幸徳春水さんが投稿した天遊(兵庫/出屋敷)の口コミ詳細

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この口コミは、幸徳春水さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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天遊尼崎(阪神)、出屋敷/中華料理、ラーメン、ちゃんぽん

5

  • 夜の点数:3.6

    • ~¥999 / 1人
      • 料理・味 4.5
      • |サービス 3.2
      • |雰囲気 3.2
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク -
5回目

2017/07 訪問

  • 夜の点数:3.6

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.2
    • | 雰囲気3.2
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク-
    ~¥999
    / 1人

冷麺 大盛

今年の「冷麺行脚」十五杯目は『天遊』の「冷麺」である。

最近は冷麺に限らず“町中華”を食べる機会が多いが、尼崎市内にこんなに美味しい大衆中華料理の店があるとは思っていなかった。その中でも僕にとって最高ランクの美味しさを誇っているのがこの『天遊』である。今まで食べた「辛・麻婆豆腐」「酢豚」「尼チャン」「野菜炒め」「天津飯」「棒々鶏」…、すべてが抜群に美味しかった。その『天遊』にも冷麺があるという。いやがうえにも期待が高まる。

注文したのは「冷麺」(¥750)のみ、もちろん大盛(+¥200)である。

待つこと10分弱、料理が到着。例によって手早く写真を撮りながら見た目を観察する。
麺は細めで黄色くやや縮れている。タレは最もオーソドックスな甘酸っぱい醤油ダレらしい。具はたっぷり、細切りの焼豚に蒸し鶏、錦糸卵、もやし、キュウリ、ワカメ、紅生姜。皿の縁にはカラシ。見るからにボリュームがありそうだ。

いつも通り、カラシも含めて念入りに全体を混ぜ合わせてから食べ始めた。まずタレに浸った麺を一啜り。麺の茹で具合はちょっと柔らかめだがモチっとした食感。タレは予想通りのオーソドックスな甘酸っぱい醤油ダレだが、甘さも酸っぱさもちょうど良い感じで旨味もある。どこと言って特別なところがあるわけではないが、実にバランスのいい味わいだ。
次に具をそれぞれに試してみる。特に美味しかったのが焼豚。脂身もしっかり付いていて、焼豚だけでも十分に美味しい。
具と麺を一緒に食べ進む。焼豚はそれだけを食べた時には非常に美味しかったのだが、麺に対して食感がややしっかりし過ぎて固く感じた。もう少し小さめに切った方が食べやすいと思う。キュウリも同様で少し固めに感じはしたが、全体的な味のまとまりが非常に良い。タレに包容力があると言うか、どれ一つとっても悪目立ちしないバランスの良さが心地よく、美味しい!

他の料理でも感じることだが、『天遊』の特徴はこのバランスの良さだと思う。材料の一つ一つは決して値段の高いものではない。例えば「野菜炒め」の野菜の切り方なども豪快かつ大胆でお世辞にも上品とは言い難い。だが、味つけが実に巧みというか、実に良い塩梅なのだ。これは料理人である親父さんのセンスの良さによるものだろう。

「冷麺」も同じであり、何も特別なところは無いが、ただただ美味しいのだ。量はけっこうあったが、気がつくときれいに完食していた。行儀悪いとは思ったが、皿に残ったタレも一滴残らず飲んでしまった。タレだけ飲んでも甘酸っぱさが行き過ぎることなく美味しく感じる。
この「冷麺」は今年食べた中では三本指に入る美味しさだったと思う。

さすが『天遊』!今、僕の中での“町中華”No.1はやはりこの店である。

  • 冷麺(¥750) 大盛(+¥200) 天遊は冷麺もが美味かった!上品ではないが、酸味も甘さもギリギリ行き過ぎないスープの加減が見事。麺も具も美味しいが、具はもう少し小さく切った方が食べやすいかも。

2017/07/24 更新

4回目

2017/06 訪問

  • 夜の点数:3.7

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス3.2
    • | 雰囲気3.2
    • | CP3.6
    • | 酒・ドリンク-
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

