8回
2018/11 訪問
シェフお得意のラビオリに白トリュフをふんだんにあわせて...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」、いいけえお前さん、御託を述べ立てる暇があったらまぁ食ってごらんなさいや
貧乏性で、内省的なことがからっきしダメなわたしのような人間でも、たまには自分が繰り返し訪問するレストランはどんな傾向があるのか?などと、性分にあわないことを考えてみたりする。
2018年もたくさんのレストランに出会った。...その中には、再訪はないと思わせる残念なレストランもあったけれど、いただく1品1品を通して、お客さんの需要が満たされる姿がしっかりとイメージできるレストランも数多くあった。
が、しかし、そうした優良なレストランを自分自身がまた繰り返し訪問するか、というと必ずしもそうならないから不思議だ。なぜか。...たとえば、わたしは、姿かたちが美しくて味も体よくまとまっていて、90点以上のお皿でしょう、という料理を出すお店に対しては、称賛を送りつつもあまり惹かれない。
むしろ、そういう姿形の美しさや味わいの体のよさといった、もろもろの評価要素など、木っ端みじんに吹き飛ばし、まるで江戸っ子張りの傳法調(でんぽうちょう)で、おい、そこの兄さん覚悟はよろしいかいなと、ドンと問答無用の旨みで迫ってくるようなレストランにやられてしまう。
...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」は、わたしの中でそんな旨いレストランのひとつである。このレストランでは能書きなど必要ない。旨いものを存分に愉しめばそれで事足りるのだ!
2018年11月23日(金)、大好きなICAROの白トリュフ会について、書き綴っていきたい。やはりこの時期のICARO訪問は外せない。今日もこの時期は、これだ!というメニューを宗隆さんと相談する。宗隆さんとのやりとりは、無粋なところが1ミリもない。二言、三言の言葉の応酬であっという間に本日最高の献立が組み上がる。そこもまた、ICARO居心地のよさだ。
1.熊本産馬ヒレ肉のタルタル赤玉ねぎのアグロドルチェ
これは久しぶりにいただいたけれど、やはり旨い。ICAROの定番だ。これはやはり時々頼むのが正解である。
2.じゃがいもをまとった白子のソテー アラビアータソース
これも素晴らしい。ソテーした白子を細切りにしたジャガイモにくるんで揚げた一品である。悩ましい白子のぬくもりをくるむカリカリに揚げあがったジャガイモの質朴な佇まいが素晴らしい。そして、ここにトマトベースのアラビアータソースの酸味が抜群の組み合わせを発揮する。
3.キタッラ ポルチーニソース
やはりこの時期は香も高きポルチーニを食べておかないといけない。シャキシャキとした食感から香るポルチーニ茸の香りを堪能する。
4.フォンティーナチーズのラビオリ 白トリュフバターを入れた卵黄のソース ふんだんに白トリュフを摺りかけていただいて!
シェフの義隆さんお得意のパスタはラビオリである。ここに白トリュフバターを入れた卵黄のソースと合わせていただき、上からシェフ手ずからふんだんに白トリュフを摺りかけていただく。見よ!この豊饒なまでの白トリュフの摺りかかりぶりを!
5.北海道産十勝ハーブ牛ランプの炭焼き
ICAROの牛の炭火焼もわたしは大好きだ。試してみられることをぜひお薦めする。豪快なようだけれど、火入れが絶妙に繊細なのである。
6.シャラン鴨のロースト 赤ワインヴィネガーソース
鴨の皮目の焼き具合も申し分なく、赤ワインと鴨肉との相性も図ったように抜群な逸品であった。これもこの時期にいただいておかなくてはならない逸品だ。
最後、ドルチェの運びとなるが、今回は3品注文する(笑)ティラミス、チョコレートのテリーヌ ピスタチオジェラート添え、ピスタチオのクリームブリュレ リコッタチーズのジェラート添え。いずれも素晴らしい出来栄えであった。本日のお連れさまは、特にピスタチオのクリームブリュレに頬っぺた落ちっぱなしの様子であった(笑)。女性人気一番らしい。
2019年。またわたしのICARO通いが始まると思うと、今からワクワクが止まらない!
フォンティーナチーズのラビオリ 白トリュフバターを入れた卵黄のソース ふんだんに白トリュフを摺りかけていただいて!
シャラン鴨のロースト 赤ワインヴィネガーソース
キタッラ ポルチーニソース
じゃがいもをまとった白子のソテー アラビアータソース
熊本産馬ヒレ肉のタルタル赤玉ねぎのアグロドルチェ
じゃがいもをまとった白子のソテー アラビアータソース
キタッラ ポルチーニソース
フォンティーナチーズのラビオリ 白トリュフバターを入れた卵黄のソース ふんだんに白トリュフを摺りかけていただいて!
フォンティーナチーズのラビオリ 白トリュフバターを入れた卵黄のソース ふんだんに白トリュフを摺りかけていただいて!
フォンティーナチーズのラビオリ 白トリュフバターを入れた卵黄のソース ふんだんに白トリュフを摺りかけていただいて!
北海道産十勝ハーブ牛ランプの炭焼き
シャラン鴨のロースト 赤ワインヴィネガーソース
ティラミス
リコッタチーズのジェラート
ピスタチオのクリームブリュレ
チョコレートのテリーヌ ピスタチオジェラート添え
2019/01/31 更新
2018/02 訪問
"飾り包丁より隠し包丁"、一見ぶっきら棒に見えるけれど、その繊細な仕事に毎回深く感動する...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」、そのさりげない格好の良さがここの最大の魅力だ!
小さな雑居ビルのぎこちないエレベータの動きに身を任せていると、"4"の階数表示の明滅とともにゆっくりと扉が開く。"ICARO"の文字の連なりが刻まれたささやかなデザイン表札を横目にやり過ごしつつ、扉を開けると目の前にあたたかな空間が広がる。...宗隆さんに目でご挨拶して、カウンターに腰かけると視線の先に広がる厨房の中は、すでにスタッフさんたちのきびきびとした雰囲気でみなぎっている。...そんな店内の熱量を感じながら、止まり木に腰かけた途端、すっかり武装解除してしまっている自分にふと気が付く。...この居心地の良さが「ICARO」をやめられない理由のひとつだ。
2018年2月3日(土)、18:00。もはや何度目の訪問になるかわからないけれど、いつものようにささやかな歓喜をもって「ICARO」の門をくぐる。
いつものごとく合わせるお酒は宗隆さん任せである。今日は、まずはジョゼ・ミッシェル ブラン・ド・ブラン ブリュットをお薦めいただく。辛口。...うん。オステリアのカウンターに腰かけて、乾ききった喉を潤すとしたら、この一品を選ぶことが絶対に正しいやり方に違いない!そんな風に思わせる逸品だ。
1.軽く燻製したブリのマリネとじゃがいものサラダ ブラータチーズとキャビア添え
まず、燻じて渋みをまとわせた鰤の力強い精彩に圧倒される。やはり寒い時期の鰤はダントツに素晴らしい。ワラサやイナダにない際立った旨みと香味を感じる。そしてこれとバターを仕込んだような濃厚なブラータチーズとの合わせが頗る良いのだ。...のっけから打ちのめされた格好である。
ドンナフガータ ヴィニャ・ディ・ガブリ。イタリアの女王さまがプリントされた面白いエチケットだ。...うん、ミネラル感があってこれは好みの一品だ。一方で葡萄のフルーティさがしっかり感じ取れるのも好感が持てる。
2.長野産 ジャージー牛のモモ肉マリネ 南チロル風
まるごと良質な牛肉の"漬け"を呑み込むような贅沢感。抜き身のように媒介なく鮮肉の旨味そのものを突き付けてくる、いかにも「ICARO」さんらしい料理だ。
テルラーノ。これも「ICARO」の定番。ミネラル感がよい。
テッラ・デイ・ソーニ ロッソ 。濃密なタンニンを持つ力強いワイン。余韻が長く続く...
