紅茶に浸したマドレーヌさんが投稿した紀尾井町 三谷(東京/赤坂見附)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

紅茶に浸したマドレーヌのレストランガイド

メッセージを送る

この口コミは、紅茶に浸したマドレーヌさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

紀尾井町 三谷永田町、赤坂見附、麹町/寿司

2

  • 夜の点数:4.8

      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.8
2回目

2017/09 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.8

たった一貫の小さな握りに鮎の素晴らしさ全てが詰まっている...「紀尾井町 三谷」、これは握りで鮎の素晴らしさを表現するにはこれしかないという性急な断定へとひとを追いやる最強の逸品である

2017年7月29日(月)。...といえば、梅雨明けから1週間。なんといっても年魚の鮎が1年でもっともよいとされる時期だ。この時期であれば、梅雨の雨に繰り返し洗い流されながら、川石に淡くまとわりついた綺麗な苔を食べ続けた鮎の"成魚"をいただきたいと思うのが人の心情というものだろう。けれど、今、目の前の付台に、すうっと"稚鮎"の握りなどが饗された場合、ひとはそれにどう対処すればよいのだろうか...

まぁ、少しばかりの戸惑いを覚えつつ、ともかくも口に放り込んでみるほかはないのだけれど、と、どうだろう...その小さな一貫の握りから一尾の鮎のワタの滋味と鮎の香り全てが、複雑で緻密な繊細さを備えて鮎の素晴らしさ全てを表現しだすのだ...

思わず加藤さんに、これは凄まじい逸品だとあまりの旨味にうろたえながらお伝えすると、「鮎の成魚ですと、鮨の場合三枚におろしてという料理になってしまって、鮨ネタで鮎丸ごとの醍醐味を表現するのに適していないんですね。"稚鮎"を握りに使うのは四谷の親方の発案です」とのこと。これは、実に凄い発見だ。いまだ四谷のお店には訪問したことはないけれど、これは実によいことを考えたものだと思わず舌を巻く!


さぁ、今日も「紀尾井町 三谷」の素晴らしすぎる晩餐をできる限り詳細に書き綴っていきたい。

お連れさまと直接お店で落ち合って、まずは、食前酒。ローノワ・ペール・エ・フィス スペシャル・クラブ。シャルドネ品種の香りの高いシャンパーニュだ。いつものように、摘みから始まって、握りへという流れで献立が組み立てられていく...

1.淡路島の由良の紫雲丹に土用しじみのお出汁をかけた椀
淡路島の雲丹は、北海道の雲丹と比べると小ぶりのものだけれど、意外と甘さがある。そこに土用しじみのお出汁をかけたもの。しじみのミネラル感にシャンパーニュのミネラル感をあわせた組み立てである。香りが素晴らしい。


ここで、一つ目の日本酒。磯自慢(いそじまん)「純米吟醸」大井川の恵み かおるとき。うん、これもフルーティ、バランスの取れたいい感じのバナナ香。

2.大原の蒸し鮑
鮑は夏随一の味覚である。さらに房州産のそれは、一級品である。ひと噛みするが、その反り返るような弾力の中に、バターがねっとりと溶けて流れたような甘美な余韻が伝わる。

3.醤油を使って甘く炊き上げた長崎産の穴子と、白焼きの穴子
一般に梅雨が旬といわれる穴子だけれど、実は本当に脂がのるのは冬場というのがわたしの見解。でもこの時期の若々しいものも捨てたもんじゃない。

ここで1つめのワイン。シャトー・ダッソー 2007。タンニンは細やかで果実味も充実しており、酸味とのバランスが大変良い一品だ。

続けて2つ目のワイン。ロッカ ディ モンテグロッシ ロザート 2015。イタリアのロゼワイン。大変美しい透明感に満ちたサーモンピンク。それ自体の強さはほどほどで、これはお食事に寄り添うようなワインだ。

4.噴火湾の毛ガニの身をほぐして味噌と蒸しあげたお椀
香りといい、味わいといい申し分ない。潮をまるごと呑み込んだような味わいに最高の贅沢感を味わわせてくれる。

ここで、日本酒。まるでワインのようなエチケットだ。龍神 Rose Berry。赤色酵母で仕込んだ醪をしぼり、ロゼ色の日本酒。イチゴを想わせる、キュートな甘味と酸味のバランスが特徴だ。