天津飯 大盛 & 野菜炒め

レビューを書くのがずいぶん遅くなったが、6月初旬にまた『天遊』へ夕食に行った。通算4回目の訪店になる。

冷麺行脚を始めたこともあって、最近本当に中華料理ばかり食べている。尼崎市には美味しい飲食店がたくさんあるが中華料理店だけは良い店が無いと数年前までは本気で思っていたが、あれは何だったんだろう?という勢いである。

時刻は午後6時を過ぎて夕食刻のピーク、店内のテーブル席はおおかた埋まって壁際の一人席がいくつか空いているだけ。僕はビールピッチャーの真ん前の席に座った。

今回の注文は「天津飯」(¥550)大盛(+¥200)と「野菜炒め」(¥600)、計¥1,350である。
「野菜炒め」はマイレビュアーのボンクラーKTさんにオススメしてもらった一品で、これを食べることが今日の目的である。かつてオススメしてもらった「辛・麻婆豆腐」も「酢豚」も大いに気に入って、ボンクラーKTさんのオススメには全幅の信頼を置いている。今回も楽しみである。
お米大好きな僕としては、一緒に食べるのは普通に白いごはんでよかったのだが、せっかくだからごはんものも頼んでみようということで、メニュー表を見て「天津飯」を注文した。メニュー表には大盛についての表示はなかったが、「炒飯」(¥500)と並んで「炒飯(大)」(¥700)があることから、おそらく天津飯も同じだろうと予測した。かつて定食のごはんを頼んだ時は+¥50だったので、ひょっとしたら+¥100という可能性もある。

待つことしばし、まずは野菜炒めが到着。店が混んでいるのでもっと時間がかかるかと思ったが、けっこう早く出来てきた。相変わらず素早い!例によって手早く写真を撮り見た目を観察する。「野菜炒め」とはあるが、海老やイカ、豚肉も入ってなかなかに豪華版。¥600の価格も納得である。野菜の切り方が大きく乱雑と言うか豪快と言うか、かなり大胆な盛り付けなのがいかにもこの店らしい。

天津飯を待つことはせず、さっそく野菜炒めから食べ始める。筍や青梗菜の切り方が特に大きい。野菜それぞれがしっかり炒まっているが歯応えもちゃんとある。ちょっと濃いめではあるが抜群の美味!色々な種類の野菜が入っているが、特にキクラゲの味・食感にはまってしまった。目の前にビールピッチャーがあるので、思わず生ビールを飲みたくてしかたがない。この後に仕事があったのでなんとか自制したが、ビールやごはんが欲しくなるような味でたいへん気に入った。やはりボンクラーKTさんのオススメにはまちがいがない。

野菜炒めを半分ぐらい食べたあたりで天津飯が到着した。写真ではわからないが、巨大な器にたっぷりと注がれたあんの迫力にまずびっくりした。大盛にしたとはいえ、ここまで量があるとは思わなかった。たっぷりのあんには海老や人参、そしてこれにも大量のキクラゲが入っている。卵は見事な半熟具合。その下にはこれまた大量のごはんがある。これはかなり気合いを入れて食べなければならない!
レンゲでごはんとあんを掬って口に運ぶ。これもちょっと濃いめではあるがしつこさは全く無く、これも抜群に美味しい!大きな具にはきっちり歯応えもあり、味や食感の変化を与えてくれる。そのおかげで大量のごはんと卵とあんに飽きることも無く、どんどん食べ進む。
最初はあまりの量の多さに一瞬不安になったが、結局野菜炒めと大盛の天津飯をきれいに食べきってしまった。野菜炒めだけでなく、天津飯も大いに気に入った。大満足である。

やはり『天遊』は何を食べても美味しい!あらためてボンクラーKTさんに感謝である。
次回は中華丼の大盛を食べるぞ!と心に決めている。楽しみである。

  • 天津飯(¥550) 大盛(+¥200) 圧倒的な迫力のボリューム!巨大な鉢(?)に山盛りのごはんと玉子、そしてあふれんばかりのあん⁉︎しかも味も一級品!これは新たなオススメの一品である。

  • 野菜炒め(¥550) 野菜炒めとは言うが、海老やイカ、豚肉も入っていてボリュームは十分。味はやや濃いめながら、ごはんにもビールにも合って、美味しさも格別!さすが『天遊』である。

2018/01/22 更新

3回目

2017/04 訪問

  • 夜の点数:3.7

    • [ 料理・味4.8
    • | サービス3.2
    • | 雰囲気3.2
    • | CP3.6
    • | 酒・ドリンク-
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

驚愕の美味!酢豚定食に脱帽 !!