3.ブカティーニ イワシとウイキョウのソース
ウイキョウ、つまりフェンネルだ。わたしは、実はこの香草に目がない。...そして、この香草と、これにまた大好物のイワシの合わせが抜群であった。濃縮されたイワシ独得の金気臭を思わせる青身魚の存在感と、ウイキョウの強めの甘い香りのマリアージュが唸るほどによかった!
そして何といっても、それに合わせた穴の開いたブカティーニのぞんざいな感じが何とも素晴らしい。乾麺をザクッと茹で上げただけのものなのだけれど、なにかディズニー映画のキャラクターたちのあっけらかんとした躍動感を思わせる小気味よい食感と味調にすっかりご機嫌になってしまう。
フランソワ・カリヨン ブルゴーニュ シャルドネ。瑞々しい果実感、ブカティーニの興奮をすっとキレイに洗い流してくれる。
4.白子と黒こしょうのリゾット
静かに悩ましい...そんな逸品である。楚々としてシンプルなアピアランスだけれど、白子の感情を内に秘めた悩ましさに癒される。間違いなく逸品である。
ステインラッフェル ラグレイン ホフスタッター。ここで強い配置だ。次の馬を控え、土を感じさせるこのアクセントがよい。
5.熊本産 馬ヒレ肉のカツレツ
今回は、「ICARO」の定番で、なぜか今まで手を付けていなかった馬ヒレ肉のカツレツを頼んでみることにする。...そもそも今まで「ICARO」で"揚げ物"を食べた記憶がないのだけれど、今回これをいただいてみて、はじめてコチラの揚げ物の素晴らしさを教えていただいた気がした。衣薄く実に香ばしく馬ヒレ肉に薄化粧を施している。...この揚げ上がりは秀逸そのものである。
最後に、これも「ICARO」で大好きなジェラートをいただいて一通りとなる。(このジェラートも問答無用に旨いから、ぜひ訪問時は頼まれることをお薦めする!)...ここは、今後も擁護し続けていきたいオステリアであることに変わりがない!
軽く燻製したブリのマリネとじゃがいものサラダ ブラータチーズとキャビア添え
ブカティーニ イワシとウイキョウのソース
白子と黒こしょうのリゾット
熊本産 馬ヒレ肉のカツレツ
長野産 ジャージー牛のモモ肉マリネ 南チロル風
軽く燻製したブリのマリネとじゃがいものサラダ ブラータチーズとキャビア添え
ブカティーニ イワシとウイキョウのソース
白子と黒こしょうのリゾット
熊本産 馬ヒレ肉のカツレツ
「ICARO」で大好きなジェラート
ジョゼ・ミッシェル ブラン・ド・ブラン ブリュット
ドンナフガータ ヴィニャ・ディ・ガブリ
テルラーノ
テッラ・デイ・ソーニ ロッソ
フランソワ・カリヨン ブルゴーニュ シャルドネ
ステインラッフェル ラグレイン ホフスタッター
2018/02/09 更新
2018/01 訪問
今日は中目でジビエ祭り!...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」、イノシシのサルシッチャに脱帽!
「ICARO」は滅法良い。あれこれ御託を述べる前に、まずはそう言い切っておきたい。滅法旨い料理と、宗隆さんと義隆さんとの愉しい会話に、毎回着座してから3時間という時間が瞬く間に過ぎ去ってしまう。このもったいぶったところのない、呆気ないくらいの心地よい軽やかさこそ「ICARO」の醍醐味だ!
それに、あまり他のレビューで指摘されているイメージはないのだけれど、「ICARO」のその季節季節で出す食材が何とも素晴らしいのだ。...秋には、途方もないポルチーニが燦然と輝いているし、梅雨時にはドキリとするような大振りのホワイトアスパラの秀逸な香りにいつも胸が熱くなる。...これも「ICARO」訪問時の愉しみなのである。
2017年12月23日(土)。...だから今日は時期的にも、イノシシ、鹿、ウナギと、野趣のある食材を中心に組み立ててみることにする。本日は20時と少し遅めの入店である。軽くスプマンテをやるほどに、友人が到着する。...さっそく宗隆さんにお願いして始めていただく。
まず一発目!テルラーノ。ミネラル感があって素敵な逸品だ!
1.ウナギのマリネ マントヴァ風
これは「ICARO」さんの定番だ。この肉厚で緻密な筋肉が抜かりなく張り巡らされたウナギの身肉(みしし)の迫力に、いついただいても吐息が漏れる。
2.フランス産キノコとフォンティーナチーズのオムレツ黒トリュフがけ
これが素晴らしい出来栄えであった。わたしは、トリュフは、そのままシンプルに炊き上げたリゾットであるとか、オムレツであるとか、極力簡素な料理と合わせていただくのが断然好みである!逆にステーキみたいな味の強いお料理に合わせていただくのはあまり好きではない。...ふわりとシンプルに焼き上げたオムレツとトリュフとの相性のよいことといったらない!
チェルヴァロ・デラ・サラ。瑞々しい果実感があって好感が持てる。
3.ビーツのラビオリ 燻製した羊のリコッタチーズがけ けしの実の香り
これもなかなかに無骨な存在感があってよかった。まず、ラビオリのテクスチャがしっかりとしている。そして、そこにナッツのような香ばしいけしの実の香りが漂うあたりの相性が頗(すこぶ)るよい。また、牛より少し存在感のある羊のチーズを使っているのも、この料理の勝利を決定づけているように思われれた。
ロアーニャ。これは何度も「ICARO」さんでいただいている。しっかりした骨格のワインである。
4.タリアテッレ イノシシラグーとフランス産キノコ黒トリュフのソース
イノシシラグーが、実にしめやかで素晴らしかった。山里にしんしんと降り募るような湿り気を帯びた味調とでもいおうか...この後に供されるイノシシのサルシッチャの迫力との好対照がことのほか面白かった。
バリリン。これも「ICARO」さんでよくいただく一品。タンニンは柔らか目。
シャンボール・ミュジニー。ブルゴーニュワイン。これは滑らかな飲み口であった!
