超力招来さんが投稿した祇園にしむら(京都/東山)の口コミ詳細

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超力招来 (男性・神奈川県) 認証済

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祇園にしむら祇園四条、京都河原町、三条京阪/日本料理

1

  • 夜の点数:4.8

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.8
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.3
1回目

2016/10 訪問

  • 夜の点数:4.8

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.3
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

正統的なもの、遊び心を効かせたものを織り交ぜて

【28.11.3追記】
秋の味覚を愉しみにいつものにしむらへ。
いつも通りの皆さんの顔が異空間の祇園の中でホッと一安心させてくれる。
今回も色々と美味しいもんを食べさせて戴いたが、特筆すべきはやはり和食の華"椀"であろう。

今月のにしむらの椀は蕪蒸
普通の店だと蕪蒸しはコースも終盤の煮物・蒸物で登場するが、ここにしむらでは椀の世界でもこの蕪蒸しが登場することがある。前回は12月の背子蟹たっぷりの蕪蒸しがあまりにも秀逸で瞠目したことも記憶に新しい。
吸い地と椀種との駆け引きからの足し引き算も完璧で薄過ぎる某三つ星店の様な物足りなさは微塵も感じさせない超絶的な調和だ。
吸い地の出汁加減が絶妙で、当方には東のまき村と並んで西はにしむらの椀の吸い地が堪らなく好きだし味覚にも超絶的に適合する。小吸物的な松茸と鱧の土瓶蒸しも留椀の赤出汁も旨味・塩分濃度が心地良い絶妙な調味で悦に入る。ええ出汁を味わうと確実に緊張感が解け副交換神経が前面に出て来るねぇ。酸いも甘いも噛み分けてきた料理人としての歴史を味あわせてもらっているといおうか。大将は自分の10年前の料理など恥ずかしくて食べれない、不味いもんと外連味無く仰られる。当時も味わっているがそんなことは無く十分美味かったし、その味に惚れて京都へ来た時には通わせてもらっているのだが、創業してからの10年と10年から現在では料理に対する姿勢や熱の入れ様が違うという。当方は後半部からのお付き合いなので大将の料理の過程を少なからず観させて戴いているが、毎回蓋を開ける瞬間が堪らなく待ち遠しい西村さんの椀物の世界観。今後も楽しみだ。

もうひとつ、今回は器の話も少し。
色々な器がある中でもよく乾山写しという物を見聞きする。乾山写しとは、江戸元禄期の陶工、尾形乾山の器の「写し」のことで、数多の名人•名工達がこの乾山を写して勉強され、技術を磨いて来た。
こちらの乾山写しは九世白井半七による『竜田川』。これにはヴァリエーションがあり、10枚1組で入手されたとのことで当方も西村大将のコレクションの中でも一二を争う程好きな器だ。価値のわかる御仁であればこれ以上の説明は不要の垂涎の逸品である。しかもこいつは秋から初冬までの限定使用なので御目にかかれるのは今だけというレアアイテムで独特のデフォルメで紅葉と川だけで見事に秋を体現させている見事さに毎回感服する。また、大将の気まぐれもあるのでこの器を使うかは行ってみなければわからない。
この紅葉様の竜田川の皿に適当な様で適切に配置されている八寸は素材達が一層美味しく観える。皿だけでは成し得ない、料理を盛り込む事により季節の移ろいが奥深く具現化され、更には盛り込まれた料理の見栄えも良く、愛でて良し食べて良しの世界が完成するのである。
紅葉の皿に銀杏の葉と実、落ち松葉と暮れゆく秋、色付く柚子と迎える冬を愉しむのである。この至高の一体感は和食ならではだ。

◉胡麻豆腐

◉椀 [鳳凰と竜の富貴椀]
(蕪蒸(木耳 車海老 百合根 山葵)、ぐじ、雲子、粟麩 )吸い口は黄柚子

◉造り [六代目清水六兵衛の器]
真鯛と鮪

◉鯖寿司

◉八寸 [乾山写しは竜田川]
零余子(むかご)の白和え、柚子釜(牡蠣、帆立、長葱、椎茸)八丁味噌のタレ、唐墨(尾鷲)、イチョウ型薩摩芋のチップス、慈姑の揚物、銀杏素揚、松葉の蕎麦揚げ(海苔)

◉鰆の幽庵焼き 和歌山産松茸 [永樂妙全の南蛮写し]

◉炊合代りの鱧、舞茸、松茸の小吸物(土瓶蒸し)
[織部の土瓶]

◉???

◉京都牛の牛丼

◉自家製???