運のいい日、流れのいい日というのはあるものだ。今日はそんな日だった。
思っていたより早く仕事が終わり、夕食をどこで摂ろうか?まだちょっと時間が早いなぁ、等と考えながら阪神尼崎のアーケードをウロウロしていた。
そうだ、『龍福』でチャーシューまんを買って帰ろう!と思いつきアーケードを奥まで歩いて店の前まで行ったが、あいにく月曜は定休日。しかたないのでまた戻って歩きながら店を探していたのだが、どうにも決まらない。しようがないのでもっと腹が空くまで時間を潰そうとパチンコ屋へ。そこで一円パチンコに座って『牙狼』という台を打ち始めたら、これが全然回らない。五千円札を入れて千円使ったところで、これは台を変わらなきゃと返却ボタンを押したつもりが、間違えて玉貸しのボタンを押してしまったようだ。さらに¥200分の玉が出てきたのでそれを打ったところ、画面が何やらやたら派手な展開になったかと思うと銀色の仮面が落ちてきた⁉︎そのまま打つのを止めて見ていたら大当たりである!
大当たりは通常当たりで終了。これでチャラになったなと思いながら時短を消化していたら、今度はいきなり保留玉の一つが派手で大きなアルファベットに変わり、また大当たりである!
今度は高確率モードに入ったのだが、残念ながら連チャンは一回だけ。時短を終了して、計3回の大当たりになった。
普段ならここで出玉をさらに突っ込んで勝負したいのだが、この台はやはりあまりにも回らないのでそこでやめることにした。それでも三千円ほどのプラスである。

店を出て時計を見ると夕方6時半。この時刻ならまだ『天遊』がやってるなと思いつき、ようやく食事をすることになった。

店に入るとほぼ満席。だが、ちょうど食べ終わって席を立った人が一人いて、その席に座ることができた。今日は前回と違いママさんがいて、大将は若い衆と一緒に厨房内である。

注文したのは『酢豚定食』(¥750)をごはん大盛(+¥50)にした。それだけでもよかったのだが、せっかくパチンコで浮いたのだからと『バンバンジー』(¥350)も頼むことにする。計 ¥1,150の注文である。
この店の酢豚はマイレビュアーのボンクラーKTさんからオススメを受けていたメニューであり、前回もこれを食べるつもりで訪店したのだが、直前で気が変わり「尼崎チャンポンセット」に変更してしまった。その時はママさんが不在で大将がフロアに出て接客していたのだが、その時大将が他のお客さんとの会話の中で「ウチで一番のオススメはワシは酢豚やな。」と言うのを聞いていた。で、僕は「今日も本当はそれ(酢豚)を食べようと思ってたんです。次には絶対それを食べますね!」と大将に言っていたのである。その意味で、今日は宣言通りの、そして念願の酢豚とついにご対面である。

店内は僕のあとからも客が訪れてずっと満員状態。さらに持ち帰りの客や電話注文まで入った様子で大わらわである。これは多少は待つ覚悟がいるなと覚悟したが、ものの五分も経たないうちにママさんが「はい、まず先にバンバンジーお待たせ。」と言って料理を運んできた。う〜む、素晴らしいスピードである。

例によって手早く写真を撮り見た目を観察する。葱や生姜の入った見るからに濃厚なタレがかかっていて美味しそうだ。この「バンバンジー」を注文したのは、もう一品頼むのに最も手頃な価格(¥350)だったからという至極単純な理由でなんとなく頼んだだけだったが、値段のわりにはしっかり量もある。これは良い選択をしたようだ。
酢豚はもう少し時間がかかりそうだと判断して
まずはバンバンジーから食べ始めることに。
一切れがなかなか大きい。一つを口に放り込んで驚いた。
うっ、美味い⁉︎
胡麻の効いた濃厚で甘辛いタレも美味いが、それに負けないぐらい鶏肉自体に旨味がある。熱の通し方が良いのだろう、しっとりとしていて、かつ弾力もある。価格から考えても、鶏肉自体はブランドものの地鶏などではない、普通の鶏だと思うし、ひょっとしたらブラジル産かもしれない。だが、これほど美味しい鶏肉の冷菜は久々に食べた。『王府楼』の「白切鶏」以来の感動である。この「バンバンジー」で定食があればいいのに、と思うぐらい気に入った。

