキのソテー
ソースはマスタードにディル、大葉、ミョウガで作ったもの。スズキが淡白なのでソースはこれくらいしっかりとしていた方がいい。ハーブサラダやマリーゴールドの花が添えてある。マリーゴールドの花の香りとほろ苦さが甘めのソースにいいアクセント。
・薩摩ハーブ鶏の素揚げ
薩摩ハーブ鶏を素揚げして、サルサベルデのソースで仕上げたもの。まわりにパプリカと唐辛子の粉を振ってある。素揚げした鶏は歯ごたえのある肉質で旨みもしっかりあって、塩味だけでも十分だが、酸味と辛味のきいたサルサベルデのソースは、揚げ物をさっぱりと食べさせる。
・デザート ローリエのアイスクリーム
ローリエのアイスクリームにチョウジのクランブル。下にはラズベリーソースとラズベリー風味のカスタードが引いてある。ローリエの香りとチョウジのアジア風の香りがよく、また、ラズベリーの酸味が爽やか。香りを味わうデザート。
・ミニャルディーズ
これもお馴染み。カルダモン風味のメレンゲ、ポレンタで作ったサブレのズブリゾローナ、鎌倉銘菓胡桃っ子のIZAバージョン、サラミドショコラ、生チョコ。そして、おすすめのコーヒーはコロンビア。
少量多皿のコースは一見するとイノベーティブに思えるが、実際はイタリアの地方料理や屋台料理のシェフアレンジのコースである。イタリア全土をまわったシェフらしいコースである。だから、どれも様々な味わいがあって飽きない。シェフは将来的に色んな地方で屋台で料理を出したいらしい、、笑
イタリアの屋台料理も食べ歩いたシェフらしい。
また、ノンアルコールペアリングは料理に合わせるため、作るのもかなり大変である。しかもノンアルコールドリンクは全て自家製。
それを理解しているからこそ、ここのお店はいつも期待通りである。
七里ヶ浜からこちらに来て、シェフの思うようなお店になってきているのか。そういえば、七里ヶ浜のお店のあとに入ったドラキアさんも小町通りの方に移転していたか。こちらの御成通りもフィエルテ、アンチョアと名店が揃っている。しかし、私のベストレストランはやはりIZA、、、
2024/06/20 更新
2023/05 訪問
さあIZA鎌倉へ
たまたま、仕事の都合で湘南に行く予定だったので予約をしていた。今年初訪問になる。2ヶ月ごとにメニューが変わるが、今回は5,6月の初夏のメニュー。梅雨時に合わせてさっぱりとしながらも食べ応えのあるメニュー。
このお店にはワインペアリングだけでなくノンアルコールペアリングがある。芝先シェフ曰く、ノンアルコールだと決まり切ったものばかりで、アルコール飲めない人が損していると、全て自家製のノンアルコールドリンクをメニューに合わせて作っている。むしろノンアルコールペアリングの方が人気が上がっているようだ。
さて、今回のメニューは
・紫陽花ソーダ
ライムとトマトジュースで作った紫陽花色のソーダ
*カマスにキャビア、チコリ、ヨーグルトのタルト
カマスが香ばしく、キャビアの塩気がいい。チコリのほろ苦さ、ヨーグルトの酸味がさっぱりとする。ソーダともよく合う。特にライムの香りが合っている。
*赤海老とそら豆、サヤエンドウのつるのサラダ
最後に青リンゴのグラニテをかける。つるは苦味と少々の青臭さがあるが、赤海老とそら豆、グラニテと一緒に食べるとむしろ苦味がアクセントになる。グラニテの爽やかな風味、さらにソーダがいい塩梅である。スッキリとした料理。
・キュウイとノンアルコールリースリング
レモンのスライスを浮かべている。爽やかなドリンク
*タコを塩茹でしたものにスペイン産グリンピース
タコにディルやケールを合わせ、スペイン産グリンピースのソースを和えたもの。このグリンピースがとても甘い。グリンピースの青臭さは全くない。タコの塩味がさらに甘さを引き立てる。ディルの香りとドリンクのフルーティな風味で後味が爽やかである。このグリンピースなら苦手な人でも食べられるだろう。
*定番のワンスプーン
ミル貝、クラッカー、ウドのマリネ、マジョラム、赤玉ねぎのジャム、白バルサミコ酢のワンスプーン。お馴染み20回以上噛むと同時に味の解説付き、、笑
・赤紫蘇のラッシー
その通りで赤紫蘇風味のラッシーであるが、二品目にこのドリンクの風味が大きく変わる。
*帆立のスコッタート
スコッタートは表面のみ高温で焼いたもので中はレア。
ソースはとびこと生クリームを使ったもの。上に鱒の子を乗せてある。とびこの風味の甘めのソース、帆立の甘さ、そしてそれを引き立てる鱒子の塩味とコク。ラッシーのヨーグルト風味が合う。
*ドネルケバブの春巻き
ここでスプーンと紙の包みが出てくる。中にクミンとキャラウェイのスパイスミックス。これをラッシーに入れてよく混ぜる。ドネルケバブの春巻きに合わせるためである。春巻きはドネルケバブのソース。スパイシーなラム肉をライスペーパー、春巻きの皮の二重巻きで揚げてある。なるほど、これはスパイシーなラッシーに合うに決まっている。どちらもヨーグルト、スパイスが入っているからである。何でもイタリアでもドネルケバブは屋台などで定番との事。
*ズッパディペッシェ
