15回
2024/06 訪問
シェフの釣り太刀魚
すっかりランパールのスペシャリテとなった湯澤シェフの釣り太刀魚。釣った後の手当てが素晴らしく、さらに熟成させているので、他では食べられないねっとりした旨さがあります。
・東京湾走水産 太刀魚の炙りとクスクスのサラダ 大葉のジェノヴェーゼ風
10日熟成の太刀魚。枝豆と大葉が入ったクスクス仕立てで、これだけでボトル半分以上イケます。
・駿河湾産 桜海老の素揚げとキャベツの蒸し煮
驚くほどシンプルな料理。ブールブランソースでしっかりフレンチになってました。さすがです。
ワインは、
2021 Menetou-Salon Morogues /Dom. Pellé
初めて飲むアペラシオンでした。メヌトゥーサロンはサンセールの西の街。ブドウ品種も同じソービニョンブラン。ドメーヌ ペレは、現当主がブルゴーニュで修業経験があるそうで、ミネラリックな酸を旨味がしっかり支える高品質な白ワインを作る。レストランでサンセールが1万円で飲めなくなった昨今、ポストサンセールになり得るワイン。こういうエントリーワインを飲むのは楽しい。店が一番考えるワインなので。
他にもホワイトアスパラやズッキーニのグリエなど、野菜メインの料理がいくつかありました。蒸し暑い季節には、軽めのフレンチで白ワインがいいですね。
2024/06/15 更新
2024/06 訪問
グラスワインも充実
・鮮魚のタルタル 新玉葱のクリームと甲殻類のジュレ
この日の鮮魚はヒラメとシバエビ。酸味のある新玉ねぎのクリームソースによく合う。穂紫蘇がいいアクセント。
・卵明舎の磨宝卵ゴールドとガリシア栗豚パンチェッタの濃厚カルボナーラ
湯澤シェフの特製カルボナーラ。濃厚な中に柑橘系の酸味もあって美味。
ワインはグラスでプイィフュメとジゴンダス。
2021 Pouilly-fume Vieille Vignes Fume du Milieu /Guy Baudin
2018 Gigondas /Saint Gayan
独り飲みでもボトルで頼むのは、グラスだとお代わりを勧めらるのが煩わしいから。それに、ボトルだと刻々とワインが変化していくのが楽しい。でも、たまにはグラスワインもいいものです。
鮮魚(ヒラメとシバエビ)のタルタル
卵明舎の磨宝卵ゴールドとガリシア栗豚パンチェッタの濃厚カルボナーラ
2021 プイィ フュメ V.V. フュメ デュ ミリュー /ギィ ボーダン
2018 ジゴンダス /サン ガヤン
グラスワインリスト
2024/06/15 更新
2023/02 訪問
シェフの釣り太刀魚
日本各地で爆釣しているらしい太刀魚。湯澤シェフは横須賀走水沖へ毎週のように自ら釣りに行き、神経締めまでして持ち帰り、しばらく置いて食べ頃になってから出すという、何とも素晴らしいことをしてくれています。
・釣り太刀魚の炙り
鮮やかに発色した赤大根が絵画のように美しい。炙り太刀魚はねっとりとして旨味が濃厚。ヴィネグレットと、赤大根のピュレと砕いて散らした黒オリーブがさらに味を引き立てる。絶品でした。
・釣り太刀魚のふわふわクレープ ボナシェンヌ ブールブランソース 塩いくら添え
じゃがいものクレープボナシェンヌの下に、太刀魚とシャンピニオンデュクセルを重ねて焼き上げたという楽しい一皿。力強い酸のブールブランソースが印象的。葉っぱに隠れていますが、自家製塩イクラが良いアクセント。
ワインは、
2015 Sancerre Florès /Vincent Pinard
フランス人にとって白ワインと言えばサンセール。パリのどんな小さなカフェにでもある…とはパリ在住の人に聞いた話。サンセールのワインを生産する村は14あり、現地の星付きレストランに入ったら、サンセールだけの村ごとに記した分厚いワインリストを見て思わずのけぞった。ランパールでオンリストしているのはビュエ村の名手ヴァンサン ピナール。7年を経て熟成感があり、酸が丸くなった代わりに熟した果実味が前面に出てきている。白桃の香りがするモダンな作り。というより、猫のオシッコに例えられる香のするソービニョンブランなんて、近年すっかり無くなってしまった。時間をかけて飲んで楽しい上質なサンセールでした。
2023/02/16 更新
