黄色のたぬきさんが投稿したレスピラシオン(石川/北鉄金沢)の口コミ詳細

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レスピラシオン北鉄金沢、金沢、七ツ屋/スペイン料理、イノベーティブ、創作料理

1

  • 夜の点数:4.3

    • ¥30,000~¥39,999 / 1人
      • 料理・味 4.3
      • |サービス 3.4
      • |雰囲気 3.3
      • |CP 3.3
      • |酒・ドリンク 3.7
1回目

2024/12 訪問

  • 夜の点数:4.3

    • [ 料理・味4.3
    • | サービス3.4
    • | 雰囲気3.3
    • | CP3.3
    • | 酒・ドリンク3.7
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

地元食材の可能性を広げた創作スペイン料理:Corse respiración

金沢の博労町にあるスペイン料理店です。
シェフ 梅氏と八木氏が国内及びバルセロナで培った経験・技術・感性を活かし、地元産食材を使い「石川県」の今を表現した創作料理(モダンガストロノミー)を提供。
築150年の町家をリノベーションした空間で「金沢や能登、白山などを擁する石川県の豊かさ」を体験出来、その評判の高さから、国内だけでなく海外からもお客さんが訪れています。
2017年7月開店。
運営するのは株式会社Hife。
店名はスペイン語で「呼吸」を意味。
生産者と料理人が「呼吸を合わせて」創る時間をお客さんと共有したいとの想いがこめられているそうです。

場所は武蔵が辻バス停から5~6分、近江町市場鮮魚通り口からから約1分。
ザ ホテル山楽 金沢の向かい側に建つ、ビルに挟まれた2階建の町家です。
(金沢駅東口からは金沢駅通りを進み、国道249号線の博労町交差点を右折して約20分。)

料理は昼・夜共に季節毎に変わる「お任せコース Corse respiración(26,000円(税込み、サービス料10%))」。
ネット予約は2ヶ月前の1日より受付。
昼は11:45、夜は17:45に一斉スタートです。

夜訪問。
約2ヶ月前にネットにて予約。
扉が開く17:30に合わせ、17:35頃到着。
スタッフの温かい出迎えを受け、母屋に接した白壁の蔵(ウエイティングルーム)へ案内されました。
蔵の内部は暗く、山の模型のようなテーブルが照明に浮き上がって幻想的。
お茶
お猪口サイズの器で提供。
(説明はなかったけれど)棒茶でしょうか?さっぱりした後味。
ドリンクメニューを表示したQRコードが提示されました。

時間になり、順番に母屋の席へ。
オープンキッチンになっている道路側のフロアは活気があり、梅氏と八木氏の他、スタッフがきびきびと料理を作り、挨拶も明るい。
座席があるフロアは2ヶ所に分かれ、手前に大きめなテーブル1卓、奥は4人掛テーブルが3卓。
奥へ案内され、着席。
照明が映えるやや暗めのフロアは落ち着いた雰囲気で、隣席との間隔は広くとってあり話し声は気になりません。
スタッフは気さくで気配りが行き届き、とても感じが良いです。
適度な距離感とユーモアがある接客は好感が持てました。

お飲み物はグラスワイン(白)と水(ガス入り)(950円)をお願い。
ワインはアルザスのAltenberg de Bergbieten2021(Domaine Roland Schmit)(2,600円)
リースリングを使ったすっきりした辛口。
好みに合い、最初に出される「甘海老」と相性好し。

Corse respiración(お任せコース)(26,000円税込み、サービス料10%)
細やかな手間をかけた料理は地元産食材を積極的に使い、産地や作り手など詳細な説明があり。
説明から食材を供給する生産者へのリスペクトが感じられ、料理を通してその想いを受け取りました。
品数は多いですが、料理はテンポ良く出されます。
1品目は創業時から作り続けるスペシャリテ。

Impact Shrimp 甘海老
独創的なガラスの器にのせた一見卵黄のような半球体。
構成は甘海老の味噌を練り込んだオレンジ色のシート/2年物の塩麹でマリネした甘海老/甘海老の卵と殻を練り込んだ薄焼きタルト。
一口でいただきます!
濃厚な甘海老の甘味と旨みが口の中で広がり、サクサクして芳ばしいタルトが食感に変化をつけて楽しい。

