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◯小田急線・千歳船橋駅から徒歩1分ほど
◯真新しいビルの2階、店内は席数に対して広々としていて快適
◯ミッシェル・トロワグロで働いていた若きご夫婦のお店
◯クオリティの高いフレンチをカジュアルな雰囲気のなかで頂くことが出来る素敵なお店
祝日のランチタイム午後1時に1名で伺った。先客は2組4名(テーブル席に座られていた)。経堂から千歳船橋に移転したばかりのこちらのお店だが、既にお客さんがついているようだ。自分はカウンター席に座らせていただく。
この日のお料理は下記のとおり。12,000円のディナーコースをランチで頂いた次第。
◯アペリティフ
安南芋のミルフィーユ仕立てというフィンガーフード。カリッと揚げた安南芋のスライスの間に安南芋のペーストや黒トリュフが挟まれ、上にパルメザンを振りかけたもの。小さい一品だが手が込んでいる。
◯本日のアミューズ
富士山サーモンとウイキョウのタルタル仕立てが一番下に、その上にノイリー(だったか?)で煮詰めたエシャロット、さらにその上に(ちょっと特別ということで)キャビア(バエリというキャビアとのこと)。サッパリとしたサーモン料理で、ウイキョウのしゃりしゃり感がとても良い。
◯前菜1品目
メニューには「かぼすブリのマリネ」とある。カボスを食べさせて育てたブリ。脂身は控えめで少し柑橘の香りがする。ソースはやはり柑橘系を使ったオイル。上にはマイクロハーブ、紫大根、小玉葱。郡山の農家さんから直接仕入れた野菜とのこと。
◯前菜2品目
メニューには「温度卵 帆立貝 ジロール」とある。信州の卵の温度卵(温泉卵のようなもの)のお料理。マッシュルームから取った出汁のエスプーマが上から掛けられていて、付け合わせに北海道のホタテとキノコ(ジロールとトランペットの2種類)。
◯前菜3品目
メニューには「フォアグラ ビーツ イチジク」とある。チェリー(グリオットチェリーと言っていたような記憶)とビーツを使った少しだけ甘めのソースのフォアグラ料理。付け合わせに黒イチジク。ホワイトビーツのピューレも添えられていた。ビーツに白いものがあるとは知らなかった。
◯お魚料理
メニューには「本日の鮮魚のポワレ ヴァンジョーヌ 人参のピュレ」とある。この日はアカハタのポワレ。ヴァンジョーヌのクリームソース。ヴァンジョーヌから想像するほど濃厚ではなく、少し上品寄りなソース。
◯お肉料理
メニューには「シストロン産仔羊 ハーブソース」とある。ソースはパセリやローズマリーやセージなどのハーブを赤ワインで煮詰めたよう感じのもの。見た目の濃さの割には爽やかなソース。付け合わせの野菜はゴボウやお芋など。
◯デザート
メニューには「花梨 洋梨」とある。花梨と林檎を合わせたムース、その中心が少し窪んでいて、その中に花梨のソース。横にバニラのアイスクリームと洋梨のコンポート、そしてカスタードクリームなようなものが添えられていた。
◯小菓子と食後のお飲み物
飲み物は下記を頂いた。
◯ミネラル・ウォーター
◯グラス・シャンパンはユーグ・ゴドメのブラン・ド・ノワール・GCブリュット(グラスシャンパンは3種類用意されていた。移転前はいつも1種類だけだったことと比較すると大きくパワーアップ)
◯ボトルワインはシャトー・タルボのカイユ・ブラン2016年。予想より少し熟成が進んでいて、却ってヴァンジョーヌ・ソースのお魚料理との相性が良かった。
下記はベース投稿
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経堂近辺に住んでいることに伴う贔屓目もあるが、この経堂、そしてお隣りの豪徳寺と千歳船橋には、レベルの高い料理店がもともとそれなりに存在していたが、最近は特に多くなってきたと思う。こちらもこの界隈のそんなイメージを崩すことのない高クオリティなお料理を出されるお店である