2022/05 訪問
湯澤シェフ就任から半年後に再訪。メニューはすっかり湯澤色に染まり、色々目移りしそうです。ランパールの歴代シェフの中でも魚介系がやや多めかな。ただ、この日は赤ワインが飲みたかったので、その中でも肉系の料理を2品チョイスしてみました。
・フレッシュモリーユ茸とリドヴォーのヴォローヴァン
vol-au-vent、直訳で「風で飛ぶ」。風に舞うほど軽やかなパイと言うことらしい。丸いパイの上に、ソテして軽くクリームで煮込んだモリーユとリドヴォーがのる。ナイフを入れればサクフワトロリ。絶妙にワインに合いました。
・国産牛ハチノスと鰻のフリカッセ ミント風味
世間一般に言うフリカッセ=クリーム煮の事ではありませんでした。レンズ豆の煮込みの上に、ミントを散らして衣を纏いカリカリにソテーしたハチノスと鰻がのる。フリカッセとは赤ワインやバジル等で色を付けない「白い煮込み」の意味なので、こういうのもありらしい。牛ハチノスはもちろんのこと、鰻の脂がいい感じに軽めの赤ワインに合いました。
ワインは、
2016 Faugères Le Presbytere /Mas d'Alezon (Catherine Roque)
フォジェールの赤と言えばレオンバラルがあまりにも有名で、南仏らしい果実味の濃いワインという印象があったが、カトリーヌ ロック率いるマスダレゾンのフォジェールは意外にも細身でドライ。畑の標高が400mと高い場所にあるせいか冷涼さを感じ、どことなくブルゴーニュ的ですらある。セパージュはリュドナーペルト&グルナッシュ45%、サンソー45%、カリニャン10%でビオディナミ。リュドナーペルトはグルナッシュの近似種。カリニャンを10〜40%という中途半端な量を入れるのがフォジェールの条件となると、フォジェールの赤ワインの特徴を一言で表すのは困難なようです。
以前の店からの湯澤シェフの料理のファンが続々と来店しているようで、事前の予約は必須です。
2022/06/01 更新
2021/11 訪問
新シェフ就任
11月から新シェフとして湯澤貴博シェフが就任されました。五味シェフと同じ、いわゆる五十嵐一門の方です。
銀座マノアールダスティンでスーシェフ、表参道アンフォールや中目黒スゥリルでシェフとして腕を振われたという華々しい経歴。中島ソムリエとも旧知の仲とのことで、身長190センチとかなり長身のシェフです。
・秋刀魚とフォアグラのテリーヌ
私にとっては初めての湯澤シェフの料理なので、まずは名刺代わりの一皿。いやしかし、これが凄かった。
秋刀魚とフォアグラって全く共通項が無いと思っていたら「脂が旨い」と「溶ろける」という点で共通していたのを気づかされたという…しかも、周りのバルサミコとコンソメのジュレのおかげでワインにもバッチリ合いました。かなり計算された、というより余程ワイン好きじゃないとこのマリアージュはあり得ない。この一皿でシェフの料理が好きになりました。肝のソースと、添えられたキャビア ド オーベルジーヌ(茄子の粒々をキャビアに見立てた茄子のピュレ)も印象的でした。
・トリップ キッシュにのせて
正式名称が分からないのですが、メニューに載せていない料理の一つ。アパレイユがトロトロなので、キッシュというよりベシャメルを詰めたパイに近い。その上に牛ハチノスの煮込みをのせてありました。ナイフを入れると、サクサクした生地と、濃厚なアパレイユと、旨味のあるトリップが混ざり合って渾然一体となるという…これもまたよく計算された、ワインにめちゃくちゃ合う料理でした。
本格フランス料理でありながら、かなりワインバー向けに振った料理で、これから色々食べてみるのが楽しみです。
ワインは、
2011 Bourgogne rosé / Catherine et Claude Marechal
ブルゴーニュでロゼワインの地位は低い。同じピノノワールでも、赤ワインよりはるかに安い。カトリーヌ&クロード マレシャルは、十ウン年前に私が初めて渡仏した時、ラヴィーニャですすめられたワインという思い出がある。ブリニィ レ ボーヌというマイナーな村を拠点にする堅実な作り手。色合いは10年を経てロゼというよりオレンジワインのよう。落ち着きはあるものの、小梅のような若い酸は健在で、それと共に熟成による複雑さも感じた。ロゼはフレッシュさが身の上だけど、良い作りのロゼは熟成にも耐え得るという好例。セラーの奥に数年は眠っていたであろう、こういうワインを掘り起こすのも面白い。