定番のスープ。その日使った魚介の出汁で作る。今回は海老の風味が中心。やはり、このメニューは外せない。暑い日でも入れておいて欲しい。
・茗荷エール
ジンジャエールの生姜を茗荷に変えたもの。実は、これは飲み物として十分に美味しい。商品化して売って、と言った、、笑
*ブリのサラダ仕立て
ブリは表面を炙って、ビーツ、オゼイユ、赤紫蘇、茗荷のマリネ、大葉、イエロートマトと一緒に頂く。シェリービネガーと白バルサミコのドレッシングがかかっている。これだけの野菜や薬味と一緒なのにブリの味がしっかりしている。茗荷エールとはピッタリと合う。
・バイマックルー
名前の通り、こぶみかんのドリンクにきゅうりのスライスが入っている。きゅうりがなぜ入っているのかは次の料理で理解した。
*鮎のコンフィ
鮎をコンフィにして、マイクロセロリ、ズッキーニを添えたもの。ボリジというハーブのソース。ボリジはきゅうりのような風味で、鮎も同じ様な風味があるので、よく合う。また、ドリンクも当然に合う。鮎のキモのほろ苦さと甘さが美味しい。
・ペッパービール
泡がコショウ風味になっており、ノンアルコールビールに醤油でコクをだし、コーヒーで苦味と風味をつけたもの。よく味わうと奥の方で醤油を感じる。
*ニョッキ バターソース
ニョッキは単純にバターであえて、アスパラとバジルを合わせたもの。その上にペコリーノロマーノをたっぷりかけたシンプルなもの。ニョッキはじゃがいものみで、つなぎがなく、じゃがいもの美味しさを味わうもの。ニョッキが甘い。ペコリーノの塩気とコクも合う。純粋にニョッキを味わう皿である。ペッパービールのコクとペッパーの風味がニョッキに合う。だからニョッキには胡椒を使っていなかった。
*タコと豚肉のラグーソースのタリオリーニ
手打ちのタリオリーニにタコと豚肉のラグーソースを合わせて、塩漬けのリコッタチーズを散らしたもの。ラグーソースはあっさりとしているが、そこに塩漬けリコッタの塩味と旨さ。ペッパービールのコクや胡椒がこのタリオリーニにもピッタリと合う。
・メルローのノンアルコールワインにシナモン、バルサミコの風味
メルローの渋みやベリーの香りはあるが、さらにシナモンやバルサミコの甘い香りが飲みやすくなる。最も、この風味はメインの鴨に合わせて作ったもの。
*鴨胸肉のロースト ビガラードソース
鴨はフルーツ系のソースがよく使われるが、オレンジとはちみつを合わせたビガラードソースで提供された。このソースだから、ノンアルコールワインのシナモン風味は当然合う。つけ合わせは、セロリラブのピューレ、カブ、新じゃがいもを焼いたもの。つけ合わせはどれも自然の甘さ、香りもいい。ノンアルコールワインにシナモンやバルサミコを合わせた意味がよくわかる。
*パッションフルーツのグラニテとココナッツシャーベット
鴨の後だけに、さっぱりとした酸味と甘さ、香りがいい。
*ドルチェ 黒蜜のアイスクリーム
アイスの下に抹茶のクリーム、まわりにはいわゆるポン菓子、白玉など。イメージは鎌倉の和の甘味。黒蜜のアイスとポン菓子は、懐かしいというか、私が好きな味である。ちょっと、駄菓子屋さんを思い出した、、笑
*シェフこだわりのコーヒーと菓子(写真撮り忘れ)
コーヒーはブルンジのもの。フルーティーな香りと酸味のきいたコーヒー。最近、酸味のあるコーヒーを出すところが少ない。私は深煎りの苦味の強いコーヒーよりも酸味のあるコーヒーが好きなのでありがたい。
菓子はフルーツのパウンドケーキ、サラミドショコラ、ラベンダー風味のマシュマロ、鎌倉NO1お土産のくるみっこを自家製で作ったもの、カントゥッチ、クミン風味のラムネ。
最後の菓子までこだわって作ったもの。
どの料理もイタリア各地方のものをシェフがアレンジして、コースとして完成している。どの料理も印象に残り、どれも美味しい。季節に合わせて、味つけもしっかりさせたり、あっさりと仕上げたり、とにかくコースの完成度が高い。また、ワインペアリング、ノンアルコールペアリングもコースに合わせて用意している。特にノンアルコールドリンクは全て自家製の手作り。こちらは芝先シェフ含め3人で回している。ノンアルコールドリンクは3人で考えて、料理と一緒に何度も試飲して完成している。シェフ曰く、3人とも料理も作れる、ノンアルコールドリンクも作れる、接客もできる、だからこの様なノンアルコールドリンクを提供できるとの事。もし、仕事を完全に専業制にしたら厨房が回らない。だから、大きなお店ではできない。3人が全てを担当でき、そして最大でも10席だから可能なサービスなんだろう。
シェフはアルコールが飲めない人の飲み物の選択肢を作りたいとノンアルコールドリンクにこだわっている。これだけのサービスは、ここでしかない。
また、サービス料はとらず、コースは税込16500円、ノンアルコールペアリングは4000円である。また、ドリンクの注文はしなくても構わない。コースにはガス入りかガスなしのミネラルウォーターがつく。
だから、たとえ片道1時間30分かかってもこちらの店には行きたいと思う。そう、私にとってのミシュラン三つ星なのかもしれない、、、
2023/05/14 更新
2022/10 訪問
SDGsの意識?