美味しいものにありつくと気分が高揚してくる。ニヤニヤしながらじっくり味わって半分ぐらいを食べたところで、真打の「酢豚定食」の登場である。
これまた例によって手早く写真を撮りながら見た目を観察。この店の酢豚は僕がこれまで食べてきた酢豚とはちょっと見た目からして違っていた。まず揚げた豚肉であるが、もっと丸っこい塊を予想していたが、この店のそれはけっこう薄切りである。そのかわり面積はそれなりにあってサイズは大きい。さらに変わっているのは豚肉と野菜の割合である。具の野菜は種類としては玉ねぎ、筍、人参、ピーマンとごく普通。だが、玉ねぎこそそれなりに入っているが、筍・人参・ピーマンはわずかに一切れずつ入っているだけ。ただその切り方がまた大きい⁉︎そして全体の半分以上が豚肉なのである。なんとも豪快と言うか、大雑把と言うか…。

とにかく食べてみよう。まずは玉ねぎと一緒にあんかけのあんの味を確認する。しっかりと固さのあるあんで、味もかなり甘さが濃厚。切り方が大きいので玉ねぎも玉ねぎだけで食べたのだが、火の通り方がこれまた完璧。玉ねぎ自体の甘みは出ているが、火が通り過ぎていないので歯応えがしっかりしている。そして豚肉である。
……………、すっ、すごい⁉︎
酢豚の豚肉でこれほど肉々しいのは初めてだ!揚げてあるが、決して硬くなく弾力もある。そしてあふれんばかりの豚肉の旨味!強烈なインパクトである。

本音を言うと、これまで僕はあまり酢豚を美味しいと思ったことがなかった。いや、味としては美味しいものを食べたことはあったが、豚肉の料理として認識したことがなかったのだ。
甘い料理より辛い料理の方が好きだというのもあったが、酢豚は野菜料理として美味しいとは思っても、豚肉があんの甘さに負けているように感じていたのである。
ところが、『天遊』の酢豚は違う。間違いなく豚肉が主役である。あんの甘さに負けない豚肉の旨味を存分に味わえるのだ。
豚肉だけではない。野菜も一つ一つをここまで大きく切ってあるため、一度に一種類しか口に入れられないが、それぞれの味もあんに負けることなく、しっかり自己主張しているのだ。
この酢豚は美味しい!実に美味しい!!

皿には他にも中華風のオムレツも乗っていた。それもあんを絡めて食べてみる。オムレツの中の半熟具合もちょうどいい。そして、オムレツを食べていて、あんの甘さが強烈だが後を引かないことにも気がついた。う〜む、よく出来ている!

こうして、たいへん美味しい酢豚とバンバンジーを交互におかずにしながら大盛のごはんを夢中で食べていると、
「義理堅く酢豚食べに来てくれたんか?ありがとう!」
声の方を振り返ると、大将が厨房から出てきて傍らに立っていた。前回会った時のことを覚えていてくれたんだ!僕は二度しか来ていない客なのに…、それだけで感激ものである。
「美味しいです!」と答えて笑いかけると、大将もニッコリと笑顔を返してくれた。

あっという間に全てを完食。実に満ち足りた気分である。美味しさはもちろん抜群でそれだけでも十分幸せだが、大将にわざわざ声をかけてもらったことも嬉しさを倍増させてくれた。
勘定を済ませて帰り際に厨房を見ると、大将がこっちに笑顔を向けてくれていた。
「こんなに豚肉が美味しい酢豚は初めてです!ごちそうさまでした!また来ます!」
そう声をかけて店を出た。最高に幸せなひと時であった。

最後に、ボンクラーKTさん、
ついに食べましたよ!こんな美味しいものを紹介していただいて大感謝です。
ありがとうございました。
『天遊』今後頻繁に通い詰めさせていただきます(笑)

