紅茶に浸したマドレーヌさんが投稿した比良山荘(滋賀/大津市その他)の口コミ詳細

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紅茶に浸したマドレーヌのレストランガイド

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比良山荘大津市その他/日本料理、オーベルジュ

1

  • 昼の点数:4.9

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.9
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 4.9
1回目

2018/01 訪問

  • 昼の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.9
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク4.9
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

旨そうな雪がふうはりふはりかな(一茶)...「比良山荘」、どこまでも深々(シンシン)と澄み渡る里山の静謐に耳を澄まそう!

近江の深い山里。静かに降り募る小雪が大気を引き締め、澄明な空気が空を見上げる瞳に涼やかに心地よい。迫るような山々には仄かな雪化粧が施され、山あいは厳かともいうべき神聖な空気をまとっている。視線を足元に落とせば、こぼつようにうち響く純潔な水路のみなぎりに心が漱(すす)がれるようだ...

「比良山荘」。...七輪の強い火力で仕立て上げられ、鍋からたわわに湧き上がる湯気は、冬の室内を優しく癒し続ける。そして、その癒しの中で、"山の辺料理"の真骨頂を味わえる悦びこそが「比良山荘」の宴である。しかしでも、この凄さ。...端的に言って言葉を失うくらいに感動的である。ここで饗されるのは、凡庸な料理人が饗する加工やら念押しを一切峻拒した、赤裸々な山の恵みそのものである。


2018年1月8日(月)、「比良山荘」で過ごした素晴らしい宴について以下詳細に書き綴っていきたい。...今日は日ごろからお世話になっているレビュアーさんの(なんと)24人の会である。お店に着くと、外は静かに小雪が舞っている。大人数なので、8名で3卓にわかれて、さっそくコースをスタートしていただく。

1."初日の出"という器にもられたお正月の八寸
お正月らしく八寸からのスタートとなる。一番上の器が、赤い梅干しが砂糖や蜂蜜はちみつで甘く煮含めた密煮となる。酸味は立っておらず、梅の甘みが引き立った一品である。その横に鯉の子。この後、鯉がいくつか饗されるけれど、普段あまり鯉というのはいただかないので、物珍しい感じがある。淡白だけれどボリューミー。でも楚々とした旨味がある魚という印象である。真ん中に味噌漬けの大根。可愛らしい大根だ。仄かな味噌風味に好感が持てる。大根の左隣が松茸の旨煮。そして、大根の右隣の小さい器が、鮎のなれずし。手前真ん中が、鹿のロースト。そして、手前右から、川海老、ちょろぎ、黒豆、ごまめ、ちしゃとうという流れになる。仕事が施された小さい山の恵みを思う存分堪能する。

2.鯉の造りと鰻の焼き霜...地元の野菜、人参を添えて
鯉は酢味噌でも醤油でもどちらでもよいとのご案内。鯉とは海魚なような強さは持っていないものの、実に妖艶な存在感を持っている食材だと改めて感じ入る。また、鰻の焼き霜の香ばしさも好感が持てる。

3.鯉の白子蒸し、香茸餡をかけて上に山葵をのせて
ここでも鯉である。鯉と茸の合わせである。これは上から混ぜて熱々のままいただく。...しかしでも、この後も出てくるのだけれど、とにかく「比良山荘」さんの茸が滅法素晴らしい!

4.ツキノワグマのお鍋
ここからが、ツキノワグマのお鍋の登場である。お鍋は、囲炉裏で自在鉤でつるす形ではなく、七輪で底から一気に炊き上げる格好だ。この火力が凄まじい!湯気の凄さに息詰まる!...では、本日の熊に対する大将のご口上に耳を澄ませてみよう!

