『裏・美肌ちゃん~今回は重い内容です♡(嫌な方はスルーを)』美肌ちゃんさんの日記

レビュアーのカバー画像

like a fiying arrow

メッセージを送る

美肌ちゃん (女性) 認証済

日記詳細

年末年始に実家に行った時、
母の古くからの知人(ママさんとします)から聞いた話

ママさんは今から30年くらい前に、
夫婦で居酒屋を経営していました

旦那さんが厨房で主な料理を作り、
ママさんがカウンターごしにお酒を出して接客をするような
カウンター席と、座敷が少しの居酒屋だったそうです

今、住んでる所とは違う、小さな町の駅前で、
料理も美味しいと結構評判だったようです

常連さんも多かったのですが、
比較的新しい常連の1人、青年(Aさんとします)
が、ある時、友人(Bさんとします)
を連れてやってきました

2人は当時、
20代半ばくらいで学生時代からの友人だったそう

Bさんは物腰も柔らかくて、
優しい雰囲気の人だったそうですが、
ママさんはふと感じたそうです・・・

彼は、今で言う、性同一性障害だと
(個人的に障害と言う表現には抵抗がありますが)

勿論当時は、
そんな言葉はなかったでしょうけれど
Aさんは、そんなBさんに偏見も持たず仲良くしていたようです

ママさんも、AさんやBさんから
直接その事を聞いた訳ではないのですが、
元々偏見や差別が嫌いな人だったので、
お店に2人が来ると温かく、楽しく接していました

居酒屋なので酔ったお客さんも多いのですが、
お客さんの中には、Bさんの雰囲気に気付くなり

「なんだアイツ男のくせに」

「気持ち悪いなー」と・・・

そんな話しをしてるのが、当然Bさんにも聞こえてます

そんな時ママさんは、
そう言うお客さんに対して

「何、◯◯さん!今日酔い過ぎじゃないの!」

など、
話をすり替えたりして適当にあしらっていたそうです

Bさんは月に2、3回、
Aさんに連れられて来ていたそうですが、
お店にいる時は、ホントに楽しそうにしていたそうで

「ここでママさんと話してるのが1番楽しい」
と言ってたそうです

それから1ヶ月ぶりくらいに、Aさんが1人でやってきました

ママ「あら?Bさんは一緒じゃないの?」

しばらく間を置いてから

A「うん、実はアイツ自殺したんだ」

ママさんは絶句したそうです

Aさんはその時初めて
Bさんの事情を話したそうです

世間体を気にして、みっともないからと
家族からもあまり外に出ないように言われてた事

他の店などでは、やはり奇異な目で見られたりして、
外に出たがらなくなっていた事

そんな折、この居酒屋の常連だったAさんが、
「この店はそんな事ないから」と、
Bさんをここに連れて来た事

このお店でママさんと過ごす時間は楽しかったけど、
自分から事情を話せば、ママさんにも気を使わせてしまうし、
他のお客さんの事もあるしと思ったのかもしれません

「ここでママさんと話してるのが1番楽しい」

この言葉が、Bさんの精一杯だったのかもと思いました

今でこそ、各方面で活躍してる方も多いし
価値観の多様化で、
少しは生きやすくなったかもしれませんが、
当時のBさんの苦しみを考えたら、
聞いていた私も何とも言えない
切ない悔しい気持ちになりました

もっと突っ込んで話しを聞いてあげれば良かったと、
ママさんはテレビなどで活躍する方を見る度に
今だに思い出すそうです・・・

ちなみにこの居酒屋は、
すいとんとロースカツ、
女性にはミモザサラダが特に人気だったそうです
(いちお食べログだからね)

きっとこういう話は全国で沢山あるのだけど、
聞いた話ではあるけれど

今回、
Bさんの事をどこかに残したくて日記にしました・・・

居酒屋は20年くらいやってたようで、
ママさんのお店に来た色々なお客さんの話は
実はまだまだあるのだけど

それはまた、いづれ
ページの先頭へ