オビキンさんが投稿した民生食堂 天平(東京/野方)の口コミ詳細

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閉店民生食堂 天平高円寺、野方/食堂

2

  • 昼の点数:5.0

    • ~¥999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 3.0
2回目

2021/04 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-
    ~¥999
    / 1人

さよなら「民生食堂 天平」。長い間本当にお疲れ様でした。

 正面の小上がりに猫はいません。しかしご主人は元気に迎えてくれました。
「遠くから来たの?」
 はい、車飛ばして遠くから来ました。今回で3回目の訪問です。しかし今回が最後になってしまいます。本当に残念です。

 到着した時は開店時間を大幅に過ぎているのに暖簾が出ていなくて、今週はもう…ああ…間に合わなかったか…。すごく落胆して店の前をウロウロしていたら、ガラリと扉が開いてご主人が暖簾を出してくれました。涙が出そうになりました。

 現存する東京都指定民生食堂は、

「長野屋食堂」新宿,1915(大正4)年〜
「ふじや食堂」麻布十番,1928(昭和3)年〜
「下総屋食堂」両国,1932(昭和7)年〜
「野方食堂」野方,1936(昭和11)年
ここ「天平」高円寺, 1951(昭和26)年〜
「かめや食堂」根津,1959(昭和34)年〜
「ときわ食堂」武蔵境,1973(昭和48)年〜
おそらく「押上食堂」押上,確認できず

 ここ数年で多くの民生食堂が閉店してしまいました。私は「天平」「野方食堂」にお世話になりました。

 1951(昭和26)年創業の店内は歴史が深く刻まれています。献立は変わりないのですが何回も値が変えられた跡があります。終戦後から時代の動きに合わせてやりくりしてきた「しわ」のようなものです。米が当たり前じゃない時代から営まれていますから、ご飯の表示は「米飯」です。
 しかしさすがにテレビは液晶でした。先日の「ふなせ」はSANYOのブラウン管でしたからね。

 これまでアジフライしか食べて来なかったので、今日こそは「やきめし」をいただきます。ご主人、よろしくお願いします。


●「やきめし」¥700
 フライパンでライスを炒めるご主人の背中を見ながら、感極まっていきます。この建物はどうなるんだろ。本当に誰もお店を継がないのだろうか。あれこれ考えていると、気がつけば目の前にスクエアトレイに乗せられた銀のスプーンと茶色いやきめし。

 香るなあ、醤油。もしかしてバターも少しあるかな? チャーハンと違って卵の甘さではなく醤油や塩の辛さがやきめしの特徴です。やはり辛味があります。
 アッセンブルはパラパラ系に見えますが、一粒ひと粒のお米はしっとりしています。見た目テラテラ食感モチモチ。老練の作品です。


 気がつけば満席ですよ。若い女性も常連さんらしき方も、じっと料理を待っています。昼の陽光を浴びながら最後の晩餐です。みなさんそれぞれの思いをご主人にオーダーしています。その都度ご主人は「ごめんね、今日は時間かかるよ」。今日はワケあって準備が遅れてしまったのです。みんな、今日はそれでいいのです。長くこの空間にいたいのです。

 昭和、平成、令和と、駆け抜けた日々を振り返ることなく一心不乱にフライパンを振るご主人の背中。また涙が出そうになります。このやきめし、おろそかにはいただきません。もうアップデートされることのない天平の味。

 お勘定を払う時に「長い間お疲れ様でした。」と気持ちを伝えると「今日は待たせちゃってごめんね」との返事。振り返っていない、今日を生きているご主人。客が勝手に感傷的になっているだけ。これが天平の生き様です。


 ごちそうさまでした。都民の胃袋を支えてきた「民生食堂 天平」。またひとつ、星が流れていきます。ご主人、お元気で。猫に逢えませんでしたがよろしくお伝えください。

  • やきめし ¥700

  • やきめし ¥700

  • 店内の様子

  • 袖看板

  • 店構え

2021/04/29 更新

1回目

2014/09 訪問

  • 昼の点数:3.9

    • [ 料理・味3.8
    • | サービス3.6
    • | 雰囲気4.2
    • | CP3.8
    • | 酒・ドリンク3.0
    ~¥999
    / 1人

若人よ、誰か店を継承してくれ

(再訪14.09)
今回も猫には逢えず。しかしやはりまた、アジフライ定食を注文してしまった。別に民生食堂だから気に入っているわけではなく、アジフライが美味しいから行ってしまう。アジフライに限らず、この店のアジを誰か継承してほしいと切に願う。

(14.06)
ウィンドウに輝く東京都指定民生食堂の標示。知る限り現存は7軒か。開扉して目に飛び込むのはカウンター風の長テーブル。人気メニューはアジフライ。物腰やわらかなマスターが丁寧に調理する。はやる気持ちを抑えるにはスポーツ新聞に目を通すのが一番だ。やがて配膳されたアジフライ定食定食¥700は豆腐の味噌汁にたくわん2枚の硬派な組み合わせ。辛すぎない練りがらしをマウントしてほおばる。至福。上品なフライだ。看板猫が見当たらなくて残念。そして増税にともない価格が民生食堂のイメージと離れてしまった。

訪問時間 12:20
待ち時間 0分

  • アジフライ定食 ¥700

  • さわら焼定食 ¥800

2014/09/12 更新

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