5.本土鹿のロースト香草バターモストソース
わたしは、"鹿好き"である。四つ足の肉の中で一番洗練されていて瀟洒な感じさえ漂うのが鹿肉のように感じるのだ。たわわにして、繊細な味調にうっとりしつつ存分に堪能する。
ラルベレッロ。アロマティックな雰囲気のあるワインだ。
6.熊本産イノシシの炭火焼き...イノシシのサルシッチャを添えて
と、鹿肉を称賛しつつも、このイノシシは驚きの逸品であった。まず、サルシッチャが問答無用に素晴らしかった。想像していただけると思うが、一口いただくと、まず芳醇なイノシシの脂が口いっぱいに広がる。しかし、この脂、口中に猛々しく溢れかえるも、次の瞬間それがいささかのささくれもなく、すべて涼やかな旨味にスッキリと転じていくのだ。思わず、ナイフとフォークをおいて、深く吐息をついてしまうほど素晴らしい...また、ステーキの方の炭火焼きも申し分ない。やはり「ICARO」は炭火焼きが滅法旨い!食べたことがない方がもしいらっしゃるなら、まず、とるもとりあえず、予約を取っていただいて、この炭火焼きの素晴らしさを堪能していただきたい!
7.じゃがいもをまとった白子のソテーアラビアータソース
おまけの一品!この時期のタラ白子はやっぱり刺さる!
最後に、ロマーノレビィさんと、ショコラ・ド・ソーテルヌを呑み比べ!ロマーノレビィさんもよいけれど、ショコラ・ド・ソーテルヌの貴腐な感じも捨てられない!
最後に、バナナのミルクレープ チョコレートソース(これも、素晴らしかった!)をいただいて一通りとなる。2018年も間違いなく定期通いすることになることを確信した!
本土鹿のロースト香草バターモストソース
タリアテッレ イノシシラグーとフランス産キノコ黒トリュフのソース
熊本産イノシシの炭火焼き...イノシシのサルシッチャを添えて
じゃがいもをまとった白子のソテーアラビアータソース
ウナギのマリネ マントヴァ風
フォカッチャ
フランス産キノコとフォンティーナチーズのオムレツ黒トリュフがけ
フランス産キノコとフォンティーナチーズのオムレツ黒トリュフがけ
グリッシーニ
ウナギのマリネ マントヴァ風
ビーツのラビオリ 燻製した羊のリコッタチーズがけ けしの実の香り
タリアテッレ イノシシラグーとフランス産キノコ黒トリュフのソース
本土鹿のロースト香草バターモストソース
熊本産イノシシの炭火焼き...イノシシのサルシッチャを添えて
じゃがいもをまとった白子のソテーアラビアータソース
バナナのミルクレープ チョコレートソース
テルラーノ
チェルヴァロ・デラ・サラ
ロアーニャ
バリリン
シャンボール・ミュジニー
ラルベレッロ
ロマーノレビィさん
ショコラ・ド・ソーテルヌ
2018/01/11 更新
2017/11 訪問
今日は中目でポルチーニ祭り!...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」、世間一般的に今年は松茸もサンマも不調、そんな中でポルチーニ茸の素晴らしさに心から癒される
お店に伺うと、やにわに義隆さんが厨房から現れて、「マドさん、今日のポルチーニ、滅法いいよ!」とニカっと笑う。お兄さんの宗隆さんのことも大好きだけれど、一見ちょっと強面だけれど、義隆さんの、このニカっとした笑いにいつもやられてしまう(笑)これはもう注文せずにはいられない!
それにしても今年は松茸が不作、サンマが不作と、寂しいお知らせが続く中で、料理人が目を輝かせてこれは太鼓判!という自信に触れると、もうどうしようもなく心が躍る!2017年10月7日(土)、「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」さんでの素晴らしいひと時について以下詳細に書き綴っていきたい。
まずはスプマンテで。ルイ・ニケーズ ブリュット・レゼルヴ。バランスのよいスプマンテである。ハチミツや果実の風味があって、最初の一品にはもってこいだ!
1.サンマ・千両ナス、スカモルツァチーズのオーブン焼き
スカモルツァチーズをご存じだろうか。モッツァレラチーズを藁で燻製したチーズである。水分が飛んでいるので、オーブンで焼いてもそのままの形状を保っている。モッツァレラのように淡白でなくしっかりとしたチーズの味わいがある。このしっかりしたチーズの味わいとサンマの香りとの相性が素晴らしい。これは日本の料理にはないサンマの味わい方だ!
バルベーラ ダルバ 2011 ロアーニャ。自然派の赤ワイン。バルベラ種100%のワインだけれど、ネッビオーロのようなしっかりした骨格のワインだ。
2.フレッシュポルチーニとハモのインパナート アイオリソース
義隆さんがお薦めするだけある、素晴らしい出来栄えである!また、揚げの火入れでポルチーニの芳醇な香りを際立たせているのが何とも素晴らしい。また、そばに添えられているハモもよい。実は、このくらいの季節からハモは脂がのってくる。実にシンプルな一品だけれど、食材の旨さを直に感じ取れることができる珠玉の一皿であった!
3.トリッパのトマト煮
トマトの酸味でトリッパのコリコリした食感を味わうのが愉しい。
カステッロ・デラ・サラ。程よいミネラル感。果実味もあるし、層が厚い感じがする一品だ。
4.キタッラ ポルチーニと自家製ドライトマトソース
これが好きなんだな。エッジの立った特徴的なパスタ。ドライトマトの枯れた感じとポルチーニの香りの取り合わせも素晴らしい。しゃきしゃきの触感の向こうに深まる秋を感じる。
ニコレッロ バルベーラ・ダルバ バリリン。バランスの良さが光るな。酸味、渋み、熟成感ってややきめは粗めで、飲み応えがある。
5.ポルチーニと栗のリゾット
今日は、ポルチーニ祭りだ!しかしでも、これは優しい逸品であった!栗の甘みとポルチーニの香りは溜息が出るほど素晴らしい相性であった。これも季節感を感じる逸品であった!
6.スペイン産 ガルシア栗豚肩ロースの炭火焼き
やはり義隆さんの炭火焼きはやめられない!粒マスタードのアクセントもよい。これに合わせるのが、パオロ・コンテルノ バローロ ジネストラ・リゼルヴァ。しっかりしたバローロ。はっきりした酸、タンニン強めの感じがこのお料理に頗るあう!