さらに貴腐ワイン、シャトー ダルシュ ラフォリー。光り輝く金色。活き活きとした柔らかくパイナップルのようなボリュームたっぷりの酸が感じ取れる。芳醇なデザートワイン。

5.マグロの中落、フカヒレとあわせて...
中落はたいへん上品な脂をたたえている。これにフカヒレのシャキシャキとして、かつ芳醇な食感が面白い。貴腐ワインとの相性が抜群によい。

さらにワイン。ドメーヌ・ジョマン ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・ペリエール。太めのミネラルと芯のしっかりしたボリューム感のある味わい。これはわりときっちり主張があるお料理との相性がよさそうだ。

6.雲丹の焼きおにぎりに金目鯛の焼き物、上から吉野葛を使って昆布出汁を餡かけにしたものをかけて
雲丹を酢飯と合わせてよく混ぜ合わせた後、丸めて焼きおにぎりにしたものの上に金目鯛の焼き物をのせている。焼きおにぎりの上で金目を炙っているので、金目の脂がよくおにぎりの上に落ちている。金目の脂の甘さと雲丹の甘さを一緒に味わってもらう趣向だ。

さらに、上から昆布出汁を吉野葛で餡かけにしたものをかけている。これをお魚とご飯を崩しながらいただく。崩すと、中の魚の身のしっとりとしたものとご飯の焼けた部分の香ばしい味わいを一緒に味わっていただける。


加藤さんから「最初に和風だけれど、崩すと洋風のリゾット風」とのご案内。確かに、崩してリゾットにしてみると、何か地中海の青い空を思わせるものがある

ここでまた日本酒。一白水成 純米吟醸 雄町。心地よいフルーティな香。でもお米本来の持つ甘味とコクがちゃんと感じ取れる。

7.干しガレイの握り
ここから握りだ。干しガレイ。真子ガレイより、身の弾力が強い。旨味も強い感じがする。これはお代わり候補だ!

8.しんイカの握り
歯切れのよい噛み心地とイカ独特の甘さが身上。旨い。

9.富山湾の白エビの握り
三谷さんはシャリの具合がよい。わたしの大好きなシャリだ。酢がきつすぎず。塩梅が良い。白エビも可憐な佇まいでことのほか好感がもてる。

10.シマアジの握り
やはりこの時期はシマアジはいっておきたい。これは海の香魚である。大好き。

ここで、マグロに備えて、白ワイン。マグロとムルソーでいく!ドメーヌ・ジェノ・ブーランジェ ムルソー クロ・デュ・クロマン。なにものにも媚びないすっきりとした酸味と渋み、これはマグロに最適な白である。

11.赤身の漬けの握り
香りが高い赤身とムルソーがあう。ムルソーからはほのかな果実味がある。赤身の彼方に聞き取れる血潮のさざめきとこのすっきりとした白のマリアージュは絶品であった!前回もマグロとの合わせで感動した!

12.中トロの炙りの握り
熟成は、10日目くらいが丁度よい。

13.行徳の海苔を使った海苔巻き
これが滅法旨かった!海苔が江戸前(千葉県市川市の南部の行徳)だった。海苔というと佐賀が日本一のイメージだけれど、この行徳の海苔は、絶品。香りといい、甘さといい、宝石のように輝く旨さだった。思わず大将にお声がけしちゃうくらいの素晴らしさだった。

日本酒、七ロ万(ななろまん)。まろやかな日本酒。爽やかな香りととろりとしたメランコリックな米の旨味が素晴らしい。

14.こはだの握り
この、他の青身魚にはないこはだの蠱惑に満ちた魅力がなんとも素晴らしい。

15.まあじの握り
肉厚で、豊潤な旨味のある逸品だった。これもお代わり候補!

ここで、日本酒、TATSURIKI Episode2。香りは穏やかで口一杯に拡がる旨辛味からのすっきりとしたキレは、食中酒として最適である。

16.琵琶湖の稚鮎の握り
これにしたたかにやられた。絶対的に今日一!

