2回
2017/07 訪問
全てに於いて完璧なお店
【2017年7月16日初訪問】
荻窪駅南口を出て正面を伸びる「仲通り商店街」を道なりに進み、杉並保健所に入る道を左折した直ぐの所にあるお店。曲がる直前、カレーの匂いがするので分かると思います。まあ、曲がる角の上方に小さな看板も出てますし。
昼の部の開店10分後に到着。10人程の行列が出来ていたものの、なんとなく様子が変…念の為、ドアに近付いてみると…何と、昼の部の終わりを告げている札が…顔を覗かせた店員さんに念の為確認すると、同じ事を言われ、撃沈…
わざわざ荻窪迄来て収まりがつかない。仕方なく夕方、再チャレンジする事にしました。
…という訳で開店時間6時半の2時間前に店の前へ。…と先程の店員さんが顔を覗かせ、まだ早過ぎると。1時間前で十分だと伝えられたので、一旦退散する事にしました…が、2度同じ轍を踏む事は出来ないと、30分後の5時過ぎに再度並び始めました。当然ポールポジションでしたが、5時半を過ぎた頃には、徐々に並び始め、6時を過ぎると20人程の行列になっていました。店員さんに聞いた所、20食程度が1営業の限界と言っていたので、開店30分前の到着では少し危ないかもしれませんね。あっ、並ぶ人へのアドバイスですが、この時期、蚊が多いのでご注意を。
開店時間5分前に電気が点き、入店させて貰いました。こちらのお店では並んだ順番が大事。席を選べる優先順位だけでなく、注文も並んだ順番に聞かれます。料理到着迄、1卓あたり10分程掛かるので、一巡目に入店出来ても、後の方だと、30分位は待つ事になります。ポールポジションだったので、唯一の4人掛けのテーブルに座れた上、10分位で料理にもありつけました。
私は「ビーフタンカレー」、ツレは「和牛ビーフジャワカレー」に「季節の野菜入り」をトッピングとして注文しました。それと共に「アイスティー」を。
ドロッと感のある欧風カレー。ライスにはチーズとレーズンが乗っており、かなりのボリュームです。カレーを掬ってビックリ。丸々と大きいタンが入っています。ただ、このタンが凄い。何日煮込まれたか分かりませんが、スプーンで簡単にカット出来てしまう。味は勿論、肉感、質感も文句無し。
それよりもやっぱりカレー。初めての味。何がってスパイス。口の中で色んなスパイスが自己主張して来る。甘みがあったり、ピリッと辛かったり。たまに大きい粒として入っているスパイスが爆弾の様に破裂して行く。本当に初めての体験。「コク」の一言では表現出来ない何かがある。スプーンを口に持って行く度に、次は?が楽しみになるカレー。結構な量があったと思いますが、ペロッと行ってしまいました。
ツレはトッピングした野菜が多過ぎて食べ切れず。「これはラッキー!」と残りを貰いました。野菜のせいか元々のカレーがそうなのか、「ビーフタンカレー」よりも甘い感じ。これなら、私はやっぱり「ビーフタンカレー」の方が好きですね。何か、ストレート感がある。あと、野菜のトッピングはちょっと考えモノかも。量が多過ぎ。
カレーを食べ終わっても、元々入っていた銀の容器からは最後迄綺麗にスプーンで掬い取りたい。残ったこの部分にスパイスを沢山感じ取れるので。
カレーで3千円超えは皆さん引くと思います。でも、こちらで食べれば考えはきっと変わります。考えて下さい。老舗洋食店でビーフシチューを食べたら近い値段するじゃないですか。こちらのカレーはコストだけでなく、手間と時間が掛かっているパーフェクトなモノなのです。例えば、ライスの上に乗っているレーズン、洋酒感が凄い。そしてアイスティー、「アールグレイ」との事でしたが、濃さが半端無く、ミントが入っている事で爽快感が堪らない。「このレベルのアイスティーを出す喫茶店がどれだけありますか?」と言いたい。
入店順の優先順位について書きましたが、昭和の時代のホスピタリティには忠実。店員さんの対応も昭和産まれには心地良い。
結局、こちらのお店の為に1日潰れましたが、その価値は十分にありました。
ご馳走様でした。
2017/07/17 更新
【2021年12月30日再訪問】
色々とあった2021年も明日で終わり…特に食べログ関係では不完全燃焼感が拭えなかったな…と。最後になんとか素晴らしいメニューに出逢いたいと思った大晦日の前日にこちらのお店へと訪問する事にしました。とはいえ、訪問ハードルの非常に高いお店。抜かり無く、開店時間である夕方6時半から2時間以上前になる午後4時15分に到着すると、やっぱりPP確保!非常に寒い日ではありましたが、そのまま待つ事にしました。並び始めて5分と経たない内にもう1人が並び出し…でさすがの人気店。開店1時間前には売り切れによる「本日は終了いたしました」の札が…その時並んでいたのは私を含めて12名。本当に訪問ハードルが高い…本当に寒くてかなりシンドくなって来た開店時間から15分前にようやく温かい店内へ。この時期の2時間の外待ちはかなり辛い…。
今回はベーシックなメニューをと思っての訪問だったので、「和牛ビーフジャワカレー」を注文しました。それと、前回訪問時に非常に美味しいと思った「アイスティー」も。10分程で「アイスティー」が、更に10分程でカレーも到着です!
こちらのカレー、もうその香りからして違うなぁ…と。匂いが空腹感を誘うスパイス感の強さ!ドロッと食感のカレーは口の中で様々なスパイスが互いにぶつかり合う感じ。その複雑さは欧風カレーでありながら、まるでインドカレーの様。欧風カレーの王道路線となるお店にはフルーティーな甘さが口に拡がるも、こちらのカレーは野菜の甘味がコクという状態で出て来る感じ。もう非の打ち所がない完璧さ。ライスの上に載せられたチーズがカレー熱によって溶けて交わった事も影響しているのでしょうが、(辛口)とされているも、それはスパイスが更に濃くなった事を意味している様でもあり…ラム酒にしっかりと浸かっていたのであろうレーズンがアクセントを与えてくれる…もう全てに於いて完璧。柔らかく煮込まれたビーフも和牛でしか出来ない旨味を引き出し…さすがとしか言い様が無い。「アイスティー」の正体は今回もアールグレイ。しっかりと濃い味、こちらにも抜かり無し…。
決して若くないご夫婦2人で営業されている個人店。しかし衰えるどころか、前回よりも進化しているのでは…?全てに完璧を追求すれば、カレーもここ迄極められるかと…カレーのあまりの美味しさに他を混ぜたくなかったので、一緒に食べませんでしたが、玉ねぎが醤油漬けされていたモノ…これも相当に好きな味でした。寒空の下、2時間も待った甲斐がありました。このクオリティ、完全なオンリーワンなので。
ご馳走様でした。