7.岐阜県産 鹿肉のロースト香草バター、モストソース
鹿肉は旨い!わたしは色々のお肉の中でひょっとすると一番好きかもしれない。限りなく上品。その感じが泣けるほど好きだ!これに合わせるのが、ドメーヌ・ルネ・ルクレール ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ コンブ・オー・モワンヌ。豊かでバランスのよい酸味と果実味を十分に楽しめる逸品。鹿肉との相性は言うまでもなく申し分ない。
もう、「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」はわたしにとって、なくてはならないイタリアンだ!次回は、12/23に訪問予定。来年もずっと通い続けることは間違いない!宗隆さん、義隆さん、今後ともよろしくお願いします!
フレッシュポルチーニとハモのインパナート アイオリソース
サンマ・千両ナス、スカモルツァチーズのオーブン焼き
岐阜県産 鹿肉のロースト香草バター、モストソース
スペイン産 ガルシア栗豚肩ロースの炭火焼き
ポルチーニと栗のリゾット
キタッラ ポルチーニと自家製ドライトマトソース
サンマ・千両ナス、スカモルツァチーズのオーブン焼き
フレッシュポルチーニとハモのインパナート アイオリソース
リッパのトマト煮
キタッラ ポルチーニと自家製ドライトマトソース
ポルチーニと栗のリゾット
スペイン産 ガルシア栗豚肩ロースの炭火焼き
岐阜県産 鹿肉のロースト香草バター、モストソース
ルイ・ニケーズ ブリュット・レゼルヴ
バルベーラ ダルバ 2011 ロアーニャ
カステッロ・デラ・サラ
ニコレッロ バルベーラ・ダルバ バリリン
パオロ・コンテルノ バローロ ジネストラ・リゼルヴァ
ラルコ
ドメーヌ・ルネ・ルクレール ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ コンブ・オー・モワンヌ
2017/11/18 更新
2017/09 訪問
今夜もまたまた愉しんだ!...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」、ほんとうにここはくつろげる素晴らしいイタリアンだ!
「ICARO miyamoto」。前菜、パスタ、メイン...いつも全て素晴らしいのだけれど、やっぱりここを思い出すときまず念頭に浮かぶのはお肉料理である。ここのメインのお肉とワインの合わせをゆっくり堪能できれば、瞬く間にときが過ぎ去ってしまう。2017年8月16日(水)、2か月ぶりの「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」さんのお食事体験を以下できるだけ詳細に書き綴っていきたい。
19:30。やや遅い時間に本日のお連れさまとお店に到着する。宗隆さんからお出迎えを受け、テーブル席に案内される。わたしはこのお店は1人でお伺いすることが多く、そんなときは止まり木的にカウンターで気楽に過ごさせていただくのだけれど、今日はお連れさまがいらっしゃるので、テーブル席。
お酒は今日も宗隆さんに見繕っていただく。一品目は、アロイス ラゲデール。シャルドネ100%のワインで、なにかしっかりとした骨格を感じる一品である。
1.オーストラリア産 蒸しアワビとジャンボマッシュルームのカルパッチョ 下にはポレンタ、新玉ねぎのピューレと肝のソース 黒トリュフがけ
これは前回もいただいた一品。前菜にはもってこいの爽やかな一品である。強すぎず、しかしでも、玉ねぎとマッシュルームとアワビがさらりと存在感を示し、お粥状のポレンタがまた優しいアクセントになっている。
2.熊本産 馬ヒレ肉のタルタル 赤玉ねぎのアグロドルチェ
久々にいただいたけれど、この馬ヒレ肉のタルタルもイカロさんのスペシャリテの1つだ。実に旨い。良質なマグロの赤身をいただいているような感覚に陥る。これに合わせるのが、バローロ デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロッラータ・エ・ガランティータ。実に素朴で美しい赤だ。
3.キタッラ サマーポルチーニと自家製ドライトマトソース
これが素晴らしかった。ポルチーニの香りに圧倒される。今年はポルチーニ茸がとても良いように感じる。先月伺った「チウネ」さんでもポルチーニ茸をいただいてその香りの高さに言葉を失ったけれど、秋本番になったらどういうことになるか、今から愉しみだ!
ドンナルーチェ ポッジョ レ ヴォルピ。これも特徴的な白。フルーツというより、樹液を思わせる濃密な白だ。
4.スパゲッティ カルボナーラ、オーストラリア産 黒トリュフがけ
卵黄で仕上げたカルボナーラ。生クリームを少し入れて作っている。森の新鮮な土の香りを思わせる黒トリュフのアクセントが素敵だ。
フォッサコッレ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。赤。梅っぽい軽やかな酸味が鼻腔を駆け抜ける。爽やかな一品だ。
5.フランス産 仔羊のロースト アンチョビ・パセリ・ウイキョウのソース
香りが良い。羊というと、最近まったく羊の存在感を感じさせないものが多くなってきているけれど、この一品はちゃんと羊のパーソナリティで愉しませる逸品だ。いうまでもなく、いわゆる羊の獣臭さなどとは程遠いのだけれど、きちんと自分が羊であることの主張で食べ手をこよなく愉しませる逸品だ。
これに合わせるバルバレスコが素晴らしい。スパイスとフルーツの凝縮された複雑な風味がお料理にぴったりだ。
6.北海道産 十勝ハーブ牛ランプの炭火焼き
遠赤外線でじっくりと焼き上げられた一品だ。こういうのを出されちゃうので「ICARO miyamoto」はやめられない!また、これとバルバレスコを合わせると、味が変わる感じだある。鉄分、血っぽい味を感じる。おそらくこの赤は、鮨の赤身とあわせてもうまいと思う。
ドンナフガータ・カビール。フルーティで華やかな甘みがある白。メインのお料理が終わってほっと一息をつく。
最後はドルチェと、ジェラス バ・アルマニャック。厚みのある豊かな風味がある。余韻を堪能する。
なんど訪問しても「ICARO miyamoto」は愉しませてくれる!次回10月上旬の再訪が今から愉しみだ!
北海道産 十勝ハーブ牛ランプの炭火焼き
キタッラ サマーポルチーニと自家製ドライトマトソース
スパゲッティ カルボナーラ、オーストラリア産 黒トリュフがけ
フランス産 仔羊のロースト アンチョビ・パセリ・ウイキョウのソース
オーストラリア産 蒸しアワビとジャンボマッシュルームのカルパッチョ 下にはポレンタ、新玉ねぎのピューレと肝のソース 黒トリュフがけ
熊本産 馬ヒレ肉のタルタル 赤玉ねぎのアグロドルチェ
キタッラ サマーポルチーニと自家製ドライトマトソース
スパゲッティ カルボナーラ、オーストラリア産 黒トリュフがけ
フランス産 仔羊のロースト アンチョビ・パセリ・ウイキョウのソース
北海道産 十勝ハーブ牛ランプの炭火焼き
バニラアイスのドルチェ
アロイス ラゲデール
バローロ、デノミナツィオーネ・ディ・オリージネ・コントロッラータ・エ・ガランティータ
ドンナルーチェ ポッジョ レ ヴォルピ
フォッサコッレ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
バルバレスコ
ドンナフガータ・カビール
ジェラス バ・アルマニャック
2017/09/15 更新
2017/06 訪問
このレビューを読み終える前に一目散に駆けつけよう!...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」、豪快にして、しかも素材の良さに耳を澄ます繊細さを持ち合わせるシェフの感性に震える
さあ、いよいよお腹は空腹でペコペコ状態...でも、この日の夕食は「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」さんと決めているものだから、ひたすら「ガマン、ガマン...」と呪文のように念じつつ、滑走する東横線の振動に身を任せ、流れゆく黄昏の目黒の街並みに、まどろむように視線を馳せる...
