レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2018/11訪問 2018/11/24
晩秋の山陰旅行で、“松葉ガニ漁”解禁直後の鳥取市を訪れた。めざすは、“ミシュランプレート”のかに料理店である。夜の予約はいっぱいだったが、かろうじてLunchの席が取れた。
店前には発泡スチロールの箱がうず高く積まれ、順番待ちの客であふれている。その店頭には、“初セリのため仕入れ値高騰につきプラス1,000円での提供”との貼紙が掲出されている。財布には少々痛いが、食べずに帰るわけにはいかない。暖簾をくぐると、奥の座敷に通された。
「生ビール」600円を飲みながら、「親がに丼」3,500円(+1,000)の到着を待つ。10分弱で着丼、かに汁と香の物が付いている。蓋を外すと、まず美しい盛りつけに見惚れてしまう。中心に“生外子正油漬け”、その周りに鮮やかな色の“生内子正油漬け”。さらに甲羅に盛られた“内子塩ゆで”、そして外側を“かに味噌で和えたかに身”と“プレーンのかに身”が取り巻く。どこからいただこうかと、迷ってしまう。
“かに身”はどちらも抜群の風味で、甲乙つけがたい贅沢な旨味にしばし言葉を失う。初めて食す“生内子”はとろりと濃厚で、“生うに”のようなえもいわれぬ美味さが口の中に広がる。かににこのような極上の部位があろうとは、全く知らなかった。さらにその“内子の塩ゆで”も絶品で、“生”とはまた違った“あん肝”のような味を堪能できる。ぷちぷちとした食感の“生外子”も、乙な味わいである。
どっさりと“親がに”が入った“かに汁”は、贅沢の極みである。出汁のよく出た汁は絶品で、外子の食感も楽しめる。この“かに汁”は、なんとおかわり無料!何杯でもいただきたい豪華な味である。
地元でしか味わえない旬の“親がに”、これだけをいただきにまた鳥取を訪れるとしよう。
2位
1回
2018/02訪問 2018/06/06
厚木市の山里“飯山”を、2月の休日に訪れた。この温泉旅館は小田急線“本厚木駅”から無料送迎バスを運行しており、至極便利である。15分ほどで到着、入口では大きなタヌキの像が迎えてくれる。チェックイン後、すぐに部屋に案内された。広々とした純日本家屋の個室には、大きな掘り炬燵が用意されている。室内は床柱をはじめ随所に意匠が凝らされ、さらにベランダには露天風呂まで備えられている。「湯ったり会席コース(C)」7,128円は、ここで午後3時すぎまで4時間くつろぐことができる。
温泉は全国トップレベルpH値11.3の強アルカリ泉で、肌が滑らかになる“美肌の湯”である。そのほか“たぬき風呂”“うたせ湯”“露天風呂”“湯あそび渓流露天風呂”など、様々なタイプも用意されている。近年乱立ぎみの“日帰り温浴施設”と違い、温泉地の情緒を楽しむことができる。
風呂から戻ると、昼食膳が準備されている。まずは「生ビール」700円で喉を潤す。先付・前菜は「名物 田にし味噌煮」「さざえ大和煮」「ローストビーフにぎり」「鶏松風」「そら豆」「サーモン鳴門巻」で、どれも手の込んだ上品な逸品ばかり。煮物「豚肉の角煮」はとろける美味さで、三種の造りも鮮度の高さを感じる。「海老しんじょ」はふんわりとした食感で風味が抜群、「筍と菜花の炊き合わせ」も旬の味わいである。「蕗の薹・こごめ・公魚のてんぷら」は揚げたてサクサクで、春の息吹を楽しめる。
そしていよいよ「牡丹鍋」の食べごろだ。新鮮な“猪肉”は、臭みが全くなくやわらかい。とろけるような上質な旨味で、山の恵みに感謝しながら余すことなくいただいた。締めは「浅利の雑炊」で、春の香りをすっかり満喫した。
旬の地場産素材をふんだんに使った料理を味わい、本格温泉でゆったりくつろぐ。日常の疲れが一気に吹き飛んだのは、言うまでもない。
3位
1回
