4回
2017/08 訪問
晩夏の御料理に舌鼓
晩夏の宮坂さん。
初訪問のマイレビュア様を4名お連れしました。
一品目の先付、空豆の葛饅頭を食した瞬間に次回の予約をしたい!と皆さん口々に。
宮坂さんの御料理を食べれば当然のことですが、幹事としては嬉しい限りです。
例によって当店では細かいお品書きを控えます。
鮑の煮物碗、相変わらず絶品の吸地。好みは人それぞれあれど、宮坂さんの吸地を好まない方は今まで聞いたことがありません。熱々の温度加減もツボ。
アブラメの焼物、柔らかな肉質でしっとりと口どける味わい。少し甘めのタレが旨みを引き立て、有機栽培の野菜たっぷりを添えて見た目にも美しい。
群上鮎の焼物にも唸りました。小ぶりな鮎ですが、頭部分を一口食べると、爽やかな香り、程よく火入れした香ばしさ、ワタの苦みの調和が完璧なハーモニー。
お造里は大間の130kg近い鮪(やま幸)。トロけるやわらかな口どけにノックダウン。銀座で有名な鮨屋の大将が当店の造里だけは本当に旨いと絶賛していたのも分かります。鯛の旨みと食感も流石。
酒のアテにと出してくれた美しき八寸。鱧の子、鯛の三角寿司、佐島と蛸と糸もずく、ムラサキウニと京都汲み上げ湯葉、鰻の印籠焼き、トマトのすりがなし、などなど。
目の前で骨切りした鱧は蒲焼にして近江米の炊き立て御飯と。煮えばなの香り高い白米に鱧の蒲焼とは最後の最後でツボ過ぎる。そして宮坂さんのお新香がまた絶品。正直、あまり他店で美味しいと感じたことのないお新香ですが、塩加減が控えめで非常に好み。ご飯がいくらでもおかわり出来そうなほどです。
水菓子はシャインマスカット、ピオーネ、白桃、幸水、完熟マンゴー、デラウェアなどなど彩り美しいフルーツ盛り合わせ。
最後に抹茶を点てて頂きご馳走さまでした。
古くは明の時代の古染付やオールドバカラなど器好きには堪らない年代物を出し惜しみなく披露してくれるのも嬉しいところ。
日本酒を目一杯飲んで1人30000円ほどの会計も大満足。
最近は4万円を軽く越えてしまう日本料理店が増えてきましたので助かります。
通常の電話予約は次の月末まで。
通っていると、その少し先まで予約可能です。
2020/04/21 更新
2017/05 訪問
都内にいながら初夏の京都を想う
今年初めての宮坂さんは、マイレビュア様たちをお誘いして。
先付から宮坂らしさ全開。
その季節の京都の風物詩をあしらうのも、もう恒例となりました。
店主が好きだからといつも出してくれる今日の鮪のお造里は那智勝浦。鮪好きの自分としてはポイント高し。トロける旨みがたまりません。
アイナメのお椀は相変わらず鮪節が主張する吸い地が素晴らしく。都内でいただいてきたお椀の中では宮坂さんのお椀が特に好みです。
八寸は都内随一の素晴らしさ。自分の中では銀座 しのはらと双璧を成すと感じます。
まるで初夏の森林を散策しているような、新緑に包まれたマイナスイオンたっぷり圧巻の八寸でした。
ノドグロの火入れは肉質がやわらかに口どけする絶妙さ。甘いタレとの相性も素晴らしい。やっぱりノドグロは炭焼が一番です。
近江米の白米も3杯食べて、未在譲りのフルーツいっぱい水菓子でご馳走さま。
最後は宮坂さん自ら点ててくれる抹茶でほっと夢心地。
開業1年半になりますが、まだ4名個室は使用していないそうです。そろそろ使う予定とのこと。若い衆も増えましたものね。カウンター席で宮坂さんとお話し出来ないので、正直いうと個室利用は躊躇いますが(笑)、一度は利用してみたいです。
