超力招来さんが投稿したアウテンティコ(東京/蒲田)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

超力招来のレストランガイド

メッセージを送る

超力招来 (男性・神奈川県) 認証済

この口コミは、超力招来さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

アウテンティコ蒲田、京急蒲田、蓮沼/イタリアン、パスタ、肉料理

2

  • 夜の点数:4.5

    • ¥8,000~¥9,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.5
  • 昼の点数:4.1

    • ¥1,000~¥1,999 / 1人
      • 料理・味 4.1
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
2回目

2018/10 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥8,000~¥9,999
    / 1人

相変わらずの斬れと暖かみのある味に安堵

昨日の今日だが早速夜に訪問させてもらった。
日も近いし11月に入ってからでもいいやと思っていたのだが、オープンメニューにはお店の、料理人の強い思いが込められていると思われ、これを戴かないことには虻川シェフを応援しているなどとはとても言えないという思いから、仕事帰りにフラっと寄ってみた。
正直なところ、居ても立っても居られないというのが一番的を射た思いか。

改めて体制を紹介する。
虻川シェフと奥様とが厨房に、サービス兼ソムリエ(マネージャー)の宮本さんの3人体制で客をもてなす。

先ずは結論から話すと、総じて一品一品に込めた思いが素晴らしく、それが嫌味ったらしくなくスーッと自然に入ってくる。
その思いは、お味にも素直に反映されており、過度な素材のこねくり回し、強い味付け等無く、最後まで安心して楽しく美味しく戴けた。
全ての料理はシェフが丁寧に一から作り上げた手作りの味。
例えば、手打ちパスタなどは生地は事前に作っておくが、料理によっては直前にパスタマシンに掛けてのして生地を成形したりする。
以前アラカルトでやっていた際にも直前に手打ちパスタを作られていたこともあったが、注文の品によっては事前に作り上げておかないと遅くなる。
しかしコースであれば、提供される順をおさえて直前に仕上げを行え、小麦の風味豊かな手打ちパスタが完成する。

豪華絢爛煌びやかな料理とは違うが、メインに据えた物を素材単体のままでは出し得なかった美味しさ、すなわち本質的な美味しさをしっかりと引き出され、調和の取れた絶妙な料理だ。

さて、ワインはどうしようかなと軽くドリンクメニューに目を通す。
大体の店では最近ワインのペアリングサービスを提供されているのだが、基本一杯売りであったり可能であっても半分の量での提供となる。
当方は酒に弱く、とてもペアリングなど最後まで到達出来ない下戸に近いアルコール摂取量なので、普通に赤か白のグラスワインを一杯半程度からせいぜい2杯を戴くに留めている。

しかし宮本さんから6つの皿に合わせて少しづつのペアリングも可能ですと仰って頂けた。
酒に弱いので躊躇したが、トータルで一杯半前後で調整しますがいかがですかと嬉しい提案もあり、即乗り。


◉ケシ餅
シェフの出生地である堺の銘菓であるケシ餅を虻川シェフが再構築。
フォアグラを仕込んだもの。
ケシ餅はほんのりと甘く、ケシの郷愁さそう味わいにフォアグラの風味が絶妙にマッチ。

◎シャンパーニュ
キュっと丁度良い冷え具合にキリっとした酸味と辛味。
炭酸もやや利いたもの。
ケシ餅のフォアグラに合わせたチョイスでフォアグラの軽やかだが濃厚な旨味をスパっと切り、余韻もスッキリとしたもの。

◉銚子産鰹カルパッチョ 赤パプリカとトマトのペースト ディル
胡麻を軽く燻製にした物を挟み込み、鰹には軽くオイルを馴染ませカルパッチョにしたもの。
この鰹は赤身の旨味が良くて、前半ややスロースタートだが燻煙した胡麻がほんの軽く塗られていてコク出しのアクセントに寄り添う。
後半から伸び上がって来た旨味の余韻が心地良い。
ロゼでスパッと断ち切り、また改めて美味しい鰹を戴くよである。

◎ロゼ

◉秋刀魚の大黒しめじ挟み焼き。
炭火焼でじっくり火を通し、下は肝のソースとマンゴーの粉末をあしらう。
大黒しめじは秋刀魚で巻き込む前に軽くオイルでソテーしてある。
上には赤からし菜 普通のからし菜
マンゴーの粉末は熟していない青パパイヤを乾燥させて粉末としている。
シェフがインドのスパイス屋さんから仕入れたとのこと。
全てが超絶的にマッチ。
この苦味のある肝がアクセントで無いと物足りないとまではいわないが、更に完成度が増している。

