6回
2020/07 訪問
高槻天神町に本格割烹!
蒸し暑い夕方。高槻駅から天神さんに向かって歩き、横道にそれると凛とした佇まいのむら田。店に入るとウッディな美しいしつらえ。見事なカウンターの向こうにビシッとしていながら物腰が柔らかい若い大将。緑色の陶器の炭火のコンロ。期待が高まる…。
飲物は日本酒をおまかせしてしまった。
蓮の葉にくるまれた先付が配膳される。葉を広げると、大きな蓮の花びら。これはわくわく。さらにひらくと鱧、雲丹の煮こごり。オクラが花のようにあしらわれている。ずんだのソースとともにいただくと上質な雲丹の香りと煮凝りと鱧の優しい食感と深いコク。いきなりやられた。その後も素晴らしい料理が続く。お造りはシマアジとタコ。シマアジの強いうま味とポン酢の組み合わせは目をつむって味わう一品。タコは絶妙に火が通されて、生よりもしっとりとした味わい。
特筆すべきは焼物と強肴である鮎の塩焼きと鰻の白焼き。両者ともカウンター越しに丁寧に炭火で焼かれるのをみて楽しみにしていたがこれほどとは!
鮎焼きは頭はカリッ、身はふわっとした食感で旨味と優しい香りとほろ苦さのハーモニー。頭やヒレのカリッと感はただドライになったのではなく揚がったような旨味と油感を感じさせる見事な焼き加減。濃厚な蓼酢もよい。鰻の皮も同様にクリスプなだけでなく旨味が引き出された焼き加減。塩は若干強め。これはすごい味わい。
締めのご飯はつぶ貝の炊き込みご飯。みょうがをたっぷりのせて。つぶ貝の独特の食感と旨味を味わう。
すべてのお料理に妥協がなく、美味しいだけでなく驚きをしかけてくれる素晴らしい仕事。本当に幸せだった。毎月伺って季節を味わいたい。
2021/05/08 更新
緊急事態宣言明けにむら田さんで桃の節句のお料理を。椅子の背が高すぎてお着物のお客さんとかが不便されるとのことで床を高くしたとのこと。オープンして間もないのにしっかりと問題に対応されてびっくり。
ニューノーマルが維持されているとはいえ、20時に帰らなければならないプレッシャーからこのときは開放された:-)
柏屋、露庵菊乃井で修行されたむら田さんのお料理は京都と大阪の間。やや柏屋より。立地的にもそんな感じか。しっかりと季節に食べたい食材を確かなお料理で。今回はひな祭りを意識した仕立てで心から楽しめた。今回、柏屋的な感じのお料理が多かったかな。
琵琶鱒は初めていただいたな。おいしい。鮨む田ゆずりのお寿司を挟むのが常だが今回は〆のちらしに全集中!とてもよかった:-)