2018/08訪問 2018/08/31
8月の休日、富士南麓を訪れた。遅いLunchに、裾野市須山の蕎麦屋に立ち寄った。下界は厳しい残暑が続いていたが、県道から少し入った森の中はひんやりと涼しい。築400年超という古民家の暖簾をくぐると、風情のある広い土間がある。ここで順番を待つと、15分ほどで案内された。
通された奥の広間にも、落ち着いた調度品が並ぶ。「二色そば 天ぷら付」1,782円をオーダー、窓から外を眺める。緑豊かな庭には、たくさんの野鳥が遊びに来る。かわいらしい一羽が軒先に用意された餌場に現れ、餌をついばんでいく。蕎麦の到着まではかなりの時間を要したが、豊かな自然を眺めながらのひとときは決して苦にならなかった。
上品に盛りつけられた蕎麦は、“せいろ”と“田舎”の2種。香りの良いそばは、のどごしも心地よく美味である。太打の“田舎”は独特の食感で、蕎麦自体の旨味を堪能できる。粗塩でいただく天ぷらは、えび・しめじ・いんげん・なす。熱々サクサクで、軽く揚がっている。特にえびは抜群の美味さで、大きくて食べ応えがある。絶妙なタイミングで蕎麦湯が運ばれ、ゆったりと余韻を楽しんだ。
古民家でいただく蕎麦は、極上の味わいであった。
4位
1回
2018/05訪問 2018/05/18
平日のLunchで、藤沢駅近くのハンバーグ店を訪れた。テーブル12卓とカウンター4席の赤と黒を基調とした店内には、遅い時間だったが先客が3組。ライスorパン・スープ・サラダの付いたお得な「国産黒毛和牛ハンバーグランチ150g」1,000円と、「グラスワイン赤」280円をオーダーする。ソースは8種類から選べ、ライスは大盛り無料・十六穀米も選べる。
すぐにスープとサラダが運ばれてきた。本日のスープはオニオンコンソメである。10分ほどでジュージュー音を立て、溶岩石でじっくり焼きあげられたハンバーグと十六穀米が着盆した。ハンバーグの付け合わせは、地元“湘南野菜”のポテト・にんじん・長ねぎ・ブロッコリー・もやしである。やわらかいハンバーグは、箸でいただく。赤ワインと香味野菜を使用した醤油ベースの“Bistroソース”につけて口に運ぶと、果てしなくジューシー。レア焼きのため、厳選された和牛の奥深い旨みを存分に楽しめる。この極上の味わいに、しばし言葉を失ってしまう。
最後に“KEN21”さんに倣って、「ビーフペッパーライス」に挑戦。溶岩石の余熱で、こんがりスパイシーにできあがった。
夜はハンバーグハウスから趣を変えて、“bistro”として楽しめるという。次回は仲間を誘って夜に訪れたい。
5位
1回
2018/08訪問 2018/08/26
珍しい“夏のイルミネーション”を観に、妙高高原を訪れた。暗くなるにはまだ間があったため、R18沿い上越市関山付近の食堂で腹ごしらえすることにした。辺りにほとんど飲食店がないせいか、広い駐車場はかなり埋まっている。店内も広々としていて、4人がけテーブルが20卓以上ある。週末とあって、どのテーブルも家族連れや若者グループで賑わっている。
一番人気の「みそラーメン」800円をオーダーすると、10分少々で着丼した。とたんにニンニクが香り、食欲をそそられる。トッピングは、挽肉・もやし・タマネギの炒め物でかなりのボリュームである。もやしはシャキシャキ、タマネギはとろりと甘い。白味噌仕立てのスープは、まろやかで深いコクがある。ほんのり甘いが、唐辛子が効いて味を引き締めている。これまで食べてきた“みそラーメン”のどれとも違うこのスープは、やみつきになりそうな美味さである。自家製の中細縮れ麺は、コシがありのどごしも心地よい。もちろんスープとの相性は抜群で、最後まで飽きることなくたいらげた。
上越で出会った変わり種の“みそラーメン”、ぞっこん惚れ込んでしまった。
6位
1回
2018/11訪問 2018/11/07
