2回
2017/01 訪問
本格的な嵐はまだこれから、な感じも
鎌倉のレストランの中でも、トップクラスの食べログ高評価のArashidaさん。
立地は鎌倉から江ノ電で一駅、和田塚駅のほど近く。でも鎌倉駅からも充分に徒歩圏内。江ノ電一駅は短いですからね~。
周辺はおしゃれなイタリアンやらフレンチ、伝統的な和食甘味が林立する、まさに外食激戦区。
こちらが掲げるのは、シェフが修行されたスペイン北部バスク地方のクラシックなスペイン料理とのこと。
バスク地方といえば世界一の美食の街ともよばれるところ。
フランスとも隣接し、お料理にもフレンチの要素が。
北部とはいえ北大西洋海流のおかげで温暖な気候、バターやクリームはあまり使わないスッキリ料理、トウガラシなんかもよく使われるそうで。
木造の古びた店内はちょっと古民家風というか、いかにも一軒家レストランというか、そんな雰囲気。
2人掛けテーブル6卓ぐらいと、キッチンが見渡せるカウンター席が数席。
大きな窓からは県道311号、通称由比ヶ浜通り。
週末はいつも渋滞ですが、そんな喧騒はよそに落ち着いた店内です。
テーブルにはランチョンマット、おしぼりとカトラリーレスト。ナプキンはありません。
余計なものは取っ払って、シンプルなテーブルセッティングという感じでしょうか。
ランチは3500円のコース1本。
食前のおつまみ
イベリコ豚の生ハム
スペインから直輸入との生ハム、脂が甘くて旨くて、肉の旨みもぎゅっと濃縮、塩加減がまたちょうどいい具合。
スパークリングワインもビールもグイグイいけちゃう、これだけでもとりあえずArashidaファンになっちゃいそうな。
冷前菜
いきなりメニューと全然違うものが来たのでよく覚えてないんですが。
鶏とナス、野菜など、をビネガーとトリュフのソースであえたものかしら。
情熱的な生ハムから、急に冷静なお料理に。
鶏内蔵の包み焼き トリュフ香るマッシュルームのカプチーノソース
鶏レバー特有の癖とか匂いはあるけど、滑らかで軽いソースがいい感じで和らげて、包み込んで。
でもレバーらしい存在感はしっかり感じつつ。
レバー苦手な人でも、これならすっきりおいしく頂けるんじゃないかと。
茸とエビのアロスメロッソ
スペインのお米料理といえばパエリアですが、こちらはちょっと雰囲気が違う。
食感はパエリアとリゾットの中間か、ちょっとリゾット寄り、ぐらいでしょうか。
具材ごとに煮込み時間を変えているのか、エビはレアってほどではないけど、ふっくらと柔らかく、甘み旨みが濃厚。
ガーリックマヨネーズをちょっと漬けるとまた雰囲気ががらりと変わる、2度おいしい一皿。
豚頬肉のワイン煮込み
明朗快活とでも言うか、いかにもワイン煮込みって感じの直球料理。
でもって、トリュフとかジャガイモのニュアンスのソース、うまく角が取れてまろやかな味わい。
赤ワインがエンドレスで行けちゃいそう。
アロスコンレチェ
牛乳でお米をトロトロに煮込んだスイーツ、シナモンをかけて。
お米の微妙な食感が残ってるけど、でもお粥とも違う不思議な感じ。
米特有の重さというか、満腹感を誘う感じがなくて、なんかお替わりしたくなる、すっきり爽やかデザート。
ワイン
グラスワインは赤白4種類ずつ。
スパークリングのほかは、シェフのおすすめで白、赤を1杯ずつ。
赤白ともしっかりとしたボディで余韻が長く、濃密なお料理とガチンコで、でも見事に調和しちゃいます。
スペイン料理というジャンルは日頃口にする機会に疎いのですが。
どのお料理も手が込んでいるのだろうけど、まさに家庭料理っぽい暖かい雰囲気。
金髪シェフの派手な見た目によらず、クラシックという言葉通りのお料理。
でも味付けは繊細というか、初めての料理でも口に馴染むし、違和感なく日本人にも合うと思います。
スペイン料理が日本人に合う、というよりも、シェフの工夫の賜物なのかもしれませんが。
ものすごく美味しくって感激! なにこれ新しいっ!! っていう驚きはないかもですが、癖になるというか、また次の一口が食べたくなるような、お料理でした。
金髪シェフの他は店員さん1人だけの店内、込んでくるとサービス面は大変そうかな。
なんとなくちょっと痒いところに手が届かない感じも、クラシックな雰囲気、料理にマッチするのかもしれませんが。
カジュアルに使えるのもいいけども、今後いい意味での本格化にも期待大。
サービス面とか、雰囲気づくりにしても、ブラッシュアップの余地は色々とありそうな印象。
とりあえず次回は、季節が変わるころにディナーで再訪です。
生ハム
鶏内蔵の包み焼き トリュフ香るマッシュルームのカプチーノソース
鶏内蔵の包み焼き トリュフ香るマッシュルームのカプチーノソース
茸とエビのアロスメロッソ
茸とエビのアロスメロッソ
豚頬肉のワイン煮込み
豚頬肉のワイン煮込み
アロスコンレチェ
アロスコンレチェ
2017/02/10 更新
春のディナーにて再訪問です。
アミューズ
蕪と牡蠣
冷前菜①
ホタルイカと春キャベツのモホソース和え
温前菜①
甘鯛のウロコ焼き
海のソース
温前菜①
ずわい蟹の入ったオマールコンソメのゼリー
トマトクリームのソース
冷前菜②
春の山菜とタラのブランダード
米料理
イカのアロスメロッソ バスク風
魚料理
タラのピルピル
(バスク地方の伝統料理、タラのゼラチンとオリーブオイルを乳化させたソース)
肉料理
イベリコ豚頬肉の赤ワイン煮込み
トリュフ入りジャガイモのピュレ
デザート
アロスコンレーチェ
グラスワインは赤白4種類ずつで概ね前回と同じラインナップ、白は新メンバーにシャルドネが登場。
これがまた魚介系とのマリアージュ抜群なのでした。
カウンター席なので、シェフにおすすめのワインなどを聞きながら。
お料理はタラのピルピルが妙に塩辛い他は、どれもワインが止まらない美味しさ。
ホタルイカとか山菜とか、旬の食材をうまく引き立ててるのもまた素晴らしいところ。
シェフの腕前が遺憾なく発揮されたお料理、このクオリティでこのお値段、かつ予約が取りやすくてカジュアルに使いやすい、とっても貴重なお店です。