"今日の熊は、シーズン暮れに獲れたツキノワグマでございます。この熊は滋賀県、厳密にいいますと長浜で獲れました熊になります。11月から猟が始まりまして、3月まで猟がずっとあるわけですが、ちょうど、今、時期的には冬眠に入ったものと冬眠に入っていないものとあるわけですが、これは、冬眠に入る前のものになります。...ただ、冬眠後と冬眠前と何が違うかというとそんなに厳密な違いはございません。...というか個体によっての差が物凄くありますので、よく、いつの時期がよいかというご質問をいただくことがございますけれど、いつの時期がよいかというより、どの熊がよいかというのが一番大事なことでございます。個体がまず第一なんです。...それから、猟師の弾のアタリがあって、血抜きがあって、さばきがあってという、そのあたりの段取りがすべてよくないと中々よい熊が集まりません。...特に、わたくしどものところでは、この真っ白な部分(これ一般には脂身と呼ばれますが)、わたくしどもは白身、白身と呼びます。これは皮下脂肪の部分で、熊の一番美味しい部分だと思います。今日は、各テーブルでわたくしどもが炊かせていただきます。あまり火を入れすぎると美味しくございませんので、炊き具合を見計らってお薦めしてまいりますので、皆さん申し訳ありませんが、お手を伸ばしてサッと召し上がってくださいませ。今年の熊、14頭半仕入れて、良かったのが4頭半。その良かった4頭半を本日は、召し上がっていただきます。"

このしゃぶしゃぶが素晴らしかった!白身の旨味が嫋やかで、それを仄かな赤身が力強く補てんしているような感覚である。これを土地の根菜と一緒にいただく素晴らしさといったらない!

5.お野菜
セリの根、鶯菜、菊菜、セリ、葱等の根菜類。これが本当に素晴らしい。まさに大津の里山の土の豊饒をそのままいただいているような贅沢感があるのだ!

6."なめたけ"、"いくち"、"しめじ"を中心とした茸、5種類
先ほどの根菜とこの茸にしたたかに打ちのめされる。もちろん、熊肉や(この後出てくる)猪肉も素晴らしいのだけれど、この野菜と茸の土地の香りが何とも素晴らしいのだ!

7.熊の赤身
塩を当てて焼いた熊の赤身。赤ワインによく合う。

8.白味噌の猪鍋
ここから白味噌仕立ての猪鍋となる。事前に熊鍋と比較すると猪鍋は少し格が下がるというような話も聞いていたのけれど、どうしてどうして、この猪鍋が滅法良かった!これも白身が多い切り身なのだけれど、口中に運ぶとその白身がしゃきしゃきと小気味よく冴えわたり、しかも、味わいもしっかりとして思わず唸ってしまうような旨味があった。

ここから、鍋の締めに、栃餅、三輪うどん、ご飯が饗される。

9.柿のジェラート、熊の大好きな山葡萄を添えて...
最後に、デザートで一通りとなる。...ここは凄い!日本の自然の豊かさを味わいたのであれば、「柳屋」と双璧を成すお店だとさえ思う。次回はぜひ、お泊りで訪問して素敵な朝食を味わってみよう♪

  • 白味噌の猪鍋

  • 白味噌の猪鍋

  • ツキノワグマのお鍋

  • ツキノワグマのお鍋

  • 長浜で獲れたツキノワグマ

  • 熊しゃぶ

  • 熊しゃぶ

  • 鯉の造りと鰻の焼き霜...地元の野菜、人参を添えて

  • 比良山荘

  • 比良山荘

  • "初日の出"という器にもられたお正月の八寸

  • 鯉の造りと鰻の焼き霜...地元の野菜、人参を添えて

  • 鯉の白子蒸し、香茸餡をかけて上に山葵をのせて

  • セリの根、鶯菜、菊菜、セリ、葱等の根菜類。これが本当に素晴らしい!

  • 長浜で獲れたツキノワグマ

  • ツキノワグマのお鍋

  • ツキノワグマのお鍋

  • ツキノワグマのお鍋

  • 熊しゃぶ

  • 熊しゃぶ

  • 根菜類のお鍋

  • 根菜類のしゃぶしゃぶ

  • 根菜類のお鍋

  • 根菜類のお鍋

  • 熊しゃぶ

  • 熊の赤身

  • 白味噌の猪鍋

  • 栃餅

  • 三輪うどん

  • 三輪うどん

  • 柿のジェラート、熊の大好きな山葡萄を添えて...

2018/02/01 更新

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