新百合ヶ丘駅“小田急マルシェ”2階のレストランを、平日のDinnerで訪れた。改札口の真上に位置し、利便性は最高である。しかしこの店の最大の魅力は、知る人ぞ知る“プライムリブ”をいただけることにある。“タタキ”のような薄いローストビーフは前菜やサラダでいくらでも口にできるが、“プライムリブ”となると滅多にお目にかかれない。
カジュアルな雰囲気の店内は、平日とあって客はまばら。今日は「メイン1種コース 特製ローストビーフ」¥4,000に、「飲み放題(3時間)」1,500円を付けてお願いした。まずは生ビールで乾杯、“自家製アンチョビドレッシング”で「グリーンサラダ」をつまむ。続いてすっきり味のスパークリングワインで、「パルマ産生ハムとパンチェッタ」を楽しむ。“ブラータチーズ”との相性がよく、塩気が少なく味わい深い。
爽やかな飲み口の白ワインにスイッチし、「鮮魚のマリネ」をつまむ。タコとセロリの珍しい取り合わせである。続く「ヤリイカのフリット」は、揚げたてで香ばしい美味さ。「スープ」は“クラムチャウダー”で、アサリがごろごろ入っている。
赤ワインをオーダーしメインの到着に備えていると、「春菊爆弾サラダ」を従えて「特製ローストビーフ」が着皿した。まず大きく厚切りの、美しいローストビーフに目を見張る。ミディアムレアの切身は、肉汁たっぷりでやわらかい。ステーキとは違う極上の美味さに、しばし言葉を失ってしまう。付け合わせのマッシュポテトはバターが香りクリーミー、香り豊かな春菊サラダも箸休めに最適である。
締めは「パスタ2種」で、“イカスミの生パスタ”と“ポルチーニのクリームソーススパゲッティ”をチョイス。どちらも風味が抜群で、深みのある味わい。ジンライムをおかわりしながら、美食の余韻に浸った。最後に「本日のデザート」と「コーヒー」で、コースはフィニッシュとなった。
盛りだくさんの料理にお腹いっぱい、大満足で店を後にした。次回はLunchで、人気の“ポップオーバー”を試してみたい。
7位
1回
2018/01訪問 2018/02/06
1月の週末“奥能登観光ツアー”のLunchで、珠洲市郊外の“古民家レストラン”を訪れた。田園地帯の小さな集落の中にひっそりと佇む屋敷は、築180年という重要文化財級の建物。店名は「てんぞ」と読ませ、禅宗寺院で共膳を司る役職の意である。
屋敷内には数室の中広間があり、座敷の上にテーブルと椅子が据えられている。厳寒の時期とあってストーブが何台も用意され、寒さを感じることなく食事を楽しめる。室内を見渡すと、そこかしこに“珠洲焼”の器が飾られ、さながら陶芸美術館のよう。
昼食膳は、「牡蠣づくし」と「蟹づくし」から選ぶ。連れと一緒に、両方をシェアすることにした。前者は蒸し牡蠣・牡蠣フライ・牡蠣飯、後者は蟹鍋・蟹クリームコロッケ・蟹の酢の物・蟹飯で、これにアオサの吸い物・香の物・デザートが付く。
地元・穴水町産の牡蠣は、サイズはそこそこだがぷっくりと太っている。味はもちろん極上で、複雑な味わいが食べるほどに脳天を貫く。蒸し牡蠣の風味、そしてフライに凝縮された旨味を十二分に堪能することができた。身がごろごろと載った牡蠣飯も、ほっこりとした温かい一杯である。
一方日本海の荒波に育まれたズワイガニは、身が引き締まっており味も抜群である。蟹味噌とむき身の載った蟹飯も、上品で贅沢な一杯である。さらに吸い物のアオサは市場に出回るものとは明らかに違い、コリコリとした心地よい歯応えである。
“珠洲焼”に囲まれて食す“昼食膳”、味も雰囲気も最高である。
8位
1回
2018/04訪問 2018/04/22
休日のドライブで、茨城県を訪れた。臨海公園や大洗周辺の混雑を避け、汽水湖“涸沼”周辺でのLunchとした。おめあては、“朝獲れのしじみ”である。ここ涸沼は、島根県宍道湖と肩を並べる“しじみ”の日本三大産地の一つ。しじみの直売もしている沼畔の料理屋の暖簾をくぐった。
