4回
2021/02 訪問
ジビエのみならず料理の独創性と意外性 クオリティの高さに感動
1月にお伺いしてジビエの味が忘れられず、結婚記念日に再度お伺いしました。
緊急事態宣言中でもあり17時に予約。既に常連客の方々が来られています。
先ずは私はビール、連れは赤ワインで良くも続いた結婚28年間を祝して乾杯。
以下はメニューが無いので正式な料理名は分かりません。聞いた限りで記載しております。
最初に3種パン
前回より1種類増えました。月ノ輪熊のラード入りの丸いパン。真鴨のラード入りのカボチャのパンはしっとり柔らかい。細いプリッツのようなのはバジリコ入りだそうです。
続いては名物ジビエオンパレード
雛鳥、尾長鴨、猪、月ノ輪熊、鹿、雉、アライグマ等、他にも聞いていましたが追い付かず。何れの肉も独特な風味と味わいで美味しい。特に月ノ輪熊のパテがパンに良く合います。これだけでも此方に来た甲斐が有ります。病み付きになりそうです。動物達に感謝。
毛蟹、猪、孔雀のアッサード
アッサードとはオーブンを使った料理の事だそうです。上には京菜の花。蟹、猪、孔雀の肉片が蕪の中に詰められています。本来動物系の濃厚な味わいなのですが、蕪でコーティングされているからか柔らかなテイストになっています。イタリアンと言うより和食の要素が入っているのも此方の料理の特徴。
ここで少し珍しいワインをご案内されます。ブドウの身のみならず皮まで入った白ワインだそうで、色は黄金色。皮が含んでいるためか、さっぱりさの中に渋味や苦味が加わります。
鮑のフリット黒トリュフ添え
上には黒トリュフが幾重にも重なり飾られています。鮑は柔らかく白身魚のように淡白な味わい。それを赤いソースで味付け。ソースはトマトかと思いましたが、ビーツと言う野菜からだそうで、トマトと違った柔らかな酸味と甘味を感じます。
メインは蝦夷鹿のロースト
表面にロースト、中に煮込みと調理法の違う2種類の蝦夷鹿の味が楽しめます。表面の肉をめくるとアミガサタケと言う牛のハチノスに似た高級キノコが隠れています。
ローストは肉の甘味と繊維質が程良く、煮込みはホロホロで味が染み込み、口の中でまとわりつく感じ。同じ肉でも調理法によって変わるのですね。
下に有る大根も出汁が染み込んで美味しい。
イタリアでは冬の野菜の代表ラディッキオは繊維質が強めで歯応え感充分でした。
自家製ほうれん草を練り込んだパッパルデッレ
幅の広いリボンのようなパッパルデッレに真鴨の挽き肉がまぶされています。モチモチで少し粘りのあるパッパルデッレは挽き肉やチーズと絡んで美味しい。
サービスにデザートワインを少し。あまりお目見えした事は無いですが、濃縮された甘味と高めの度数。口直しと言うより後から出されるデザートに少し残すように言われます。
デザート
トリュフ入りチョコレートはそれだけでも甘くて美味しいのですが、先程のデザートワインを垂らして頂くと芳醇な大人の味になります。
ルバーブのシャーベットは仄かな酸味に確りした甘味。イチゴの下にはビーツの煮込みが有りました。
最後はお菓子とバニラハーブティーで締め。
濃い目の味付け料理が続いたので口直しに。豪華な料理の余韻に浸ります。
相変わらずジビエの豪華で豪快、後に続く料理の独創性と意外性、それでいて味付けは繊細で緻密に計算された高いクオリティ。
結婚記念日だからと他のテーブル席のメニューと少し違う料理を提供して頂き恐縮です。
今回は料理の具材についても色々教えて頂き、勉強になりました。最後にわざわざお見送り迄して頂き、気さくで楽しいご主人の虜になりました。頻繁にお伺いする事は難しいですが、季節の変わり目位にお伺い出来ればと思います。ご馳走までした。
パン3種