Mar ホッキ貝
海藻をあしらった貝の器に盛った、海をイメージした品。
バイマックル(こぶみかん)の泡の下に北寄貝(北海道産)・加賀太きゅうり・岩海苔・メカブ・シーアスパラガス。
テーブルで緑色のソース(北寄貝のひもで作ったレチェ・デ・ティグレ)をかけ、いただきます!
やや甘めな味付けにバイマックルの爽やかな酸味が合わさり、さっぱりした味わい。
薪焼き後にスモークした北寄貝はしこしこした歯応え、噛むごとに旨みを感じ、合わせた野菜が食感に変化をつけて楽しい。

Setas 舞茸
能登産の大きくて立派な舞茸を3つの料理で味わう趣向。
舞茸サブレ
乾燥した舞茸にさりげなく置いてあったのは「舞茸パウダーで作った球形の一口サブレ」。
てっぺんにオレンジのピールをあしらい、中に七面鳥のレバーペーストが隠れています。
サブレはサクサク、あっさりしてコクのある七面鳥のレバーペーストにオレンジが合いますね。

舞茸のコンソメゼリー 
グラスに薄切りにした紋平柿/自社農園ピーナッツのムース/舞茸のコンソメゼリー。
柿の橙色/ムースの薄茶色/コンソメの濃茶色の断面が美しい。
舞茸の旨みが凝縮したコンソメを紋平柿の上品な甘さと滑らかであっさりしたピーナッツムースが引き立てている感じ。

舞茸の薪焼き
自家製パンの切り端と麹で作った味噌に軽く漬けた舞茸を薪で焼いたもの。
添えられたのは七面鳥を舞茸パウダーとカカオを練り込んだ生地で包んだラビオリ。
テーブルで温かい鹿出汁のスープをかけ、皿の端にちょこっと添えた人参のピューレを付けながらいただきます!
薪で焼いた舞茸は芳ばしく、そのままでおいしい。
牛蒡が香る鹿出汁のスープに合うのは舞茸よりラビオリでした。

Calamar あおりいか/黄色トマト
黄色トマトとバターナッツかぼちゃを合わせたソースを絡めたイカソーメン風の「あおりいか」/能登塩をトッピングした白海老。
「あおりいか」は数日間寝かせ、厚くて身が柔らかい部分のみを使っているそうです。
黄色と白の美しい盛り付けを崩すのは惜しいですが、よく混ぜてからいただきます!
黄色トマトの酸味とバターナッツのこっくりした舌触りが、ねっとりした「あおりいか」と合わさり、さっぱりしつつもコクのあるおいしさ。
白海老が食感と塩気のアクセント。
『「いか」がおいしい!』と呟いた品。
(↑普段はイカを積極的には食べない私の感想。)

カンパーニュ
15種の雑穀パン富山ワインの絞り滓で作った酵母で発酵させたパンの2種。
先に15種の雑穀パンが出され、足りない時はもう1種が出されます。
添えられたのはサワークリームのようなどぶろくと山羊のミルクで作ったペースト
パンの表面はかりっと芳ばしく、生地はもっちり。
さっぱりして酸味のあるペーストがおいしく、残りのパンと共に持ち帰りたい気分でした。

Batata シルクスイート/紫蘇
五郎島産シルクスイート(さつま芋)のソテー。
パリパリに仕上げた紫蘇のチップ/シルクスイート/ほろほろに煮込んだ和牛/へた紫茄子(加賀野菜)の泡。
ほくほくしたさつま芋の甘さが牛の脂と合い、意外なおいしさ。

Pescado 目鯛
白く乳化したピルピルソース/じっくり火入れした目鯛/カリフラワー。
ここで八木氏が登場、卓上に用意した炭化した柚子(きよし農園製)をすりおろして香りづけ。
爽やかな柚子の香りがひろがりました。
ピルピルソースは魚にオリーブオイルを加え、長時間かけて熱を加えて旨味とゼラチン質を出したバスク地方のソース。
クリーミーで滑らかなのにさらりとした口当たり。
ほくっと焼きあがった目鯛に合い、酸味を感じる柚子の香りと底に敷いたカリフラワーのこりこりした食感がアクセント。