4回目の訪問となる。イノベーティフのカテゴリーになっているが、こちらのお店、真っ当なイタリアンである。南北イタリアの地方料理や屋台料理を芝崎シェフがアレンジして13,4皿を提供している。中にはクラシックフレンチなども入れて、飽きないコースとなっている。料理もいよいよ洗練されてきて、東京の星付きレストランさえも凌駕するくらいと私は感じるが、、、
芝崎シェフは材料をしっかりと使い切る。魚のアラや骨などはスープやソースに野菜の切れ端や茎などは、ノンアルコールドリンクのエキスに、とゴミもほとんど出ないくらい使い切る。SDGsを意識するというより、命あるもの、しっかりと成仏して全てを美味しく頂く、、そんな思いで調理しているとの事。素晴らしい事である。
本日はドルチェ含めて14品になった。また、ノンアルコールペアリングもお願いしている。
1.ペアリング ルイボスティの香りの梨のソーダ
・柿とマスの卵、キャビアのタルト
柿の甘さとキャビアの塩気、マスの卵のプチプチとした食感がいい。
・赤エビとリコッタチーズにアマランサス、上に巨峰のビネガーのジュレをかけたもの
赤エビの甘さをうまく引き立てている。巨峰の香り、アマランサスの香りと梨のソーダがよく合う。
・赤いかのカルパッチョ
梨、ルッコラ、チコリそしてラルドでコクと塩味を出している。いかの美味しさを引き出しつつ、香りもいい。
当然、梨のソーダとはぴったり
2.ペアリング ターメリックラテ
甘めのカフェラテにターメリックの香り
・タコにごぼうのバルサミコ煮、ごぼうの素揚げ、クルミ、マイクロセロリ。鰹だしをきかせているとのこと
タコの味がしっかりしており、タコの塩気にごぼうの甘さがよく合う。特にバルサミコで煮たごぼうは秀逸。
クルミの香ばしさがアクセント。ラテとはピッタリでターメリックの香りがよく合う。
3.ペアリング みかん味醂のソーダ割
追加されたもので次の料理に合わせたものとの事
・ワンスプーン(シェフの解説入り)
鴨、トリュフバター、みかん味醂のジュレ、アーモンドのキャラメリーゼ、マジョラム、グリーンペッパーなど
一口で食べるが、味わいが時間差でくるので面白い。ソーダ割を途中でいただくと、また、別の香りが来たり面白い。
4.ペアリング 塩麴レモンソーダ
塩味のレモンソーダそのものだが次の皿に合わせたもの
・ソフチーニ
イタリア風揚げパン(ピロシキ?)とでも言うか。屋台料理だが、レストラン風のアレンジしたもの。
中は、ポルチーニ、ひき肉、チーズなど。このレモンソーダの酸味がさっぱりとさせる。甘くないのでソフチーニとピッタリ。
5.レッドアイ(ノンアルコールビールで)
・ズッパディペッシェ
本日使った魚のアラや骨などで料理したスープ。従って毎回味わいが異なる。もう、魚の旨さのエキスのみ。レッドアイが
口の中をさっぱりとさせる。
6.ペアリング カリモーチョ(自家製コーラジャムにノンアルコール赤ワイン)
・トルテッリ
中はカボチャ、シナモン、アニス、丁子、リコッタチーズ、レーズンのバルサミコ漬け。
これが私の中で一番だった。カボチャの甘さ、スパイスの香り、リコッタのコク、レーズンの甘酸っぱさなど、
すべてにおいてバランスがいい。しかもカリモーチョと一緒にいただくと香りの五重奏のようである。
・黒むつのソテー焦がしバターソース
脂ののった黒むつに焦がしバターのソースは定番であるが、ソースにシェフらしさがあった。ソースに柑橘類の果汁を
加え爽やかな風味にしている。そのソースがカリモーチョにも合うのである。小玉ねぎのマリネもいいアクセント。
7.ペアリング ラ・フランスバニラ
ノンアルコール白ワインにラ・フランスを加えバニラの風味をつけている。
・サーモンと帆立のムースのパイ包み マスタードソース
なんと、一転してクラシックなフランス料理である。間に古典的な料理が入ると、何となく楽しく感じる。もちろん
味は予想通りで美味しい。ペアリングも当然に合う。付け合わせのハーブサラダが口直しにピッタリか。
・パスタ タリオリーニ
ポルチーニのタリオリーニにからすみとレモンのソース。ポルチーニの香り、からすみのコクとレモンの酸味、これも
ラ・フランスバニラによく合う。
8.ローズマリーティー
アニスとリンゴのジャムが入っている。ローズマリーなので当然、カルネに合わせるのは予想できた・・・
・赤牛カタシンのステーキ 赤ワインソース
カタシンなのできれいな赤身である。トリュフを最後に散らしている。赤ワインソースとキプロスの塩を添えてある。