新生ランパールがスタートしました。今後が楽しみです。
2021/11/11 更新
2020/12 訪問
グランシェフの帰還
惜しまれつつ閉店したカーヴデヴィーニュの五味シェフが、1年半ほどの時を経てランパールのシェフとして就任しました。熟練の技を披露してくださっています。
・鮟鱇のテリーヌ青海苔風味 赤ピーマンのバヴァロワ
カーヴデヴィーニュ時代の冬のスペシャリテ。キワモノじゃないですよ。超旨いです。まずバヴァロワから口にすると、これは確かにフレンチなんだと感じさせてくれます。本体のテリーヌは鮟鱇の旨味が凝縮。鍋で食べてた鮟鱇が、いかに汁に旨味が逃げてしまっていたのがよく分かる。鮟鱇はテリーヌにして食べるべきなんだ!と思わずにはいられません。肝心のアンキモですが…大丈夫、生臭さは感じません。所々散りばめられた岩塩がいい仕事してます。
・牛テールとアキレス腱のクレピーヌ包み焼き ブルーチーズのソース
柔らかく煮込んだ牛テールとアキレス腱を網脂で包んで焼き上げた料理。手をかけないと旨くならない部位を、丁寧に仕事をして極上の皿に仕立ててあります。フランス料理の楽しさ、美味しさが詰まった料理。ねっとりゼラチン質とブルーチーズのソースが、ワイン好きを狂喜乱舞させてくれます。
ワインは、アンキモに合わせるべく、ホームページのワインリストを見て予習して行きました。赤ワインは合わせたくないし、酸の強い白だとアンキモの旨味や甘味を殺してしまいそうだし…フォアグラに合わせるより難しい組み合わせ。まぁ、こういう風に悩むのが楽しいんですけど。
2016 Faugeres Cabretta /Mas d'Alezon (Catherine Roque)
ヴィオニエやルーサンヌ主体で、酸が柔らかくアタックに甘味のある南仏の白をチョイス。フォジェールの赤はレオンバラル等で有名ですが、白はほとんど聞かない。しかし、カトリーヌ ロックは女性醸造家としてマダムルロワ並みに有名な方。こういうワインがオンリストしていること自体が素晴らしい。中島ソムリエのすすめに従ってデキャントしていただきました。澱混じりでも旨いのですが、やはりクリアな方が旨いです。ありがたい。
グランシェフの現場復帰により、行くのがますます楽しみな店になりました。
鮟鱇のテリーヌ 赤ピーマンのバヴァロワ
鮟鱇のテリーヌ カット
牛テールとアキレス腱のクレピーヌ包み焼き ブルーチーズのソース
牛テールとアキレス腱のクレピーヌ包み焼き カット
2016 フォジェール カブレッタ /マス ダレゾン(カトリーヌ ロック)
2016 フォジェール カブレッタの澱
店頭メニュー1
店頭メニュー2
2020/12/06 更新
2020/05 訪問
通常利用外口コミ
この口コミは試食会・プレオープン・レセプション利用など、通常とは異なるサービス利用による口コミです。
デリバリー デ ランパール
野菜室の奥から発掘されたオーストラリア土産の2010 Sauvignon Blanc Vandanges Tardives /Dominique Portet を開けるため、アテになるようなものを探していると、ランパールのテイクアウトにいいものを発見。
フォアグラとアプリコットのテリーヌ
思ったより分厚いテリーヌ。フォアグラふんだん。酸味のあるアプリコットがいい仕事をしていて、甘口の白ワインに良く合いました。
牛ハチノスと豚足のトマト煮込み
こちらはビストロチックな料理。甘口の白をやめてロワールの白にチェンジ。ハチノスは柔らかいけど味がしっかり残っていて、居酒屋のハチノスとは一線を画していました。さすがの逸品。
テイクアウトも実店舗と同様、基本的に2人前なので、結構な量になりました。コストパフォーマンスは高い。
さて、多田シェフが6/14でお辞めになるそうです。新シェフは既に決まっているとのことですが、あの美しい秋刀魚のテリーヌを今年の秋に食べられないのは寂しいな…
でも、今まで素晴らしい料理をありがとうございます!シェフのこの先の道に幸多からんことを!
