2回
2025/06 訪問
今やトラック野郎の聖地ならず
片側1車線になった国道17号を北上し沼田市の少し手前、旧子持村にある、もつ煮定食の有名店。
四半世紀前の前回の群馬勤務時、永井食堂と言えばトラック野郎の聖地として有名だった。初めて食べて虜になって、県北部へ出かける度に立ち寄るようになった。
そんな永井食堂、群馬を離れても時折恋しくなり、スノボ帰りに立ち寄ったり、持ち帰り用の袋を買って帰ったり、取り寄せたり。そうこうしてるうちに口コミからかどんどん人気が出て、一般人が押し寄せるようになってしまった。
再び群馬に住むことになり、久しぶりに立ち寄ったところ、最初はあまりの大行列に戦意喪失。後日再訪したら、今度は雨が降っていたお陰で行列も少なく、5分待っただけで通された。
店内はカウンターばかり20席弱。貼り出されたお品書きには各種定食やラーメンも見えるが、ほぼ全員が「もつ定」を頼むので、並、大盛、ライス少なめーぐらいで注文が通る。もつ煮以外を注文すると、店内がザワつくほど。
定石通りもつ定を注文。いつか「納豆定食」を頼んで周囲の注目を集めたいところだが、やはりもつ定が好きだし、久し振りなので他の選択肢はない。冒険するのは次回だ。
ものの1分で到着。相変わらず早い。かつては着座と同時に出てきたこともある。もつ煮は常に出来上がってるし、よそればOKってのが強いところ。なるべく多くの客を入れるためか、お盆が縦置きで提供されるのも面白い。
ニンニクが効いて少し粘性のあるスープに、よく煮込まれた豚モツとこんにゃく。刻んだネギを載せて食べると、丼いっぱいの白飯がみるみる減っていく。やはり美味い。後の口臭はこの際気にしない(笑)。値段は少し値上がったようだが、それでもまだ500円台と恐ろしく安い。
隣に座った長い黒髪の美しい女性は、ラーメン、生卵、モツ煮単品を注文していた。ここでラーメンを見るのは初めてで、ついついガン見。
ラーメンはオーソドックスな醤油ラーメンといった感じ。へぇと思ったのが、生卵を溶いて、もつをつけて食べていたこと。豚ホルモンのすき焼きかぁ。お姉さん、歴戦の猛者じゃないか(笑)。
納豆定食はこの際我慢して、次はお姉さんの食べ方を真似してみようかと。奥が深いぜ、永井食堂。
2025/08/01 更新
前回、隣に座った黒髪の美女の食べ方、ラーメン・モツ煮・生卵のコンボ。「永井食堂ではモツ煮」という固定概念に囚われていた私は、雷に打たれたような衝撃を受けた。
で今回、勇気を出して頼んでみた「ラーメン、モツ煮単品、生卵、半ライス」。半ライスまで頼んでデブ一直線だが、やはりモツ煮に白米は欠かせない。代謝は落ちているが、それでも消費カロリーの多い男の子なんだ、許してくれ。
オーダーを聞いて周囲が一瞬緊張したように感じたのは気のせいか。しかし店のオバちゃんは動じない。「お味噌汁付かないけどいい?」。へい、覚悟の上でやんす。
30秒と経たずにモツ煮、おしんこ、生卵、半ライスが来た。ラーメンに時間がかかるのは仕方ない。モツ煮に刻みネギを入れ、生卵を割ってかき混ぜ、ラーメンの到着を待つ。
しかし待ち切れない…。冷めたら生卵に浸けた時の味に変化が生じるかもしれない。もう食べちゃおっと。集合写真はまた後で、だ。
生卵に浸けてモツ煮を一口。うーん…匂いと塩味の強い永井のモツ煮とはそこまで相性が良くないのか、すき焼きのような相乗効果はない。ここは好き好きだろう。
モツ煮を2〜3口食べたところでラーメン到着。他の人の分とまとめて作っていたようだ。チャーシューがほんのひとかけ、メンマ、少量の刻みネギ、ナルト。特に絵に描いたようなナルトは、心を震わせてくれる。
まずスープ。黒く塩っぱい。チャーシューも塩っぱい。麺は太めの平麺。まるで富山ブラックラーメンだ。モツ煮だけじゃない、これも働く男メシ。永井食堂はラーメンも隠し玉だった。これで320円は安過ぎだろう。
ラーメン320円、モツ煮340円、半ライス180円、生卵60円で、計900円のはずが、お釣りが110円だった。どういう割引が効いたのか。でもこれで1000円未満というのは本当に凄い。
モツ煮定食以外を頼むのは、ちょっと勇気が要ったが、新しい扉を開いた気がして楽しい。他の定食も頼んでみよう、そうしよう。