遅い時間だったが先客があり、手前の座敷に通された。「涸沼しらうお・はぜ天丼(しじみ汁・漬物付)」850円を「しじみ汁大盛」150円でオーダーすると、15分ほどで着盆した。まず大きな椀の蓋を取ると豊かな風味が立ちのぼり、粒ぞろいの“しじみ”がぎっしり。汁をいただくと、“しじみ”独特の旨みが凝縮されたまろやかな味わいである。滋味しみわたる味に、しばし言葉を失った。
「天丼」には、“しらうお”のかき揚げ2枚と“はぜ”が3枚載っている。揚げたてサクサクの天ぷらは、心地よい食感である。弾力のある“しらうお”は、香ばしい味わい。白身の“はぜ”は、身がやわらかく上品な味わい。連れの「涸沼ミックス天丼」850円は、しらうお・はぜ・すずき・わかさぎ・川えびが載る。“沼の恵み”を堪能でき、しかもリーズナブル。大満足のLunchとなった。
9位
1回
2018/08訪問 2018/09/29
晩夏の休暇で、“那須高原”を訪れた。下界ではまだ残暑が続いていたが、高原は初秋の爽やかな空気に包まれていた。遅めのLunchに、地元で話題の“うどん店”に向かった。平日にもかかわらず案の定店前は待ち客があふれ、大盛況のようである。30分以上待って、漸く店内に案内された。
人気No.1の「自家製豆腐と舞茸天のぶっかけうどん」1,050円をオーダーすると、10分ほどで着丼した。まず鉢のような、大きな器に驚かされる。そしてその器に、うどん・舞茸天・豆腐・野菜・薬味(鰹節・刻み万能葱・胡麻・刻み海苔・揚げ玉・大根おろし・レモン)が美しく盛りつけられている。別添のつゆをかけて、早速いただく。
“自家製豆腐”は、口あたりがなめらか。果てしなくクリーミィで、大豆の味がしっかりと感じられる。大きな“舞茸天”は、揚げたてサクサク。上品な風味が楽しめ、旨味が口いっぱいに広がっていく。そしていよいよ“うどん”である。武蔵野うどんのような太いうどんは、のどごしが抜群。もちろんコシが強く、食感はもちもちである。原料の上質さが感じられ、美味さを究めたうどんに仕上がっている。
店のカードに、“粉は国産無漂白、塩は鳴門の海の塩、麺は一晩熟成麺、昆布・鰹を中心に各地の匠の技を借りた出汁は毎朝一番で”とある。さらに続けて、“ご大層に書いてはいるが、本当のところはただのうどん屋”と謙遜する。そして、“讃岐に学び、志一つ那須高原一”と結ぶ。既に初志は貫徹し、さらに高嶺を目指しているように感じられた。
10位
1回
2018/07訪問 2018/08/09
平日のショッピングで、みなとみらいの“ランドマークプラザ”を訪れた。少し遅めのLunchに、4階の“京懐石”の暖簾をくぐった。おめあては京の夏の味覚、“鱧”である。
みなとみらい地区を望める明るい窓際の席に通され、“祇園祭り”にちなんだ7月限定メニュー「祭り御膳」3,024円をオーダーする。京の風情を感じさせる落ち着いた店内は、横浜に居ながらにして古都の気分に浸ることができる。「生ビール」908円で乾杯、ほどなく御膳が運ばれてきた。
まず彩りの美しい「京の伝統野菜〜賀茂茄子揚げ煮/万願寺唐辛子」をいただく。ふんわりと炊きあげられた京野菜は、薄味ながら奥深い味わいである。そして「鱧落とし/鯛/湯葉」は、独特の食感と旬の味覚を存分に楽しめた。下に敷かれたツマまで京野菜なのが、さすが“美濃吉”たる所以である。
珍しい「鱧重」は、白飯の上にたっぷりと鱧がトッピングされている。鰻でも穴子でもない上品な味わいの身は、やわらかく風味も抜群である。京の夏を感じさせる美味さに、しばし言葉を失ってしまう。京漬物の「香の物」や湯葉入りの「お吸い物」も、一層“京気分”を盛りあげてくれる。
落ち着いた雰囲気の中でいただいた“京料理“には、老舗の矜持が感じられた。
鳥取の「親がに丼」は絶品でした!