  • 酢豚定食(¥750) ごはん大盛(+¥50) 『天遊』大将一番のオススメがこれ。僕がこれまで食べた酢豚の中で間違いなく三本の指に入る美味!この価格でこの味、もはや通い詰めるしかない⁉︎

  • 酢豚 アップ 具としては玉ねぎこそそれなりに入っているが、筍・人参・ピーマンは大きく一切れずつ入っているだけ。あとは揚げた豚肉がどっさり。この豚が筆舌に尽くしがたいほどの美味!秀逸な一品である。

  • バンバンジー(¥350) もう一品何かを、と考えて手頃な値段のこれを選んだのだが、これがまた美味しい!うれしい驚きであった。この店は本当に何を食べても間違いが無い。

2018/01/22 更新

2回目

2017/03 訪問

  • 夜の点数:3.6

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.2
    • | 雰囲気3.2
    • | CP3.6
    • | 酒・ドリンク-
    ~¥999
    / 1人

尼崎チャンポンセット(¥850)

最近めったやたらと中華料理ばかり食べてるなぁと思いながら、今日も夕食を『天遊』で摂ることに。

店に着くまでは、マイレビュアーのボンクラーKTさんにオススメいただいた「豚バラ酢豚定食」を注文するつもりだったのだが、店に着いてメニューを一目見た瞬間に気が変わってしまった。
先日『幸楽苑』で火の通っていないキャベツの芯を大量に乗せた「野菜ちゃんぽん」でえらい目に遭ったのだが、まともな「ちゃんぽん麺」を食べたい!そう思った僕は「尼崎チャンポン」を注文することにした。
「尼崎チャンポン」は尼崎市のご当地メニューとして昨今数多くの店が作っている、あんかけラーメンの一種である。有名な「長崎チャンポン」が豚骨味であるのに対して、「尼崎〜」は醬油味であり、僕のあやふやな記憶ではこの『天遊』が一番最初に出したメニューだったように思う。『天遊』には「長崎」も置いてあるが、せっかくだから今日は「尼崎」を頼むことにしよう。

時刻はまだ夕方の5時半ちょい前。店内には先客は無く、僕が今夜は最初のようだった。時刻がまだ早いせいか、前回来た時の愛想の良いママさんはフロアにおらず、代わって大将自らがフロアに出てきて注文を聞いてくれる。

注文したのは「尼崎チャンポンセット」(¥850)
である。「尼崎チャンポン」に「半炒飯」が付いている。ちゃんぽんや炒飯を大盛にできないか?と大将に尋ねたら「できるけどセットでなくなるよ。」とのこと。腹具合も考えると無理する必要は無いと思ったので、デフォのセットを頼むことにした。

大将は厨房の若い衆にオーダーを通すので、今日はその若い衆が作るのか?と思ったが、材料の準備だけ若い衆にさせて大将自らが厨房に入り調理を始めた。

待つことしばし、時間は計りそこねたがけっこう早めに炒飯がまず到着。ほとんど間を空けずにちゃんぽんも到着した。素早い!

例によって手早く写真を撮りながら見た目を観察。「尼崎チャンポン」は醬油味のあんかけラーメンである。想像していたより野菜の量は少なかったが、具にキャベツ・もやし・キクラゲ・人参・筍・ニラといった野菜に海老・イカ・豚肉が入ったあんがかかっている。あんの色はけっこう濃い醬油色である。「半炒飯」は意外に量が多い。具は叉焼・葱・卵と至ってシンプル。焼き色もそんなに濃くない。

冷めないうちに実食である。
レンゲで掬ってあんを一口。味は見た目ほど濃くはなく、ちょうどいい塩梅。キャベツは歯応えは残ってはいるが、ちゃんと甘みが出るように火が通っている。やっぱりちゃんぽんのキャベツはこうあるべきだろう。具も汁もあんは非常に美味しい!ただ若干不満があるとすれば、麺がいかにも凡庸。濃厚なあんとのバランスから言うとちょっと弱い。でも、味の完成度の高さはさすが『天遊』である。
「半炒飯」も美味!塩胡椒味でこれといって変わったところは何一つ無いのだが、塩加減が抜群である。

