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食べログ
兵蔵のレストランガイド
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兵蔵 (30代後半・男性・東京都) 認証済
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1回
夜の点数：4.5
2015/03 訪問
料理人の強い意思を感じるフレンチ
知人の紹介で連れと二人で行ってみました。予約が取りづらいと聞いていましたが、19:00でなく20:30～であれば比較的取りやすいようで、前日に食べログの予約サービスを使ってあっさりとれました（食べログさん、ありがとうございます）。予定より早く着いたので、近くにあるブルーボトルコーヒー青山で時間をつぶしてから訪問。お店が住宅街の中にあるので若干迷ってしまいましたが、後ろで歩いていたカップルがスタスタ入店していったのを見て発見できました。店内は活気がありとても賑わっていました。奥の窓際のテーブルに通され着席。聞いていた通りメニューはお酒のみで、おすすめコース一本勝負のようなので、それでは受けて立ってやろうと料理に合わせた５種のワインを二人とも注文。以下、個々の料理の感想です。１ 苺と梅干のキュイエール 「キュイエールって何だろ…」とか「苺と梅干って合うの？」とか話しつつ待っていたら、最初の料理はスプーンに直で盛られて来ました。なるほどこれなら食器を使う手間が無く軽く一口でいける。「料理＝皿への盛りつけ」ではなく、目的に応じて理にかなった方法で出されるべきであるという料理人のメッセージを感じます。 味については、梅干の酸味があまりなくフルーティーで苺とマッチしており、最初の一口にふさわしい爽やかな一皿（？）でした。２ L’ASスペシャリテ フォアグラのクリスピーサンドオレンジ味 せんべいに使うような紙の小袋に入って出てきました。自分は最初は内心「えぇ…？」という感じだったのですが、いざ食べるときは袋ごしでつかむと手が汚れずにすむので、かえって良かったかなと思い直しました。また、連れはむしろ持ち帰れることが好印象だったようで、「次は持って帰ってお母さんに食べさせよう」と喜んでいました。味はフォアグラらしく濃厚ですが、クリスピーの食感やオレンジの風味のおかげでしつこさがなく美味。サービスでつけてもらったワインとの相性も良かったです。３ 広島県梶谷農園ベビーリーフのテリーヌ アボカドのクリーム 「ベビーリーフってテリーヌにできるの？」と話しつつ待っていると、ゼリーの中に大量のベビーリーフが固められて出てきて、な、なるほど…と納得。このゼリーにはちょっとだけリンゴの風味がしたのですが、これがベビーリーフと良く合ってます。これだけだとオシャレではあるけれども、ともすれば貧相になってしまいそうなところを、アボカドがしっかり•ねっとりと包み込み、贅沢な一皿になっています。４ 富山県産ホタルイカと新玉ねぎの蒸し焼き パルメザンチーズ 玉ねぎが甘い！！ 自分はホタルイカが苦手だったんですが、ここのは身が柔らかくかつクセもなく、チーズと胡椒もきいており美味しくいただけました。玉ねぎの甘さとホタルイカのほろ苦さで赤ワインがすいすい入りました。５ 富士鱒のミキュイ フランス産ホワイトアスパラのスープ オリーブ•ケッパー•コルニッション ホワイトアスパラはツム・アインホルンで食べて以来大好物なので期待していたのですが、小さく切られているようで姿が見えず…鱒は身が大きいのはよかったのですが、若干大味気味でした。ただ、スープにはこれらのうまみが凝縮されており、付け合わせのパンと合わせて美味しくいただきました。６ ５週間熟成させた仔羊のロースト 燻製じゃがバター添え 羊の臭みが苦手な人は多いと思いますが、このローストは熟成されているだけあってクセがほとんどなく、また岩塩が肉の旨味を引き立てており、苦手な人でも美味しくいただけると思います。じゃがバターの燻製も初めて食べましたが、ワイルドな味で肉と良く合います。ワインもいつの間にか５杯目でした７ ミニトマトのコンポート、バジルジュレ ピアノグリッロを添えて 既にお腹一杯だったのですが、オリーブオイルとトマトの鉄板コンビでつるっといただけました。８ ブリアサヴァランと苺のカッサータ アーモンド•ピスタチオ アーモンドとピスタチオがふんだんに使われており、甘さ控えめで〆にふさわしいデザートでした。 全ての料理とワイン構成がしっかりとした計算のもとに作られた印象で、料理人の食材の扱いの丁寧さと創意工夫が良く伝わってきて、料理が出るたびに心の中で料理人と会話しているような気持ちになりました。美味しいイタリアンは我を忘れさせてくれますが、美味しいフレンチは人に驚きと感動を与えてくれます。 一つだけ不安があるとすれば、他のレビュアーさんも指摘しているサービス面の質でしょうか。料理を長く待たされることなどは無く基本的なところは全く問題なかったのですが、ホールに若い人が多く説明が若干たどたどしかったのと、（気のせいかも知れませんが、）入口付近でスタッフが密集していることが多く、「動線大丈夫なのかな…？」と心配してしまいました。 しかし、この値段であの料理が食べられることにはケチをつけようがありません。むしろ少しでも多くの人にリーズナブルで美味しい料理を食べてもらいたいという料理人の強い意志を感じます。 末永く続いてほしいお店の一つです。