17.鹿島の汀線(ちょうせん)ハマグリの握り
コリコリとした食感から蛤の滋味深きエキスが口の中に広がり、それをツメのしとやかな甘さが包み込む。

ここで日本酒、百春(ひゃくしゅん) 美濃錦。香りとガス感と綺麗な甘味。きれいな日本酒だ。

18.干しガレイの握り
お代わり

19.しんイカの握り
お代わり

20.琵琶湖の稚鮎の握り
お代わり

21.まあじの握り
お代わり

ここで日本酒、新政酒造 にごり酒 六号酵母

22.しじみの握り
しじみの握りとは珍しい、でもこれもなかなか乙なものだった。にごり酒との相性も抜群。

23.海苔のお汁

24.おいなりさん

25.玉
相変わらずきれいな玉。

26.梅
梅で一通りとなる。いや、今回も三谷さんは素晴らしかった。でも、予約が本当に取れなくなってきている状況だ。とりあえず、来年3月に予約を入れる。でも、それ以前にキャンセルがでたら、加藤さんに連絡をもらえるようにお願いしてある。年内にもう一度くらいこれるといいんだけどね~。

  • 琵琶湖の稚鮎の握り

  • しんイカの握り

  • こはだの握り

  • 赤身の漬けの握り

  • 中トロの炙りの握り

  • まあじの握り

  • しじみの握り

  • 干しガレイの握り

  • 小西商店の雲丹

  • 淡路島の由良の紫雲丹

  • 淡路島の由良の紫雲丹に土用しじみのお出汁をかけた椀

  • 大原の鮑

  • 醤油を使って甘く炊き上げた長崎産の穴子と、白焼きの穴子

  • 噴火湾の毛ガニの身をほぐして味噌と蒸しあげたお椀

  • マグロの中落、フカヒレとあわせて...

  • 雲丹の焼きおにぎりに金目鯛の焼き物、上から吉野葛を使って昆布出汁を餡かけにしたものをかけて

  • 干しガレイの握り

  • しんイカの握り

  • 富山湾の白エビの握り

  • シマアジの握り

  • 赤身の漬けの握り

  • 中トロの炙りの握り

  • 行徳の海苔を使った海苔巻き

  • こはだの握り

  • まあじの握り

  • 琵琶湖の稚鮎の握り

  • 鹿島の汀線(ちょうせん)ハマグリの握り

  • 干しガレイの握り

  • しんイカの握り

  • 琵琶湖の稚鮎の握り

  • まあじの握り

  • しじみの握り

  • 海苔のお汁

  • おいなりさん

  • ローノワ・ペール・エ・フィス スペシャル・クラブ

  • 磯自慢(いそじまん)「純米吟醸」大井川の恵み かおるとき

  • シャトー・ダッソー 2007

  • ロッカ ディ モンテグロッシ ロザート 2015

  • 龍神 Rose Berry

  • シャトー ダルシュ ラフォリー

  • ドメーヌ・ジョマン ピュリニー・モンラッシェ プルミエ・クリュ レ・ペリエール

  • 一白水成 純米吟醸 雄町

  • ドメーヌ・ジェノ・ブーランジェ ムルソー クロ・デュ・クロマン

  • 七ロ万(ななろまん)

  • 百春(ひゃくしゅん) 美濃錦

  • TATSURIKI Episode2

  • 新政酒造 にごり酒 六号酵母

  • 新政酒造 にごり酒 六号酵母

2017/09/02 更新

1回目

2017/03 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.8

月も朧に白魚の 篝(かがり)もかすむ 春の空...「紀尾井町 三谷」、水の流れと一体になるくらい透明感のある白魚の可憐な身質の向こうに春の匂いをかぎ分ける

その昔、江戸前には大川の水脈が滔々(とうとう)と流れ込み、黄昏時の水面(みなも)は日中の暖かさと夜気の寒さの寒暖差が生んだ夜霧でぼんやりと霞んでいる。その春霞の中、篝火を焚いた白魚漁の小舟が幾艘もゆらゆらと長閑(のどか)に漂っている。まさに匂い立つような春先の江戸湾の光景である。月も朧(おぼろ)に白魚の...ああ、"白魚"、その言葉の響きに春の到来をしみじみと噛みしめる...