少し脂身のあるところは塩でいただく。脂の甘さが引き立つ。純粋な赤身はソースで・・・。添えてある、キノコの
マリネがいい塩梅。無論、ローズマリーティーにはピッタリである。
・ドルチェ1 バジルのグラニテ 生姜のジュレ、梨、レモングラス
爽やかなグラニテ。肉料理のあとにはピッタリか。バジルと生姜の風味がいい。
・ドルチェ2 セミフレッド
セミフレッドにマロンペースト、いちじく、カシス、いちじくの葉のソース、ラズベリーソースをすべて混ぜていただく。
盛り付けも奇麗なので、もったいないと思いつつ、混ぜ合わせていただくとこれが素晴らしいドルチェ。
・シェフこだわりのコーヒー
インドネシアのコーヒーとの事。フルーティーな香りと酸味。7種類の菓子(サラミドチョコ、自家製くるみっこ、
カントゥッチ、カルダモンのラムネ、カレー風味のフィナンシェ、ミントのマシュマロ)
どの皿もシェフらしい工夫がしており、美味しく、しかも楽しい。そして、材料はほとんど使い尽くす。
そして、このコースでイタリアの地方料理が一通りいただける、また、飽きずに構成されている。基本的にアラカルトが
好みの私であるが、こちらのコースは期待を裏切らない。まだ若い芝先シェフであるが、まだまだ引き出しがありそうで、
次回の訪問も楽しみである。
2022/10/26 更新
2022/03 訪問
早春の楽しみ
蔓延防止等が発令中、仕事帰りにと思って一人で予約。カウンター6席が基本のお店なので、一人でも来やすいのがいい。
2ヶ月ごとにメニューを変えているので、今年初めての訪問は春のメニュー。
今回はノンアルコールのペアリングをお願いしている。
*キャビアのタルト
キャビアにアボカド、きゅうり、コリアンダー
*赤エビのマリネ
赤エビにそら豆、マイクラセロリ、青リンゴのソルベ、ペコリーノ。よく混ぜて食べる。これだけ色々入っていても赤エビの甘さがしっかりある。また、青リンゴの風味がよく合う。
*赤いか、マイクロ青シソ、カルダモン、スナップエンドウを混ぜて頂く。下には蕗の薹のマヨネーズ。このほろ苦い風味はまさしく春の味か。
*たこを柔らかく仕上げたもの。グリンピースソース、リコッタチーズ、新生姜、香りにディル、アクセントにピスタチオ。よく混ぜて食べるとたこの旨さ、新生姜の香りと味、ディルの香りなど様々な味と香り。途中でピスタチオの歯応えと甘さがいい。
*チコリのロースト
ソースはなんとチョコレートを使ったもの。松の実の香ばしさとハーブオイルや香草の香り。しかし、このチョコレートのソースがチコリのほろ苦さや焼いた香ばしさにピッタリとはまる。本日一番の皿。芝崎シェフが結構、冒険しました、とお話していたが、笑
*ワンスプーン
定番になっている。アワビ、フォワグラ、エストラゴン、いちご、黒蜜寒天、塩昆布、山うどのマリネ、アーモンド。ひと口で食べる。その時にシェフの解説つき、、笑。しかし、様々な味や香りがタイムラグに出てくるので楽しい。
*ズッパディペッシェ
これも定番。前菜で使った魚の出汁を使っている。魚は太刀魚。魚の旨味の固まりのスープに淡白な太刀魚があう。途中で春菊の焼きリゾットが入る。この香り高いリゾットが濃厚なスープに合う。
*ランプレドット
第4の胃、ギアラを香味野菜で煮込んだフィレンツェの屋台料理。パニーノなどのパンに挟んで食べる事が多い。ギアラはパニーノの歯応えに合うよう柔らかく煮込んでいる。香り高い、また、旨味たっぷりのソース。ギアラも柔らかく美味しい。
*パスタ 手打ちのタリオリーニ
ズッキーニ、レモン、パクチー、マグロのカラスミ、糸唐辛子とエスニック風味。マグロのカラスミが珍しい。この味がエスニック風味とよく合っている。
爽やかなパスタである。
*ホワイトアスパラのソテー バッサーノ風
ホワイトアスパラにゆで卵を潰して、レモンやアンチョビなどを混ぜて作ったソースを添える。その上にパンチェッタとハーブをのせて食べる。
これもイタリアでは定番のホワイトアスパラの食べ方。このソースは、タルタルと違い、意外にあっさりしており、ホワイトアスパラの味わいを生かしている。パンチェッタの塩味とハーブの香りがアクセント。
*レバーのパテとメレンゲ
濃厚なレバーのパテにメレンゲの甘さが合う。わかりやすい一皿。
*岩手産ホロホロ鳥のロースト
