ふたえアゴさんが投稿したレストラン ウオゼン(新潟/東三条)の口コミ詳細

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ふたえアゴ (40代後半・男性・埼玉県) 認証済

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レストラン ウオゼン東三条/フレンチ

1

  • 昼の点数:4.9

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.9
      • |サービス 4.8
      • |雰囲気 4.9
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 4.8
1回目

2025/10 訪問

  • 昼の点数:4.9

    • [ 料理・味4.9
    • | サービス4.8
    • | 雰囲気4.9
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク4.8
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

空の星に手が届かなくても

星というのは空の星のこと。ミシュランの星であれば当店は二つ星。そんな話では無い。

誰しもがお気に入りのお店、自分にとって最高のお店がある。
自分にもそんなお店はあるが、ピュアに食事やワインのレベル、ロケーション、その店への共感、費用対効果などを考慮して挙げるのであれば、ここ東三条の田園のど真ん中に建つ「Restaurant UOZEN」は「最高の店」の三本指に入れたい。

決してアクセスが良いとは言えないこのレストランへの再訪を願い続け、4年ぶりの再訪が叶ったのは僥倖。

日曜日11:30の予約に合わせてタクシーで訪問。まだ少し時間がある。
田園の空気を吸い込みつつ、家庭菜園をのぞいてみる。そこにはハーブや唐辛子、山椒などがなっている。
井上和洋シェフは自らが扱う食材に向き合い、その情熱は比類無い。
だから野菜も、ジビエも、海産物も、信頼のおける仕入れ先があり、何なら自分で釣りもやれば獣も撃つ。
そこから下処理、料理までやるのだからまるでスーパーマンのようだ。
でも、その本質は自分でできる事を手の届く範囲で。どうしても人間は背を伸ばしてしまう。星にすら生身で手が届くのでは無いかと考えてしまう。
でも、足下にはこんなに素晴らしい土地、そこに息づく文化、人のつながり、大地の恵みがある。
料理を通じてそれを感じ、自分の矮小さを感じる。そしてその料理には何度でも目を見開き感動する。ただただ頷きながら噛み締める。味わい、また感動する。

もうコースを語るのは不要なのかもしれない。
でも、自分の頼りない記憶の補うために。

アミューズはソファ席でいただく。ゆったりとリラックスしながら。

◎鮎のパテ お米のチップス神楽南蛮
鮎の身も、ワタも、全部をパテに凝縮。滑らかなテクスチャの中で鮎の全てが口内から鼻腔に広がる。ほんのり苦味がお米のチップスの香ばしさと口内で快感に昇華する。

◎猪のリエット
緑に見えるのはセロリのパウダー。紅い実はまたたびのピクルス。ワイルドな猪の旨みにセロリの香りがふわりと揺蕩う。そしてまたたびのジューシーな酸味。ここで口内にはしみじみ旨さを感じるアンテナが立つ。

◯自家製サラミ
ジワジワ溢れる猪の旨み。山椒のアクセントとスパイシーな香り。
付け合わせには低温熟成クリのフリット。甘味とジューシーな旨みは自然に寄り添い合う。
夏野菜のピクルスは口内を爽やかに拭う。

◯ジビエドッグ
名物ジビエドッグ。発酵黒ニンニクの風味も手伝ってビビットな風味と骨太な旨みと甘めなアメリカンドッグの皮の一体感を感じる。遊び心溢れる一品。

ここでカウンター席に移動。
◎牡丹海老のブイヤベース仕立て
当店のスペシャリテ。どこがブイヤベースやねん!と心の中でツッコむ。車海老はブイヤベースのジュレで包まれ、伝統のルイユも用いて極彩色に彩られる。
味わいは一転、生の牡丹海老のムキムキとねっとりとした甘味を中心に伝統的な味わい。海の旨みが波のように押し寄せ、口内が多幸感で溢れる。

◎本鮪、鹿肉のタルタルをパプリカで包んで
料理名は無い。シェフが夏に釣った本鮪を熟成させていたとの事。てか、本鮪ってクレーンで吊るしていたり、二人かがりで釣り上げるイメージなんだが、それを一人で?
そしてその味わいは経験した事がない。
海のチカラと山のチカラが混ざり合う。更にタマゴダケやコシヒカリを揚げたものの食感や自家製肉醬を合わさると旨さが制御不能。
後頭部を鈍器で殴られたような衝撃。理不尽な地球の旨さを感じる。今日一のお皿。

