赤いHeartの食いしんぼうさんが投稿したCREATERNA(東京/池尻大橋)の口コミ詳細

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赤いHeartの食いしんぼう

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赤いHeartの食いしんぼう (40代前半・女性・東京都) 認証済

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CREATERNA三軒茶屋、池尻大橋/フレンチ、イノベーティブ、イタリアン

1

  • 夜の点数:4.5

    • ¥15,000~¥19,999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 4.6
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2025/12 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.6
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.5
    ¥15,000~¥19,999
    / 1人

舌も心もほどける。スタイリッシュな空間で味わう芸術のようなフレンチ。


控えめな看板に導かれ階段を下りると、コンクリートと木目のコントラストが心地よい静かな大人の空間が広がります。
白を基調としたスタイリッシュな店内には、カウンター8席ほどとテーブル席。オープンキッチンを一望できるカウンター席は、シェフの仕事を目の前で楽しめるライブ感に自然と期待がふくらみます。素材と技がじんわりと心を掴む、そんな記憶に残る一皿を味わえる一軒です。


━━━━━━━━ 《コース》 ━━━━━━━━━━

Epiphany 【ディナー】 ¥13,000

《アミューズ①》 蝦夷鹿のブリオッシュ
《アミューズ②》 ポルトガル産生ハムのタルト仕立て
《冷前菜》 帆立と林檎のゼリー〜ギリシャヨーグルトソース〜
《パン》 自家製ライ麦パン
《魚料理》 鱈と白子の炙り〜春菊のソース〜
《肉料理》 津軽鴨肉のロースト
《デザート》 フロマージュブランムースとオリーブのソルベ
《お茶菓子》 小菓子3種とハーブティー


━━━━━━━ 《それぞれの感想》 ━━━━━━━

◾️蝦夷鹿のブリオッシュ
ひと口サイズの愛らしいブリオッシュの上には薄くスライスしたブラウンマッシュルーム。ふわっと噛んだ瞬間、中からじゅわりと広がるバターの香りに蝦夷鹿の旨みが静かに重なります。
見た目は小さくかわいらしくても旨みと香りはしっかり主張してくるインパクトある一口。
合わせたのはシャルドネ100%の『ブラン・ド・ブラン』キレのある酸味と繊細な泡がバターの余韻を軽やかにリセットしてくれ、甘やかさと旨みのバランスが整う心地よいマリアージュでした。
小さなひと口が、次の一皿への期待をふくらませるはじまりの合図。

◾️ポルトガル産生ハムのタルト仕立て
カップ状のサクッと軽いタルトに、リコッタチーズのムースとパプリカと玉ねぎを煮込んだピペラードを合わせたひと皿。
パプリカパウダーとトマトのゼリーが重なり、ほんのり甘い香りと酸味がふわりと立ち上がります。
その上に重ねられたのはポルトガル産の生ハム。
旨みの濃い生ハムの塩味がムースのまろやかさとピペラードの甘みを引き締めて、ひと口の中に甘味・塩味・酸味がきれいに整っていくバランス。
香りの重ね方と食感のリズムが軽やかで、自然とワインの一口が欲しくなる前菜でした。

◾️帆立と林檎のゼリー〜ギリシャヨーグルトソース〜
薄くスライスした帆立と、紅しぐれ大根・紅くるり大根を重ねた冷製。やさしい甘みの大根と帆立の旨みがなめらかに調和し、
その上に乗せられた林檎のゼリーが香りに軽やかな果実味を添えています。
ソースはギリシャヨーグルトにホースラディッシュを合わせたもの。乳酸の酸味とキリッとした辛味が帆立の甘みを引き締め、
さらに散りばめられたいくらが旨みと塩味のアクセントとして後味を整えます。
甘みと酸味と旨み。爽やかさの中に重なる味のレイヤーが心地よい冷前菜でした。

◾️自家製ライ麦パン
ほんのり香ばしく焼き上げられた自家製ライ麦パンは、表面はパリッと、中は驚きのもっちり食感。
ライ麦パンにある独特の酸味がほとんどなく、小麦の自然な甘みがふわりと広がる穏やかな味わいです。
食べ進めても重さがなく、次の料理の邪魔をしない控えめなおいしさが印象的。
チリ産のエキストラバージンオリーブオイル『ICONO(アイコノ)』は、酸度0.2%以下という希少な品質でフレッシュ感が際立ちます。雑味がなく、青い果実の香りがパンの甘味をすっと引き立ててくれる最高のサポート役。