ホロホロ鳥をこれだけしっとりと仕上げたのが素晴らしい。鶏胸肉と同じで脂がなく、焼いただけなら、パサつくのだが、、、。これを食べた時、メゾンケイで食べたメインの鶏胸肉のローストを思い出した。あの鶏胸肉をこんなにしっとりを仕上げるなんて、と思っていたが。私にとってはこの日のピカイチはこの料理である。
*南国和牛イチボのステーキ
南国和牛とは、和牛の仔をオーストラリアで育てた牛である。従って、"国産和牛"ではない。血統は日本の牛ではあるが、オーストラリアで育てたので、赤身がしっかりとしている。日本だと、どうしても"サシ"を入れるため、純粋な赤身という訳にはいかない。
これを食べるソースが牡蠣のソース、イチジクの香りの赤ワインソース、燻製塩。牡蠣のソースが秀逸である。純粋な赤身だからこそ、このソースに合う。サシが入った肉なら合わないだろう。
付け合わせは、ゴルゴンゾーラのタルト、ドライイチジクのペースト、ビーツのマリネ。
*ドルチェ1 ライチとデコポン ライチとジャスミン茶のソルベ、ライチのジュレ
爽やかなドルチェ。上にジャスミン茶のエスプーマがのる。デコポンの甘酸っぱさとライチの風味、ジャスミン茶の香りがバランスよく、後味も爽やか
*ドルチェ2 チーズケーキ トンガ豆のジェラート
下にひいてあるのはポレンタ粉のビスケット。アクセントに酸味のあるメレンゲ。トンガ豆のジェラートは杏仁のような桜餅のような香りでチーズケーキとはよく合う。ポレンタ粉のビスケットの歯ごたえと香ばしさ、メレンゲの酸味はいいアクセント。
今回はノンアルコールのペアリングをオーダーしたが、これが、よく工夫されており、料理とのマッチングもいい。私のようにアルコールを嗜まない方でも充分楽しめる。
2ヶ月毎にメニューを変えるスタイルとし、メニューの中には定番のもの(タルト、ズッパディペッシェなど)をしっかり入れて季節の素材をしっかり使う、そんなようになってきた。当然、日本のものをすべて使用する、日本から世界へ・・・というコンセプトは変えずに。このお店が好んでいる理由は目の前で調理しているところが手元まで見えること、奇をてらったものではなく、焼く、煮る、蒸すなどの基本の調理をしっかりされていること。食べログてはイノベーティフのカテゴリーであるが、出てくる料理はイタリアの地方料理をシェフなりにアレンジしているだけである。それでいながら、美味しく、楽しい時間を過ごせる。今回は1人で訪問したが2時間半があっという間だった。
芝先シェフはまだ若いし、これからも伸びていくだろう。鎌倉は食事だけならやや遠方であるが、これからも定期的にお伺いしていきたい、そんなお店になってきた。
2022/03/22 更新
2021/11 訪問
洗練されてきたコントワール
芝先シェフがオープンして7ヶ月ほど経ったか。鎌倉から日本の良さを世界に発信したいとテーブル、食器、カトラリーも日本の物でできている。
緊急事態宣言も解除され、再び訪問。
税込16500円のコースのみだが、どれも工夫されたものである。テーブルと厨房の高さが一緒なので、ライブ感か凄い。
*ウニのタルト
定番になったスタート。ただ、中はその時で変えているようだ。今回はウニ、うずらの卵、トリュフ、キャビア。
*赤エビのカルパッチョ
赤エビにエシャロット、シャインマスカット。シャルドネビネガーとライムとアボカドのソース。赤エビの甘さがよく出ている。シャルドネビネガーの香り高い酸味がすっきりとしていい。
*赤イカのカルパッチョ カリフラワーソース
カリフラワーを赤イカで包んで、上にカボチャチップスと食用花を乗せている。
*タコのマリネ
アーモンド、小玉ねぎ、マイクロセロリにネギのソース。タコが甘く柔らかい。アーモンドが香ばしいアクセント。
*フォワグラの茶碗蒸し
ポルチーニを添えて、牛乳のエスプーマ、オレンジジャムを添えてある。オレンジジャムがいい塩梅か。
*うなぎ、ラルド、フォワグラテリーヌ、無花果、ポルト酒のゼリー、チョコレートがスプーンに。
噛めば噛むほど色んな味わいになるのが面白い。
*白子のポワレ こがしバターソース
クルトン、松の実、ケイパーを添えて、唐辛子のソース。
*鮑のサラダ
赤ナス、サラダ春菊を添えて、柚子果汁の泡がのせている。2種類のドレッシングを添えてある。
*オッソブーコソースのタリオリーニ
ソースに赤玉ねぎ、コルネッティを混ぜて、最後にペコリーニチーズをかけたもの。
*ズッパディぺっシェ
クロソイ、帆立が中に入っている。スープのベースは最初に出た魚介類の出汁を全ていれたもの。これで素材をしっかり成仏させた。途中にサフランの焼きリゾットを入れてくれた。これが特にいい!