2015/07/23 更新
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知人の紹介で連れと二人で行ってみました。
予約が取りづらいと聞いていましたが、19:00でなく20:30～であれば比較的取りやすいようで、前日に食べログの予約サービスを使ってあっさりとれました（食べログさん、ありがとうございます）。
予定より早く着いたので、近くにあるブルーボトルコーヒー青山で時間をつぶしてから訪問。お店が住宅街の中にあるので若干迷ってしまいましたが、後ろで歩いていたカップルがスタスタ入店していったのを見て発見できました。
店内は活気がありとても賑わっていました。奥の窓際のテーブルに通され着席。
聞いていた通りメニューはお酒のみで、おすすめコース一本勝負のようなので、それでは受けて立ってやろうと料理に合わせた５種のワインを二人とも注文。
以下、個々の料理の感想です。
１ 苺と梅干のキュイエール
「キュイエールって何だろ…」とか「苺と梅干って合うの？」とか話しつつ待っていたら、最初の料理はスプーンに直で盛られて来ました。なるほどこれなら食器を使う手間が無く軽く一口でいける。「料理＝皿への盛りつけ」ではなく、目的に応じて理にかなった方法で出されるべきであるという料理人のメッセージを感じます。
味については、梅干の酸味があまりなくフルーティーで苺とマッチしており、最初の一口にふさわしい爽やかな一皿（？）でした。
２ L’ASスペシャリテ フォアグラのクリスピーサンドオレンジ味
せんべいに使うような紙の小袋に入って出てきました。自分は最初は内心「えぇ…？」という感じだったのですが、いざ食べるときは袋ごしでつかむと手が汚れずにすむので、かえって良かったかなと思い直しました。また、連れはむしろ持ち帰れることが好印象だったようで、「次は持って帰ってお母さんに食べさせよう」と喜んでいました。味はフォアグラらしく濃厚ですが、クリスピーの食感やオレンジの風味のおかげでしつこさがなく美味。サービスでつけてもらったワインとの相性も良かったです。
３ 広島県梶谷農園ベビーリーフのテリーヌ アボカドのクリーム
「ベビーリーフってテリーヌにできるの？」と話しつつ待っていると、ゼリーの中に大量のベビーリーフが固められて出てきて、な、なるほど…と納得。このゼリーにはちょっとだけリンゴの風味がしたのですが、これがベビーリーフと良く合ってます。これだけだとオシャレではあるけれども、ともすれば貧相になってしまいそうなところを、アボカドがしっかり•ねっとりと包み込み、贅沢な一皿になっています。
４ 富山県産ホタルイカと新玉ねぎの蒸し焼き パルメザンチーズ
玉ねぎが甘い！！
自分はホタルイカが苦手だったんですが、ここのは身が柔らかくかつクセもなく、チーズと胡椒もきいており美味しくいただけました。玉ねぎの甘さとホタルイカのほろ苦さで赤ワインがすいすい入りました。
５ 富士鱒のミキュイ フランス産ホワイトアスパラのスープ オリーブ•ケッパー•コルニッション
ホワイトアスパラはツム・アインホルンで食べて以来大好物なので期待していたのですが、小さく切られているようで姿が見えず…鱒は身が大きいのはよかったのですが、若干大味気味でした。ただ、スープにはこれらのうまみが凝縮されており、付け合わせのパンと合わせて美味しくいただきました。
６ ５週間熟成させた仔羊のロースト 燻製じゃがバター添え
羊の臭みが苦手な人は多いと思いますが、このローストは熟成されているだけあってクセがほとんどなく、また岩塩が肉の旨味を引き立てており、苦手な人でも美味しくいただけると思います。じゃがバターの燻製も初めて食べましたが、ワイルドな味で肉と良く合います。ワインもいつの間にか５杯目でした
７ ミニトマトのコンポート、バジルジュレ ピアノグリッロを添えて
既にお腹一杯だったのですが、オリーブオイルとトマトの鉄板コンビでつるっといただけました。
８ ブリアサヴァランと苺のカッサータ アーモンド•ピスタチオ
アーモンドとピスタチオがふんだんに使われており、甘さ控えめで〆にふさわしいデザートでした。
全ての料理とワイン構成がしっかりとした計算のもとに作られた印象で、料理人の食材の扱いの丁寧さと創意工夫が良く伝わってきて、料理が出るたびに心の中で料理人と会話しているような気持ちになりました。美味しいイタリアンは我を忘れさせてくれますが、美味しいフレンチは人に驚きと感動を与えてくれます。
一つだけ不安があるとすれば、他のレビュアーさんも指摘しているサービス面の質でしょうか。料理を長く待たされることなどは無く基本的なところは全く問題なかったのですが、ホールに若い人が多く説明が若干たどたどしかったのと、（気のせいかも知れませんが、）入口付近でスタッフが密集していることが多く、「動線大丈夫なのかな…？」と心配してしまいました。
しかし、この値段であの料理が食べられることにはケチをつけようがありません。むしろ少しでも多くの人にリーズナブルで美味しい料理を食べてもらいたいという料理人の強い意志を感じます。
末永く続いてほしいお店の一つです。