ちなみに当店の予約は電話予約だと次の月末までしか取れませんが、伺った時だとその少し先まで取れます。最近は翌月の予約は既に一杯になってきているので、今回からは次回の予約を取りながら通うことにしました。予約出来なくなってからでは遅いですから♪
次は夏真っ盛りの時期に伺います。
鮎と鱧を一緒に食べられるでしょうか。
楽しみ楽しみ。
2020/04/21 更新
2016/12 訪問
開業1年で既に名店の貫禄は流石 ☆☆
表参道駅A5出口から徒歩5分ほど。根津美術館の脇の坂を下った途中です。
地下に隠れていますので見つけづらいですが、予約時間少し前には若い衆が外で出迎えてくれます。
店主は宮坂展央氏。
京都の三つ星「未在」で10年、京料理を修行されて昨年末に此処、南青山に地に開店されました。
開業1年でミシュラン2つ星に輝いています。
2016年12月
祝!☆☆&開業1周年
マイレビ様に予約をおねだりして久々の訪問となりました。感謝m(__)m
開業1年を迎えられ、さらに当然ではありましたがミシュラン東京2017で2つ星に輝きました(自分の中では3つ星です)。
合わせておめでとうございますm(__)m
本日の八寸は何とクリスマスバージョン!その内容は、日本酒がやめられない止まらない豪華珍味セット♪宮坂さんの八寸を1番の楽しみにしているゲストは多いと思います。
銀座☆付きの鮨店店主に数ある日本料理店の中でも当店のお造里だけは凄いと言わしめた圧巻の鮪と鯛の造里は都内一。
近江米の新米は最後のおこげまで食べ尽くして今回もお土産のおにぎりはありませんでした(笑)
通う度に更に美味しく感じる夢のようなお店。来年もどのように飛躍されるのか楽しみです。
2016年9月
2か月に1回の定期訪問になっています。一人予約に対応してくれるのも自分としては有難いかぎり。
美しい八寸の完成度は言うに及ばず。お椀の上品な味わい、お食事の近江米の炊き加減は都内でも随一。そろそろ新米が楽しみな季節ですね♪。
店主の御意向を汲んでお品書きを載せるのは今回以降やめたいと思います。
そろそろ開業から1年になりますね。直に予約困難店になることは間違いないですが、予約を取らせて頂けるうちは通い続けたいです。
2016年7月
2か月前の訪問時に予約を取っての再訪です。
先週行ってきたばかりの京都は祇園祭の真っ最中。店内には祇園祭の風情を感じさせる飾りが用意されていました。やはり当店は都内に在りながら京都を感じさせてくれますね。初めに煮梅の冷たい食前酒から。相変わらず八寸はお見事で大満足。お椀も以前よりさらに美味しくなったと感じます。ボリュームも心なしか増えたかな? 次回は初秋の訪問を予定。春夏秋冬を味わいたい素晴らしいお店です。
2016年5月
前回に続いて大雨の中の再訪となりました。本日はI love Europeさんとご一緒に。
以下は記憶にあるだけのコースの大まかな流れです。
香煎茶
先付 胡麻豆腐とグジ(山口)
向付 鯛(淡路)、中トロ(沖縄 212kg)
お椀 あぶらめと湯葉真丈
焼物 海鰻と京野菜
八寸 稚鮎唐揚げ(琵琶湖)、鯛ちまき、うすい豆、五月豆、車海老、くみ上げ湯葉(京都)、サザエ、ムラサキウニ(石巻)など
口直し スナップえんどうのすりながし、蛤出汁のジュレ、丸茄子(大阪)
強肴 赤貝、平貝、とり貝
お食事
茶菓子と抹茶
水菓子 柑橘ゼリー、マンゴーと柿のシャーベット、豆腐のソース