◉柿の栗ソース

◎早瀬浦
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【27.12.11追記】
年末の疲れを京都で癒されに来た。
仕事を終えて速攻で新幹線に乗車し、こちらに向かうのはもう定例化している。本日はどんな椀か、定番で来るか新作で来るか等々楽しみで仕方が無い。以下今回戴いた献立。

◉胡麻豆腐
◉椀物(蕪蒸し。聖護院蕪と赤蕪を混ぜて、背子蟹、若狭グジ、銀杏、木耳、生麩)
◉刺身(真鯛と鮪、鰤)真鯛は松皮造り、鮪は大間産200kg、鰤は富山県産
◉鯖寿司(八坂の雪)
◉八寸(柚子釜(炙った椎茸と下仁田葱、牡蠣、帆立、合せ味噌ダレ)、海鼠酢、鮟肝大根おろしと九条葱添え、海老芋、慈姑餅、尾鷲産唐墨)
◉天婦羅(白子、蓮根、薩摩芋)
◉焚物(真鯛のカマ、聖護院大根、振り柚子)
◉御飯、鰤西京焼き、香の物(昆布と白菜)、白味噌汁
◉ラ・フランス、苺(あまおう)の白ワインジュレ掛け
◎日本酒1(神蔵(京都))

この日一番感銘を受けたものは椀。
椀種は何と蕪蒸し!コース後半のメインに近い品をいきなり椀の世界で供するという大胆さに先ず驚く。そして種の上には蟹味噌が鎮座したシンプルだが大胆な佇まい。うーん、只者では無いなお主!吸い地はいつもよりやや出汁を効かせた形。しかしホッとさせてくれる味わい。蕪蒸しの銀餡の役割も担わせるための配合とお見受けする。椀種を食べて更に驚くことに背子蟹が待ち受けたいた。蟹脚、内子が内蔵されている。外子は食感とエグ味が出るため外されているのかな。若狭グジが脇役となる程の旨味と存在感である。何故背子蟹を椀種と聞いたところ、普通に皿に乗った剝き身の背子蟹は何処でも食べれるからうちでやっても面白くないでしょと実に単純明快。実に面白い。他に銀杏、木耳。最下層にそっと生麩を忍ばせてあるのも泣かせる。超力の好きな物のオンパレードではないか。蕪については聖護院蕪の他、先日より赤蕪も少し配合しているとのこと。そして変に生姜を効かせていなかったのがまた良い。山葵も不要。これだけの素晴らしい椀種に意外にアクの強い生姜を合せると今回の椀の世界観が打ち壊される危険性があったと思う。生姜や山葵を使わずとも素材のポテンシャルを引き出す技量がなければこんな提供の仕方は絶対出来ない。そこが一番感銘を受けた点である。

他には鰤が最高に美味!刺身ではカマ下の腹身の上部を。さらりとした脂から射出される旨味と身のしっとりとした肌触り。大間の鮪が霞む程の美味さ。真鯛も絶好調だが単純な旨味だけを言えば鰤には及ばないであろう。また、聖護院大根と真鯛の焚き合せが秀逸!真鯛カマ下はサラッと甘く煮てある。普通であれば潮煮等塩だけのところが多いが、見た目とは真逆とも言える味付けが施されていているのだ。ちょっとした兜煮のカマ下の部分の様な美味さ!その旨味が煮汁に溶け込んでおり、大根が得も言われぬ味わい。

最後の御飯ものでもサプライズが。焼き物でも堂々と登場できるクラスの鰤の西京焼きがおかずで登場したのだ。これまた3つ目の驚き!西京地もクド過ぎず鰤の旨味を十二分に引き出されている。そっと夫に寄り添う献身的な妻の様相。しかしご飯が進む進む。付け合わせも最高で何杯でも白飯が戴けるのだ。これは最強の西京めしである。
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ここも初訪問から10年は経つだろうか。1回目の訪問はそれ程良い印象は無かった。ご主人西村元秀さんの本質を見抜けず、表面的なところで評価していた気がする。周りが騒がしい客層で、大将も話好きな方でノリも良いのであまり料理に集中出来なかったのだ。それでも椀、刺身、煮物に光る物が有り、しばらく間を空けて再訪してみた。

2回目以降バカ騒がしい輩も居なかったため、じっくりと大将の繰り出す料理を味わえた。メニューは10,000~20,000円でメニューの基軸はどのコースも一緒であり、値段が上がる程一品内に高級素材が散りばめられていく。例えば八寸に唐墨が有無、焚物で鮑が有無等々。私は毎回15,000円のお任せでお願いしている。お任せの内容は、
胡麻豆腐、椀、刺身、鯖寿司、八寸、焼物または揚物、煮物または焚物、御飯物、味噌汁、香の物、デザートとなっている。

椀の出汁のキレが素晴らしい。鰹や昆布の効かせ具合、塩分、具材との調和から渾然一体となった味わいが鼻腔から口腔へと爽やかながら力のある深い味わいである。この椀だけでこの店に来たくなる。これぞ正統派の味といえよう。
刺身にはその時期で一番美味い真鯛ともう一、二品。大将に聞くと産地は指定せず、その日の市場で一番良い物を引いているとのこと。それでも瀬戸内のものは最上であると。この時期の鯛はそれ程美味いとは思わないが、冬にここで頂いた真鯛は比類無き美味さであった。本日は昆布締めの鯛と、熟成させた他は何もしていない身の食べ比べ。時には熟成具合や日数の違いを味あわせてくれたり、遊び心満載のお茶目な所が好感持てる。
煮物や焚物の煮方や出汁の効かせ方は自分の好みに非常に合っており、其々の旨味の頂点を見極めた調和の取れた一品となって客の前に提供される。この日は冬瓜がメインで周りを飾るのは恐ろしく柔らかい低温調理された鮑、紋甲烏賊、帆立生海胆を一つにまとめ上げる生姜がほんのりと効いた出汁餡。特に鮑の仕事は今まで色々な鮨屋、和食、中華と食べ歩いているが、これ程生の薫りを纏って柔らかく仕上げた物は食したことがない。これは大将があることをヒントに開発した調理で、遊び心満載なのだ。ここでは明かせないので知りたい方は是非お店に行って恐ろしい鮑を食べてから大将に聞いてみるのも愉しい。概要は教えてくれる。