*うずらのロートロ
うずら肉をパンチェッタで巻いてさらに、白菜をまいてから、うずらのソース(というかスープ)をかけたもの。ゆずの皮とオリーブオイルがかけている。
*蝦夷鹿シンタマの炭火焼き
ソースはなんとドクターペッパーを使って、スパイスなどを加えて煮詰めたもの。私の世代ではドクターペッパーは本当に懐かしい飲み物。ドクターペッパーには様々な香辛料が入っているので、ソースには確かにいい素材か。
*ここからデザート
リュバーブとパインのコンポート ヨーグルトアイス シーグワサーのゼリーとシャーベット
ベルガモットの香りをつけている。
*いちごのヌーボラ(写真撮り忘れ)
スフレとマシュマロの間の食感
*モンブラン
栗の甘露煮にキャラメルコーン(あのお菓子です)のアイスクリーム。ソースはカシスとキャラメル。
その上にチョコレートパウダー、パンディピス、さらにバニラ塩でアクセント
*ミニャルディーズとコーヒー
品数が多いのに、どの皿もきちんと印象に残る。すべての料理がしっかりとした味わいなのが驚きである。最もお客様の目の前で調理しているので、期待感がとてもある。また、楽しい。
カウンター6席に臨時用に4席用のテーブルがある。つまり最大でも10人というお店である。ただ、作り手と食べ手の距離がこれほど近いお店もなかなかない。
素晴らしい料理と調理しているライブ感、やはり、リピートしたくなるか、、
まだ、オープンして1年経ってないが、来年はメニューをしっかり2ヶ月ごとに変えるようにしたい、そして、ズッパディぺッシェは定番にする方針のようである。進化するシェフの料理、また、次回の楽しみにしようか。
2022/01/06 更新
2021/07 訪問
鎌倉から日本を発信
七里ヶ浜のリストランテシーヴァの芝先シェフが、鎌倉駅西口そばに新しく出したお店。いつのまにか、シーヴァを閉めて、鎌倉駅西口にお店を開いたという事で早速予約した。ちなみに予約は緊急事態宣言解除後だった。食べログではイノベーティフに分類されている。
シーヴァの時はクチーナクラヴェティーヴァをうたい、イタリア地方色の出ている料理を提供していたが、今回は、自分が使いたい食材を使い、この日は18品とまあ、様々な料理が出た。再び、東京では緊急事態宣言がされたため、PCR検査を受けてから訪問。お店はカウンター席で厨房との境目がないため、シェフの動きがよくわかる。
いつもなら、これからメニューを記載するが、あまりにも多いので割愛させて頂く。
これだけ食べて税込16500円はリーズナブル。サービス料はなかったと記憶している。
今回、シェフになぜ、このようなレストランにしたのか、聞いてみた。日本には素材だけでなく、食器やカトラリーまで素晴らしい物を作る職人さんがいらっしゃる。お世話になった方々でもあるし、そんな素晴らしい職人さんの作ったものを通じて、少しでも自分の料理を媒体にして、様々な方々に発信できたら、そんな思いを気さくに笑いながら話して頂いた。でも、目は真剣な眼差しだった。
従って、提供される食器、カトラリーは全て日本産である。食材もサマートリュフやウサギは国産ではないが、それ以外は国産である。
料理はデザートまで含めて18品であるが、その調理法は今流行りのものではなく、焼く、蒸す、煮るという基本に忠実に料理されたものである。だから、どの皿も印象にしっかり残り、かと言って油脂を控え、塩味も控えめなので、18品を抵抗もなく食べられる。でも、最後に肉料理が3品に締めのパスタ、そしてデザート。さすがに60近い50代の胃には少し多いかな、と思ったが量の調整はしてくれる。
シーヴァ時代から料理は申し分もなかったので、もしシェフが東京の真ん中でお店を開いたら、どんな料理を提供するのだろうと思っていたが、それが、鎌倉駅ではあるが、このお任せコースなんだろうか。まだ開店して3ヵ月、これからはキノコやジビエも出てくるし、シェフの頭の中ではメニューができつつあるようだ。まだまた、シェフは伸びていくだろう。次はメニューが変わる秋にお伺いしたい。芝先シェフのお店の最終形はどんなお店になるのか、、、是非、見てみたい。また、鎌倉に通う理由ができてしまった、、、