この時期は鮨屋でも美味しい鮪を食べるのは困難ですが、沖縄で捕れた美味しい中トロでしたね。お椀はアブラメなのに予想外にさっぱりとしていながら、相変わらずの良い出汁です。焼物は海鰻。あっ!早くもウナギっ♪と一瞬喜びましたが、鰻に似ているというだけで鰻ではありません。鰻も穴子も好物なので、これは好みでした。京野菜を合わせてくれるのも宮坂さんらしさが感じられます。本日もお見事としか言いようがない八寸は春らしい食材に彩られて壮観。熱々でいただく稚鮎の唐揚げはサクッとした食感良く、丸ごと食べても苦みが少なく旨し。あとは鯛ちまきが特に美味しかったですね。あまり食べ慣れない青々としたお豆がいろいろと供され、春の食材たちを満喫させて頂きました。最後はいつものお抹茶を点てて頂きまったりと。
この次は夏の食材が楽しみです。
2016年3月 看板の写真up
3月とは思えない大雨の降る肌寒い夜。いつもの如く有無を言わさず職場の後輩を誘って再訪。鯛(淡路)と鮪(山口)のお造りから始まりました。蛤と帆立のお椀は相変わらず出汁が体中に染み入るような味わいですね。ぐじの小茶碗や桜鱒と京野菜数種盛りなど、やっぱりどこか京都を感じさせてくれる御料理たちです。毎回目にも楽しませてくれる手の込んだ八寸は琵琶湖の鮎唐揚げが早くもお目見え。炊合の筍とふきは鯛の子と一緒に春を感じさせてくれました。強肴は太刀魚と白魚。火入れ具合が抜群で食感素晴らしく焼き上げられています。土鍋の炊き立て近江米ご飯は当然のおかわりしまくり。〆の水菓子は苺のアイスと豆腐のソースを組み合わせたりと楽しませてくれますね。全ての御料理に魂のこもったお仕事がされていると感じずにはいられません。そして宮坂さんが目の前で点ててくださるお抹茶でほっこりまた京気分。なんかこのまったり落ち着く雰囲気も心地良くて好きです。
次回は季節を変えてから。
2016年2月 再訪
前回訪問時に予約を取っての再訪です。本日も寒い中、若い衆が外で迎え入れてくれました。入口が分かりづらいからとのことですが、もう2回目なのでこの次からは自分だけなら中で待っていてもらうように言おうと思います。
以下はコースのおおまかな流れで記憶に残っているものだけ。
先付 グジ(山口)と九条葱
向付 平目(青森)と鮪(宮崎)の造里
お椀 桜鱒(青森)と真鱈雲子のお椀
焼物 太刀魚焼とマスタードグリーン
箸休 唐墨と笋入り蒸しご飯
八寸 平目の柿の種揚げ、磯つぶ貝、子持ちワカサギの南蛮漬け、あん肝(山口)、小鰭もずく、いり蛸、カマス炙り寿司
強肴 鰆の藁焼き
近江米(コシヒカリ)のお食事
柚子の干菓子と饅頭、抹茶
水菓子 金柑と柚子と胡麻のアイス
凛としたカウンターの空気感が何とも言えません。素晴らしい出汁の椀の味わいに京都を感じますね。八寸は一人用にも美しく盛り付けてくださり、写真撮影出来ないのがとても残念ですが、食事に集中できるのでそれはそれで良いと思いました。まさに魅せる御料理、感服致しました。
2016年1月 初訪問
周囲の食友たちから予約が取れなくなる前にすぐに伺った方が良いと勧められて慌てての訪問。
コースは1本で季節食材により変動するそうです。
開店間もないので人手不足により予約を絞っているそうですが、全力のおもてなしをしたいという心の現れでしょう。
今後はどうなるか未定ですが、2月時点では1人での予約も可能でした。
店内は壁1面に漆喰が塗られた落ち着いた雰囲気。
目の前で調理や盛り付けを眺められる特等席のカウンターと、現在は稼働していませんが個室もあります。
店の入口は看板もなく分かりにくいのですが、コンビニの隣のビルの階段を降りた地下です。
5分前に到着してしまいましたが、既に寒空のなか若い衆が案内役として外で待機してくれていましたので、迷うことなく店を見つけることが出来ました。
ご苦労様ですね。凍える寒さのなか大変だと思いますので、時間に遅れないように伺って下さい(笑)
