sillybublyさんが投稿した祇園 呂色(京都/祇園四条)の口コミ詳細

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掲載保留祇園 呂色祇園四条、京都河原町、三条京阪/フレンチ

1

  • 夜の点数:4.7

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP -
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2018/03 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

祇園呂色・一流シェフが繰り出すとっておき京都フレンチ決定版

【祇園四条】祇園呂色(ぎおんろいろ)

「呂色(ろいろ)」……聞きなれない言葉。
漆黒の、濡れたような黒を表す色だそうで、「何色にも染まらない」というポリシーを店名に託したフレンチ、祇園呂色。

その呂色のカウンターがとてもシンボリックな店内です。
極力インテリアを廃したという内装はかえって斬新で、カウンター奥の季節の花のしつらえが映えます。
今ははレンギョウと桜でとってもゴージャス。

さて、お店は完全予約制のコースのみ。
コース25000円でだいたい10皿前後。これにソムリエ佐橋氏にワインのペアリングが10000円。
私はお酒が弱いので、控えめにちょっとずつ頂きました。

ウェルカム的にまず登場したのは、なんとドン・ペリニヨン!
恥ずかしなら初めて頂きました。お、美味しい…!!これがドンペリ…。

そして小霜シェフ自ら、メイン食材を持ってのご登場。
実際に食材を目にしながらインスピレーションで選べるのが良いですね。
松坂牛、子羊、鴨、ハトから選べました。

(以下お料理の名前は不明です。小霜シェフが口頭でお伝えくださったものをメモしたものなので、悪しからず!)

アミューズ。スプーンディッシュです。
左から、
・しらすのピューレとレモンのジャム、キャビア添え
・トリュフのエキスを注入したうずら
・フォアグラとバナナのプリン
この三本のスプーンで小さなコースを表現したという小粋さ。しかも世界三大美味が一堂に!
しらすはピューレになる事で、まるで里芋の様なまったりした舌触りに。そこにキャビアの濃厚さと程よい塩加減が絶妙。レモンがさりげなく香ります。
トリュフのエキスをチューっと注入した?!という燻製うずら卵はまるでピータンの様なクセ!このクセがたまらない、とこの歳にしてようやく解ってきました(^^;
フォアグラとバナナをプリンにしちゃった珍しい一品は、ダブルの濃厚さが不思議と馴染んでしっくり。

・タイラギ貝を炭火で焼いたものに白味噌と木の芽のソースそら豆をあしらって
見た目からも春を感じます。日輪の様な輪郭を描いているのは菊の花をパウダーにしたものですって!
見てお判りの様に、フレンチの型にハマらない、和食の良さも柔軟に取り入れた小霜シェフのお料理たち。

次に出てきたワインはグルジアのオレンジワイン。
グルジア…どこや?なんて調べながらお話を伺います。
なんとこれ白ワインなんですって。地中に甕を埋めて造るワインだそうで、オレンジ色した見た目も珍しいですが、その香りも超個性的。まるでラバーの様な香りがするんです。

このワインがマッチするお料理は、
・淡路産サバにすだちの香り 香川のみる貝ワカメの茎 だし醤油とホースラディッシュのソース
シメサバの様な脂の乗ったサバに、みょうがなどの香りを添えて、さらにすだちでスッキリと。
出汁醤油にホースラディッシュを加えるという、これまた洋の東西を問わないフレキシブルな発想が、新しい味を拓いています。
このサバのほのかな青みを先ほどのオレンジワインが不思議な化学反応で昇華してくれるのです。
このワインをチョイスされたセンスと知識に脱帽。

・和牛タンの煮込み
一頭の牛から400gしかとれないという、タンのさらに根っこの部分を6時間煮込んだという、小霜シェフ渾身の逸品。
お箸で簡単に切れるタンはほろっほろトロトロ!
さらに生食用えのき。これが不思議とよく合う。ナッツにもオレンジの香りが付けてあって、お肉にさらに軽やかな香りと香ばしさがプラス。

これに合うのはイタリアのミラノのワイン。
渋みが穏やかで飲みやすい赤。

・大葉を絡めて揚げたフグの白子のフリッター百合根とわさびのペースト赤レモンのオイル
これ!絶品でした。
ホワッと揚げられた白子は中がアツアツでとろ〜り!
のったりとした白子にさらにトロリとした百合根のペーストを合わせて、そこに赤レモンの芳香がホワッと。
こちらにペアリングするのはなんと日本酒栃木の純米酒仙禽。
キリッとした飲み口がびっくりするほどの爽やかさで、さーっ!と口の中を洗ってくれます。

次に登場したのは、なんだか秘密めいた黒いグラス。
注がれるのはイタリアの陰干しした葡萄から作ったというとっても甘いワイン!

