4回
2022/12 訪問
This is Mukan
今年の夏よりテイクアウトのみとなり、五反田にも店舗をオープンさせ、こちらの中野坂上はどうなるかと思いきや、12月からイートインを再開されてました。
完全予約制で予約サイトにて前日21時からの予約争奪戦。30分間隔で4席のみということで、毎回1分程度で全日埋まってしまいます。久々に時計の秒針を睨めながら、無事に一席ゲットです。
特製牡蠣塩【1000円】。メニューはこれのみ。今は静岡の焼津に移転してしまったSoupmenの牡蠣塩らぁ麺はここ、むかんの店主・小松崎さんのオリジナル。これだけを目当てに争奪戦に挑むわけです。
せっかくなのでハートランドも頼んで待ちますが、おつまみもエグい。炙り焼きチャーシューをつけてくれましたが、これだけで350円は取れそうなもんです。
特製牡蠣塩は牡蠣のアヒージョに岩のり、ロースのレアチャーシュー、メンマに九条ねぎ、そして味玉。麺やスープが見えないほどびっしり具材が広がっているのも特徴です。
麺は三河屋製麺の珍しい平打ちぎみの麺。前食べた時は蕎麦粉入りの特注麺で、あれはあれで凄く美味しかったのですが、今度の麺はもっとこの牡蠣塩スープに合ってて美味しい。加水率が高めのチュルンとした感じが牡蠣のアヒージョや岩のりとの絡み具合が良いです。
そして味変も優秀で、辛味噌が付いてきました。牡蠣と味噌の相性は言わずもがなで、辛味があることでスープが最後までキリッとした状態を保ってました。そして卓上には置くのはもったいなさすぎる希少なぶどう山椒。これをかけると一瞬で高貴な風味と爽やかさが加わり、もったいないと思いながら結構ガシガシかけてしまいます。
最終的には本当に優しさ溢れるスープに終始魅了され、完飲してしまうのが惜しいくらい。これほど完成されていて、オリジナリティ溢れるラーメンは貴重どころの話ではないです。
店主さんとの貴重なお話も聞けるのもここむかんの魅力で、今のラーメン事情なども色々話してくれます。とりあえずは中野坂上のお店はこれからも安定して続けていき、五反田のほうも来年2月頃に再開できたらとの事だそうです。
2022/12/19 更新
2022/06 訪問
牡蠣と蕎麦と無冠
もういよいよプラチナチケットとなってきた中野坂上の白い舘。ラーメン界一の聖人が極上の一杯を振る舞う聖地です。
いつものごとく前週の21時にスマホに指を置きスタンバイ。なんとかドキドキしながらも2回目の訪問権をゲットできました。やはり1時間に4席までは変わらないらしく、難易度は依然高いです。
この週はざる蕎麦のみのメニューで、ご飯物もありませんでした。ちょうど茹だるような暑さでしたのでビール(ハートランド)も頼もうかと。よってざる蕎麦【500円】に味玉【50円】にビール【500円】の計1000円ちょい。どうなってんの、これ?
ビールと一緒に味玉を出して頂きましたが、ざる蕎麦のほうにも味玉が!何ともありがたいサービス。一杯ずつ調理して時間が少しかかりますので、その間に待ちながら味玉をつまみにビールを楽しみます。
ざる蕎麦は相盛り麺でした。北海道小麦・春よ恋100%麺、そして北海道蕎麦粉きたわせと春よ恋の
中華麺という2種類の相盛りでした。つけ汁はもちろん牡蠣ベースで、蕎麦粉入り麺と牡蠣というむかんの代名詞を今週も余すことなく味わえました。
とにかく麺勝負なとこありますね。春よ恋100パーセント麺はもっちりとしており、いわゆるつけ麺、馴染みの美味しいラーメン屋さんのつけ麺。蕎麦粉入りの方は蕎麦らしい歯触りと風味をしっかり残し喉越しも格別。麺量はサービスで多くしてもらいましたが、難なく食べきることができました。
つけ汁は牡蠣ベースがしっかりとした旨味を感じつつ、くどさが全く無いクリアなタイプ。割りスープ等はないということでしたが、そのままでもグイグイ飲めるあっさりさ。なのに麺にはしっかり味わいを加えることができているのが凄いです。
一番驚いたのが、卓上に3億年前の塩とか三味唐辛子とかバジルとか置いてあるのですが、それに並んで置いてあるのがぶどう山椒!高級食材と言っていいかはわかりませんこど、これを卓上に置いてあるのが凄い。申し訳なく思いながらガンガン麺に振りかけてしまいました。これが物凄く美味いんだわ。
1時間に4席しか無いわけで、予約さえ取れてしまえば、その1時間はこの素敵すぎるラーメンの世界に没頭できます。これが何とも幸せなことか。店主さんも色んなラーメン屋さんの話をしてくれて、色んな繋がりもわかって楽しいです。また予約が取れるかは怪しくなってきましたが、行ける時は行っておきたい。そんなお店なかなかないです。
2022/06/27 更新
2022/06 訪問
無冠のおもてなし
中野坂上駅を地上に出たらすぐ、むかんです。
こういうのは色んなとこにアンテナ張っておけば、嫌でも入ってくる情報で、その伝わる情報が魅力的過ぎて行きたいお店でした。その情報として
・店主さんは元スープメン(ときわ台)の人
・Twitterでの予約のみで、1週間分を日曜日の21時に開始
