3回
2020/02 訪問
全てが魅惑的でサプライズ
大好きな大阪中華に再訪です。
昨年は若手に任せている同ビル1階のCHI-FUがミシュラン一つ星に輝き、料理の完成度を考えたら今年は当店も輝くこと間違いなし。
初訪問のマイレビュア様たちをお誘いして大阪ツアー。
カウンター全7席のみのスペシャルな空間で。
コースは25000円と35000円(干し鮑コース)の2つ
本日は25000円コースにワインペアリングを付けて。
蕗の薹の揚げ焼売
車海老の中華粥
蒸し鶏
メヒカリフリット
平目(8kg↑)とキャビア昆布締めXO醬
鮑と牛タンの薬膳スープ
アンコウとくにさきオイスター貴州風煮込み 天然せり
フカヒレの虎河豚白子、白味噌ソース 下仁田葱
鹿児島のざき牛イチボ炉釜焼き 叉焼ソース 干し柿
毛蟹玉バーツァン
馬刺しビーフン
苺杏仁豆腐
ワインペアリング
前半は誰にでも馴染み深い人気メニューを少量多皿で楽しませ、中盤から高級食材を出し惜しみなく、時に大胆な解釈で独創的な一皿に昇華させるのが東シェフの真骨頂。湧き出る泉のようなアイデアが詰まったコース構成に驚きと感動が終始入り交じります。麻婆豆腐かな?と思ったら、何と青森一本釣りアンコウとオイスターの貴州風煮込み。中国本土各地の郷土料理にも詳しいシェフならでは。コースの中盤で痺れ辛いメニューを入れてくれるのも嬉しい。フカヒレ姿煮はまさかの虎河豚白子ソースで。フカヒレ自体は白湯で煮込んでから、白味噌と合わせた白子ソースというサプライズ。下仁田葱の苦味アクセントがいい。炉釜焼きは鹿児島産のざき牛イチボ。表面カリっと焼き上げて焦げを丁寧に落としてくれます。甘めの叉焼ソースが中国料理らしさ。付け合わせのハイビスカス塩(厳密には沖縄でローゼル、台湾で洛神花と呼ばれるものだとか。東シェフはほんと博識で勉強になるw)、干し柿と橙のサルサという付け合わせも酸味のアクセントとして絶妙。名物バーツァンは毛蟹で蟹玉にして天津風。これは惚れてまう。実家のビーフン東オマージュの馬刺しビーフン〆、大満足。息の合ったワインのペアリングもお見事、夢心地の時間を満喫しました。
また次の大阪遠征でも必ず再訪したいです。
東京に移転してきて欲しいなぁ。
フカヒレ白子ソース
牛イチボ炉釜焼き
フカヒレ
毛蟹チマキ
蟹玉
蕗の薹の揚げ焼売
車海老の中華粥
蒸し鶏
キャビア昆布締めXO醬
メヒカリフリット
平目 キャビア昆布締めXO醬
鮑と牛タンの薬膳スープ
アンコウとくにさきオイスターの貴州風煮込み
馬刺しビーフン
苺杏仁豆腐
珍しい日本酒 かをるやま
2020/02/25 更新
2018/09 訪問
多彩な天才シェフが遂に本領発揮
9/19にオープンしたばかりの新店。
AUBE(オーブ)
場所は1FにCHI-FU(シーフ)のあるビルの2F。地階にはランチにバーツァン(ちまき)とビーフンが名物のビーフン東、ディナーはワインと中国料理をビストロ感覚で手軽に楽しめるAZと名を変えて、様々な中国料理が楽しめる夢のようなビル。
オーナーシェフは数多くの料理雑誌は勿論、TVの料理番組やワイン講師など多彩に何でもこなす東浩司氏。
外観の赤いネオンが格好いいですね。階段を上がるとまずはウエイティングルーム。床はフサフサの絨毯。物凄いゴージャスで西麻布の会員制バー・レストランみたい。まずこちらでアペリティフを楽しみカウンター席へと案内されました。山椒の効いた爽やかなジントニックがツボ。最初の空腹時に揚げ春巻きというのも嬉しい。何てスマートな流れ。
店内は何とカウンター6席のみ。
東シェフの本気度が伺えます。
ラグジュアリーな椅子に無駄を省いたシンプルでいながらアーティスティックなオープンキッチンの内装がカッコよすぎる。
・海老の揚げ春巻き
・渡り蟹の紹興酒漬け
・ハガツオ キャビアのXO醤昆布〆 ネギソース
・蒸し鮑と蕪 海苔ソース
・鼈ワンタンスープ
・クエと伊勢海老 ニラの花
・フカヒレあんかけ
・川岸牧場牛クリ 窯焼き
・松茸(岩手産)バーツァン
・担々麺
・杏仁豆腐 椿アイス 無花果
・ワインペアリング
〆て45000円
全ての皿に衝撃を隠せない。
五島列島産ハガツオはネギのソースが絶妙に仄かな苦味と甘味を添え、上に盛り付けられたキャビアは何とXO醤と合わせて昆布〆してあるという信じられない発想。その旨味と塩分が今度はぶつ切りの脂のノリまくった鰹の味わいを綺麗にまとめています。この何重にも張り巡らせられた、まるでシェフが仕掛けた謎解きのような味覚構成を1つずつ紐解いてゆく楽しみにドキドキが止まりません(笑)。単純に食べても美味しく楽しめるのですが、一方で食べ手を試すかのようなシェフの遊び心を感じてしまいます(注・あくまで勝手な妄想です)