口直し。
獅子柚子
巨大でごつごつした柚子(縁起物だが、そのままでは食べられない)。
綿付きの皮を皮が柔らかくなるまで何度も茹でこぼし、果肉から搾った果汁で煮こんだもの。
(ライムとNOTOJINで味を調えたものが)半冷凍状態で出されました。
柚子の香りと酸味が爽やかで、綿の部分はシャーベットのような口当たり。
手間をかければ食べられない果実もおいしくなる・・・と感動。

Carne 鹿
薪で焼いた雄の蝦夷鹿のロース(背中の部分)。
端材(野菜・鹿出汁など)で作ったソースとビーツ(金時草・キハダの実)のペーストが添えられました。
赤身の肉は柔らかく、弾力があり。
皿の端に鎮座した焦げ茶色の球状のものは鹿のハツにスパイスを加えたミートボール(アルボンディガス)を小麦粉の皮で包んだもの。
スパイシーでハツが苦手な人でもおいしく感じると思います。

Paella 加納蟹
加納蟹のパエリア。
(パエリア鍋で披露されることはなく)取り分けた皿に甲羅を被せて登場!
蟹味噌をかけた身がたっぷり!
米が蟹の旨みをしっかり吸い、少量でも満足出来るしっかりした味付けです。

香箱蟹のカルドッソ
生の内子を使ったカルドッソ(スープで煮込んだおじや)。
こちらも米の量は少なめ、主役は内子です。
お米にのせた生の内子は鮮やかな朱色、とろとろで旨い。
初めての体験でした。

ここからはデザート。
その前にハーブティーについての説明。
この日使用するハーブを見せていただきました。

Cedro 能登杉
能登杉のオイルで作った緑のエキス/昆布茶のソース/キウイフルーツ/ブラウンシュガーのチュイル/サワークリーム/抹茶のブラマンジェ。
緑色と茶色のコントラストが森の中にいるよう。
甘酸っぱいキウイフルーツとほろ苦い抹茶が合わさり、口の中はすっきり!

Pera 洋梨
パリパリの飴/山羊のミルククランブル/手取川(山廃仕込み純米酒)でマリネしたレクチェ(洋梨)/(この時期だけの)山羊のミルクアイス/フェンネル。
飴を砕き、全てを混ぜてからいただきます!
あっさりしてコクのある山羊のミルクアイスやクランブルが瑞々しい洋梨を引き立て、飴の食感も楽しい。

ハーブティー
この日はレモングラス、パイナップルセージ、アップルミント、モヒートミント、ラベンダー、レモンマリーゴールドリーフ、マジョラム、ホーリーバジル、ランタナ。
ガラスポットに生け花のように差し込んでありました。
上記9種のハーブから抽出されたお茶は香りが良く、すっきりした後味。
消化も助けてくれそうです。

茶菓子
小さいけれど凝った造りの4種のお菓子。
金柑のクレマカタラーナ
金柑を盛り付けた器に隠れています。
半分に切った金柑にアイスクリームを詰め、表面をキャラメリゼしたもの。
これは見た通りの味、おいしいです。

クレソンのミニクレープ
クレソンを練り込んだ濃緑色のクレープでりんご・ブッラータチーズ・能登塩・クミンを挟んだ半円形の菓子。

かぼちゃ/ローズマリー/松ぼっくり
説明によると、キャラメル状に煮詰めた松ぼっくり酵素シロップ/かぼちゃの皮とローズマリーのサブレ/かぼちゃと少しの能登島の塩/かぼちゃの皮とローズマリーのサブレ。
かぼちゃとサブレはイメージ通りだったけれど、松ぼっくり酵素シロップ効果はわからず。

黒糖と加賀棒茶のチュイル/黒胡麻とハイカカオのソース
ハイカカオと加賀棒茶(丸八製茶場)のほろ苦さが黒糖の甘さを抑え、お茶にぴったり!