肝を伸ばす際に少量の浅蜊のブロードを加えており、仕上げに卵とオイルとビネガーで作ったマヨネーズ手前位の物を合わせているとのこと。

デューカリサラニャーノの白
バランス感覚がズバ抜けている。
甘さ、辛さ、軽やかな苦さ。

◉名残鱧と松茸のトルテッリ

戴いた瞬間こう思った。

「イタリア版土瓶蒸しだ!」と。

松茸や鱧の産地は何処?とか聞くのが馬鹿馬鹿しくなる程の素材力の引き出し方だ。

ラビオリの一種、トルテッリを一口で戴くと、鱧と松茸の風味が一気に口一杯に広がり、旨味がジュワッと溢れ出てくる。
ソースには鱧から取ったブロードに浅蜊のブロードを少しだけ添加した魚介のブロード(brodo di pesce)に、バターで風味付けをした後仕上げのアクセントに柑橘を絞って完成。
この一絞りが凄くよく利いていて、豊かな味わいに涼風が軽やかに吹く。

これこそイタリア版土瓶蒸しが如し味わい!
土瓶蒸しは陶器の中に出汁と素材を合わせ入れ、ガスまたは炭火で熱して土瓶の中で蒸し、蓋を開けた瞬間に香気な香りが鼻腔を通っていく。
虻川シェフは土瓶蒸しが秋の味覚のなかでも特に大好きな物とのことで、これを自分のイタリアンに活かす事をイメージされた様。
トルテッリで鱧と松茸を包み込むのだが、ただ普通に素材を包み込んでいた訳では無い。
お話を伺うと、シェフのインスピレーションで少しだけ炭火の香りを中に移したいとの事で、骨切りした鱧は半分は生、半分は炭火で軽く炙って薫香を付けたものを其々1つの包みの中に合わせてみたとのこと。
これが口の中で美味しいジュースが出てくる中にもやや練れた旨味も合わせてやって来たのはこういうカラクリであったのかと得心した。
そして行き過ぎない炭火焼の薫香がほんのり感じない程の演出が憎い(笑)
鱧と松茸を最高に美味しく食べさせる料理としては、土瓶蒸しに勝るとも劣らない虻川シェフならではの一皿だ。

鱧松は和食だけの世界の物では無い!

◎サルタレリ
トスカーナとほぼ同位置
皿がやや強めなので一歩引いて口直し的な一杯。

◉和牛スネ肉のラガーネ 黒トリュフ掛け

ラガーネは卵抜きのパッパルデッレのやや幅広版。
和牛の脛肉は赤ワインで柔らかく煮込まれ、旨味もましている。

牛の風味の強いスネ肉と芳醇な土の香りの根菜であるゴボウと黒トリュフが手打ちパスタの美味しさを無限に広げてくれる。
トリュフもキチンと風味も有り香りのする物で、頑張っているなぁと思わせてくれる。
溶けたパルミジャーノがパスタの旨味を増していく。
昨日戴いた牛挽肉とゴボウのスパゲティも美味しかったが、更にギアを上げて来ており、パスタは手打ち、牛は和牛脛肉へと役者も変わっており、一段と深いコクと絡まるソースとパスタとのマッチングが最高!

◎ キャンティ ルフィナ
スネ肉のコクを凝縮感のあるルフィナを合わせて幅の広がりを愉しみ、余韻に浸る。


◉山形産金華豚の炭火焼 焼きキャベツのペースト
ペコロスのピクルス
インカの目覚め

◎プロッツァ ロンバルディア ネピヨーロ
熟成の香りを楽しむためにチョイスしたと。


◉ローズマリーのパン
ウン・パッソでも定番であったが更に上を行く旨さ。中の生地がもっちりふわふわで、ローズマリーの焼けた香ばしさが堪らない。

◉デザート
黒無花果 ビーツ
ビオレ・ソリエスは佐賀産とのこと。
キャラメリーゼした黒無花果
フロマージュブランとビーツのピューレ
ココナッツパウダーとミント
粒を砕いた黒胡椒がアクセント

プティフール
蒲田谷口商店の甘納豆に、バローナのチョコとカカオパウダーを合わせて

この内容でコペルト(500円)を含めて1万円でお釣りが来る有難い価格設定。
これはしばらくは昼夜ともに通って今後の展開を観ていきたい。

  • トップフォト 名残鱧と松茸のトルテッリ

  • ごちそうさまでした!

2018/11/27 更新

1回目

2018/10 訪問

  • 昼の点数:4.1

    • [ 料理・味4.1
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

新規店舗だけど、おかえりなさい!