2020/05/28 更新
2019/11 訪問
本格フレンチが食べられるワインバー
多田シェフの秋のスペシャリテが晩秋になってようやく登場です。
・秋刀魚のテリーヌ すり身のチュイルとハーブのピュレ
幾重にも重ねられた秋刀魚によって構成される、見た目も美しいテリーヌ。身がしっとりとしていて美味。すり身と肝で作ったチュイルもワインに合います。ソースはディルとナスタチウムのピュレで意外に柔らかい味わい。ソービニョンブラン等の白が定石でしょうが、軽めの赤でもok。
・アンドゥイエットversion TADA じゃがいものピュレとシャウルス風味のマスタードソース
シェフが替わっても途切れることなくオンリストしてきたアンドゥイエット。粗挽きで適度な歯応えのモツが旨い。ジャガイモのピュレとマスタードソースはアンドゥイエットの定石ですが、多田シェフバージョンではソースにシャンパーニュ地方のチーズであるシャウルスを使っていてとても濃厚。ワインバーらしいアンドゥイエットでした。軽めの赤で通しましたが、シャンパンで通しても面白かったかも。
2014 Beaujolais Villages la Tentation /Jean Claude Rapalu
現在、この店でオンリストしている唯一のボージョレーですが、別にボージョレーを避けているわけではないらしい。ラピエールやC.パカレといった有名どころではなくラパリュというのがなかなか渋い。自然派らしく熟成が早めですが、結構こなれた感じは好きですね。
季節のスペシャリテもレギュラーメニューも旨い店です。
秋刀魚のテリーヌ すり身のチュイルとハーブのピュレ
アンドゥイエットversion TADA ジャガイモのピュレとシャウルス風味のマスタードソース
2014 ボージョレ ヴィラージュ ラ タンタシオン /ジャン クロード ラパリュ
2020/07/08 更新
2019/04 訪問
本格フレンチが食べられるワインバー
「それでも地球は回っている」とガリレオは言った。21世紀の今、シェフが不慮の怪我で休んだとしても、それでもレストランは回っている。
・牛ハチノスのリヨネーズ
トリップといえばトマト煮込みが多いが、こちらはソテでした。ジャガイモと玉ねぎとベーコンを使えばリヨン風ということになるらしい。丁寧に下処理されたハチノスの美味しさもさることながら、三原マートルレインピクルスのジャガイモがめちゃくちゃ美味しい。これだけでワインがいくらでも飲めそう。
ワインは、
2011 Pernand-Vergellesses 1er cru Les Vergellesses /Rapet
ペルナンヴェルジュレスはブルゴーニュの中でも隠れた銘醸地だ。派手さはコルトンに及ばないが、骨格のしっかりしたワインを生み出す。ドメーヌ ラペは、そんなペルナンの中でも随一の作り手。
ワインバーで顔を覚えてもらえると、リストを開くより早く「こんなのどうですか」と勧めてくれるようになる。それがぴったりと好みに合い、なおかつ懐具合まで読み取ったものだったりすると、飲み手としてとても嬉しい。今回のワインがまさにそれで、大人の楽しみを味わえる店は人生の宝だと思う。
2019/04/15 更新
2018/12 訪問
本格フレンチが食べられるワインバー
12月になってもブレス鶏のローストがオンリストしている。ランパールの名物として定着して欲しいなぁ。しかし、今回はグッとこらえて新メニューを。タルタルステーキなんてこの店では初めてじゃないかしら。
・馬肉のタルタルステーキ
カナダ産のもも肉で、結構真っ赤で生々しいですが、さっぱりしていて旨いです。本来はシャルドネなんかを合わせるのでしょうが、ピノノワールでも問題無し。
・シュークルート