1月のコースは22000円のみ。(当店は店内撮影不可ですので、記憶に残っていたものだけ)
生姜湯、日本酒入り
先付 金目鯛 蕪蒸し
造里 真鯛(淡路)、本鮪(伊豆下田)
お椀 伊勢海老真丈と胡麻豆腐
八寸(太刀魚(小柴)と九条葱、真鱈の雲子、北海道産わかさぎ、蛤ともずく、琵琶湖産氷魚と辛味大根おろし)
穴子御飯
強肴 鰆の藁焼き
近江米のお食事
水菓子(柚子とオレンジ)
日本酒3合。
カウンターに流れる静寂の雰囲気の中で静かに、そして厳かにスタートです。
まずは一献。
雪でも降りそうな寒さの中、温かい生姜湯に日本酒が少し入っていて芯から温まります。
お椀の出汁の香り良く繊細なお味。
八寸の美しい盛りと拘り抜いた料理たちに口福の連続。
大好物の穴子御飯から鰆の焼物、近江米の食事と漬物まで素晴らしい流れでした。
最後のお食事は何杯おかわりしたか分からないほど(笑)
西の食材が多いのも京都での経験が長かったからなのでしょうね。
時折、都内で食事をしていることを忘れてしまうくらいでした。
年齢が近い店主との会話も初対面でまだ少しお互いにぎこちなかったのですが、愉しく過ごしました。
店の雰囲気も、料理の味や流れもかなり好みです。
少し飲み過ぎてしまったかもしれないので味の詳しいレビューは次回に回したいと思います。
月ごとにメニューが変わるそうなので、酔いながらもしっかりと1か月後の予約をしていたところは我ながら感心です(笑)
1人予約の可能なうちは通いたいなと思いました。
ご馳走さまでした。
2020/04/21 更新
11月下旬某日。
2周年のお祝いに仲良しマイレビュア様達をお誘いしての貸切り会。
未だに予約が取り易いのが信じられないお店ですが、またそれも有難いこと。
写真撮影不可のためか、純粋に料理を愉しむことを目的とした客層が集まるからでしょう。
都内では比べる店がないほど完成度の高い御料理をいただくことが出来ますので、未訪の方は予約が取れるうちに早めに伺うことをお奨め致します。
店主の意向により詳しいお品書きは控えます(同席者がupするでしょうが。笑)
今が旬真っただ中の大間産鮪と鯛の造里の組み合わせ。鮪はやま幸、とろける絶妙な熟成と温度管理。鮪の造里を日本料理に組み入れてくれるのは「しのはら」「くろぎ」と大好きなお店ばかり。食べ手の欲求をしっかりと満たしてくれる店主たちですね。やま幸の鮪といえば「鮨あらい」もそうですが、どの店主も鮪を必要最小限に寝かせて旨みを出し(決して流行の熟成という名の下に寝かせ過ぎはしない)、脂が薄らと湧き出る絶妙な温度で口に運ばれるように計算し尽くされています。対比して食感をしっかりと残した鯛の造里がまた素晴らしい。
お椀は松葉蟹真丈。松葉蟹の存在感が物凄い。吸い地と絶妙な温度加減は言わずもがな。美しい八寸は期待通りの美しさと酒が進む旨さ。本日の一番は尾長鴨の備長炭焼。この火入れ・・・宮坂さん曰く「普通に焼いているだけですよ」と。「ふつう」がコレ・・・(驚)。どうせなら「鴨より牛」派の自分でも、この鴨は人生でベスト3。しっとりとした火入れ加減、柔らかな口どけ、完璧過ぎるほど理想的。また一段と鴨料理のハードルが上がってしまいました。もうその辺のジビエ専門店などでは鴨を食べる気にはならないでしょう。国内最高峰の日本料理人が本気(ふつう?)で鴨に火入れするとこのレベルになるとは。新米の近江米に名残鱧と九条葱フライ、これもまたツボ。そして何と、お祝いをしに来たつもりが、逆に宮坂特製お赤飯でお祝いされてしまうという・・・心より感謝!