・1時間入替え制で4席のみ、1日16席のみ
・牡蠣をベースにしたラーメンでコスパが高いらしい
・凄く美味いらしい
これだけの情報があれば行きたくなるに決まってますので、がんばって日曜日の21時にスマホのボタンに手を置き待機。やればできる、って訳で予約がとれました。
当日、予約時間より少し早めに着いたのですが店主さんが出てこられ温かく迎え入れてもらえました。他愛も無い話をさらりとしてこられますが、予約のお客さんですか?という確認も無いのでびっくりしました。初訪ですけど、いいんですか?と心配になるほど気さくです。
牡蠣塩蕎麦【950円】味玉【50円】にチャーシュー丼【200円】です。物価上昇待っただの中、こちらが心配になるくらいの値段設定。ラーメンの実物を見た時に更にそのコスパの高さに驚きます。
かなり丁寧に作られたその一杯は豚チャーシュー2枚に鶏挽肉をベースとした牡蠣のアヒージョとコンフィ、メンマに岩海苔と九条葱に彩られます。チャーシュー丼もびっしりお茶碗一杯に並べられており、何から手を付けていいか迷います。
とにかくスープからかな。あっさりめかと思いきや意外とパンチあります。無化調ということらしいですが、牡蠣のわかりやすいくらいの旨味エキスが凝縮されており、あれだ、オイスターバーで出てくる牡蠣スープに似た感じです。アヒージョの部分を混ぜ合わせていくと、オイリーさが加わり更にコク的な重奏さが増します。
麺がこれまた面白く蕎麦粉入りの麺。食後に色々店主さんと歓談する時間があったので、麺をどうしているのか尋ねてみますと、どうも北海道の工場で特注して取り寄せているとの事。どうやら蕎麦はアレルギーの関係でなかなか近場のラーメン製麺所では扱いが難しいらしく、北海道でできるところが見つかって頼んだらしいです。いやあそのこだわり。確かに独特な麺はもちろんなんですが、この麺は単純に美味しいのです。蕎麦と中華麺のいいとこ取りをしたような。特にこの牡蠣スープには抜群に合います。
チャーシュー丼はローストビーフのような感じで、その味付けも好みでした。普段はしらす丼のようですが、どっからどう見ても200円に見えないところが恐縮してしまいます。
店内たった4席の中で、こんなにも素晴らしいラーメンとチャーシュー丼をもくもくと食べれる事に堪らなく幸せを感じます。今度来る時はビール頼もう、とか色々な事を考えながら食べ終わるのが何とも惜しい感じでした。
1時間入れ替え制なので、食べ終わった後もゆっくりと時間が取れ、店主さんと色々お話できましたが、周りのお客さん含めて皆さんラーメンが大好きですね。あそこのお店はこんな、今このお店はこんな、とかの情報が飛び交い、そして結構際どい話まで聞けて良かったです。
どうやらこの執筆以降、予約に関しては1時間に8席に広げることで、予約争奪戦は少し緩和されそうです。そしてテイクアウトもやり、メニューも週ごとに色々変えていくそうです。何にせよまた行きたいというレベルでなく、毎週行きたいと思えるお店がひっそりと中野坂上に誕生しています。
2022/06/14 更新
2023年に入り、やや不定期ながら再開した中野坂上のお店。なのに、予約が取れない!稀代な名店にして予約さえ取れれば並ばずに行けるというのに、鬼のような予約の難易度。
前日の21時から予約サイトでの受付ですが、本当の意味で秒で埋まるんです。30分区切りでその時間帯の席数は4つのみ。行くと決めたらからには神経注いで画面に向き合うしかありません。
というわけで久々のプラチナシート。久々なので嬉しくてビール(ハートランド)【500円】を。おつまみを出しますんでと、いつも有難いなあと、味玉かな?チャーシューかな?と思ってると、出てきたのが低温調理のチャーシューと豚タン!何とラーメンに付いてこない全くもってビールを頼んだ人しか出てこない代物。何でこんなの用意してくれてるのですか?
特製牡蠣塩【1000円】です。だってこれだけしかメニューないのですから。しかもこの日はサービスで和え玉も。半玉ですけれど、相変わらずの過剰サービスに恐縮してしまいます。
もはや代名詞の牡蠣塩ラーメンですが、久々なのに進化してるなあというのがしっかりわかる程、とにかく美味い。牡蠣のエキス的な存在感が凄く増したなあというのと、三河屋製麺製の細めの麺がもう牡蠣塩専用の麺のごとくしっくりきてます。
和え玉にはアヒージョが乗り、もちろんこのまま食べても美味しかったのですが、卓上に素晴らしすぎるアイテムが揃ってましたので、そちらを使用しまして。お馴染み和歌山県産ぶどう山椒と、初めてお目にかかりました青森県産にんにくりんご酢。特ににんにくりんご酢の爽やかな酸味と香りが麺に絡むとぶっ飛ぶ美味さ。これは売ってたら買って帰りたいと思いました。
スープを飲み干すと、ああもう今回もさよならかと毎回名残惜しくなるほど美味いラーメンと居心地のよい店舗。こういう限られた空間だからこそ味わえる至福の時ですので、予約制は続けて欲しいですが、次も取れるかな〜と心配になるのが悩みのタネです。