2回
2024/11 訪問
鮨一幸、札幌から銀座へ。
ミトミえもんのグルメサイト、はじめました。
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鮨一幸、札幌から銀座へ。
これ以上のないほど大きな出来事ではあるが、もう何年もそこにあったと錯覚してしまうほど何も変わっていない。空間は広くはなっているが、掲げられたアートなどもあの時の景色のまま。大将の工藤氏はもちろんのこと、隣にいて安心感を作ったお父様などスタッフもそのまま。空気というのは人が作るんだなと思わずにはいられません。
料理にも変化はない。もともと工藤氏の仕入れのテリトリーは北海道ではなく、全国だったのだから当然と言えば当然。春のスペシャリテである蝦蛄なども毎週北海道に帰ることで、同じものの提供を続ける予定なのだとか。この時期のスペシャリテといえば、トロと松茸で作った「トロ松」だが、その姿もそのまま再現されております。松茸のエキスが鮪にまで浸透し、その余韻の強さはエグいとしか表現できません。笑
まずは、つまみ。1つ1つの素材力と、シンプルでありながら導き出される旨味の強さに終始驚き。
「鯛」いかってるニュアンスもありながら旨味も強い。さっそく素材と技術の妙に感心させられます。
「赤貝」
「鰹」鰹の筋肉質な食感は初体験かも。海苔醤油はそのままつまみになるほど美味。
「白子」日本酒ください。笑
「ばちこ」半生のテクスチャー。旨みがびしゃと口の中に飛び出します。
続いて、握り。シャリは変わらず米酢。その酸味のある味わいがネタと握手をして、瞬発力のある味や余韻の長い味わいを自在にコントロールする。順番にも美学があり、1つ1つの魅力がビビッドにあるように設計しているのも魅力です。
「かすご」
「烏賊」
「鰆」
「中トロ」
「大トロ」
「雲丹」
「のどぐろ」
「小肌」
「オニアジ」
「穴子」
「玉子」
「尾の身」
「巻物」鉄火と干瓢
移転おめでとうございます。ご馳走様でした。
2024/12/14 更新
〈ミトミえもん、インスタもやってるよ!「@mitomi_emon」〉
銀座の夜に、蝦蛄が鳴く──。
2024年8月、札幌の名店『鮨 一幸』が満を持して銀座へ進出。まもなく1年を迎えるが、まだ季節でターンが回ってきてなかったのがスペシャリテの「蝦蛄」である。
この蝦蛄、ただものではない。北海道の子持ち蝦蛄を、そのまま東京へ。だが、通常の流通とは違う。実現のため、工藤氏は毎週定休日に北海道へ戻り、選別・仕込みに勤しんだという。しかも、卵の量が十分でなければ即アウト。提供できるのは仕入れの半数にも満たないそうだ。そのこだわりが、生み出すのは“半熟卵”状態の蝦蛄の卵──もはやソース。もっちりとした身と絡み合えば、まさに蝦蛄の中にもう一貫隠れていたかのような重層的な味わい。
その他のラインナップはこちら。
まずはつまみ。
「鯛」遠藤商店より
「トリガイ」肝付きで
「きんき」しゃぶしゃぶ仕立て
「子持ち槍烏賊」雲丹とともに
ここから握り。
「春子鯛」
「細魚」
「鰆」
「赤身」
「トロ」
「雲丹」
「のどぐろ小丼」
「小肌」
「墨烏賊」
「穴子」
「玉子」
「巻物」
今宵、銀座の夜に響いたのは、蝦蛄のささやき。その美しさと熱量に、心を奪われずにはいられなかった。毎週北海道へ通い、己の手で選び抜いた蝦蛄にしか表現できない「一貫」の深み。工藤氏の覚悟と技術、そして季節の一瞬を掴もうとする執念が、口の中で豊かに花開いた。握りの極致を突き詰めたこの一皿は、ただのスペシャリテではない。もはや『鮨 一幸』の思想そのものであり、銀座の食文化に刻まれるべき一瞬だ。
ご馳走様でした。