ふたえアゴさんが投稿したコム・ア・ラ・メゾン(東京/赤坂)の口コミ詳細

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コム・ア・ラ・メゾン赤坂、溜池山王、六本木一丁目/ビストロ、フレンチ

1

  • 夜の点数:4.6

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 4.6
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.6
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 4.6
1回目

2026/02 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味4.6
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.6
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク4.6
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

良い店って何だ?変わらないことの大切さと魂が満たされるスープ・ド・ガルビュ

36歳で転職をする時、馴染みにしていたビストロの店主さんが転職祝いに行きましょう!とコム・ア・ラ・メゾンに連れてきてくれたのはもう10年前か。

その時に初めて食べたスープ・ド・ガルビュの味わいに衝撃を受けた。
涌井シェフがこのスープを作りたくてお店を始めたと言われている事が心底納得できる味わいだった。

ちょうどそのタイミングでdancyuの創刊25周年記念号の「いい店ってなんだ?」という特集があり、その巻頭で当店のスープ・ド・ガルビュが掲載されていた。
手に取って記事を読み、涌井シェフの考え方、仕事への想いが心に沁みた事を改めて思い出す。
それ以来勝手に涌井シェフに共感と憧れを抱き続ける。

涌井シェフは一皿ずつに集中するため、メニューを限定し、限られたメニューを磨き続ける。2001年からメニューは徐々に減ってきている。
一方で気を衒わず、愚直に、磨かれてきた料理の練度と精度は高まり続けているのだ。


この日はそんなコム・ア・ラ・メゾンに興味を持ってくれた後輩たちと3人で訪問。

赤坂駅から徒歩5分ほど。外観も店内も華美さは全くない。そしてフランスはランド地方の郷土料理という組み合わせであれば質実剛健さを求める玄人なお客さんが多そう。実際に客層はとても落ち着いている。

オーダーは任せてくれた。
「これがある」という安心感と共にオンリストされている、全てが25年の年輪が刻まれた魂の料理だ。

パテ・ド・カンパーニュ
お酒をふんだんに使っているため、一カ月熟成させて作るとか。
滑らかでシルキーなテクスチャにアクセントとなる背脂などの食感の対比。鼻に抜ける肉と内臓、お酒の風味。芳醇でいて軽い味覚が一体となった正統的で完成度の高いパテカン。

供されるパンはメゾン・カイザーに特注らしい。
水分量が調整されたバリバリとした香ばしい食感はどの料理にも、ソースにも完全に寄り添う素晴らしいパン。

ロカマドゥール(山羊乳のチーズ)のサラダ
なんて事ないサラダのようでいて、シェリービネガーやヘーゼルナッツオイルのヴィネグレットは酸味も香りも、月が地球の周りを回っている事が当然かのような極上のバランス。
ロカマドゥールはバケットに載せられており、バリっとした食感。小麦の香気とシェーブル特有な香りもリッチな旨みと変わる。

ポテトグラタン(撮り忘れ泣)
これもなんて事ないメニュー。
だけど、ベシャメルの粘度、チーズの焦げ具合と塩気、芋の大地の甘みが完成系。これがアツアツに溶け合って、暖かい家の空気感が鼻腔を抜ける。
全人類が「知っている」真面目で素朴な味わいだ。

バスク風白身魚の赤ピーマン詰め トマトソース
しっとりとした食感と繊細で素朴な味わい。トマトソースはコクがあって奥深くに辛味を少し。
雑味は無くしみじみ美味い。

スープ・ド・ガルビュ
当店のスペシャリテ。これを食べずして去る事はできない。
生ハムの皮や骨で出汁を取り、白いんげん、根セロリ、ちりめんキャベツ、ポワロー葱、ジャガイモ、蕪などをぐつぐつぐつぐつ1週間煮込む。水はヨーロッパと同じ硬水。現地で教わったものを誠実に表現し続ける。
味は超品の良い天一と表現した人を見た。気持ちは分かるが、この分厚くて重層的な旨みは比べられない。滋味深いとか使い古された言葉でも表す事はできない。
様々な食材の旨みが溶け出したスープは味蕾を包み込み、派手さは無いが素朴で分厚くて重層的で余韻の長い旨みを感じさせる。
熱いスープは食道、胃へと落ちていき、身体全体にこの料理の愛情が波紋を広げる。これが「料理」だと訴えかける。

とうもろこし粉のミヤソン プルーンのアルマニャック漬けとキャラメルのアイス
デセールまで素朴。

食事の進捗に合わせて焼き上げてくれるカヌレ。
バリっとしてキャラメリゼされた苦味の外皮、しっとりした小麦製のプリンのようなバニラ高漂う内部。このコントラストの完成度で思わず笑顔になる。

ワインはボトルで2本+グラスで一杯。
1本目はシャトー・モンテュス・ブラン。フランス南西部の英雄ドメーヌ・アラン・ブリュモンの品。ここの赤も当店でいただいたな…
骨格がしっかりしながらも果実感は溢れ、バリックの効きも適度でバニラやトースト香もリッチ。素晴らしいフルボディの白。

2本目はシャトー・デ・ゼサール。AOCベルジュラックの辛口白ワインでソーヴィニヨンブラン主体。フレッシュで凝縮感しっかり。

お会計は一人14,000円。4時間も楽しい時間を過ごしてたなら当然の対価。


最後の客になり、退店の際には涌井シェフにお見送りいただく。昔府中に住んでいた時にご実家のレストランアポロに伺っていた話もできた。

生粋の料理人であり、仕事には厳しい人であると想像しているが、こうやって話している時の柔らかさは尋常では無い。
スープ一杯、ワイン一杯でも良いから来てください。また話しましょうなんて言われたらなんか凄くじんわり来る。
親父さん感というか、赤坂のど真ん中なのに何だか家に帰って来た感覚を得られて、また幸福感が上がる。

10年前に涌井シェフの料理に変わらないことや拘る事の大切さを感じて心に刻んだ。
このVUCAの時代、世の中は高速で変わっていく。昔なら普通の会話だったが今ならハラスメントと言われたり。自分もアップデートしていく事だって必要だ。
でも、生きていく事、仕事をしていく事で曲げちゃいけない事もあると思っている。

そしてこの店で大切な人たちと料理とワインを楽しみながら、普遍的て大切な何かを自分は守れているのか?そんな禅問答をこの空間「自分の家」で行うのだ。

映えやらとは無縁。迎合などしない。でも、人が好き。料理で幸せになって欲しい。そんな無言のメッセージが伝わる。
誰が何と言おうと、この店が好き。

  • スープ・ド・ガルビュール

  • 外観

  • パテ・ド・カンパーニュ

  • ロカマドゥールのサラダ

  • バスク風白身魚の赤ピーマン詰め トマトソース

  • とうもろこし粉のミヤソン プルーンのアルマニャック漬けとキャラメルのアイス

  • カヌレ

  • めぬー

  • シャトー・モントュス

  • シャトー・デ・ゼサール

2026/02/08 更新

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