これと合わせて頂くのは…
・フランス産フォアグラピスタチオのペースト
じっくりじっくり弱火でローストしたフォアグラにピスタチオの香ばしく香りある濃厚ソース。そこにカカオニブとキャラメルソースというデザートの様な一皿。フォアグラには甘みが合うとは知っていましたが、まさかキャラメルソースがフォアグラの旨味にマッチングしちゃうなんて驚き。
さらに先ほどの甘いデザートワインにもピッタリで、悪魔的美味しさ!

・のどぐろもち米を粉砕したものを貼り付けて
薫る魚、のどぐろの身はホワッとほぐれて。
のど黒の出汁、牛のコンソメ、貝の出汁という三種の出汁を合わせた澄んだ極上のスープはちゃんと素材同士の存在感が活きていて、最高に美味。
ゆずとせり、福岡の筍が添えられています。春らしい香り。

ギリシャの20年もののビンテージ赤ワインを合わせて。
時間が経つと濃くなると思われがちな赤ワインですが、実は色が褪せて行くんですって!まるでロゼみたいな淡い色。
エレガントかつ凝縮された美味しさで、お魚に合います。

「フランス料理は提供するまでに時間がかかりがちなのを、熱々で提供したい。」という小霜シェフの信念のもと、運ばれてきたのは最初に選んだお肉料理の具材。さらにカウンターで仕上げるんだそう。

私が選んだのは、ハト。
・モリユダケと白アスパラのクリームソース フランス,ロワール産の白アスパラ レバーソース、バジルソースゴマとナッツの香辛料と共に
ソースで絵を描いた様な盛り付け。
じっくりとローストされたハトは柔らかく、ジューシー!レバーソースと相まって、ほんのりジビエ感。
ハトってちょっとパサついている印象だったのですが、全く違いました!
松坂牛も一口頂きましたが、脂がのって実に美味。
サンテミリオンフランスのボルドー産、当たり年2005年のワインを合わせます。

最後まで驚かさせるこちらはなんと、たこ飯!フレンチでたこ飯とな!
・イイダコのタコ飯北海道のウニ桜えびのかき揚げ
海苔がお花の形にパンチングされてますよ。
イイダコの香りがしっかりとご飯に馴染んで、さらに雲丹がねっとりと絡んで絶品です。
サクッと揚がった桜えびの香ばしさもアクセント。
さらに赤出汁!ホント、和食ですよね。
でもやはりただの赤出汁ではなく、カツオと昆布の他にお野菜でとったブイヨンを合わせてあるらしく、味にとっても深みがあり、ほっこりするお味噌汁です。

グラスに入ったラブリーなデザートは、
・ライムのゼリーベリーとばらのアイスクリームベリーのメレンゲという構成。
上品なばらの香りのするアイスは、ベリーの甘酸っぱさをより引き立ててくれます。
中には奈良県産の白苺も入って。
美味しい♡たっぷり頂きたい♡

最後に出てきたのはなんとプーアル茶。
不思議なドーム型の有田焼の器に入っているのは、黒豆ときなこのクリームの最中。中に柑橘のジャムが忍ばせてあります。
昆布にチョコがかかったものなど、京都らしい小菓子にアレンジが加わったものでフィニッシュ。

バラエティーと柔軟性に富んだ、フレンチという概念を遥かに超越したお料理の数々を、珍しいワインたちでゆっくりと楽しむ、極上コースを堪能させて頂きました。

春らしい旬の食材をふんだんに織り交ぜ、更に柑橘など「香り」を随所に盛り込んだ五感で感じるお料理と、それに負けない個性豊かなワインたち。
小霜シェフ、佐橋ソムリエもとっても気さくで、私の様なフレンチ無知な客(しかも全然飲めない)にも丁寧に説明して下さって、おかげで終始リラックスして楽しむことが出来ました。

なかなか気軽には来れないお店なのですが、特別な日のとっておきに絶対思い出すお店でしょう。

ご馳走様でした。

2018/03/13 更新

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