紅茶に浸したマドレーヌさんが投稿したエスキス(東京/銀座)の口コミ詳細

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紅茶に浸したマドレーヌのレストランガイド

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この口コミは、紅茶に浸したマドレーヌさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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エスキス銀座、有楽町、東銀座/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.8

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.8
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2015/10 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.8
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

繊細に整えられたドラクロワのパレットのような...「エスキス(ESqUISSE)」、ここで饗されるすべての皿は、花束のように精緻な彩(いろどり)でひたすら震えている


ドラクロワのパレットのような色彩豊かなお料理たちが、真昼の陽光をまともにうけとめるとき、それは途方もなく美しい美食空間の被写体となる。お皿の真っ白なキャンバスの上には、肉厚な椎茸とフォアグラ。そこにそそがれる"鴨節"のソース...それをひと皿の上に認めただけで、狂おしいまでの胸騒ぎを覚えてしまう...

2015年10月3日(土)。現代フレンチの最高峰、銀座「エスキス(ESqUISSE)」で過ごしたひとときについて、以下できるだけ詳細に書き綴っていこうと思う。東京メトロ日比谷線銀座駅をB4出口から晴海通りを横断して、並木通りに入ってすぐ右手にロイヤルクリスタル銀座ビルはある。エレベータで9階までのぼり、予約名を告げると、席へのご案内となる。案内された席からは快晴に恵まれた銀座の街並みが一望できる。

本日は、料理に合わせてワインをバイ・ザ・グラスでいただく"ヴァン・ド・ギュスタシオン"をつけていただくことにする。まず最初に、シャンパン(これは"ヴァン・ド・ギュスタシオン"ではなく、お料理のコースの中に含まれている)が饗される。ラエルト・フレール、ウルトラディション・グラン・ブリュット。一口いただくが、繊細なフルーツや白い花の香りを感じる優しいシャンパンである。シャンパンを愉しんでいるとほどなく先付が饗される。

1.アミューズ:トマトのゼリーの上にセミドライした秋刀魚、秋刀魚の上にはパルメザンチーズとバジルの葉、下にはサーモンのオイルとトリュフを敷いて...
まずは、バジルの葉が涼やかに口中を駆け抜ける。次いで、表面が香ばしく焼かれた秋刀魚の身肉(みしし)から、旬の秋刀魚の最高の脂のりがしっかりと感じ取れる。メニューにも含まれない小品だけれど、きっちりと自己主張が感じ取れ、このあとのコースのラインナップに期待が高まる。

ここで、1品目の白ワインが饗される。アルザス・グランクリュ ピノ・グリ シュナンブール 2008 ドメーヌ・マルク・テンペ。鼻に近づけると、蜂蜜のような香りがふわりと舞う。一口含むが、酸とミネラルの絶妙のバランスがクセになる。

ここで、自家製のバケットとバターとお塩が饗される。小皿には、塩を使って"ESqUISSE"の"E"が描かれている。

2.アントレ1:かぼちゃのヴルーテ、ピューレとスープの間くらいの濃さのあるシチューのような一品、レモンタイムとオレンジの実からつくったクッキー、オレンジの生地をあわせて...
最初の一品目は甘味でくる。かぼちゃの甘味と、バナナの甘味が引き立った濃厚な冷たいヴルーテである。まず、品の良い甘味が好感が持てるし、かつヴルーテがしっかりとしていて、きっちりお食事感があるのも嬉しい。入口にふさわしい一品である。

ここで、2品目の赤ワインが饗される。ボー・ペイサージュ ツガネ ラ・モンターニュ。日本の生産者の手になる一品。山椒、木の芽の風味が漂う個性的な一品である。濾過を行っていない分甘味がしっかりとしている。

3.アントレ2:ソテーしたフランスランド県産のフォアグラと大分の椎茸をあわせた前菜。鴨の胸肉をスモークして乾燥させ、鰹節のように加工したものを鰹節削りで削ってお出汁をとった自家製のスープをかけて...
エスキス特製の"鴨節"のお出汁とともにいただく、フォアグラと椎茸のソテー。これも素晴らしい出来栄えであった。"鴨節"のスープは、どちらかというと鰹節ベースのお出汁を彷彿とさせるあっさりとしたものだ。お蕎麦屋さんに伺ったような感覚を覚える。そのさっぱりとしたお出汁でいただくフォアグラと椎茸の滋味はまた格別である。

ここで、3品目の白ワインが饗される。グラフ・ソーヴィニヨン。フランスのソービニヨンブランのように硬い感じではなく、ピュアで優しい感じである。

4.アントレ3:富士山の麓の水の綺麗なところで育てられた鱒を使った前菜、ミディアムレアに仕上げて。同じ富士山の麓のマッシュルームと、手前にはクレソンのクリームと、泡のソースは発酵させたブドウとマッシュルームの旨みをあわせたソース、中心にはグレープフルーツと千切りにしたぶどうのペーストを添えて...
富士の豊かな水量を誇る芝川で育まれた鱒(くぬぎ鱒)を使った前菜。野菜のソースや泡で、さっぱりといただける一品である。ゆっくりと味わっていくにつけ、雄大な富士山麓に息づく清澄な自然の営みが基調低音のように伝わってくる。

ここで、4品目の白ワインが饗される。ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ クロ・サン・フィリベール。特級畑エシェゾ(畑)のブドウからなる白ワイン。芳ばしいアーモンド風味、綺麗な酸とミネラルを感じることができる、実に好感がもてる一品である。

5.ポワソン:大分の甘鯛、ホタテのお出汁と野菜のブイヨン、南フランスでよく使われるウイキョウを使ったスープをかけて...
これも配膳後、きちっと火入れした甘鯛の下に、スープが流し込まれる。今回は、ホタテとウイキョウをベースにしたスープである。甘鯛と一緒にいただくが、これが絶品であった。甘鯛の甘味とホタテとウイキョウのスープが奏でる滋味深い味わいのマリアージュはなんとも素晴らしい。

