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1回
夜の点数:4.7
2015/09 訪問
夜の点数:4.7
Erretegiaの感想:今様のバスクをベースに、しかし境ガ浜の個性をタップリと
2015/09/02 更新
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地元造船業企業のオーナーが、船の進水式に招待した発注主を接待するための施設をベースとしてオープンしたオーベルジュであるベラビスタ境ガ浜。こちらには和食2軒(寿司&和食ダイニング)、洋食1軒の飲食店に加え、ロビーやデッキでもお茶やお酒を楽しめるが、今回は2015年7月にリニューアルオープンした洋食レストラン(メインダイニング エレテギア)のレビューを行いたい。以前はイタリアンレストランだったのだが、リニューアルにあたり欧州最先端のガストロノミー・リゾートであるバスク地方のレストランで10年修行した日本人シェフを迎えて、改装・再出発したお店である。
こちらの宿は乳幼児OKであるため、シーズンや曜日等のタイミングによっては子連れ客が多い。レストランやロビーで静かに過ごせるかどうかは、正直、運次第である。今回僕は連泊したが、前半は卒倒しそうになるくらい騒がしくホテルへの印象もまさに「おしい!広島県」(注:広島県公式観光キャンペーンの宣伝文句)だったのだが、子連れ客や騒がしい集団客の動向を探りながら、少し外した時間に恐る恐るこちらにお邪魔すると、見事な味とサービスの素晴らしさに逆転ホームランを打たれて大ファンになってしまった。
まず、ハウスワインが素晴らしい。スペイン王室にも納品されているというワイナリーの「バロン ラドロン デ ゲバラ」(これもバスク産ワインだ)の赤と白がグラスワインの、しかも一番お値打ちな一品としてリストに載っているのだが、スタッフさんによると恐らく日本ではこちらでしかこのワイナリーのワインは飲めないはずだとのことである。(オーナーが気に入って、特別にワイナリーから直で仕入れているとのこと。)また、同ワイナリーには樹齢100年のブドウのみから作られたものがあり、今回特別に飲ませて頂いたのだが、本当に本当に本当に豊かな味わいであった。普段、自然派ワインがどうしたこうしたと薀蓄を語っているのが馬鹿馬鹿しくなるくらい、素晴らしく深いワインである。
料理の方はパンに添えられる燻製発酵バターからモクモクと煙が出ていたり、トウモロコシが泡になって出てきたり、特別な処理をしたオリーブ油が真っ白なパウダー状で料理にまぶされていたりと、視覚的にも楽しい今様の最先端調理がなされているかと思えば、キロメートル・ゼロの新鮮素材を直球勝負で焼いた野菜やステーキがこれまたストレートに美味しかったりと、直球も変化球も超一流のキレ味を楽しませてくれる。
なお、山の高台から瀬戸内海を望む風景も絶景で、ライトアップしたレストランの輝きを楽しむならレストランの外の並びの席の方がオススメだ。(但し、季節によっては虫が気になるかも。)一方、スタッフの方々に素材や調理法、ワイン等について教えて頂きながら味を楽しむなら、レストランの中の席の方が良いだろう。
自分の味覚の未熟さを踏まえ、まだ見ぬ名店のために4.5点以上は点けないことにしている私だが、そんな自分のルールを曲げてでも高評価を点けなければならないと思ったこちらには、自信を持って各項で4.5点以上を点けた。安いお店ではないのでCPはどう採点するか迷ったが、払った値段以上の感動をどれだけ頂けたかという基準で測れば、やはりオーバー4.5点である。(一応、上の方で書いた「運次第」の要素は減点対象としたのだが、それでもこのハイスコアである。連泊することで、この「運次第」のリスクはずっと低められるはずだ。)