食べている最中に大将がまたフロアに出てきて、女性一人で来ている客と喋り始めた。彼女は前回僕が食べたい「辛・麻婆豆腐定食」を食べていたのだが、大将は「辛過ぎるでしょう?」と言う。彼女が確かに辛いけど、それが美味しい、と言うと「わしはよう食べへんねん。」と言って笑った。僕も会話に参加し、「僕もこの前それ食べましたけど、癖になる美味しさでしたよ!」と女性の意見に賛成したが、大将は首を傾げている。
大将としては一番のオススメは「酢豚」なんだそうだ。「麻婆豆腐」と「辛・麻婆豆腐」の中間の辛さも作れるとのこと。ボンクラーKTさんがおっしゃるように「辛・麻婆豆腐」をさらに辛くしてというオーダーもできるが、大将的には理解できないらしい(笑) よくしゃべる、実に楽しい大将である。

ものの7、8分できれいに完食した。
食べ終えた感想として、『天遊』の中華料理はやはり美味しい。「辛・麻婆豆腐」や「尼崎チャンポン」はこの店としては特徴的なメニューではあるが、決して奇をてらった物ではない。味は王道的で非常にバランスが良い。接客は前回のママさんにしろ今回の大将にしろ、快活で楽しく、そして家庭的な暖かさがある。中華料理としての奥深さを感じるか?と訊かれれば違うとは思うが、必ず満足できるレベルの美味しさを提供してくれる良い店だ。

次回こそボンクラーKTさんオススメで、大将自らが一番の自信作だと語る「豚バラ酢豚定食」を食べることにしよう。

  • 尼崎チャンポンセット(¥850) 単品だと¥650の尼崎チャンポンに半炒飯を+¥200で付けたお得なメニューだが、個人的には白いごはんと餃子の付いたセットも作ってほしい。

  • 尼崎チャンポン アップ あんの色は濃いめだが、味は濃過ぎたりしない。実に良い塩梅で、さすがに『天遊』である。

  • 半炒飯 アップ 半炒飯というわりにはしっかり量がある。味つけもごく一般的ながら、これも実に美味!完成度の高い一品だ。

2017/04/07 更新

1回目

2016/12 訪問

  • 夜の点数:3.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.2
    • | 雰囲気3.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥1,000~¥1,999
    / 1人

辛・麻婆豆腐定食にどハマりしそう!

『天遊』は、いつもレビューを拝見しているボンクラーKTさんから教わった店。辛いものが食べたいならこの店の「辛・麻婆豆腐定食」がオススメだとのことだった。
ずいぶん昔になるが、実は何度か行ったことがあった。その頃はまだ「尼崎ちゃんぽん」通称尼ちゃんが今のように有名になる前で、すぐ近所にあるパチンコ屋に行った流れで食事しに入り、炒飯やニラレバ炒め、餃子あたりを食べたように思う。どれを食べてもなかなか美味しいと好印象だったと記憶している。
近年食べログを利用するようになって尼崎の中華料理屋を検索していた時に、この店が「尼ちゃん」で有名な人気店であることは把握していたが、ラーメンにはあまり執着が無いのと阪神尼崎が自宅からは遠いという理由で足を運ばずにいた。最近仕事の関係で阪神尼崎に行く機会が多くなっていたところへオススメを受けて、じゃあ行ってみるか!ということになったのである。

店に着いたのが午後7時過ぎ。久々に店に入って思ったのが、外観や内装はどう見てもごく普通のありふれた「街中の中華屋」だなと。何の予備知識も無い人にはこの店が「尼ちゃん」で有名な人気店とは信じられないだろうなと。
先客もさほど多くはなく、四人がけのテーブルに一人で座らせてもらえた。

元気の良いお姉さんが注文を取りに来た。目的通りに「辛・麻婆豆腐定食」をと言ったところ、おねえさんから「辛の方でよろしいんですね?」と確認が入る。これはかなりの辛さが期待できそうだと辛いもん好きには嬉しい予感。
お姉さんのいかにも尼崎的なノリの良さ愛想の良さも好印象で、すべり出しは良い感じだ。
で、注文したのは「辛・麻婆豆腐定食」(¥1,000)をごはん大盛(+¥50)にして。さらに餃子一人前(¥250)の計¥1,300であった。最後に追加した餃子はお姉さんのノリの良い応対に乗せられてした注文。こういうこともあるから店員の客扱いの良し悪しは売り上げに関係あるなぁと思う。

