2回
2018/06 訪問
4代目の旅立ちと新たなる挑戦
宿院駅から徒歩3分。堺駅から徒歩10分。
宿院の老舗・弥助の4代目、大賀伸一郎氏が6/11に新店を開業しました。
早速、西の食べログキングこと毎日外食グルメ豚さんの貸切会にお呼び頂き初訪問。
門からの立派なアプローチの趣は流石、歴史ある老舗。大阪料理界の大御所、本湖月の穴見氏からも祝いの植木が届けられていました。内装などは食べログ全国1位の松川の施工と同じというから驚きです。広々と贅沢な空間の造りでカウンター席も立派。お手洗いへのアプローチも驚きました(笑)
カウンターのみ8席。
つまみ
・噴火湾 毛蟹
・アコウ (淡路)
・穴子の造り 軽く炙って
・虎魚の唐揚げ
・あん肝
・葛素麺とじゅん菜
・芋茎
・きんぴら牛蒡
・赤とんぼ トマト
握り
・鮪 背下 青森尻屋 (築地 やま幸)
・血合いぎし
・背トロ
・墨烏賊
・春子鯛
・ノドグロ
・小鰭
・鯵
・シラサエビ 瀬戸内
・中トロ
・大トロ 蛇腹
・赤身
・ウニ軍艦 キタムラサキ
・穴子
・ネギトロ巻
・玉
・お椀
・べったら漬け
・シャンパン、日本酒
これだけ食べて飲んで3万以内。
鮪は銀座の鮨あらい大将の新井氏から紹介された「やま幸」の仕入れ。恐らく鮨さいとう、鮨あらいの次くらいのモノを回してもらっているのではないでしょうか。鮪は握りだけで全7貫+ネギトロ巻という大盤振る舞い。しっかりと常温で温度を上げて食べ頃を見極めて握る鮨あらい譲りの丁寧なお仕事。そのシャリと一体になった口どけ加減は、現在35歳にして神域に踏み込んだ兄貴分の新井大将に迫る勢い。以前は赤酢と米酢を巧みに使い分けていましたが赤酢のみに変えたようです。30歳という若さを考えると、この先が末恐ろしい、いや、楽しみで仕方ありません。都内でもこのレベルの鮪の握り尽くしは鮨あらい以外ではそうは食べられないでしょう。まさか大阪・堺の地で食することが出来るなんて、西の鮨好きには朗報中の朗報と言えます。
勿論、鮪以外の握りも抜かりなし。優しい〆加減の小鰭は特にツボ、炙ったノドグロは旨味が爆発して溢れ、盛り盛りに盛った迫力満点のウニ軍艦は海苔の食感風味が堪らない。大好物の穴子も満点。カステラのような玉も特徴あって良いですね。若い店主ではありますが、流石は100年以上続く老舗鮨屋の4代目、年齢だけでは其の腕は計り知れません。
そしてツマミがまた非常に手の込んだもの。その辺のありきたりな鮨屋のツマミとは雲泥の差があり隙なし。日本料理店の先付の如き噴火湾の立派な毛蟹は酢のジュレで爽やかな酸味を演出し、穴子を軽く炙ったお造りも衝撃的な味わいで面白い。虎魚の唐揚げなど緩急つけた構成で楽しませ、金平牛蒡なども想像以上に旨くて酒が止まりません。若き店主の意外なほど豊富な引き出しの多さに嬉しいサプライズ。さもないツマミを出すくらいなら握りだけで良いのにと思う鮨屋も正直しばしば遭遇しますが、うちではツマミ抜きで握りだけとは言わせないぞという店主の強い意気込みが伝わってくるようです(注・個人の勝手な想像です)
弥助では父上の3代目が集められた魯山人や古染付の器が何気なく使われていて驚きましたが(笑)、新店舗では信楽焼など新しい器も新調されたようで、また良い趣がありますね。
4代目にして家元を飛び出して?新店開業するだけのことはあるなと、ただひたすらこの将来有望な若者に感心しっぱなし。帰り際には店舗の目の前の弥助に立ち寄り父上にもご挨拶をさせて頂きました。息子さんの門出を心から喜んでおられる様子です。
美しき若女将が華を添えて、夫婦仲睦まじい門出に遅まきながら立ち会えた幸せ。
歴史あるこの堺という土地で、4代目は遥か遠く先を見据えて旅立ち、幾多の挑戦を繰り返して名店という名の頂へと登りつめることでしょう。
2018/06/17 更新
新規開業から数ヶ月。今や西の鮨好きの間で瞬く間に大人気となっているこちらに再訪です。
それにしても改めて見るとやはり随分と立派な設えですね。流石は老舗鮨屋の貫禄。
昼の利用でしたが、こちらはツマミも旨いので飲むつもりなかったのに途中で日本酒にチェンジしてしまいました。我ながら意思が弱い(笑)
やま幸の鮪握り尽くしは勿論のこと圧巻、白身の魚も一つ一つ丁寧に仕事がしてあり、小鰭の〆加減も抜群に旨い。一通りおまかせで楽しんだ後は好みで追加しエンドレスな至福の昼下がり。あぁ、こんな鮨屋が近所にあれば口福な鮨ライフ間違いなし。いつまで予約取れるのかな…気づいたら食べログ大阪の鮨部門1位になってるし…。
何気なく古染付の皿が無造作に出てきたり、箸置きやお猪口が魯山人だったりして、サプライズにも程がある(笑)
大阪ランチは今までスパイスカレーが定番でしたが、これからは当店に定期訪問決定です。