後は、私の経済力か、、、笑
うにのタルト
ガスパチョ
カツオとブルーチーズ
赤いか
アワビ
甘鯛
うさぎ
山形牛にホタテ
鹿児島産黒豚
のどぐろと桃のラグーのカッペリーニ
デザート
デザート
デザート
メインのデザート チーズケーキ
ミニャルディーズ
赤エビのマリネ
2021/07/20 更新
一年振りの訪問となった。鎌倉もなかなか行かれない事もあり、また、定期的に行く店も他にあるので仕方ないところか。
このご時世なので値上げは仕方ないところだが、料理のグレードが上がっているので、、、
コースは18,700円、これにノンアルコールペアリングをつける。こちらのお店はサービス料を取らない。
*アペロールのノンアルコールバージョン
爽やかなスタート
・タルト
ホワイトショコラという名前のとうもろこしに雲丹、キャビア、レッドソレル。とうもろこしが甘くて水分が多いのでジューシー。雲丹の甘さとキャビアの塩味がいい。レッドソレルの酸味がうまくとりまとめる。
・アカイカのカルパッチョ
アカイカに塩をして寝かすと柔らかくなる。下にチーズクリーム、スナップエンドウ、ゴーヤ、マスの卵、ラッキョウ、チャービル、マジョラム。上からラベンダー風味のオリーブオイルをかけてある。
様々な味わいや香りなのだが、それでもアカイカの甘さが、しっかりと出ている。これだけのものを追加してもメインのイカが主張するのは素晴らしい。
・タコの赤ワイン煮(写真撮り忘れ)
48度の温度で煮るととても柔らかくなる。シェフが自分なりに研究した。タコが柔らかくまた、赤ワインの風味や酸味を感じる。インゲンと粒マスタードのサラダ、ディルが添えてあるが、タコによく合う。
*プリザヴェルデ
紫蘇、梅、きゅうりのドリンク。夏に爽やかに頂ける。
・エビとイチジクのサラダ
エビ、イチジク、サラミ、紫蘇のゼリー、マイクロ赤紫蘇、コリアンダーシード。面白いのはエビとサラミが一緒に入っていること。イタリア語でモンテマーレというが、海の幸と山の幸を一緒に合わせたものをいうらしい。紫蘇の香りやコリアンダーシードの歯ごたえと香りが、このサラダをうまくまとめており、意外な発見だった。もちろん、プリザヴェルデがぴったりである。
・ワンスプーン
お馴染み、解説付き、、笑、のワンスプーン。
生ハム、サザエ、サザエの肝、スーパーレモンというレモンのジャム、コルニッション、ケッパーの酢漬け、ヘーゼルナッツ。これが解説通り、色んな味や香りが次々と波のようにくる。いつ食べても楽しい。ただ、食材を上手く取り合わせるところが、シェフの腕なんだろう。
*正山小種
中国の紅茶。茶葉を松の葉で燻して発酵させた紅茶。甘い香りはするが、やはり、薫香が強い。
・メカジキのフライ(写真撮り忘れ)
メカジキにとうもろこしの粉をつけてフライにしたもの。トマトソースがひいてあり、上に春菊、最後にチーズをかけたもの。歯ごたえのいい衣にメカジキの美味しさが詰まっている。メカジキのような魚はトマトソースとの相性がよく、少し重さを感じるところで紅茶を飲むと、これがまた、重さを洗い流すというか、口の中がリセットされるように感じる。また、単独で飲んだ時と違い、薫香が柔らかに感じた。春菊はやはり揚げ物とは合うなぁ。
*キトゥルスノクス
夜の柑橘と直訳できる。はっさくとノンアルコール黒ビールを合わせたもの。
・タコス
イタリアの屋台ではタコスが人気とのこと。今回は、豚もつや頬肉をコーラ、オレンジ、クミンなどで煮込んだもの、玉ねぎ、トマト、パクチー、サワークリーム。最後にライムを絞って頂く。
たっぷりの具材を頬張って頂くのがスタイル。肉は柔らかく煮上がっており、しっかりとした味付け。野菜やサワークリーム、ライムの酸味や香りがよく合う。本音を言えば、このメニューでランチ、やってくれないかなぁ、、
もちろん、キトゥルスノクスとはぴったり!こういう時に思うのはアルコール飲める人が羨ましい!