僕が着席してから一応他のメニューもチェックしたりのんびりやっていたら、夕食時でもあり続々と客が入って来て、気がつくと店内はほぼ満員になっていた。だから料理ができるまではちょっとだけ時間がかかったが、それでも15分ほどでまず餃子が、ほどなく定食も到着。
例によって手早く写真を撮り外見を観察。
お姉さんの「熱いから気をつけて!」の言葉通り、ぐつぐつ煮えたぎった鉄鍋入りの麻婆豆腐は色が赤ではなく黒っぽくて、見た目だけではそれほど辛そうに見えない。副菜に付いている鶏唐揚げは小ぶりながらけっこうしっかり量もあるのが嬉しい。ごはんは器の径こそさほど大きくはないが深さがあり、そこにごはんがぎっちり詰め込まれている。これも大喰らいの僕には嬉しいことだ。餃子はサイズは小ぶりだが、しっかり焼きが入っていてこれまた美味しそうだ。

期待が十分に高まったところで、いよいよ実食である。
まずは餃子を一つ。美味しい!以前この店に何度か通った時にもそう思ったが、どの料理もこれといって目立つ特徴は無いが、かなり高いレベルの美味しさである。この餃子にしてもしっかり焼きの入った皮や肉と野菜両方の味がちゃんとする餡のそれぞれの味の良さもさることながら、一番良いと感じたのは皮と餡の味・量のバランスである。どちらが強過ぎることの無い絶妙のバランス、これは調理人のセンスの良さだと思う。
次に唐揚げを一つ。これもまた同様の感想。サイズはさして大きくはないが、鶏肉の旨味も衣の味付けもしっかり、かつバランスが良い。
そして肝心の辛・麻婆豆腐。大きめに切られた豆腐とけっこう粗めの粒の大きい豚挽肉、それに青ネギと具は至ってシンプル。その味は激アツの激辛!だが、その先にある美味さはまた格別だ。額に浮かんだ大汗をぬぐいながらも一心不乱に食べてしまい、しばらくはごはんを一緒に食べるのを忘れるほど夢中になった。それぐらい気に入った。
麻婆豆腐を一気に半分以上食べてやっと我に帰り、ごはんを食べてみる。量がたっぷりある上に炊き具合も柔らか過ぎず硬過ぎず、僕の好みにぴったり。このごはんと餃子・唐揚げ・麻婆豆腐を交互に食べ、最後に麻婆豆腐を残ったごはんにかけて食べた。量はかなりあったはずだが、あっという間に全品完食。量・味共に大満足である。

今回食べた物はとにかくすべてが僕の好みにぴったりハマった美味しさで、思い切り気に入ってしまった。これからは機会あるごとに通い詰めることになりそうだ。今回の「辛・麻婆豆腐定食」ももちろんだが、この店はたぶん他の料理も相当に美味しいだろうと思う。料理の端々に調理人のセンス・腕の良さを強く感じさせられる美味であった。
教えてくださったボンクラーKTさんに大感謝である。

  • 辛麻婆豆腐定食(¥1,000)ごはん大盛(+¥50) 辛いもの好きにはたまらなく美味しい名作! 鶏の唐揚げもかなり美味しかった。

  • 辛麻婆豆腐(単品注文なら¥600) 具は大きめに切られた豆腐と豚挽肉と少量のネギ。ぐつぐつと煮えたぎって、辛さも最初は咳き込むほど強烈だが、これが癖になる感じ。抜群の美味!

  • ごはんの大盛(+¥50) 器の径はさほどでもないが深さがあり、ぎっしり詰め込まれてなかなかの量。これで¥50増しは安いと思う。炊き加減も僕にはちょうど良かった。

  • 副菜の鶏唐揚げ これがまた美味しいこと!鶏肉の旨味がしっかり感じられる上に、衣の味も揚がり具合も絶妙。単品でも注文したくなる美味しさだ。

  • 餃子 一人前(¥250) これといった特徴があるわけではないが、餃子もかなり美味しい!ごはんにもビールにも合う味だ。

2016/12/22 更新

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