◾️鱈と白子の炙り〜春菊のソース〜
ゆっくりと火入れした鱈に、軽く炙った白子を重ねた温菜。淡白な身質に対し、上には豚の背脂の塩漬けしたスペイン産のラルドを薄くのせ、脂の旨みで味の輪郭を補っています。
合わせたのはフランス・アルザスの白ワイン『ラ・キュヴェ・レオン・ベイヤー』
透明感のある酸ときれいなミネラル感が特徴で、果実味よりも骨格が前に出るドライなスタイル。
華やかさで寄り添わせるのではなく、白子とラルドのコクをすっと切り、旨みだけを残す役割。
春菊の青い香りやほろ苦さとも相性がよく、ひと口の後味が澄んだ余韻に変わっていきました。

◾️津軽鴨肉のロースト
メインは青森県でバルバリー種を育てる生産者による津軽鴨のロースト。旨みを閉じ込めた赤身はしっとりときめ細やか。噛むほどにきれいな肉汁が広がります。
コクのある赤ワインソースが鴨の芳醇な香りをより引き立て、余韻をふくよかに演出。
付け合わせには、ロメインレタスに似たリトルジェムレタスを香ばしくロースト。仕上げに砕いたパルメザンチーズのチップをまとわせ、香りと食感のアクセントをプラス。濃厚な旨みと香ばしさが、赤身鴨とのペアリングにしっかり寄り添います。
赤ワインはフランス南西地方マディラン『BRUMONT CIRUS』
タンニンが強く骨格のある一本で、鴨肉の旨みとの相性が抜群でした。

◾️フロマージュブランムースとオリーブのソルベ
食後の余韻をやさしく締めくくる真っ白なフロマージュブランのムース。中には苺が忍ばせてあり、スプーンを入れると果実の甘酸っぱさがふわりと広がります。
隣にはエキストラバージンオリーブオイルのソルベ。まろやかな香りとミルキーさの中に、オリーブ特有の青みがアクセントになり、濃厚ながら軽やかな後味に。
仕上げに注ぐ苺のコンソメは、パリッと食感のラズベリークリスプと共に、果実感と透明感のある甘味と酸味をプラス。
とろけるムース、香り高いソルベ、フルーティなソースが折り重なる口どけのコントラストが楽しいひと皿でした。

◾️お茶菓子とペパーミントのハーブティー
〈松の実とホワイトチョコのボンボンショコラ〉
なめらかなホワイトチョコに香ばしい松の実の風味がふわり。せつないほど滑らかな口どけで、ナッティなコクが長く続く小さなご褒美。

〈フェタチーズムースとはちみつ〉
はちみつを混ぜ込んだ生地にフェタチーズの軽やかなムース。周りの薄いカラメリゼの籠は香ばしく、甘み・塩味・乳味が小さなひと粒に共存。

〈スペキュロス〉
ナツメグを中心にシナモンやクローブなどをスパイスを効かせたスペキュロス。濃厚なバタークリームをサンドし、スパイスの余韻と甘い香りがほろっと広がるフランス定番菓子CREATERNA流アレンジ。蜂の巣のような繊細な飾りは、手に取るとほろっと崩れるほど儚く、口に含むと香ばしさがやさしくほどけていきます。

香り高いペパーミントティーが小菓子の甘みを引き締め、鼻から抜ける清涼感が心地よい締めくくりに。スイーツの余韻を残しながら、ふっと気持ちまで整えてくれる優しいペアリングでした。


━━━━━━━━ 《おわりに》 ━━━━━━━━━

カウンター越しに仕上がっていく一皿を眺めながら、食材の背景や調理の意図を丁寧に聞けるひととき。
目の前でソースが注がれ香りが立ちのぼる瞬間に、料理への真摯なまなざしと確かな技を間近に感じます。

ワインの提案も一杯ごとに寄り添うようで、合わせる楽しさが自然と深まっていく。
最後は扉の外まで見送り、その余韻にそっと寄り添ってくれる温度感もまた、この店の魅力だと思います。
食材への敬意とゲストへの思いやりが静かに息づく。特別でありながら肩肘張らずに味わえる、記憶に残るディナーでした。

ご馳走さまでした。

2025/12/10 更新

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