2017年2月15日(水)、「紀尾井町 三谷」でいただいた白魚の握りは、春の到来を言祝(ことほ)ぐように可憐な輝きに震えていた。以下「紀尾井町 三谷」でのお食事体験をできるだけ詳細に書き綴っていきたい。...それにしても「紀尾井町 三谷」、今回、昨年の11月からこの「紀尾井町 三谷」の付場に立つ、加藤 聡(かとう さとし)大将の見事なまでのお酒のコーディネートに思わず舌を巻いた。加藤さんのお酒の組み立ては、過(あやま)つことなくお料理を豊饒化してくれる!

19:00。本日ご一緒する皆さまと直接お店で落ち合う。
わたしは、ペアリングのコースをお願いして、さっそくお食事会をスタートしていただく。まず、食前酒。ダヴィッド クヴルール シャンパーニュ ブリュット ミレジム 2007年 ブラン ド ブラン。シャルドネ100%のスパークリングワイン。爽やかな果実味と酸味が食前酒として最適だ。

1.北海道根室産のムラサキウニ(下)にバフンウニ(上)
「香りのムラサキの甘味のバフンと申します。半蒸しにして風味をたたせてあります」と加藤さんからご案内がある。なるほど、仰るように、ムラサキウニは淡泊で上品な甘みの中に、仄かな磯の香りを感じ取れる。それに対して、バフンウニは濃厚で甘味が強い。

これと合わせるのが、白神山地湧水仕込み 山本 純米吟醸生原酒 6号酵母。これはワインのような一品である。舌触りなめらか。香りはパイナップルを思わせるフルーティなニュアンス。しかしでも、ムラサキウニとバフンウニの潮味を帯びた甘味の濃淡と、お酒が醸す陽の光を帯びた屈託のないフルーティな甘味とのマリアージュはどうだろう!のっけからやられてしまう。

2.和歌山県那智勝浦の鮪138kgの中落ち
脂の部分を丁寧に取り除いて口当たりをなめらかにしてある。これに合わせるのは、貴腐ワイン。「甘いデザートワインとしてよく使われるものなんですが、鮪の脂の甘さと貴腐ワインの甘さをあわせてお召し上がりください」とのご案内。

中落ちは、非常に甘い脂がのっている。これと一緒にいただくシャトー・クーテ’04。...アンズのような味わい。とろりとした厚みのあるテクスチャ。甘味とこの粘性が特徴的なワインだ。このマリアージュは紛れもなくワインの粘性と中落ちの滑らかさの相性を主張している

3.千葉銚子産の鯖の炙り
軽くお酢で締めたあとに炙った鯖。身が締まっている。柔らかい。

これに合わせるのは、シャトー・ラグランジュ 2012。うん、これは今までの甘味のたったものとは違って溶け込んだタンニンが底から疼(うず)くように感じられる。芳醇で懐の深い味わいだ。これと濃厚な鯖の脂との相性が素晴らしい

4.揚げたからすみと根室産バフンウニ、そして観音崎産ノドグロにキャビアを添えて
「手前が台湾製のからすみを、梅油というさらっとした油で揚げましてその上にバフンウニをのせています。奥は神奈川県観音崎の脂ののったノドグロにキャビアを添えております」とのご案内。からすみは260度で高温に揚げる...というより蒸らしてあるそうだ。

これにあわせるのが、シモン・セロス ブラン・ド・ブラン・ブリュット・キュヴェ・プレスティージュ。シャンパーニュ。大きめのグラスで、いただくけれど、実にシルキーだ。うっすらとしたからすみの塩辛味とバフンウニの甘みとのマリアージュが素晴らしい

5.蒸して固めたものが普通...だけどこれは蒸していったん脂を落とした北海道根室産バフンウニ
だし汁で煮ることによって脂を落としている。その煮あげたものを2日間寝かせて味を含ませて上に浮いた脂を全部取り除いているという。ウニのほのかな甘味が感じられる。

これにあわせるのが、満寿泉。オーク樽熟成の貴醸酒である。爽やかだけれど、ハチミツのような甘みとふくらみを感じる。先ほどのシモン・セロスのような落ち着いた光沢を放ちながら料理を受け止めるというより、どこまでも甘美にバフンウニの甘みを包み込む

6.名残のとらふぐの白子を焼いてお餅にみたてたお雑煮風
お出汁は真鯛のアラから取ったものだそうだ。だし汁でガッツリ煮詰めた、これぞ鮨料理というツマミだ!やはり白子でふぐに勝るものはない。コクと繊細さが同居した悩ましいまでの味わい、そして仄かにつけられた焼き目の下から現れるむっちりとした生っぽいあたたかみに包まれた粘っこさに、舌が震えるようだ!

