せっけ段さんが投稿した湖里庵(滋賀/近江今津)の口コミ詳細

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「美味しさ」は料理の「味」以外にも関係あるのか?

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湖里庵マキノ/日本料理、郷土料理

1

  • 夜の点数:4.4

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.4
      • |サービス 4.4
      • |雰囲気 4.4
      • |CP 4.4
      • |酒・ドリンク 4.4
1回目

2024/09 訪問

  • 夜の点数:4.4

    • [ 料理・味4.4
    • | サービス4.4
    • | 雰囲気4.4
    • | CP4.4
    • | 酒・ドリンク4.4
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

⑧中原一歩さん。

ノンフィクション作家。、
食に関する著書多し、地方の鮨店をめぐる鮨旅がライフワークだとか。
ここ「湖里庵」のお食事を‘至福の夕食’と記しています。
(雑誌dancyuにも連載していた・・みなさん知ってた?)

滋賀県の海津という港町で代々‘鮒寿し’を製造・販売している「魚治」が経営する
琵琶湖オーベルジュを代表する老舗料理宿。

屋号の「湖里庵」とは、ここの鮒寿しと景色をこよなく愛した、小説家の遠藤周作氏が名付け親だ。

‘鮒寿し’とは・・琵琶湖で獲れる冬の二ゴロブナを塩漬けにしたのち、炊いたご飯(飯・いい)を
         重ねて漬け、自然発酵させた保存食。
         通常は1年間の熟成だが、もう1年長く漬け込み2年熟成を採用。
         これにより発酵による酸味だけでなく旨味も増すという。         

こちらでは滋賀の河川や農家で獲れたもの、琵琶湖で獲れたもの、鮒寿しを用いた郷土料理、
それプラス七代目当主・左嵜謙裕シェフが現代風にアレンジした料理が提供される。

僕がまず惹かれたのが「海津」の文化だ。
夜の食事は17時一斉スタート、まだ時間があるので海津神社、海津の石積と辻子(づし)、
旧海津漁港を見て回ることにしよっと・・・!

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

さて本日のメニューは
◆食前酒・・ 地元、吉田酒造のスパークリング日本酒。

◆先付け・・ 琵琶湖産「うぐい」の焼き霜、胡瓜と土佐酢のジュレ。

◆八寸・・・ 琵琶湖固有種のケイチョウ貝をお月さまに見立てたお皿に2年熟成の「ともあえ」
       (漬け込んだフナの身と飯(いい)を和えたもの)。
       氷魚(ヒウオ・鮎の稚魚です)の土佐酢和え、かぼちゃのすり流し、琵琶マスの
       小袖寿司、丸十(さつまいも)煮、自家製鴨ロース、にんじん菜のお浸し、
       琵琶湖産手長海老の素揚げ、鮒寿しの「甘露漬け」
       (漬け込んだ鮒寿しの飯(いい)を取り除き、さらに酒粕に漬け込んだもの)。

お皿プレートにはススキが飾ってある・・・、そっか~中秋の名月、十五夜が近いからか~。
しかも「氷魚の土佐酢和え」を食べ終わったらウサギさんが現れました!

◆椀物・・・ くずの葉が蓋のトマトそうめん(トマトの下には火を通した鮒寿しが隠れており、
       一緒に潰して食べる)。

◆向付け・・ お造りは今が旬の琵琶マス。塩たたきと平造り、皮目はお塩で。

◆焼物①・・ 薄くスライスされた大根の上に乗った鮒寿し餅。
       餅の原料であるもち米と鮒寿しで使用する飯(いい)の米は同じ地元農家さんだ。

◆揚げ物・・ 琵琶湖の若鮎、万願寺とうがらしとアスパラガスの天ぷら。山椒塩で頂く。

◆煮物・・・ 鮒寿しとマッシュルームの黒胡椒がきいたクリーム風パスタ。
       バケットは目の前で炙ってくれる。

◆吸い物・・ 鮒寿しの頭の部分が底にに沈んだ吸い物。
       頭の骨から酸味、旨味が徐々に溶け出すので混ぜずに、味の変化を楽しむ。

◆焼物②・・ 先ほどまで目の前の水槽で元気に泳ぎ回っていた琵琶湖の天然鮎。
       頭から尻尾まで、そのままガブリと山椒酢で頂く。

◆ご飯・・・ 「湖里庵」の王道である鮒寿し出汁茶漬け、香の物は胡瓜と茗荷のお漬物、だし昆布の
       佃煮、琵琶湖産ゴリと山椒に炊き上げ、コリンキーの塩麹漬け。 
       (これが漫画・美味しんぼで紹介されている料理、左嵜シェフのおじいちゃんも
       登場するらしい・・僕、読んだことないが・・・・)。

◆水物・・・ 赤ワインでコンポートされた地物・朝採れのイチジク、自家製わらび餅、有機大豆を
       自家焙煎したきな粉、黒蜜。

鮒寿しは他のいかなる発酵食品とは異なる香り・味で、琵琶湖のうお達は他の川や海のものとは
全く異なる香り・味(脂)・食感だった。
僕にとって、「鯖寿しのクリーム風バスタ」が人生で1番のパスタだな(この分量ならば)。

ただ残念だったのが、隣が個室になっているようだが、そちらのお客さんが街の居酒屋のような    
騒ぎ方をしていたので壁が薄いせいか、最初から最後までまる聞こえ・・・・。
あと、部屋以外の廊下は全て間接照明になって雰囲気はいいのだが、トイレの手元ドア部分の
「使用中・空き」が真っ暗で見えないのである。
(なので誰かが中に入っていてもガチャガチャやってしまう→お酒を飲んでいる人は注意)。

「湖里庵」さんは2018年に台風で全壊、
(創業から鮒寿しを作り続けてきた蔵(蔵付きの菌も!)と調理場は奇跡的に被害を免れた!!)
2021年に再建・再スタートとなったが、
左嵜シェフはこの3年の間に料理に対する大きな気付きがあったという。
倒壊する前にしか来た事が無い人は是非、また足を運んで料理を味わって欲しいと思う。

この海津の景観、数々の料理、「湖里庵」さんのロケーションは日常からの離脱、心を豊かにし、
癒してくれる世界。
いつまでもこの地域の文化を伝承してください。
ここはまさに海津の宝、いや琵琶湖の宝である。

(現在の点数が4.31なので4.40にした)。

  • ①海津神社

  • ②海津神社

  • ③定・車馬ヲ・・鳥獣ヲ・・竹木ヲ・・読めない!

  • 魚治さん。

  • ①海津の石積

  • ②海津の石積

  • ③海津の石積

  • ①辻子(づし)湖と道路をつなぐ。

  • ②辻子(づし)

  • ③辻子(づし)

  • きれいな景色だにゃ~。

  • ①旧海津漁協

  • ②漁協の荷さばき場

  • もぐってみたい。

  • 泳いでみたい。

  • ①景色もご馳走

  • ②景色もご馳走

  • ③景色もご馳走

  • 食前酒と先付け

  • 八寸

  • 氷魚を完食するとウサギが。

  • トマトそうめん。

  • 琵琶湖独特の脂のり。

  • 鮒寿し餅。

  • 揚げ物。

  • ①美味いんだなぁ~。

  • ②美味いんだなぁ~。

  • ①元気いっぱいが・・。

  • ②こーなって。

  • ③こーなります。

  • おかわりッ!

  • つくりたて!

  • 遠藤周作氏直筆。

  • 純日本風。

  • 倒壊しても生き残った看板。

  • もう暗くなりましたね。

2024/10/04 更新

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