滞在時間は約2時間45分。
量は適量~やや多め。
以前に比較するとコースの価格は上がっていますが、(パンや口直しなどを含めると)20品もあり、それぞれに細やかな手間をかけた料理は大満足。
居心地良い時間を過ごしました。

退店時はスタッフ全員が挨拶に出て、八木氏からお土産を手渡され、梅氏は店の外で姿が見えなくなるまで見送りしてくれました。
活気のある店の雰囲気も好印象です。

料理を通じて石川県の食の豊かさを改めて感じ、記憶に残った食材と料理は舞茸・あおりいか・加納蟹・ハーブティー。
繊細で緻密な料理は驚きの連続、金沢へ行ったら寄りたい店となりました。

~~~~~~~~~~
お土産
素敵な箱に入った、スペインの伝統菓子ポルボロン
「ポルボロン」と口の中で崩れる前に3回唱えると願い事がかなうらしい。
口溶けは良く・・・願い事を考え付く前にほろほろと崩れていきました。


  • 外観

  • 外観

  • 外観

  • 外観(入口)

  • 藏をリノベーションしたウエイティングルーム

  • お茶(棒茶?)

  • テーブルセッティング:メニュー

  • メニュー

  • グラスワイン(白)

  • グラスワイン(白)、水(ガス入り)

  • Impact Shrimp 甘海老

  • Impact Shrimp 甘海老

  • Impact Shrimp 甘海老

  • Mar ホッキ貝

  • Mar ホッキ貝

  • Mar ホッキ貝:レチェ・デ・ティグレをかけて

  • Setas 舞茸:①舞茸サブレ

  • Setas 舞茸:①舞茸サブレ

  • Setas 舞茸:②舞茸のコンソメゼリー

  • Setas 舞茸:②舞茸のコンソメゼリー

  • Setas 舞茸:②舞茸のコンソメゼリー

  • Setas 舞茸:②舞茸のコンソメゼリー

  • Setas 舞茸:大きくて立派な舞茸

  • Setas 舞茸:③舞茸の薪焼き、ラビオリ

  • Setas 舞茸:③舞茸の薪焼き、ラビオリ

  • Setas 舞茸:③舞茸の薪焼き、ラビオリ、鹿のスープを注いで

  • Setas 舞茸:③舞茸の薪焼き(人参のピューレ)

  • Calamar あおりいか/黄色トマト

  • Calamar あおりいか/黄色トマト

  • Calamar あおりいか/黄色トマト

  • Calamar あおりいか/黄色トマト:崩して混ぜたところ

  • カンパーニュ(15種の雑穀パン、富山ワインの絞り滓のパン)

  • カンパーニュ(15種の雑穀パン)、ドブロクとヤギのミルクのペースト

  • Batata シルクスイート/紫蘇

  • Batata シルクスイート/紫蘇

  • Batata シルクスイート/紫蘇

  • Batata シルクスイート/紫蘇

  • 炭化した柚子

  • Pescado 目鯛

  • 炭化した柚子

  • Pescado 目鯛:炭化した柚子の皮をすりおろして

  • Pescado 目鯛:炭化した柚子の皮をすりおろして

  • Pescado 目鯛:炭化した柚子の皮をすりおろして

  • 獅子柚子

  • 獅子柚子

  • Carne 鹿

  • Carne 鹿

  • Carne 鹿

  • Carne 鹿

  • ハーブティー

  • Paella 加納蟹

  • Paella 加納蟹

  • Paella 加納蟹

  • Paella 加納蟹

  • 香箱蟹のカルドッソ

  • 香箱蟹のカルドッソ

  • 香箱蟹のカルドッソ

  • Cedro 能登杉

  • Cedro 能登杉

  • Cedro 能登杉

  • Pera 洋梨

  • Pera 洋梨

  • Pera 洋梨

  • ハーブティー、茶菓子

  • ハーブティー、茶菓子

  • ハーブティー

  • 茶菓子(金柑のクレマカタラーナ、クレソンのミニクレープ、かぼちゃ/ローズマリー/松ぼっくり、黒糖と加賀棒茶のチュイル/黒胡麻とハイカカオのソース)

  • 茶菓子:金柑のクレマカタラーナ

  • 茶菓子:クレソンのミニクレープ

  • 茶菓子:かぼちゃ/ローズマリー/松ぼっくり

  • 茶菓子:黒糖と加賀棒茶のチュイル/黒胡麻とハイカカオのソース

  • 店内:テーブル

  • 店内(裏は土蔵)

  • お土産:ポルボロン

  • お土産:ポルボロン

  • 外観(昼)

2024/12/30 更新

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