7.鯛の握り
やはり鯛は白身魚の王者の風格がある。独特の力強い香味を感じる。「紀尾井町 三谷」さんのシャリは、赤酢を3種類使っているそうだ。1番濃いのは15年熟成。その真っ黒いものを熟成が若いもので角をとっているとのことだ

これにあわせるのが、純米吟醸生原酒、亀泉。土佐のお酒である。酸味がしっかりしているけれど、ほのかな甘みを感じる。あまり甘いお酒は鮨とは合わないと思う。このくらい甘みを控えめにしたものの方が、鮨を主役に引き立ててくれる

8.墨烏賊の握り
厚い身肉の張り具合から墨烏賊が最高の時期に達していることが伺える。噛みごたえがあって、口中に溢れ出す深いコクと旨味には思わず唸るものがある。

9.宍道湖の白魚の握り
「宍道湖は栄養が豊富なので、結構大きめのものが入りました」とのご案内。ほろ苦い感じが素晴らしい。白魚。なんとも可憐な魚である。水の流れと一体になるくらい透明感のあるその身質をまろやかな赤酢のシャリとともに一口でいただけば、早春が香りが口に広がる

10.メジマグロの中トロの握り
4日寝かせたメジマグロ。そのまま半身に下ろして紙で巻いて冷蔵庫で寝かしたものだそうだ。仕事を施したマグロから仄かに感じ取れる鉄分がたまらない。

これとあわせるのが、ドメーヌ・ジェノ・ブーランジェ ムルソー クロ・デュ・クロマン。シャルドネ種。白ワイン。なにものにも媚びないすっきりとした酸味と渋み、ほのかな果実味がある。赤身の彼方に聞き取れる血潮のさざめきとこのすっきりとした白のマリアージュは絶品であった!

11.メジマグロの大トロの握り
赤身と脂が手を取り合い燃え上がるように鮪の旨味を謳歌している。しかしでも、この大トロ握りとムルソーの相性もまたなんとも素晴らしいものがあった!大トロの燃え上がるような旨みを、ムルソーが慎ましやかにクールに受け止める佇まいが殊のほか素晴らしいのだ。加藤さんも、「うん、これは、ちょっとした提案ですね」と仰っていた。

12.天草のコハダの握り
私をとらえて離さないこのコハダという魚の魅力はなんであろうか?サバやイワシといった青魚特有の味の濃さの向こう側に、何かコハダ固有の小悪魔的な不思議な魅力が秘められているように感じられてならないのだ。

これにあわせるのは、庭のうぐいす あらばしり 純米吟。程よい旨味と後切れの良い酸味が心地よいお酒である。

13.山口県産の赤貝の握り
身は立派な肉厚感をたたえており、赤貝独特の、あのひとをドキドキさせるような澄み切った透徹感で圧倒してくる。赤酢との相性も抜群だ。

14.北海道産のアオヤギの握り
アオヤギ。渋いネタだ。大輪の牡丹を思わせる華やかさはないけれど、シャキシャキとした味調のなかに草いきれのような鄙びた風味を感じる。

15.赤貝の紐を巻いて、胡麻をチラチラっと撒いた佐賀海苔の海苔巻き
「小柴のしゃこやら、羽田の穴子って有名だったんですけれど、今は九州が主流ですね。でも海苔はなんといっても江戸前。九州よりいいですよ。鮨屋は江戸前ですね」と加藤さん。これは意外であった。海苔は佐賀だとばかり思っていたからだ。しかしこの海苔巻きもため息が出るほどに旨かった。

これとあわせるのが、尾瀬の雪どけ 試験醸造PROT TYPE。日本酒らしいコクとキレのある味わいを感じる。

16.喜界島の車海老の握り
喜界島(きかいじま、きかいがしま)は奄美群島の北東部に位置する島。 鹿児島県大島郡に属し、全島が喜界町に属している。赤酢のシャリと茹で上げられたばかりの巻の暖かい身肉の相性が抜群である。

17.対馬の穴子の握り
穴子の煮汁から作ったツメ。まるで金時芋を食しているような甘味と存在感に圧倒される。

ここからいくつかお好みでリクエストしてみる。

18.白魚の握り、リターンズ!
繰り返すまでもなく旨い!