2021年11月に経堂にオープン。そのころはとてもこじんまりとしたお店だったが、きちんと常連客がつき、2年後の2023年10月に千歳船橋駅に移転。シェフとマダムのご夫婦お二人で営まれているお店である。小田急線・千歳船橋駅から徒歩1分というアクセスの良さ。真新しいビルの2階にある。できたばかりのビルだけにとても清潔感がある。テーブル席8席、個室1つ(こぢんまりとしているので2人か3人で利用するのが良いかも)、そしてカウンターが5席。ゴージャス感とか派手さはないがセンスの良いお店。席数に比して広々としていて快適な空間。カウンター席は奥行きが広くとても広々としていてとりわけ快適である。
シェフはミシェル・トロワグロご出身でパリの本店でも働いたご経験があるとのこと。マダムもミシェル・トロワグロでパティシエをやっておられたとのこと。なるほど、道理でレベルの高いお料理を出されるわけである。
ディナーは8,000円、12,000円、15,000円の3コース設定。8,000円と12,000円のコースは品数が異なり、前者が7品、後者が9品。内容は毎月すべて変わる予定とのことで、メインに蝦夷鹿や仔羊などが使われるのはこちらのコースとのこと。15,000円のコースは前菜にキャビアを使い、メインがA5黒毛和牛を使うものになるそうである。12,000円のコースが質・量ともに優れていると感じる。
着席すると細長い紙に印刷されたメニューが置いてある。主たる食材が書かれてはいるので、サッパリお料理を想像できないという最近見かけることの多いアプローチではないが、その記載からは必ずしもお料理の仔細を窺い知ることはできない、そんな感じの記載。
経堂時代と異なる点は一皿目にアペリティフが追加されたこと。2023年11月の時点ではまだ一度しか経験していないが、安南芋のミルフィーユ仕立てというフィンガーフード。カリッと揚げた安南芋のスライスの間に安南芋のペーストや黒トリュフが挟まれたもの。小さい一品だが手が込んでいた。
こちらのお店はアミューズからして楽しませてくれることが多い。小量多皿のお店であれば前菜一皿に相当する量とクォリティがあって、気分がアガル。サーモンなどのお魚のタルタル、スープ、野菜や果物のジュレを使ったお料理など、その種類も多彩。
前菜の三皿目は(自分が過去に訪問した限りでは)必ずフォアグラのお料理を出してくださる。実にフレンチという感じである。過去に頂いたフォアグラ料理の中では2022年5月に頂いたシャラン鴨のシューファルシというものが良かった。春キャベツでシャラン鴨のお肉とフォアグラを巻いたもので、よく考えると鴨肉とフォアグラの双方を一皿で食べたのは初めてだったような気がする(少なくとも明確には記憶にない)。鴨肉はとてもジューシーに仕上げられていて、フォアグラはとても軽やかで現代的。そのせいか、主役級の素材が並び立っている割りには軽やか。もちろん、チェリーソースというフォアグラのような王道的なフォアグラ料理も出してくださることがあるが、それでも比較的上品に仕上げられていて、やはり現代的なニュアンス。
またお魚のお料理がとても美味しいと感じる。夏のランチで頂いたサーモンのマリネ(前菜)はホワイトバルサミコとライムで爽やかに仕立てられていたし、5月に頂いた桜鱒のグリル(メインの魚料理)は上品にしっとりと良い感じのレアに仕上げられていて、意外と塩味しっかりでありながら、塩梅が良いことには変わりはない。
お肉料理はどちらというとシンプルに仕上げてくるという印象。ソースもクラシックながら、「ど」がつくようなクラシックではなく適度に軽やかで上品なもの。一度だけ蝦夷鹿を食べたことがあるのだが、蝦夷鹿とは思えない肉の柔らかさと旨みが印象に残る素晴らしいものであった。
マダムがトロワグロでパティシエをしていらしたこともあって、デザートも楽しみなところ。いままで頂いたなかでは初夏の季節に頂いた「クレームダンジュ」が面白かった。典型的なクレームダンジュの見た目をしておらず、あくまでもクレームダンジュをイメージしたものとのこと。ヨーグルトを使ったクリームとか、フランボワーズとライチを使ったムースとジュレ、その中心にバナナやオレンジなどを使ったシャーベットが鎮座したもので、サッパリと頂くことができた。白とかピンクとか赤とか、一つ一つが微妙に異なった色をしたグラデーション。