当方としては待ちに待った虻川シェフの独立店。
しかも蒲田で、それも元職場であった同じ場所で新たな一歩を踏み出される。

autentico (アウテンティコ)

この店名からもシェフの思い、意気込みがビシビシと伝わってくる。
オーナーシェフとして蒲田に帰って来られた虻川シェフは2年半振りにあったが、少々スリムに成られた様だ。

知っている人も多いとは思うが、こちらの先の店舗は春先に閉店したウン・パッソで、そこで虻川シェフも5年程料理の腕を振るっていた。
色々とあって独立して個人店をやって行きたいという希望からウン・パッソを退社され、店舗探しの末、こちらの元オーナーから買い取らないかというお話が振られて来たそうだ。
結果一念発起、蒲田でまた新たなスタートを切ることになった。

オープンは今年の10月11日。
初めはスモールスタートで夜のみの営業であったが、22日より昼も開始して当方の目に留まった。
実は当方のウン・パッソレビューをご覧くださった読者から虻川シェフが10月に帰ってくるという大変貴重な情報を戴いていたのでいつ開店するのだろうと10月に入ってから度々現地を訪れていた。
その昼オープンから丁度1週間が経過した頃、そろそろ新規開店のバタバタから落ち着いた頃合いと思い、2階への階段を登って引き戸を開ける。

店内は以前は大衆酒場的なバルっぽいトラットリアな様相であったが、今回はアイボリーの柔らかいクロスと木目調のテーブルと虻川シェフらしいシックで落ち着いた造り。
席数もテーブルを減らしてウン・パッソ時代よりも客との席間隔は広くなり、寛ぎ度もアップ。
それによって今後は昼は混み合うこと必至でなかなかパスタランチに潜り込めるかどうか心配になって来た。
テーブルも当方が着席して丁度満席となり、出足好調なスタートを切られた様で当方も大変嬉しい。

おっと!
料理の話も少しはしないと。

ウン・パッソ時代と同様パスタをメインに据えたビジネスランチで、サラダとフォカッチャが付いて1,000円。
パスタはロッソとビアンコで選ぶのも同様だが、11月からは生パスタも登場する予定とのこと。
今回は懐かしの料理が登場しており少し胸踊る。
ビアンコ(白⇒オイルベース)の『牛挽肉のラグーとゴボウのスパゲティ』をチョイス。

先ずはインサラータのサラダと一口フォカッチャがサーブされる。
サラダはウン・パッソ時代のそれとは出で立ちを変えてきた。
ドレッシングが掛かった葉物のサラダは健在だが、人参の千切りにクミンを利かせた物や、玉葱と大根はピクルスで登場したりと一品一口で楽しめる物をいくつか添えて来た。
これはバランスが良いし面白いね。
不変なのは蒸し(茹で?)鶏とサツマイモが添え物。
ウン・パッソのエッセンスも少し残しながら虻川シェフの個性、特色を出して来ているのが分かる一皿。

また、パスタは味付け、塩分濃度、茹で加減が絶妙で大変バランスの良い一皿。
他処では修行してきた地域の料理の特色もあるだろうが結構塩分が高めでしょっぱ目なところも少なく無く、濃い味付けで何を食べているのかわからなくなることも。
虻川シェフのイタリアンは、円味を帯びた優しい味わいで塩分も必要最低限の利かせ加減。
かといって裏を返せば旨味が薄いとか浅い味という範疇には入らないのが流石である。
オイルとパスタ、茹で汁で美味しく乳化したパスタソースが適度なトロミで絡み付き、パスタにしっかりと美味しさを寄り添わせて口内に入ってくる。
牛肉もゴボウも見事に香りを放ち、噛めばスパゲティのデュラムセモリナ粉の香りも漂い、主役はスパゲティであることをしっかりと認識させてくれる。
いくら具材を高級なものを使おうが、調味料に拘ろうが、メインの名を張るスパゲティの味を嗅ぎ取れないようならばそれは具材や調味が美味いのであって、パスタ料理としての完成度としては首を傾げるところだ。
虻川シェフの作るパスタは生でも乾麺でも本質的な美味さ、すなわち麺の美味さをしっかりと味合せてくれるところが、当方の様な麺好きを虜にするところなのだ。
塩分はパルミジャーノを含めてドンピシャな塩梅となり、牛挽のコクとゴボウの大地の風味、苦味が濃厚なコクを緩やかに統制して程良い着地点に到達させる。
ゴボウは賽の目切りにする店が多いが、こちらでは大胆に縦長にカット。
短めのカットの物があったりと歯触りの違いも愉しめた。

以前は普通のパンだったが、フォカッチャはインスタの情報だと毎日お店で焼いている様だ。
チーズが仕込まれてあり、軽い酸味と香ばしさである。
大きさも一口大なので3分割くらいにして戴くのがよろしかろう。

退店時、虻川シェフにご挨拶をし少しお話する事が出来た。
夜は今月は6,500円のコース1本でやらせて頂いていますとのこと。
来月以降にプリフィックスタイプにしようかコースを増やそうかと思っていますと。
新たなスタートを切った虻川シェフの夜の料理は早いところ再訪して戴きに上がる予定である。

2018/10/31 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