19.鯖の握り
これも良品であった。鯖本来の美質と血統のよさを示す高貴なまでに後味のよい香気がいつまでも口の中に残る。

20.ノドグロの握り
「キメが細かい、金目鯛も脂がのって美味しいですけれど、ノドグロに比べると一弾も二段も落ちますね」とのご案内。ノドグロの溢れるような上質の脂にはいつも感嘆するほかない。

21.かんぴょう巻き、そしてかんぴょう巻きをお稲荷仕様で...
江戸前の海苔、なかなかいいじゃないか!

22.美しい玉
ホットケーキみたいな玉。これで一通りとなる。最後に加藤さんと少しお話してみる。加藤さんはワインの造詣も実に深くて、お鮨とワインのマリアージュを真剣に考えてみたところ、一本のボトルで貫くのは難しいという結論にいたったらしい。ネタに応じたマリアージュがきっとあると...マグロとムルソーのマリアージュは素晴らしい、あん肝と貴腐ワインのマリアージュは素晴らしい、そうして模索する日々だという

「紀尾井町 三谷」...悦(よろこ)ばしき知識をありがとう!シャンパーニュ、貴腐ワイン、ブルゴーニュワイン、日本酒...さまざまなお酒とお鮨のマリアージュを心行くまで堪能した!次の予約を7月下旬にしっかり仕込む。

加藤さんに、わたしは無類の縞鯵好きであることをお伝えし、できれば次回は"オオカミ"を、と冗談半分無茶なお願いをしてしまった(笑)

  • 宍道湖の白魚の握り

  • 山口県産の赤貝の握り

  • 天草のコハダの握り

  • 鯛の握り

  • 北海道産のアオヤギの握り

  • メジマグロの大トロの握り

  • メジマグロの中トロの握り

  • ノドグロの握り

  • 紀尾井町 三谷

  • 北海道根室産のムラサキウニ(下)にバフンウニ(上)

  • 和歌山県那智勝浦の鮪138kgの中落ち

  • 千葉銚子産の鯖の炙り

  • 揚げたからすみと根室産バフンウニ、そして観音崎産ノドグロにキャビアを添えて

  • 蒸して固めたものが普通...だけどこれは蒸していったん脂を落とした北海道根室産バフンウニ

  • 名残のとらふぐの白子を焼いてお餅にみたてたお雑煮風

  • 鯛の握り

  • 墨烏賊の握り

  • 宍道湖の白魚の握り

  • メジマグロの中トロの握り

  • メジマグロの大トロの握り

  • 天草のコハダの握り

  • 山口県産の赤貝の握り

  • 北海道産のアオヤギの握り

  • 赤貝の紐を巻いて、胡麻をチラチラっと撒いた佐賀海苔の海苔巻き

  • 喜界島の車海老の握り

  • 対馬の穴子の握り

  • 白魚の握り、リターンズ!

  • 鯖の握り

  • ノドグロの握り

  • かんぴょう巻き

  • かんぴょう巻き、そしてかんぴょう巻きをお稲荷仕様で...

  • 美しい玉

  • 水物

  • ダヴィッド クヴルール シャンパーニュ ブリュット ミレジム 2007年 ブラン ド ブラン

  • 白神山地湧水仕込み 山本 純米吟醸生原酒 6号酵母

  • シャトー・クーテ’04

  • シャトー・ラグランジュ 2012

  • シモン・セロス ブラン・ド・ブラン・ブリュット・キュヴェ・プレスティージュ

  • 満寿泉

  • 純米吟醸生原酒、亀泉

  • ドメーヌ・ジェノ・ブーランジェ ムルソー クロ・デュ・クロマン

  • 庭のうぐいす あらばしり 純米吟醸

  • 尾瀬の雪どけ 試験醸造PROT TYPE

2017/03/01 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