2017年6月3日(土)「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」。...この日は実に豪勢に食べまくった!イカロさんに1度でもお伺いしたことがある方ならお分かりいただけると思うけれど、1人で、
・前菜2皿
・パスタ2皿
・メイン1皿
・デザートと小菓子を1ずつ
で、当然全てのお皿のポーションはキッチリ1人前。かつ、お料理にあわせて8種類のワインやグラッパ、ブックラム、マールを縦横無尽にあわせてもらう。...この食べっぷりは、イカロさん側から見ても、かなりゴーカイに食べたお客さんの部類に入るんじゃないかと思う(笑)。
...でもよく思うのだけれど、小鳥が粟玉(あわだま)を啄(ついば)むようにチョットの量をチマチマ食べて、お料理を本当に愉しめるのだろうか!?やっぱり、豪快に目一杯食べて、目一杯飲まないと、わたしの場合、お料理を充分に愉しんだという気分になれない。...またイカロさんでのお食事は、料理とお酒の旨さに加えて、宮本 宗隆さん、宮本 義隆さんご兄弟との会話が滅法愉しいのだから止められない!以下、「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」さんでのお食事体験をできるだけ詳細に書き綴っていきたい!
本日はよく晴れた夏の陽気の1日であった。予約は18:00から入れているけれど、まだ中目黒の商店街は優しい薄暮の明るみに包まれている。心なしか街行く人の顔も穏やかに見える。...小さなビルの4階までエレベータで上がってお店に入ると、お兄さんの宗隆さんのお出迎えを受ける。
カウンター席に案内されるので、とりあえずスプマンテを注文する。カウンターの表面が燦々と差し込む西日を反射して眩く輝いている。手渡されたメニューにざっと目を通すと、いつもより前菜の品数が多い気がする。何でもイタリア野菜は、6月に旬を迎えるものが多いとのことで、今日のメニューはそんな旬の野菜を存分に堪能できる取りそろえになっているという。
あらかじめ今日のお料理を全て注文して、さっそくスタートしていただく。ワインはもちろん、本日もお料理に合わせて宗隆さんに見繕っていただく。
今日1品目の白。マッドバイオレット エオラ - アミティ シャルドネ。これはちょっと珍しくて、アメリカ、オレゴン州のシャルドネワインとのことだ。きつすぎない丸みを帯びた酸味を感じる。バランスが良くて飲みやすい。
1.オーストラリア産 蒸しアワビとジャンボマッシュルームのカルパッチョ 下にはポレンタ、新玉ねぎのピューレと肝のソース サマートリュフがけ
今回注文したお料理はどれも素晴らしかったのだけれど、今このお料理名を書きつけながら、改めてこの最初の一品の素晴らしさに打ちのめされるような感覚を覚える。
まず、アワビのコリコリとした食感が小気味よい。そして、旬のマッシュルームと新玉ねぎの甘味と香りが素晴らしいのだ。更にそこにアワビの肝ソースが相俟うことによって、食べ終わることが惜しまれるような素晴らしい味わいに昇華される。
豪胆に食べ手を圧倒するという感じではなく実に品がよい。でも、品の良さにおとなしくまとまって終わりではなく、アワビ肝ソースのしっかりとした趣が、この一品紛れもないアワビ料理であることを際立たせている。その存在感の際立たせ方が、野暮ったくしつこいアピールではなく、実に洗練されているのだ!
2品目の白。ヴィニェッティ ディ フォスカリーノ ソアーヴェ クラシコ イナマ。ヴェネト州代表の万能型白。次のマッシュルームを視野に入れた選択である。ヴェネトはホワイトアスパラの有名な産地である。だからヴェネトのワインを一緒にあわせてという趣向だ。これは清涼感があるワイン。しかし、スワリングしながら飲み進むほどに甘さが感じ取れるように感じる。
2.フランス産 ホワイトアスパラ 温製 カルボナーラ仕立て
これも凄かった!この一品はイカロさんの看板料理だ。アスパラは、驚く程大ぶりで、ものすごく瑞々しい。その瑞々しさにとにかく強かにやられてしまった。アスパラの上品な甘みが体に染み渡るようだ。カルボナーラ仕立てだけれど、主張は断然素材にある。これは素材を食べさせる逸品だ。
3品目の白。ヴィヴェラ サリズィーレ エトナ・ビアンコ。ミネラル感を感じる一品である。次のオレキエッテは、しらすやからすみの塩味が立った一品であるけれど、ミネラルの透明感がそれを丁度いい塩梅に融和してくれる。
3.オレキエッテ しらすとブロッコリーのソース からすみがけ
イタリア半島の丁度"かかと"の部分に位置するプーリア州。このプーリア州でパスタといえば、必ず出てくるというのがこのオレキエッテだそうだ。貝殻のような形をした可愛らしいパスタである。ここに磯の香り香るしらすとからすみががどっさりとあわせてある。アドリア海に降り注ぐ眩いばかりの光、南イタリアの海の豊饒を感じさせる逸品である。
ここで、趣向を変えて赤の一品。バルベーラ・ダルバ バリリン 2001年。白白と続いた後に赤を出されると、赤の良さが際立つ。タンニンは柔らか目。果実、スパイス、木の実など複雑で豊かな味わいがある。
4.キタッラ アスパラソバージュ サマートリュフがけ
アスパラソバージュ。イタリアのつくしである。今がまさに旬。地味なようだけれど、このアスパラソバージュが素晴らしかった!先ほどのアスパラにも感じたけれど、食する程に旬を迎え生命を謳歌する野菜の躍動感が伝わってくるのだ!
続けて、2品目の赤。パリストルティ 2001(赤) / テヌータ ディ ヴァルジャーノ。これもタンニンはさほど太くない。柔らかく丸いタンニンの向こうに果実味が広がる。この赤ワインのチョイスは、次の赤牛を見据えてのものだという。赤牛は赤身の美味しいお肉だ。赤身のお肉を愉しむには、タンニンの太いフルボディの猛者というより、こういう上品で柔らかい一品がよい。
5.北海道池田牧場赤牛のランプ肉の炭火焼
メインを迎えるにあたり、本日のお料理を振り返る...今日のイカロのモチーフは、"6月のイタリア旬野菜の旨味"といったところかな、などと思っているところにこの一品が饗されて、その凄さに木っ端微塵に吹き飛ばされる!