前菜はジビエオンパレード
毛蟹、猪、孔雀のアッサード
鮑のフリット黒トリュフ添え
蝦夷鹿のロースト
自家製ほうれん草を練り込んだパッパルデッレ
デザートワイン
デザート
お菓子とバニラハーブティー
2021/02/11 更新
2021/01 訪問
ご主人の真骨頂が見られたジビエ祭
1月3連休初日にお伺いしたのが此方。ジビエで有名なお店ですが、何故かジビエの季節を外していました。
マイレビュアーさんの食べログを拝見し、思いだして予約した次第。前日緊急事態宣言が発令されてどうなるかと思いましたが、1時間半繰り上げての早めにお伺い。
既に店内は来店時間を繰り上げて満席状態。店内一番奥の席に案内。厨房が見える席です。どのテーブルもほぼ同じ時間帯からのスタートですのでお忙しいはずなのですが、そこは流石プロ。テキパキと調理されています。
此方はメニューは無くご主人のお任せコースのみ。
先ずは有名なジビエのオードブル。
正にジビエのオンパレード。猪、雷鳥、蝦夷鹿、鳥取鹿、月ノ輪熊、鴨肉、アライグマ、山ウズラ等の肉片が、或いはマリネやテリーヌになって、所々に季節のフルーツや野菜も挟まれて提供されています。一皿にこれ程のジビエが楽しめるなんて。
頂くと其々違った肉の味わいが感じられます。特に熊のパテが美味しかった。パンにも月ノ輪熊のラードが練り込まれているそうで。食材で提供された生き物に感謝。
今回このジビエに合うワインも頂きました。お任せで何の銘柄か覚えていませんが、ジビエの肉の後味を消さぬように、でもワインの主張も感じられる酸味とフルーティーさを兼ねた白ワイン。
続いて孔雀、猪と鮑のスープ。
醤油出汁をベースに動物系の仄かな甘味を感じながら鮑の柔らかい味わい。隠し味に紫白菜を使用しているそうで後味が締まった印象。
虎河豚の白子のリゾット
上には黒トリュフが飾られています。白子の豆乳のようなフンワリした甘味とトリュフの上品な香りがリゾットと絡み筆舌に尽くしがたい美味しさ。
此方の料理に合わせた赤ワインは苦味と酸味が少し強めの芳醇な大人の味わい。
メインは真鴨。
真鴨は筋が多いのか歯応え感が強い野性的な味わい。噛めば噛むほど肉汁が口の中で広がります。胸はロースト、足はコンフィで香ばしい。
デザートは苺のあまおうにホワイトチョコレートと黒糖と月ノ輪熊のラードを使ったアイスクリーム。
いやはや何とも全ての料理にこれでもかと思うくらいにジビエや旬な食材が使われて美味しく、豪華で優雅な気持ちで頂く事が出来ました。
各地方の猟師や生産者からジビエや食材がご主人宛に送られてくるそうなので、やはり長い信頼関係で築きあげられているのですね。
帰り際忙しい中、声をかけてお見送りして頂き、ご主人の気さくな人柄が此方のお店が多くの食通を引き付ける魅力の1つだということも再確認しました。もう一度ジビエの季節中に伺いたい。ご馳走さまでした。
2021/01/13 更新
2019/06 訪問
門前仲町の有名なイタリア料理店 気さくで家庭的な雰囲気が楽しめます
連れの誕生日祝いで伺ったのが此方。門前仲町界隈のイタリア料理では有名店で、2017年から3年連続で食べログbronzeを獲得されています。
実は5年前の8月にも伺った事が有ります。その時は台風の影響で雨風が強い中、予約せずにTシャツ、サンダル履きのラフな格好で伺いましたが、嫌な顔もせず迎えて頂きました。
今回は予約して19時に到着。コースはシェフお任せ1万円のみ。入店して名前を告げると、厨房の窓が開いてシェフ自ら挨拶して頂きました。
店内は其ほど広くなく、手前側にデーブル席3つ、小上がり店奥にもテーブル席3つでしょうか、シェフの目が行き届く位のスペース。シックな調度品も有って家庭的で落ち着いた雰囲気です。