絶賛売り出し中の冬メニュー、豚バラ肉、すね肉、自家製ソーセージのシュークルート。本来ならアルザスの白なんでしょうが、酸味は抑え気味なので、ブルゴーニュ赤にも良く合いました。個人的にはこれで充分な量ですが、本場だとこの3倍の量があるとか…そりゃ食えんわ。
2014 Beaune /C.Newman
2014がそろそろ柔らかくなってますよ、とのことなのでこれをオーダー。ドメーヌ ニューマンは知らない作り手でしたが、薄い色調でエレガント、けぶるような腐葉土系の香りが昔ながらのブルゴーニュと言った感じで好感が持てました。相変わらず品揃えがいい店です。
18時半から2時間ほどゆっくりとグラスを傾けて、店が後半戦にさしかかる前に退店。いつの間にかテーブル席に団体さんが。銀座の夜はこれからが本番のようです。
2018/12/21 更新
2018/05 訪問
本格フレンチが食べられるワインバー
ブレス鶏が入荷したというので再訪。
・ブレス産プーラルドのロースト 赤ワインソース
鶏肉の最高峰とされるブレス鶏。産地に近いリヨンのレストランで30ユーロくらいだった。銀座で4500円というのは、プーレ(若鶏)ではなくプーラルド(肥育した雌鶏)であることも考えると、だいたい相場通りと言っていいのではなかろうか。つまり、ブレス鶏はフランスでも日本でも同じように高い^^;
今回は胸肉×2、ササミ、手羽先、手羽元。ほんのり桜色の絶妙な火入れは多田シェフの手腕の賜物で、しっとり柔らかくてジューシー。パリッと焼かれた皮目から脂が滲み出て、実に旨い。咀嚼して飲み込んだ後、口の中に残る余韻の長いこと…鶏肉の余韻というのも凄いけど。 ちょっと値が張ったけど、頼んで悔いなし!
ワインは、
2015 Saint Veran En Faux /Cordier
ブレス鶏の産地であるマコネーのワインを合わせたい旨を伝えると、中島ソムリエが勧めてくれたのがサンヴェラン。作り手はプイィ フュイッセで高い評価を得ているドメーヌ コルディエ。隣のサンヴェランであっても、コルディエらしいこってり濃厚な作りが反映されていて、旨味の濃いブレス鶏と良く合いました。それにしても、相変わらず品ぞろえがいい店です。
最近のブルゴーニュワインの異常な高騰によって、コートドールのワインは非現実的な価格になっていますが、その代替物としてのマコネーではなく、もっと積極的な意味で飲むべきと感じました。モンラッシェよりサンヴェランが美味しいから飲む…なんてね^^;
2018/05/17 更新
2018/02 訪問
本格フレンチが食べられるワインバー
寒い冬に、熱々の料理とワインを飲みに再訪。
・芝海老のクネル 濃厚なブイヤベースソース
クネルは通常、魚のクネルに海老のソースという組み合わせですが、それを逆転させた料理で面白い。海老の風味を強く感じます。クネルが4つも入っていてお腹いっぱいになり、今回も1品×1本の組み合わせになりました^^; カウンター端の客のオニグラスープの香りが魅惑的だったのですが、これはまた別の機会に。
2009 Mercurey 1er Cru Les Naugues /Jacqueson
リュリーの白で名を馳せるドメーヌ ジャクソンですが、メルキュレーの赤も旨い。09らしい果実味が、ようやくこなれて来ていい感じ。
地方都市だとこういう料理とワインを出す店が無いんですよね…酔って帰るのが少々面倒ですが、どうしても銀座に通わざるを得ない。
2018/03/09 更新
2017/05 訪問
本格フレンチが食べられるワインバー
昨秋にシェフが代わりましたが、白金台ルカンケでスーシェフをしていた方なので、今後も本格フレンチを期待できます。
・鰹のカツレツ 空豆のソース