見た目は実にシンプルなのだ。まさにシンプルに炭火で赤牛の赤身を焼き上げただけだよ、というぶっきらぼうなシェフのつぶやきが聞こえてきそうな一品なのだけれど、その焼き加減が絶妙!赤身の旨さを最大限に引き出すにはこの一点しかない、というところを完全に見切った絶妙な火入れである。だから、一口いただいただけで、これが牛の赤身の旨さそのものですと、まるで匕首(あいくち)を突きつけられたような息詰まる迫力を感じるのだ!
ここで、義隆さんが厨房からカウンターまで出てこられたので、その息詰まるような感動をお伝えすると、「しばらくね、炭は封印していたんだけどね、解禁したんですよ。...でも、やっぱり、旨いよねぇ!」とニカッと笑う。
今日は義隆さんと少しおしゃべりしたけど、その魅力的なお人柄に感服した。群れず、媚びず、靡(なび)かず...お話をしていると、その見た目通り豪胆な印象があるのだけれど、でも、その裏側に鋭敏で繊細な感受性が息づいているのが感じ取れる。実に魅力的なお人柄だ!
メインが終わった後に、食後の甘口ワイン。ソル・モスカート・パッシート 2006 エツィオ・チェッルーティ。砂糖を全く使用せず、モスカート種の甘みだけで醸造したワインだ。とろりとして甘く、豊かなボリュームを持っている。
続いて、ブックラム。マルコ・デ・バルトリ ブックラム パッシート・ディ・パンテレッリア。美しい琥珀色。これは、モスカートほどの甘みはない。豊潤な香りとその余韻を愉しむ。
6.りんごのストゥルーデル バニラ ジェラート添え
ストゥルーデルとは、詰め物を幾層にも生地で巻いた甘い菓子だ。中々旨かったけれど、この一品でびっくりしたのは、バニラ ジェラートの旨味だ!自家製のバニラ ジェラートだそうだが、イカロさんに伺ったら絶対に頼みたい一品だ!
最後に、マール。ポーリ・ポーイヤックで一通りとなる。いつもイカロさんは素晴らしいのだけれど、今日のお料理とお酒は、これまでと比較しても出色の出来栄えであったように感じた。18:00スタートで3時間以上かけたお食事が終わりを迎える。美味しいお食事、お酒、愉しい会話、なんとも贅沢な3時間半であった!最後は、出口まで宗隆さん、義隆さんにお見送りいただく。今度はだれか連れてきて、この素晴らしさを共有しよう!絶対に。
北海道池田牧場赤牛のランプ肉の炭火焼
フランス産 ホワイトアスパラ 温製 カルボナーラ仕立て
キタッラ アスパラソバージュ サマートリュフがけ
オレキエッテ しらすとブロッコリーのソース からすみがけ
オーストラリア産 蒸しアワビとジャンボマッシュルームのカルパッチョ 下にはポレンタ、新玉ねぎのピューレと肝のソース サマートリュフがけ
カウンター
オーストラリア産 蒸しアワビとジャンボマッシュルームのカルパッチョ 下にはポレンタ、新玉ねぎのピューレと肝のソース サマートリュフがけ
フランス産 ホワイトアスパラ 温製 カルボナーラ仕立て
オレキエッテ しらすとブロッコリーのソース からすみがけ
キタッラ アスパラソバージュ サマートリュフがけ
北海道池田牧場赤牛のランプ肉の炭火焼
小菓子
りんごのストゥルーデル バニラ ジェラート添え
マッドバイオレット エオラ - アミティ シャルドネ(アメリカ、オレゴン州のシャルドネワイン)
ヴィニェッティ ディ フォスカリーノ ソアーヴェ クラシコ イナマ
ヴィヴェラ サリズィーレ エトナ・ビアンコ
バルベーラ・ダルバ バリリン 2001年
パリストルティ 2001(赤) / テヌータ ディ ヴァルジャーノ
パリストルティ 2001(赤) / テヌータ ディ ヴァルジャーノ
パリストルティ 2001(赤) / テヌータ ディ ヴァルジャーノ
ソル・モスカート・パッシート 2006 エツィオ・チェッルーティ
マルコ・デ・バルトリ ブックラム パッシート・ディ・パンテレッリア
ポーリ・ポーイヤック
ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)
2017/06/05 更新
2017/04 訪問
ワインたちと愉しむ骨太な料理の数々はどれも傑作!...「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」、都内でイタリアンをいただくなら、ここを指折りのレストランとして推奨したい!
前回お伺いしたのは、2年4ヶ月ほど前になる...コチラのお店は良い印象があったものの、うかつにも少しばかり時間をおいてしまった。1週間ほど前に電話予約をさせていただくと、次の土曜の17:30からでしたら大丈夫とのことで、久々に身軽に1人でお伺いすることにする。
2017年4月1日(土)、久しぶりの「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」さんに心を弾ませてお伺いする。店内の感じは以前と変わっていない。ウッディーな素朴で優しい雰囲気である。カウンター席のご案内となるので、スプマンテをいただきながらメニューを拝見し、本日は、前菜から2品、パスタ1品、メイン1品でお願いすることにする。また、お料理にあわせてワインを見繕っていただくことにする。
最初に白がグラスで饗される。ピノ ビアンコ 2015 ホフスタッター。深い麦わら黄色。一口口に含むと果実のフレッシュなアロマが広がる。丸みはあるけれど、しっかりした骨格が感じられて、きっと魚料理との相性がよいことが予想される。
1.ウナギのマリネ マントヴァ風
マントヴァとは、ロンバルディア州の都市の名前である。ウナギを食べる文化があるようだ。料理は、ウナギにハーブを巻き込みオープンでしっかり焼きあげた後、白ワインビネガーでマリネされている。ワインビネガーの涼やかな香りが漂う中にも、ウナギの香りがしっかりするのが素晴らしい。
ホフスタッターの骨太感としっくりとマッチしていて、思わず頬が緩む。
2.長野産 ジャージー牛のモモ肉のマリネ南チロル風
ジャージー牛のモモ肉を軽くマリネにしものと北イタリアのうずら豆をあわせた前菜の2品目。ここに、シャルドネ マゾ ライナー 2015 ケットマイヤーをあわせていただく。こんどは少しばかり澄んだ麦わらイエロー。こちらも果実のフレッシュはあるけれど、後口に軽くスパイス感があるのがホフスタッターとの違いのように思う。
牛のモモ肉の舌に吸い付くような滑らかなテクスチャに胸が詰まるような迫力を感じる。これも酢の風味がたった一品である。
3.カルボナーラ
カルボナーラを見据えて、イタリアワインの王様、バローロを饗していただく。カヴァロット・ブリッコ・ボスキス・バローロ・ブリッコ・ボスキス。一口いただくが、うん、バローロらしい強靭なストラクチャだ。しかし、1、2度スワリングさせると、果物や花の香りが緻密に湧き上がり複雑味が一気に増してくる。
これとカルボナーラの相性が滅法良かった!カルボナーラは濃厚系だ。(生クリームをほんのちょっと加えているそうだ)このチーズを豊潤に含んだカルボナーラの際立った存在感をバローロがさらに豊饒化させてくれる。皿からお料理がなくなっていくのが惜しくて惜しくてならない!