最初にスパークリングワインで乾杯。
前菜
見た目鮮やかな季節の野菜で盛り付けられた中にアワビが、更にアボカドソースの下にはヒラメが隠れています。酸味の効いたドレッシングで今のジメッとした季節に合う涼しげな一品。
カプレーゼ
サービスとして提供されました。トマトの自然な甘味が印象的。
スープ
オマール海老と三大きのこの1つポルチーニのスープ。甲殻類とポルチーニの独特の出汁と香りでコクの有る奥深い味わい。しまった、美味しいので写真を取り忘れてしまいました。
魚料理
今が旬のイサキにイカスミと夏トリュフを添えたもの。イカスミの中にはリゾット。イカスミは其ほどクセは無く、夏トリュフの香りがイサキの淡白ながら旨味のある味を引き立てます。
肉料理
ホロホロ鳥のローストにポルチーニ添え。ホロホロ鳥の肉厚で柔らかく、とてもジューシーな味わいに感動。ジャガイモのソースも肉の旨味とマッチしています。ポルチーニも肉厚で香り高く肉の旨味も染みてしんなりとした味わい。
デザート
杏のジェラートとパンナコッタ、フルーツ各種。今が旬のさくらんぼが添えられてまずまず。
スタッフさんの方も目配り気配りが出来て、料理やワインの知識が豊富、説明も分かりやすかったです。お陰で白赤ワイン各々注文してしまいました。
最後にシェフが出て来てお話をして頂きました。有名店ながらシェフは気さくで人柄の良さそうな感じでした。此方はジビエ料理も美味しいとお聞きしますので、また伺います。ご馳走さまでした。
2019/06/23 更新
寒くなると鍋料理と並んでジビエ料理が恋しくなるのは、此方の影響なのでしょう。本日も楽しみにしてお伺いしました。
この時期はジビエお任せコースのみ。
先ずはスパークリグワインとビールで乾杯。猪のラード入り丸いパンと、トマトを練り込んだと言うプリッツのようなモノを、摘み代わりに頂きます。
最初は此方の名物ジビエオンパレードと勝手に名付けております前菜。此れだけでも頂く価値が有ると思っています。
孔雀、山鳥、真鴨、月の輪熊、アライグマ、雉、鹿、珍しく柿、鮑、鰤も飾られています。ジビエにご主人の手間隙掛けた下拵えと味付けが加わり、何れも滅多に味わえない貴重な味わい。生き物に感謝しつつも各々の肉質の味わいを堪能。
ひよこ豆のスープ
ねっとりした味わいですが、喉越しはサッパリ。胡桃パンと良く合います。
ここでPaskiと言うワインにスイッチ。キリッとした酸味の効いた濃いめの味わい。パスタに合わせてペアリング。
せいこ蟹のパスタ
福井県産のせいこ蟹は資源保護の為に11月から12月末迄のごく限られた期間しか頂けないそうです。せいこ蟹の柔らかい風味と食感。
雷鳥のリゾット
雷鳥の肉質は確りした味わい。パルメザンチーズが本来淡白な雷鳥の肉に濃厚さを加えています。
鳥取鹿とインカのめざめ
鹿肉の印象は野性的な筋肉質の味わいと思っていましたが、此方は今までの印象を覆すほどに、柔らかく風味豊かな味わい。ご主人の絶妙な火加減の賜物なのでしょう。
プリンとジェラート
ジェラートには白トリュフが練り込んだいるそうでトリュフの香りがします。プリンはねっとりしたチョコレートを頂いている感じ。
お菓子
杏とサルナシの自家製アルコール付き手作りお菓子をエスプレッソと共に。
丁寧な料理の説明と接客対応、具材の美味しさを最大限に引出す料理の数々、本当に素晴らしい。
ご主人はこの夏のオリンピックでは、コロナの影響で来日出来ないイタリア自転車競技のナショナルチームのシェフに代わって料理を任されたそうで、その腕はイタリアでも認められているからなのでしょう。
本格的なジビエ料理は此れからとの説明でしたので、またお伺い致します。ご馳走さまでした。