外観は鰹のタタキに似ていますが、サクサクした衣の食感が楽しい。安易にビネガーに走らないソースが、初夏の鰹のさっぱりした赤身とワインを上手く結びつけてくれました。
ワインは、
2009 Rully 1er Cru Gresigny /Jacqueson
リュリー村随一の作り手ジャクソンの白。重くなく、さりとて軽くもなく、この季節に飲むのにふさわしい手頃なシャルドネ。適度な熟成感もあって、時間をかけてじっくり飲んでも楽しい。銀座のワインバーですが、万超でなくても良質のワインを置いているという好例。
ワインバーはレストランより自由で、気楽でいいです。冷菜一皿×ボトル1本という組み合わせでも許される。大人の隠れ家ですね。
2017/05/28 更新
2016/09 訪問
本格フレンチが食べられるワインバー
吉澤シェフが店をお辞めになるというので、急きょ再訪しました。(2016年9月)
・ドンブ産グルヌイユのソテーとエスカルゴの煮込み、ニョッキ添え
吉澤シェフの最新の、そしておそらくこの店で最後の創作料理は、フランス料理らしい食材の蛙と蝸牛。ふんだんに散りばめられたナッツが楽しい。スープを吸ったニョッキと細身のパイ生地が味わい深い。
・胡麻を纏ったスペイン産ガリシア栗豚バラ肉のロースト
脂身が美味しいガリシア栗豚のバラ肉の片面に胡麻をまぶして焼いた、香りと旨味の際立つ一皿。脂がしつこくなく、さりとて抜けてもいない絶妙な火の通し加減で美味^^
ワインは、2011 Chambolle-Musigny/ Herve Sigaut
無名な造り手のせいか、お手頃価格のシャンボール・ミュジニー。薄い色調の、エレガントでクラシカルな造り。チャーミングな印象だけど、それなりに深みもあります。残暑が厳しい季節には、これくらいがちょうどいい。
美味しい料理をありがとう、吉澤シェフ!
後任の多田シェフもフランス修行経験のある実力派。今後のランパールも楽しみです。
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たまにはじっくりと1本のワインを楽しむべく訪問。(2016年3月)
2008 Pernand-Vergellesses 1er cru Les Fichots /Follin Arbelet
名前の読みにくさゆえに市場価格が低いという冗談のような話があるペルナンベルジュレス。実際には銘醸地コルトンの丘に連なる丘陵に畑が広がっており、そのポテンシャルは高い。華やかさには欠けますが、程良い熟成感があり、意外なほど豊かなタンニン、1級畑らしい肉づきの良さを感じます。
・天草大王のバロティーヌと砂肝のコンフィ ペリゴール風サラダ
・コラーゲンたっぷりな肉のテリーヌ ミュゾー風
熊本フェア中ということで地鶏の天草大王を使った冷菜と、豚の頬耳足を使ったこりこりテリーヌ。シェフの得意なシャルキュトリです。じっくりと時間をかけて開くブルゴーニュを楽しむにはうってつけでした。
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軽く飲むつもりで、ふらりと訪れてみました。(2015年7月)
・スープ ド ポワソン グリュイエールチーズとルイユ添え
・イカ墨のリゾット イカとウニ添え
濃厚で滋味深いスープドポワソンが、しみじみと美味しい。リゾットも海の香りがいっぱい。夏はこういう料理がいいですね。胃にも優しい。
白:2013 Sancerre /Claude Riffault
赤:2011 Santenay 1er Cru Clos de Mouches /David Moreau
キリっとミネラリックなサンセール。サントネーは1級畑とはいえそれほど重くはなく、タンニンは滑らか。
