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お盆の時期の夜に訪問。
ずっと前から来たかったこの店に念願かなって訪問することが出来た。
早めに到着したので食事の準備までの時間庭園を眺めることに、立派な庭園だ。
ドクダミ茶
食前茶として万能、丸みがあって飲みやすい。
ここから夏の鮎をメインとしたコースが始まる。
白ずいきの餡掛け仕立て
優しい味わいで生姜が効いていてお腹が温まる。
ずいきも出汁が染みており美味しい。
琵琶マスをオクラの葉で包んで山椒オイルと季節のキノコと共に
なんだこれと思うほど今までに体験してこなかった料理。。
マスの新しい食べ方を知るとともに様々なキノコとのマリアージュを楽しんでしまう。
胡麻のソースも美味しく、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べると一体感も生まれる。
月とすっぽん
殆ど脂身の熊の肉は臭みもなく脂の甘みが強い。
すっぽんの出汁はこんなに美味しいのかと驚かされるほど旨味が強く繊細な味わい。
コイ、鰻、鹿肉
コイの刺身はマッチョな感じで、歯ごたえがしっかりしている。
鰻はこれまで食べたことが無いほど、しっかりした食感で表面の炙った香ばしさと噛みしめるほどに旨味が口いっぱいに広がる。
鹿肉は表面のみ炙ってありわさび醤油で食べればもう牛肉より美味しい。
鮎
本日のスペシャリテ。琵琶湖の鮎と安曇川の鮎の食べ比べ。
琵琶湖の鮎は2回分けて3尾、2尾の合計5尾ある。
安曇川の鮎は骨を抜いてあり、骨部分はせんべいにしてくれている。
琵琶湖の鮎は小さめで皮目はパリッと塩は軽めに振ってある。何より盛り付けも素晴らしい。
そのままでもいいし、蓼酢や鮎うるかもある。
先ずはそのままでいただく。今まで食べてきた全ての鮎と比較するのが無謀なほど圧倒的な旨さ。
これまで食べてきた鮎の中で断トツで旨い。身はふっくらとしており頭から尾まで一切の引っ掛かりがなく、
部位ごとの味を楽しめる。
蓼酢で食べるとさっぱりとした味わいに、鮎うるかで苦みと塩味をプラスして最初の３尾をあっという間に食べてしまった。
次は安曇川の鮎。琵琶湖の鮎より一回り大きいサイズ。
何だこれ、めちゃくちゃ旨いじゃんとチープな感想になってしまうほど別格の味わい。
琵琶湖の鮎に比べ、内臓の苦みや身の味わいが更に増したような一段階上の味わい。
身が少し大きい分、骨部は取り除かれてせんべいにしてある。サクサクしていて美味しい。
八寸
子持ちアユのなれずし、青梅の蜜煮、アマゴの子供の南蛮漬け、猪のロースト、
新レンコンの甘酢漬け、岩魚の押し寿司、こうたけといわなし、すっぽんの煮凝り
どれも普段ではお目にかかれない料理ばかり。一品一品特徴があり郷土料理食べているなと思わず笑みがこぼれる。
細かい感想は不要で、五感に集中して食と対話しているのが良いだろう。
冷菜
丸茄子、冬瓜、甘唐辛子
丸茄子と冬瓜は出汁の味がしっかり染みていてほっとする美味しさ。
追加の鮎
安曇川の鮎を１尾追加してもう一度感動する。
この鮎を食べるために毎年訪れる人がいるのも納得、そのくらいもう大満足。
鮎ごはん
頭と尻尾は取り除いて混ぜ合わせる。
鯉こくとお新香と共にいただく。鮎の出汁で炊いたご飯は鮎の旨みが凝縮されている。
なんだこれもめちゃくちゃ旨いじゃん、何杯でも食べれるくらい美味しい。
2杯目と3杯目はお茶漬けにして。おこげの部分も香ばしくて美味しい。
枝豆餅 ウグイス粉
枝豆の食感が残るくらいざらっとした味わいで、ウグイス粉をふんだんにつけていただく。
全ての料理において期待を凌駕する旨さに終始感動した。
都会にいれば全国だけでなく世界の料理を一定以上のレベルで食べられるが、なかなか感動できることが少ない。
こういった田舎まで直接来て郷土料理をふんだんに味わう時こそ感動することが多い。
その中でもこの店は一段階上のレベルに存在するとともに、あと何度こういった店に出会えるのかと心配にもなった。
おおよそ自分の中で一つの頂点に達したというか終着点に来たような感情を抱いた。
ごちそうさまでした。