4.和牛ホホ肉の煮込み グーラッシュ
さらに、メインのグーラッシュを見据えて、バルベーラ ダルバ 2010 ロアーニャを饗していただく。ビオというより、自然派の赤ワインだ。バルベラ種100%のワインだけれど、ネッビオーロのようなしっかりした骨格のワインである。
和牛ホホ肉の煮込み グーラッシュが饗される。グーラッシュとは、オーストリア・ハンガリーの郷土料理(煮込み料理)を指すようだ。ソースが濃厚でパンチがある。パプリカがぐっと効いた赤ワインソースの深いコクだ。
ホホ肉は、軽くフォークを入れただけでホロホロと崩れるほどに柔らかい。口に入れると、トロトロの食感と肉の甘み、赤ワインのソースが一体となり、口中に旨味が広がる。あと、芽キャベツがこのひと皿に春らしい華を添えていた。
バルベーラのしっかりした骨格との相性は極上である!
ここで、食後の貴腐ワインを饗していただく。シャトー・スデュイロー1999 ボルドー ソーテルヌ 甘口。シャトー・スデュイローは、あの貴腐ワインの頂点に君臨するシャトー・ディケムと隣接するシャトー(醸造所)で作られているそうだ。リッチで甘美で食後酒とはかくあるべしという見本のような一品である。
ここで、小菓子をいただく。ベルギー、DelReY (デルレイ)のチョコレート。
さらに食後酒の2品目。クレマン キュヴェ・スペシャル X.O。ラム酒である。スパイスの風味と果実の風味の融合感に好感が持てる。
最後に、デザートワインが饗される。バローロ キナート ロアーニャ 甘口リキュール。バローロのデザートは初めてだ。
しかしこれは、驚いた。まるで"養命酒"だ(笑)。バローロはこういう仕事もしているのかと目から鱗だった。バローロが作った薬草酒で薬草の香りが途轍もない。しかし品が良いのでじっくり余韻を愉しめる。
5.ティラミス
最後にリキュールとティラミスをいただいて一通りとなる。「ICARO miyamoto(イカロ ミヤモト)」。ここはワインとお料理の的確な組立で、食べ手を間違いなく至福へと誘ってくれるレストランである。都内でイタリアンをいただくなら、ここを指折りのレストランとして推奨したい!
和牛ホホ肉の煮込み グーラッシュ
カルボナーラ
ウナギのマリネ マントヴァ風
長野産 ジャージー牛のモモ肉のマリネ南チロル風
ティラミス
フォカッチャ
ウナギのマリネ マントヴァ風
長野産 ジャージー牛のモモ肉のマリネ南チロル風
長野産 ジャージー牛のモモ肉のマリネ南チロル風
カルボナーラ
和牛ホホ肉の煮込み グーラッシュ
和牛ホホ肉の煮込み グーラッシュ、芽キャベツがこのひと皿に春らしい華を添えていた
ティラミス
ベルギー、DelReY (デルレイ)のチョコレート
ピノ ビアンコ 2015 ホフスタッター
シャルドネ マゾ ライナー 2015 ケットマイヤー
カヴァロット・ブリッコ・ボスキス・バローロ・ブリッコ・ボスキス
バルベーラ ダルバ 2010 ロアーニャ
シャトー・スデュイロー1999 ボルドー ソーテルヌ 甘口
クレマン キュヴェ・スペシャル X.O
バローロ キナート ロアーニャ 甘口リキュール
イカロ
イカロ
2017/04/09 更新
2014/12 訪問
"森の黒いダイヤ"に息を呑む...「ICARO」、香も高き黒トリュフの切片たちが、黄金の草原の上に撓わに舞い散る様を目にすれば、ひとは、その美しさにひたすら狼狽えるほかない
ウィンター・トリュフはひたすら高貴である。しかもそれがウンブリア州ノルチャ産の黒トリュフの最高級品となればなおさらだ。蓋を開けた途端、その芳醇な香りは、一気に室内を満たさんと、自己主張のかぎりを尽くして自分自身を押し広げてくる...
"森の黒いダイヤ"...これは、ヨーロッパの深い森の中に佇立する大樹や、その大樹を支える新鮮な土を思わせる芳香である。そしてその香りの中に、いたたまれなくなるような苦味と滋味の奏でる妙(たえ)なる調べをはっきりと聴き取ることができる。
はたして、ひとはこんな風に生の自然と無媒介に触れ合ってしまってよいものなのだろうか?...はからずも、そんな問いかけの前に佇んで身動きの取れなくなっている自分を見出す。もし、それでよいのだとしたら、その経験はひたすら痛みを伴う経験として、食べ手をほとんど行き場のない袋小路に閉じ込めてしまうほかなかろう。
いかなる猥雑さからも程遠い、そのあられないほどに剥き出しのなまなましさにひとは思わず瞳を伏せたくなる。しかし、それは、目をそらすことを禁じ、ひたすら自分を直視するよう食べ手を促すのだ。このひたすら過酷な環境に耐えること、それが"森の黒いダイヤ"をいただく痛みである。しかしでも一方で、その息苦しさに喘ぎながらも食べ手は、料理に、こうした痛みがあることの奇跡に打たれ、これを信じようとする...この痛みがいつしか快楽に変わる、などと猥雑なことはいうまい。"森の黒いダイヤ"の痛みはどこまでも痛みとして残るのだ...