*サンディビーチ
ノンアルコールリースリング、ジャスミン茶、エルダーフラワーソーダのカクテル。グラスの縁にスパイスやバニラの香りをつけた塩がついている。
次がボンゴレなので、香りをきかせた爽やかなドリンク。
・ボンゴレ
パスタは手打ちタリオリーニ。実は、今回、あさりが小さいのでホタテを入れたとの事。白ワインとトマトがソースになるが、ホタテが入ったため、ほんの少し生クリームを入れたとの事。これはこれで美味しい。少し変わったボンゴレであるが、ホタテを入れた事に合わせて味付けを微妙に変えてくるのはさすがである。
*禅ラッテ
濃く出した八女茶にヨーグルト。これが意外と合うのが不思議。時間が経つと八女茶がおどんでくるので徐々に苦味がたつ。
・グリンピースとパンチェッタのリゾット
ヴェネト地方の料理でリージエビーチというらしい。シンプルにグリンピースの甘さとパンチェッタの塩味と旨みのリゾット。禅ラッテのヨーグルトがきいているところで飲むと合う。
・鮎の春巻き
春巻きの皮に鮎のコンフィ、鮎の肝、大葉、もやしのスプラウトとマイクロセロリ。下に魚のアラと赤ワインのソースがひいてある。ソースが強くて鮎がどうかと思ったが、鮎の風味、鮎の肝の甘くてほろ苦い味わいはしっかりあった。大葉の香りもいい。スプラウトやマイクロセロリもいい脇役である。
ここで禅ラッテのおどんだ八女茶の苦味が春巻きに合わせると、ぴったりと収まる。このドリンク、うまく作っている。
*サムシング
まず、グラスに黒蜜とジャスミン茶のソルベが入っている。それを頂く。黒蜜の優しい甘さとジャスミン茶の香り。この後、このグラスにココナッツウォーターとほうじ茶を合わせたものを注ぐ。
これが香り高いお茶のラテになる。
・子羊のロースト
ソースはブラックオリーブ、アンチョビ、ケイパー、柚子胡椒を合わせたもの。肉には塩もしてある。グリーンアスパラのソテー、チコリのサラダが添えてある。ラムはあまり得意ではないのだが、この肉は美味しかった。余分な脂を落としているから、クセが感じられない。ソースの柚子胡椒がとてもいい。なるほど、この味だから、サムシングドリンクの優しい甘さや香りと合うのだろう。コントルノのチコリサラダのほろ苦さもいいアクセント。
・ズッパディペッシェ
実は、何か足りないと思っていたが、これを〆にもってくるとは思わなかった。本日使った魚介類の出汁そのもの。確かに〆にこのズッパはいいかも、、
・ピッコロドルチェ
ラズベリーとバラのグラニテ
ラズベリーの甘酸っぱさと香り、バラの香りが素晴らしい。肉料理、ズッパディペッシェの濃厚な味わいの後にぴったり。グラニテとなっているがソルベに近い。
・ドルチェ
アイスクリームの下にマスカルポーネクリーム、こぶみかん、コリアンダーシード、ピスタチオ、あられ。アイスクリームには塩とオリーブオイルがかけてある。マスカルポーネクリームにピスタチオやらあられが香ばしさを出しており、コリアンダーシードの歯ごたえに香りがアイスクリームに合う。塩も塩梅がいい。
・コーヒーと小菓子
今回はインドネシアジャワのコーヒー。苦味がありつつも程よい酸味があり、これは私好み。
とうもろこしの粉のクッキー、山椒風味のチョコレート、カレー風味のフィナンシェ。特にカレー風味のフィナンシェが意外にもこのコーヒーに合う。
このご時世、値上げは仕方ないところだが、料理やペアリングドリンクの質はしっかりと上がっている。芝先シェフの料理もいよいよ洗練されてきた。シーヴァ時代はクチーナクラヴェディーヴァをうたい、イタリア地方料理を提供していた。
その基本な品数が多くなっても変わらない、そう感じた。イノヴェーティブのように思えるが、ここで提供される料理、全てイタリア全土の料理で、リストランテから屋台に至るまでの芝先シェフが出会ってきた料理をアレンジして提供される。コースの流れもよく、コースに合わせて何度も味見してできた、自家製ノンアルコールドリンクも素晴らしい。普通ならこれだけの数の料理だと記憶に残らないことが多いのだが、IZAのコースは不思議とどれもしっかりと印象が残る。また、味わったことのない感動もある。カウンターのライブ感もいい。
この通りには、アンチョアやフィエルテといった名店が並ぶ。IZAももちろんその名店の一つ。
最近、なかなか鎌倉も行けないのだが、また、紅葉の時期にでも伺いたい。
しかし、鎌倉はIZAとイチリンハナレのローテーションになってるか、、。また、店、開拓したいのだが、、、笑