ここで、最後、5品目の赤ワインが饗される。レッチャイア ミレニウム 2006 ロッソ・ディ・トスカーナ。トスカーナワイン、サンジョベーゼ、イタリアでブドウが素晴らしかった2006年のもの。一口いただくが、これが素晴らしい出来栄えであった!年輪を感じさせる深い味わいがドンと伝わってきたかと思うと、長い長い余韻で飲み手をうっとりとさせてくれる。

6.ヴィヤンド:ブルーベリーのパウダーをまぶしてローストした蝦夷鹿。付け合せは、舞茸・ごぼう・セロリ。ピューレは白人参のピューレ。ソースは鹿肉とカシスのおソース...
鹿のヒレのローストである。わたしはジビエ料理は大好きだけれど、とくに鹿肉には目がない。一口いただくが、その柔らかさと味わい深さに思わず舌を巻く。そして、レッチャイアと一緒に嚥下した後、口中から鼻腔にずうっと残り続ける鹿の旨みにうっとりとする。また付け合せを茸やごぼうなどを中心に朴訥にまとめあげているのも好感がもてる。

7.アヴァン・デセール:桜の風味のゼリーとレーズン、その上にマスカット・オブ・アレキサンドリア、さらにその上にブランデーをあわせたバニラクリーム柿をピューレにしたもの。最後に巨峰と赤ワインを使ったシャーベットとスパシー風味の泡を添えて...
小品だけれど華やか。いろいろな味が愉しめるデセール前の一品である。ブドウのシャーベットと柿という組み合わせが秋を感じさせる。

8.デセール:抗酸化作用のある竹炭の黒色のソースと、セイジをベースにキウイフルーツを加えた緑色のソース。ゼリーは白ワンのゼリー、泡は白ワインの泡。これらのソースと泡のキャンバスに、ラスクや、グレープフルーツ、バニラを散らして...
美しい!ジョエル・ロブション、ピエール・エルメなど名だたる世界の名店でシェフ・パティシエを努めてきた成田一世氏のデセール。まさにこの一品ドラクロワのパレットのように精緻で繊細な花束の輝きに充ちた逸品であった。

ここで、ハーブティとプティ・フールで一通りとなる。「エスキス(ESqUISSE)」。今日この日を持って、わたしにとってこのフレンチレストランは、レフェルと双璧をなす都内でも屈指のフレンチになった。実に素晴らしい。再訪必死のレストランである。

  • 竹炭の黒色のソース、セイジをベースにした緑色のソース。これらのソースのキャンバスに、ラスクや、グレープフルーツ、バニラを散らして...

  • 大分の甘鯛、ホタテのお出汁と野菜のブイヨン、南フランスでよく使われるウイキョウを使ったスープをかけて...

  • かぼちゃのヴルーテ、ピューレとスープの間くらいの濃さのあるシチューのような一品

  • ソテーしたフランスランド県産のフォアグラと大分の椎茸をあわせた前菜。

  • トマトのゼリーの上にセミドライした秋刀魚、秋刀魚の上にはパルメザンチーズとバジルの葉、下にはサーモンのオイルとトリュフを敷いて...

  • マドレーヌ

  • エスキスのアイコン

  • テーブル

  • ラエルト・フレール、ウルトラディション・グラン・ブリュット

  • トマトのゼリーの上にセミドライした秋刀魚、秋刀魚の上にはパルメザンチーズとバジルの葉、下にはサーモンのオイルとトリュフを敷いて...

  • お塩

  • 自家製のバケット、バターとお塩で...

  • アルザス・グランクリュ ピノ・グリ シュナンブール 2008 ドメーヌ・マルク・テンペ

  • かぼちゃのヴルーテ、ピューレとスープの間くらいの濃さのあるシチューのような一品

  • 自家製のバケット、バターとお塩で...

  • ボー・ペイサージュ ツガネ ラ・モンターニュ

  • ソテーしたフランスランド県産のフォアグラと大分の椎茸をあわせた前菜。

  • グラフ・ソーヴィニヨン

  • 富士山麓の"くぬぎ鱒"を使った前菜

  • ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ クロ・サン・フィリベール

  • 大分の甘鯛、ホタテのお出汁と野菜のブイヨン、南フランスでよく使われるウイキョウを使ったスープをかけて...

  • レッチャイア ミレニウム 2006 ロッソ・ディ・トスカーナ

  • ブルーベリーのパウダーをまぶしてローストした蝦夷鹿

  • 桜の風味のゼリーとレーズン、その上にアレキサンドリア、さらにその上にブランデーをあわせたバニラクリームと柿をピューレにしたもの。最後に巨峰と赤ワインのシャーベットを添えて...

  • 竹炭の黒色のソース、セイジをベースにした緑色のソース。これらのソースのキャンバスに、ラスクや、グレープフルーツ、バニラを散らして...

  • 竹炭の黒色のソース、セイジをベースにした緑色のソース。これらのソースのキャンバスに、ラスクや、グレープフルーツ、バニラを散らして...

  • プティ・フール

  • プティ・フール

  • プティ・フール

  • プティ・フール

  • カフェ・ウ・テ:ハーブティ

  • 大分の甘鯛、ホタテのお出汁と野菜のブイヨン、南フランスでよく使われるウイキョウを使ったスープをかけて...

  • ブルーベリーのパウダーをまぶしてローストした蝦夷鹿

  • 店内

  • ロイヤルクリスタル銀座ビル、1Fエントランス

  • ロイヤルクリスタル銀座ビル、本日は快晴!

2015/10/05 更新

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