◯パンとヨーグルトのホイップクリーム 鬼くるみ雑穀
もうこれだけでお腹一杯にしても良いレベルの旨さ。パンもホイップもお代わりさせてくれて感謝しか無い。

◎蕎麦粉のガレット 毛蟹 ゴールデンピーチ
毛蟹かぁ。と一瞬でも思った自分を叱り飛ばしたい。蟹好きの妻さんが見たら鼻血を吹き出すであろう量の蟹身がこれでもかと盛られて、これだけで贅沢の極みだ。
更に蟹の旨みが効いたサバイヨンソース、セロリのマリネ、ポン菓子の食感が融合し、味覚の天変地異を起こした…ここにノーベル平和賞が誕生しました。

◯鹿肉のパテアンクルート 干柿の熟成キャラメリゼ
ここでトラディショナルな料理。鹿肉の力強さは赤身だけの旨みだけでなく、レバーやハツで更なるコクが生まれる。これが料理というものだと再認識する。
干柿と一緒に口に含むと、ボールが坂道を転がる様に当然にそのマリアージュは成立する。らっきょうのピクルスもリフレッシュのためにそこにあるべきもの。

◎ツキノワグマとスッポンのスープ
最近日本を騒がすツキノワグマ。ジビエの王様でもある。流石のシェフもクマは狩っていないらしい。
そしてこのスープ。クマと舞茸、大銀杏茸、スッポンの滋味は山に抱かれたような豊かな味わい。そこには日本料理のような潔さを感じる。
ツキノワグマの脂ってキレが良くてフルーティでこんなにも美味しいものなんだなぁ…

◎猪のホワイヨ 赤山鳥茸 マデラソース
ホワイヨはチーズ、バター、パン粉を混ぜ合わせて焼く料理。これだけで濃厚で旨いのだが、赤山鳥茸はポルチーニの様な濃密でエロティックな香りを放つ。マデラソースの甘味が分厚い旨味を演出し、問答無用、脊髄反射で旨い。

◯鬼もろこしのアイス
もうコレ、玉蜀黍をそのまま食べてるよう。
香り立ちと共に、効いた塩がやはり玉蜀黍である感を助長する。

◎黒無花果 アールグレイクレームブリュレ
黒無花果に火を通す事で凝縮感のある甘味を創出。当然無花果に寄り添うアールグレイは高貴さと華やかさが立ち昇る。ルバーブのソースは甘酸っぱく差し色になる。全ての相性が抜群。

ミニャルディーズはカウンターでものんびりソファでも。我々はソファに。
◎よもぎのわらび餅、ブルーベリーのファーブルトン
このよもぎのわらび餅。口内で蕩ける。さらにはホワイトチョコの風味も広がる。これだけで専門店を出して欲しいと星に願う。

この日はペアリングをお願い。
トラディショナルなフランスワインでもムルソーが出てきたり、新潟ワイン、なんとタカヒコまで。気前の良い銘柄が並ぶ。これで10,000円強。コースが15,000円であり、総額25,000円。
この体験がこの値段で済むなんて…プライスレス。

人は経験がリッチになる程感動し難くなる。
そもそも2回目以降などは期待値との間で過去の体験も毀損してしまう可能性すらある。

でもUOZENは期待を遥かに超えていく。
それどころか新しい味覚を経験させてくれる。
ただただ、ここでは頭を空っぽにして心を感受性で満たして伺いたい。

  • 本鮪、鹿肉タルタル、パプリカ、タマゴダケ

  • お店へのアプローチ

  • 店内ソファ席から

  • 鮎のパテ

  • 猪のリエット

  • 自家製サラミ&チョリソー

  • ジビエドッグ

  • 牡丹海老のブイヤベース仕立て

  • タマゴダケ 可愛い

  • パンとホイップヨーグルト

  • 毛蟹のガレット

  • 鹿肉のパテアンクルート

  • 月の輪熊、舞茸、大銀杏茸のスープ

  • 舞茸と大銀杏茸

  • 赤ヤマドリ茸

  • 猪のホワイヨ 赤ヤマドリ茸

  • 鬼もろこしのアイス

  • 黒いちじく アールグレイクレームブリュレ

  • ミニャルディーズ

  • シャンパーニュ・ロスト プレスティージュ

  • フェルミエ ロゼ

  • ガーヴドッチ フラミンゴ ピノノワール

  • ムルソーはやっぱり好き

  • ラルコ

  • タカヒコもあるんだ

  • ポール・ジャブレ・エネ コルナ スレ・グランド・テラス

  • デ バルトリ / ブックラム ソーレ ダゴスト

  • 地元との繋がり

  • 旧店の和の設えも残る

2025/10/18 更新

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