蒸し鮑は水分を飛ばし過ぎずにギリギリのところで歯応えも残し旨味を閉じ込めて。中国料理では昔からよくあるという海苔のソースがシンプルながらも鮑の旨味を最大限に引き立てます。新しいことに果敢に挑戦するかと思えば中国料理の大いなる歴史に敬意を表することも忘れない。そんな姿勢も人柄を現しているようですね。
鼈ワンタンスープは日本料理店にも足繁く通うというシェフらしさ。微塵も雑味を感じさせない清々しいスープが胃袋に染み渡る。
13kgアップというクエに先程まで動いていた伊勢海老を豪快に盛り付けて。繊細さと豪快さを巧みに緩急つける流れがニクい。プリプリの食感コントラストも堪りません。ニラの花のアクセントが可愛らしくも白身の魚の味わいに中華らしい奥行きを。これはかなり好み。
そして待ってましたのフカヒレあんかけ。やはり中国料理のコースでは何だかんだでフカヒレが山。キラキラと輝くヒレの1本1本が黄金色の濃厚なあんかけを纏って魅惑的。そのボリュームもさることながら、旨味の爆発したあんかけソースがもう半端ない。今すぐにでも、もう一度食べたい!(笑)
川岸牧場の牛希少部位クリを豪快に窯で火入れしたステーキがメインというのも益々ツボ。みんな肉が大好きってこと、流石シェフは分かっていますね。その止めどないサービス精神にも惚れ惚れ。表面こんがり、中身は程よくレアな火入れも抜群。ソースは青みかん胡椒。その酸味と胡椒のスパイスがやみつき。
〆はビーフン東の名物バーツァン。これ大好物なやつ♪。本日はスペシャルバージョンで岩手県産松茸をどっさりと。これはもう悶絶レベル。今シーズンはもう松茸ご飯食べなくていいなと(笑)。付け合わせが胡麻の風味たっぷりの担々麺というのもツボを心得ていらっしゃる。
東シェフの右腕、田代啓氏のペアリングも素晴らしい。全ての皿にピタリと合わせる息の合ったコンビネーション。時にナチュール、日本酒、ブルゴーニュと楽しませて頂きました。
可愛らしく美しい盛り付けに、一度自分も見学に訪れたことのある富山の若手陶芸家・釋永岳氏の素朴で味のある器が美しく映えますね。
大阪中華恐るべし。都内にあったら間違いなく予約困難店になるでしょう。週4日の1日6席限定ですから、大阪でも直ぐに予約取れなくなってしまうでしょうね。
次々と繰り出される美食の謎解きの如き珠玉の皿たちに、五感を研ぎ澄ませて答えを見つけ味わう口福のひと時。若きシェフの挑戦はまだ始まったばかりです。
2018/09/25 更新
大阪中華AUBEに数年ぶりの再訪。
貸切会をさせて頂きました。
上海蟹の2皿からスタート。塩味をギリギリにコントロールして旨みを余韻まで楽しませる、これぞ東シェフらしさ、相変わらずツボど真ん中です。
我々のためだけに用意してくれたであろう北京ダック。美しい飴色の姿を見て「可愛い!」と隣から驚きの歓声が挙がりました笑。パリパリ食感の皮にトロける完熟無花果との合わせ方は衝撃的。これは正直、おかわりしたかった笑。うなきゅう北京ダックとの食べ比べも贅沢。
紹興酒漬けの帆立とキャビア、ハガツオ、上海蟹。
ワイン好きな東シェフらしく、飲ませる流れ。どれも味付けが優しく繊細。それに合わせるワイン。完璧。
すっぽんと香茸のスープ。濃縮された旨みが身体の隅々まで染み渡る味わい。
フカヒレあんかけは、この厚みボリューム感。フカヒレ食べた〜という満足感が半端ない。フカヒレの厚みは重視するところです、と東シェフ。ゲスト目線のサービスがめちゃくちゃ嬉しいです。
メインは鹿児島産のざき牛イチボ炉釜焼き。
驚くほど柔らかな口どけで、肉塊があっという間に胃袋に吸い込まれてゆく不思議。名だたる肉料理店にも勝るとも劣らないレベル。中国料理のメイン肉料理でここまで盛り上げてくれる店は中々お目にかかれません。
中華料理だと何となく肉料理はチャーシューになりがちだけど、やっぱり東シェフは自分も食べ歩きが好きなだけあって、肉好きゲストを楽しませる術を分かってらっしゃるなと。
〆はご実家ビーフン東の名物ちまきオマージュ、松茸ちまき。もはや米より松茸の方がボリュームある笑。カシューナッツのアクセントがらしさ。
絶品杏仁アイスでご馳走さまでした。
クラシカルな中国料理を大切にしながらも、湧き出る泉のような新解釈で創り上げる東シェフのお料理たち。
大阪遠征では必ず伺いたいお店。
また次回が楽しみで仕方ありません。