2回
2018/06 訪問
見た目はいたってシンプル。ただ、これが最高の食べ方なのだろうと思う料理だった。
2018.6
以前からと村さんの噂は何度も耳にしたことがあった。
また、料理人の方にもと村さんを何度も勧められていた。ただ、敷居が物凄く高くなかなか新規で行くのはな、と悩んでいると友人がと村さんに何度も伺ったことがあり、今度行こうというお誘いを受けその願いが叶ったのだ。
そしていよいよと村さんでの食事の日。
期待を胸に虎ノ門へ、写真を撮るために今回は個室を用意していただき皆さん揃ったところでビールで乾杯し御料理のスタート。
◇お椀
白髪ネギたっぷりの沢煮椀。
そこに鰯のつみれ。
一品目からお椀が来るとは想像とは違ったが、暑い季節に温かいものからスタートするのも体に良さそう。
野菜の甘みが出汁にでていて透き通った白髪ネギが綺麗。
◇渡り蟹の飯蒸し
お碗の蓋ををあけるとそこにはずっしりと飯蒸しが構えていた。普段こんなこと思わないのだがお碗の中で待ち構えているような感じがするほど存在感がとても大きい。もっちりとしたお米に程よい渡り蟹の香りと甘み。それを味わっていると木の芽香りが鼻を抜ける。ここでと村さんの木の芽がとても素晴らしいことに気づいた。
◇鮑
房総のマダカアワビ。
すみません、びっくりしました。
鮑の味ってこんな味だったかな?と思うほど凝縮された旨味がある。なんと言っても噛むと歯に吸い付くような弾力とその後の歯切れの良さ。
そして噛むとじゅわじゅわっと汁が滲み出てくる。
とすると、と村さんの黒鮑はどんな化物なのだろう。
◇能登の鳥貝
観音寺の鳥貝がもし入れば出てくるということだったが最近は本当に取れなくなったそう。
ただ、この鳥貝でさえ今まで食べた鳥貝とは全く味が違い、説明を受けなかったらこれが観音寺の鳥貝なのだろうと思っていたに違いない。こちらの鳥貝は磯の香りがとても強く物凄くクリーミー。まるで牡蠣のような香りがする。
◇雲丹と鱧の煮凝
煮凝はとてもぷるんぷるん。
そしてこの煮凝りはまるで鱧の煮凝りでなくコンソメのジュレと思うほど味が強い。
◇淡路の鱧
鱧のたたき。
脂がとても乗って鱧の旨味も強い。
淡泊なので後味はすっきりだ。
◇煮物椀
オコゼの丸煮仕立て。
酒と水だけだそう。
ほんのり甘みを感じるお出汁。
◇琵琶湖の稚鮎
身は繊細で脂が乗っており、じゅわっと汁が出てくる。
蓼酢をつけるとキュッと感じる酸味に稚鮎の腸のえぐ味が口内で広がり季節を堪能することができた。
◇久世那須の煮浸し
思い切り出汁を吸っている那須は別格。
ひと噛みすればたちまち果実のようにじゅわっと中から水分が溢れ出してくる。甘みがある味付けだ。
◇蓴菜
兵庫県の蓴菜。
周りのゼリーが大振りで緑に赤色などの鮮やかな色も混じりとても涼し気なビジュアル。
お皿にたっぷり入っており、これでもかと蓴菜を食べることが出来た。
こちらを食べ終わるとお食事とあっという間に終盤へ。
◇お食事
白ご飯かお蕎麦を選択できる。
今回はご飯をお願いした。
銚子の鰯がご飯のお供の一つであるのだが、ビジュアルが鰯じゃない(笑)お腹がふっくらとしていてからか。
何も気にせずパクっと噛むとお腹から異常なまでに脂と腸が飛び出てしまった。思わずあーっ勿体無い!と声に出そうになってしまうほどの量。こんなにジューシーな鰯は食べたことがない。
◇甘味
葛きり。氷がたっぷり入っており体がひんやりして気持ちのいい。お椀に入っているお水も美味しく思わず飲んでしまった。
今回は3万円のコース。
ビールを2本と日本酒をまあまあいいペースで飲み、一人あたりほぼ4万円。お酒を飲むとコース+1万が目安でしょうか?次回は金鮎と黒鮑を組み込んだコースをお願いしたの。3万のコースでも素晴らしかったので次回はどれだけすごい内容なのか今から楽しみだ。
次回の事を評価に反映出来るようにほんの少し低めに評価は設定している。
ご馳走様です。
2018/06/04 更新
2018.8
前回の感動再来。
ただ今回は前回の感動を大きく上回る。
◇牛テールの茶碗蒸し
優しい餡とブラックペッパーの少しスパイスな香り、そして牛の旨味が追いかけてくる。
◇鰻の飯蒸
脂がとても甘く箸で持つと皮がめくれる。
こんな脂がたくさん載っているなんてどんな生活をしているんだと思うほど。蒸してなく焼いた鰻。今年食べた鰻で一番。
◇千葉と北海道の蝦夷あわび
千葉大原のアワビは程よく歯に吸い付くような食感。
大きさは1kgオーバーということで調理前の鮑を見せて頂いたがまるで、隕石の様な貝殻だった。隕石を見たことないが(笑)殻は直径よりもどれだけ高さがあるかで鮑を見極めているそう。
蝦夷あわびは食感があり、まるできのこのよう。炭火で焼いているそう。タイプが違うので旨味も違う。
◇蛤の酒茹で
身がとてもぷっくりとなっており、ぷつっと弾けるような表面、中はかなり濃厚。酒蒸しと違いかなりジューシーで瑞々しい仕上がり。
◇生麩と胡麻
こちらは生麩と胡麻のソース。柔らかく弾力があり、胡麻の舌触りが僅かに残っており、それを感じながら食べるこの生麩はと村さんの魅力が十分に味わえる。
◇お造り
上にはむらめ、花穂、みょうが、うど、胡瓜などの野菜。それぞれのシャキシャキと食感を残しながら香りと瑞々しさを感じる野菜達。鰹はフレッシュな瑞々しさと酸味、そして鰹節をそのまま口に頬張ったときのような味わい。
◇お椀
三田の蓴菜と鱧。
お出汁があっさりしていてとても旨い。
前回は少し甘みのあるお出汁だったが今回は繊細で鱧の味を引き立てるようなお出汁で私が大好きなタイプ。
蓴菜は上の方がいまの時期は硬いみたいなので使わないそうで切られている。とても出汁が美味しい。
◇金鮎
聞くと3分しか焼かないという金鮎。
まず背中から食べ、その後腹を食べ骨はお好みで食べるという初めての食べ方。腸の香りがとても強いので、この食べ方だとそれぞれ味の違いを堪能しながら食べることができる。身がふわっふわ。そして瑞々しく身が繊細。これは味が全く違う。これが金鮎かと感動。
リクエストをして金鮎のおかわりを頂いた。
◇茄子の炊合せ
ずっしりとしていてとても密度が高い。
かなりジューシー。
◇お食事
半田素麺とご飯。〆はご飯と素麺の選択だが今回はどちらもお願いした。
ひっそりと楽しみにしていたのは鰯の丸干し。
鰯の丸干しは6月が一番脂が乗っていてるとのことで、確かに前回と比べて噛んだときのプチュっとなるような脂では無かったが、それでもこの脂の乗り。
ご飯によく合う。秋刀魚がいい時は秋刀魚も出るみたいで、是非ともと村さんの秋刀魚を食べてみたい。
素晴らしい体験が出来た。
ご馳走様です。