dirk.410さんが投稿したアコルドゥ(奈良/近鉄奈良)の口コミ詳細

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アコルドゥ近鉄奈良/イノベーティブ、スペイン料理

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥40,000~¥49,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2025/08 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥40,000~¥49,999
    / 1人

スペインを旅するような物語

奈良の町を歩くと、時折ふっと時空がゆるむような瞬間に出会う。古都の静謐な空気は、どこか地中海沿いの風景と響き合う不思議を秘めている。
スペインと奈良が織りなす、夢と現実の交錯する旅。
テーブルに差し出される一枚一枚のカードは、舞台の演目表のように物語を紡ぎ出す。私たちはただそのカードをめくり、ガストロノミーの羅針盤に身を委ねるだけ✨️

グラスに注がれるワインはスペインからの風、時には奈良の大地からの香りを伴い、料理はカードの言葉通りに現れ、そして思いもよらぬ展開へと誘っていく✨️✨️✨️

◆ 大鉄砲のアホブランコ 半生のホタテとメロン
旅の序章は、奈良とスペインを一撃で結びつける「大鉄砲」という言葉の響き。
アホブランコ──白いにんにくの冷製スープは、スペイン南部の太陽を背負いながらも、奈良の滋味と軽やかに調和する。半生に仕上げられたホタテの甘みは柔らかく、メロンの瑞々しさと一体になって、甘美でありながら清廉な余韻を生む。
まるでオープニングに流れるファンファーレ。
力強さと優美さが同居し、この先の物語の厚みを予感させる。

◆ たった5秒の海
次のカードをめくると、目に飛び込む挑発的な言葉──「たった5秒の海」。
その響きに、思わず心がざわめく。
皿に現れるのは、海の記憶を閉じ込めた一瞬の煌めき。
素材の火入れは文字通り、刹那の如き「5秒」。
そこには熱を通す前と後の狭間でしか感じ得ない、繊細な生命のきらめきが漂っている。海水のような塩味がふっと舌の上で弾け、消える。
ほんの一瞬に宿る永遠。
料理というものが、時間とどう向き合うのかを問う皿である。

◆ 橿原のアスパラと奈良の山並み
奈良の大地に育まれたアスパラガスが、滋味豊かに皿の中央に立つ。
背後に描かれるのは「山並み」という言葉が示す情景。盛り付けそのものが風景画のようで、グリーンの濃淡が連なる姿はまるで初夏の山裾。
歯を入れた瞬間に響く「サクッ」という音。
その音は木々のざわめき、風の通り道を思わせる。
ペアリングの白ワインがその香りをさらに高みに押し上げ、山を駆け抜ける風の冷たさと陽光の暖かさを同時に感じさせてくれる。

◆ マルミタコ フレスコ
バスクの伝統「マルミタコ」が現れると、旅は一気にスペイン北部へと移る。
本来は漁師の料理であるが、ここでは「フレスコ」と題され、現代的に洗練されて供される。
ジャガイモの素朴な力強さと、海から届いた魚の滋味。スープに漂う香りは漁港の記憶を呼び覚まし、心の奥に眠る郷愁をくすぐる。
一口含めば、暖かな母の手料理のようでありながら、洗練の美が確かに存在する。
これこそ「伝統と革新」の調和✨️

◆ 倭鴨のテリーヌ 夏の果実とナスタチウム
ここで舞台は再び奈良へ。
倭鴨という土地に根ざした命をテリーヌに閉じ込め、夏の果実の酸味と甘みで軽やかに広げていく。ナスタチウムの鮮やかな彩りは、庭園に咲く夏花のようで、皿そのものが小さな自然の詩。
濃厚な鴨の旨味を、果実が風のように和らげる。
赤ワインを一口重ねると、その調和がさらに深みを帯び、野趣と華やぎが交互に舌を撫でる。

◆ 三輪山本の手延べパスタ麺 海老のセビーチェと季節のマリアージュ
三輪といえば、言わずと知れた素麺の里。
その技法を生かした「手延べパスタ麺」が、スペインのセビーチェと結ばれる。
海老の透明感ある甘さと柑橘の酸味。
その下を流れる麺は、ただの「パスタ」でも「素麺」でもない、境界を越えた存在。
シェリー酒のようなワインが添えられると、奈良とスペインがまるで川と川が合流するようにひとつになる。

◆ 鱧のベニエ 奈良の柑橘とトマトのイエローガスパチョ
夏の奈良を象徴する鱧が、軽やかなベニエとなって現れる。
その衣はふわりと軽く、口に入れると柑橘の香りが弾ける。下に流れるのはトマトのガスパチョ──それも赤ではなく、陽光のように明るいイエロー。
視覚的にも味覚的にも、夏をぎゅっと凝縮した皿。
爽やかでありながら滋味深く、旅の途中で浴びる夏のスコールのように清涼感をもたらす。

◆ 燻した香りの大和牛と 初夏イデェアサバルのアロス・クレモッソ
メインディッシュは、燻香を纏った大和牛。
奈良の大地で育った赤身の力強さが、燻煙によってさらに奥行きを増している。
添えられる「アロス・クレモッソ」はスペイン版リゾット。そこにバスクの羊乳チーズ「イデェアサバル」が加わり、濃厚で香ばしい香りが全体を包み込む。
肉の野性味、チーズのコク、米の柔らかい甘み──三者が一体となり、豊饒な時間を形作る。
赤ワインの深いタンニンが、料理をさらにドラマティックに演出する。
まさに旅のクライマックス。

◆ 奈良の桃 ラベンダーとローズマリー
デザートの第一幕は、奈良が誇る夏の果実・桃。
その優しい甘みに、ラベンダーとローズマリーが香りを添え、地中海の庭園を彷彿とさせる。
果実の純粋さに、ハーブの妖艶さが絡み合う。
単なる甘美ではなく、記憶の奥にそっと残る芳香の余韻。

◆ 甲州葡萄のジュレと ハスの元に願う人
最後の一枚のカードには、どこか祈りのような言葉が記されていた。
「ハスの元に願う人」。
甲州葡萄の透き通ったジュレは、清らかな水面のようにきらめく。
その下に広がるのは、まるで極楽浄土を思わせる蓮の静謐な世界。
食べ進めるごとに、祈りにも似た余韻が胸を満たしていく。
ディナーは終幕を迎えたはずなのに、心の中ではまだ旅が続いている。

◆ 終章
アコルドゥでの食体験は、単なる「料理の美味しさ」を語るだけでは足りない。
一皿一皿が寓話のようであり、奈良とスペインという二つの風土が重なり合うとき、そこに生まれるのは「新しい記憶」そのもの。
ワインペアリングはその物語をさらに広げ、飲むたびに景色が変わり、色彩が濃くなり、音楽のようなリズムを奏でていく。
料理とワイン、言葉と情景、時間と祈り。
そのすべてが重なり合い、私という旅人の中に新しい航路を刻んだ。
今宵、奈良の夜空の下で私は確かにスペインを旅した。
いや、スペインを越えて「世界」と「記憶」を旅したのかもしれない✨️✨️✨️✨️✨️

うーーーん。我ながら色んな表現頑張った
LilouとHappyを✨️
ごちそうさ(ㅅ´꒳` )ま

2025/10/01 更新

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