中目黒「ICARO(イカロ)」。今日はここでいただいた香も高き北イタリアの美味の調べについて、以下書き綴っていきたいと思う。
2014年12月27日(土)20:45、東急東横線中目黒駅に降り立つ。正面出口を出て右折し、最初の右折路を折れ、二番街中目黒銀座の商店街を数分行く。中目黒駅前郵便局を過ぎた最初の右折路を折れると、左手にCOMS NAKAMEGUROビルが視界に入る。「ICARO(イカロ)」は、このビルの4Fにある。今日は夜の2回転目の部だ。
入店し、予約名を告げると、カウンター席への案内となる。店内は高級イタリアンといった雰囲気ではなく、オステリア風のいたってくだけた雰囲気である。まずは、ドリンクのメニューを渡されるので、スプマンテで喉を潤すことにする。「ICARO(イカロ)」の料理は基本、アラカルトである。前菜、パスタ、メインの中から1品ずつ選択する。今回は、前菜に"熊本産馬ヒレのタルタル 赤玉ねぎのアグロドルチェ添え"、パスタに"フォンドゥータチーズを詰めたラビオリセージバターソース イタリアノルチャ産黒トリュフがけ"、メインに"スコットランド産山うずらのロースト マルサラソース"を選択し、ディナーをスタートする。
1.熊本産馬ヒレのタルタル 赤玉ねぎのアグロドルチェ添え
馬肉のタルタルステーキ。生の馬肉を叩きにし、オリーブオイル、食塩、コショウ、それに南イタリアの調味料コラトゥーラを使って味付けされている。コラトゥーラは、カタクチイワシのみを使って作られたイタリアの魚醤である。これに、赤玉ねぎのアグロドルチェ(バルサミコ酢を使った甘酢煮込み)が添えられている。
一口いただくが、馬肉は一片のクセもない。ひんやりとしたテクスチャで、あたかもシルクのような滑らかな食感で口の中に滑り込んでくる。それに赤玉ねぎアグロドルチェの酸味が加わり、それを受け止めるようにコラトゥーラが滋味深い奥行を与える。
ここで、スプマンテから、ワインに切り替えることにする。ソムリエ宮本宗隆さんから「今日のお客さまの選択ですと、赤で通す感じで十分だと思います」とご助言いただく。そこで、「さっきワインリストを拝見したんですが、バローロの取り揃えが充実していますね、お奨めのものをご案内いただけますか」とわたし。「ご予算はどのくらいでお考えでしょうか?」と宮本さん...結局、古典派バローロ最高峰といえる偉大な造り手、バルトロ・マスカレッロの8,000円のものでいくことにする。
ネッビオーロ100%。いわずとしれたイタリアワインの王様、バローロである。透き通るようなアピアランス。一口いただくが、"赤い薔薇、頽廃した土"といった重厚な印象のあるバローロの先入観を覆すような、澄み切った佇まいだ。ただ、飲み進めていくうちに集中力のある力強い味わいが彌増していき、ブラックベリーやドライフラワーのアロマ、スパイスなどがじわじわと口中に広がり、艶やかなりし香りに陶然とする。
2.フォンドゥータチーズを詰めたラビオリセージバターソース イタリアノルチャ産黒トリュフがけ
この1品が素晴らしかった!まず、出てきた瞬間に漂う黒トリュフの風味が素晴らしい。あたりには、奥深い森にキジバトの鳴き声が耳の底に鈍く響く、黎明したたる大樹を彷彿とさせる生々しいまでの森の薫香が漂うのである。炎(ほむら)立つように迸るその香は圧巻である。その香りの立ち方は、鼻先に届くといったレベルのものではなく、紛れもなくわたしの着座している周辺に横溢しているとしか思えない匂い立ち方なのだ。
また、黄金色に輝くラビオリが素晴らしい噛みごたえを呈している。愛おしさを覚えるような肉感的な噛みごたえにまずは震えるような感動を覚える。そして、なかから現れるのは、濃厚なイタリア版チーズフォンデュ「フォンドゥータ」。イタリア北端の州ヴァッレ・ダオスタ州の郷土料理だ。そして、そのとろけるようなリコッタにセージの効いたバターソースが香ばしきオマージュを贈り、チーズとバターが基調低音となって黒いダイヤモンドの周囲を固め続けるのだ...絶品!
3.スコットランド産山うずらのロースト マルサラソース
スコットランド産山うずら...鶏の旨みとはいかなるものか教えてもらっているような心地になる。強烈なジビエ感はないものの、しっかりと鶏の存在感を主張してくる一品である。鶏の下にはしめじなどの山の恵みが敷かれ、臙脂色のマルサラソースがたっぷりかかっている。マルサラ酒特有の香り高い香りと山うずらとの相性は抜群である。
メインが終わったあと、クラッハー、 ベーレンアウスレーゼ 2010を饗していただく。貴腐ブドウが混じった完熟ブドウを使用した極甘口のワインだ。その味わいは、はちみつと粒入りアプリコットジャムを想起させ、ややエキゾチックなフルーツの香りが漂う繊細な仕上げになっている。
4.ピスタチオのブリュレとリコッタチーズのジェラート
最後に「ICARO(イカロ)」一番人気のドルチェ、ピスタチオのブリュレとリコッタチーズのジェラートで締めくくる。ジェラートは冷たくリコッタの品の良さが際立っている。カラメル上になったブリュレの表面はパリパリと甘みをたたえ、ピスタチオが香ばしい存在感を主張してくる。
最後に食後酒グラッパ・ディ・バローロ "トレ・ソーリ・トレ" 2005 ベルタを出していただく。バリックで熟成された芳醇な風味。まろやか極まりないこの1品で、「ICARO(イカロ)」の晩餐を終える。
「ICARO(イカロ)」は、素晴らしきオステリアである。ミシュラン星のお店ときくと、そのくだけた感じに少し意外な感じを受けないでもないが、味はまさに星取得も頷ける1級品である。24:00少し前、宮本宗隆さんにお見送りいただく。いまだ濃厚に口中に残存する北イタリアの美味の調べを反芻しながら、寒空の中目黒の街を抜け家路を急ぐ。
フォンドゥータチーズを詰めたラビオリセージバターソース イタリアノルチャ産黒トリュフがけ
熊本産馬ヒレのタルタル 赤玉ねぎのアグロドルチェ添え
スコットランド産山うずらのロースト マルサラソース
バローロ バルトロ・マスカレッロ 2009
スプマンテ
グリッシーニ
熊本産馬ヒレのタルタル 赤玉ねぎのアグロドルチェ添え
フォカッチャ
バローロ バルトロ・マスカレッロ 2009
フォンドゥータチーズを詰めたラビオリセージバターソース イタリアノルチャ産黒トリュフがけ
フォンドゥータチーズを詰めたラビオリセージバターソース イタリアノルチャ産黒トリュフがけ
スコットランド産山うずらのロースト マルサラソース
ピスタチオのブリュレとリコッタチーズのジェラート
熊本産馬ヒレのタルタル 赤玉ねぎのアグロドルチェ添え
グラッパ・ディ・バローロ "トレ・ソーリ・トレ" 2005 ベルタ
フォンドゥータチーズを詰めたラビオリセージバターソース イタリアノルチャ産黒トリュフがけ
クラッハー、 ベーレンアウスレーゼ 2010
フォンドゥータチーズを詰めたラビオリセージバターソース イタリアノルチャ産黒トリュフがけ
看板
2015/01/03 更新
ワインと一緒に滅法旨いお料理を!
前菜、パスタ、メインと一連の骨太イタリアンとワインのマリアージュに満足必至。テーブルクロスもないオステリア風の佇まいだけれど、居酒屋くらいの安っぽいイメージをもって臨めば、したたかに打ちのめされるからご用心!食通の舌をうならせるだけ一連の料理の品質の高さにメロメロになろう♪
2017/04/13 更新