2回
2023/01 訪問
個人的には和食の理想形
仙台国分町。いろんな種類のお店があるなかで、公園の向かいにひっそりと佇む当店。
1人であろうとも予約をしないと普通は入れないとのことなので、もし行かれる方は気をつけてほしい。
料理人×2(うち一人はオーナー)と女将さん×1でやっている。皆さん、落ち着いており、とても居心地がよい。カウンターに案内していただいたが、オーナーと色々と楽しいお話をさせていただいた。団体さんには個室もあるし、お客さんも静かな方だったからか、割と一人でも居心地がよい。
コースは10000円と15000円のコースの2種類(飲み物は別)があり、どちらもデザートをいれて5~8品ほどになる。
酒は細かい銘柄まではわからないけど、すごく力をいれているわけではなさそうに見える。あくまで料理がメインというお店だと感じた。ただ、フグのヒレ酒やウイスキーのレア物は珍しかった。
和食の店である。その日のよかったものがくるので何がくるかはそのときまでわからないが、基本的には下のような流れだった。
お通し
前菜×2品
お造り(フグ)
煮物
焼魚
雑炊
味噌汁
和食なので、基本的に薄味、ごまかしは効かない。その中でこれだけ高いクオリティのものをいただけたのはひとえに感動だった。
食材そのものの味わいは残しつつ、下味はきちんとついている。ゆで加減や火の強さなども絶妙なバランスで、食材に対する細かい気配りを感じた。
個人的には、しっかりと食べるために来る店だと思う。
お酒が好きな方は別の楽しみがあるかもしれないが、とにかく料理が感動的だった。
食べることが好きな僕にはとてもいいお店だった。
次は15000円に挑む。絶対に。
2024/12/28 更新
幸か不幸か年内で閉店の旨を教えてもらった。そういうことを伝えるに値する人間の1人として評価いただいた偏見は大いにありながらも、感想を書きたいと思う。
日本料理として一時代を築き上げてきた積み重ねがそこにはある。日本料理の肝と言える出汁の入れ方、濃度、素材とのバランス、温度感、これらは僕の経験の中でも特筆すべき素晴らしさがある。
仕込みの過程でその違いが顕著に出ている気もする。温度管理、酸化具合、計算しているとは思えないほど絶妙な鮮度で供給されるその調整具合は他のお店ではお目にかかれない。
このレベルを追い求めるか、否かは難しい問題がある。お目にかかれないからである。もし、和食で高みを求めるなら一度は挑んでほしいそんなことを思う一店だと感じる。
きっとどこ差があるのか再確認するきっかけになる。
そう信じている。