八寸も酒呑みには堪らない品々が散りばめられており、どれも手の込んだもの。唐墨はここで仕込まれたものではないが、ハラの大きいぷっくらした物を一年分調達している。ここより美味い唐墨は食べたことが無い。山掛け御飯とローストビーフを組み合わせる弾力性の富んだ発想が面白い。普段考えもつかないことを掛け合わせ、一つの味を完成させていく錆びない発想力が毎回訪問して何かしらの料理に反映されているのだ。もちろんそれは味わいにも直結している。

鯖寿司もかなり名を馳せているが、開店当初はかなり苦労をされている。素材がピンの物でなくてはにしむらの鯖寿司は完成しない。極上の鯖を程よく締め上げ、仕上げに冬なら大藤の千枚漬、春~秋は白板昆布を乗せて供する。鯖特有の生臭味は感じられず、仄かな締め加減が鯖の脂の旨味を引き出して肉厚の身と酢飯の味が合わさる事により単体での旨味を倍加させている。これと日本酒がまた合うのだ。今の時期のあっさり目の鯖寿司(東山)が好みの人もいれば、私のように濃厚な脂と身が厚くなる冬の鯖寿司(八坂の雪)が好きな人もいる。好みの時期にテイクアウトを依頼して食べ比べしてみるのもまた愉しい。

  • 八寸は乾山写し『竜田川』

  • 胡麻豆腐

  • 日本酒は早瀬浦の冷

  • 箸置

  • 鳳凰と竜の富貴椀 椀蓋は『鳳凰』

  • 椀は『竜』

  • 蕪蒸の椀

  • 鳳凰の『富』と竜の『貴』

  • 向付は六代目清水六兵衛の器

  • 真鯛 鮪トロ

  • 八坂の雪(鯖寿司) 薑(はじかみ)

  • 大藤の蕪千枚漬の乗ったバージョン

  • 零余子(むかご)の白和え、柚子釜(牡蠣、帆立、長葱、椎茸)八丁味噌のタレ、唐墨(尾鷲)、イチョウ型薩摩芋のチップス、慈姑の揚物、銀杏素揚、松葉の蕎麦揚げ(海苔)

  • 鰆の幽庵焼 焼松茸

  • 永樂妙全 南蛮写し

  • 小吸物(土瓶蒸し)

  • 織部の土瓶には松茸、舞茸、鱧

  • しっかり大ぶり

  • ???w

  • 京都牛の牛丼 留椀 香の物

  • ??? 最高!!

  • 柿の栗ソース

  • 店構え

  • 胡麻豆腐 本日は紅葉柄の器で(乾山写し)

  • 神蔵(京都)

  • 背子蟹と若狭グジの蕪蒸し椀

  • 真鯛、大間産鮪、富山産鰤

  • 八坂の雪

  • 八寸(柚子釜(炙った椎茸と下仁田葱、牡蠣、帆立、合せ味噌ダレ)、海鼠酢、鮟肝大根おろしと九条葱添え、海老芋焚き揚げ、慈姑餅、唐墨)

  • 乾山写し『竜田川』

  • 皿は魯山人写し

  • 真鱈白子、蓮根、薩摩芋の天麩羅

  • 器は五交趾の蓋物。五色の釉薬(白、黄、青、紫、緑)で掛け分けた交趾焼きとなっているのだとか。

  • 焚物(真鯛のカマ下、聖護院大根、振り柚子)

  • 最強の西京定食!

  • 鰤の西京焼き 甘酢大根

  • ラ・フランス、苺(あまおう)の白ワインジュレ掛け

  • 胡麻豆腐

  • 鱧と蓴菜の椀

  • 真鯛と鮪

  • 鯖寿司

  • 八寸(蛸酢もずく、うすいえんどう豆、アスパラと蓮根酢の白和え、すぐき煮浸し、鱸焼物、尾鷲産唐墨)

  • 稚鮎、茗荷、玉蜀黍、万願寺の天婦羅

  • 生山椒塩で頂く(今期開発)

  • 焚物(低温調理した鮑、紋甲烏賊、帆立、生海胆、冬瓜、)

  • 鮑の肝ペースト。これは酒呑み泣かせやw

  • 山掛け御飯のローストビーフ乗せ。赤出汁。香の物。

  • ピオーネ、デラウェア、マンゴーソースと生クリーム地

2016/11/07 更新

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