『スペシャルティコーヒーについて考える』パッシヴさんの日記

レビュアーのカバー画像

パッシヴのレストランガイド

メッセージを送る

日記詳細

今日行ったお店で、「スペシャルティコーヒー」について考えさせられたので、私なりの考えを記しておきたいと思います。

前提として、私はスペシャルティコーヒーという言葉があまり好きではありません。

そもそも定義が曖昧です。

日本スペシャルティコーヒー協会が曖昧ながらも定義しているのは、豆の産地や品種だけでなく、焙煎や抽出が適切になされ、消費者が実際に手にしているコーヒー液の品質が優れているもの、とあります。

この定義でいくと、実際に店頭でどの様なコーヒーが提供されているか、それなりの機関が審査をしなければ、「スペシャルティ」のお墨付きは得られないはずなのですが、現実にはそのようなことが行われないまま、「スペシャルティ」と名前の付いた豆やお店があふれています。

どうも、産地の身元が由緒正しく、今までのスタンダードな品種とは違う、特徴のある風味を持つ豆を「スペシャルティ」と混同して使っているように見受けられます。

コーヒーの味は、生豆の品質はもちろんですが、焙煎と保管管理、抽出によって大きく変わります。

名前だけのスペシャルティよりも、きちんと管理されて適切な方法で抽出されたコモデティ豆の方がはるかに美味しく飲むことができます(本来の意味でのスペシャルティであるとも言えます)。

美味しいコーヒーが、より身近に飲めるようになるのは大歓迎ですが、言葉だけが独り歩きして、本質を見失わないようにしてほしいな、などと考えた一日でした。
ページの先頭へ