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春らしい料理でワインを楽しむべく再訪。(2015年3月)
石垣産美ら豚の自家製シャルキュトリー(ブーダンブランとハム)
ロワール産ホワイトアスパラ、ソテーした富山産ホタルイカと焦がしバターソースをかけて
味わい深い美ら豚。シェフの腕前に、ただただ感心するばかり。
ホワイトアスパラとホタルイカは、シンプルに季節を感じさせてくれる逸品。
今回はグラスワインで。
2013 Sancerre Les Boucauds /Claude Riffault
2012 Clos Saint Andre /Mourat
2012 Marsannay /Philipe Charlopin
白はロワール2種。ホワイトアスパラには2杯目のシュナンブランの方が合うかな。
赤はブルゴーニュ。2012は収量こそ少なかったけど、しっかりしてます。シャルロパン旨いわ~、ちょっと高いけど…
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豊富なワインもさることながら、料理が美味しいお店です。(2014年12月)
<しっとりとした田舎風テリーヌ>
レバーの塊がゴロゴロ入ったタイプより、しっとり滑らかな方が好き。
<豚大腸とガツのアンデュイエット 根セロリのピュレ>
こちらはいかにもホルモン!という感じの内臓がゴロゴロ入った腸詰め。細かく挽いて普通のソーセージと区別がつかないようなアンデュイエットを出す店もありますが、断然こっちの方が好みです。
等々、好みに合う料理があって嬉しい(^^)
<鶉とオマール海老のサラダ仕立て 林檎のソース>
鶉の肉ってこんなに味が濃かったっけ?と瞠目する逸品。炙られたオマールに果物のソースが良く合う。
他にも、ワインに合う本格フレンチが多数あり。料理目当てに来るのも吉。
ワインは、銀座でこの値段で出せちゃうの?という値付けのワインもチラホラ…。素晴らしいラインナップ。
カウンターで一人楽しむ紳士から、テーブル席で「フィロキセラが~」とワイン談義が弾むマニアまで、多様なワイン好きを受け止める度量のある店でした。
ドンブ産グルヌイユのソテーとエスカルゴの煮込み、ニョッキ添え
胡麻を纏ったガリシア栗豚バラ肉のロースト
天草大王のバロティーヌと砂肝のコンフィ ペリゴール風サラダ
コラーゲンたっぷりな肉のテリーヌ ミュゾー風
イカ墨と雲丹のリゾット
スープドポワソン
石垣島産美ら豚のブーダンブランと自家製ハムのサラダ仕立て
ロワール産ホワイトアスパラ、富山産ホタルイカの焦がしバターソテーをかけて
2016/09/19 更新
湯澤シェフが今年いっぱいでお辞めになり、宮古島に行かれるとの報を聞いて訪問。湯澤シェフの釣果を楽しみにしていましたが、まさか御本人が釣られてしまうとは…シェフの未来に幸あれ!
晩秋らしい料理を2品。
・トロ茄子とジロール茸のグラチネ
火を通すとトロトロになる白茄子の上に、ジロール茸をふんだんに使ったクリーム煮とトマトソースを乗せて、チーズたっぷりに焼き上げた秋らしい料理。すげえ旨かったです。
・牛モツのオニオングラタンスープ
分厚いパンとチーズのガワを剥がすとモツの量がたっぷりで、スープというよりモツ煮込みのよう。スパイシーでワインバーらしいオニグラ。これは赤ワイン必須。
ワインは、アルザスの赤を。
2021 Pinot Noir 100% /Louis Maurer
ピノノワール100%とは、酵母も酸化防止剤も入れていないという意思表示らしい。ブドウと皮に付いている野生酵母のみで作ったワインは、いわゆるチャーミングで、ビシッと1本通った酸が印象的。ある意味、ピノノワールらしさを最も表現したワイン。
湯澤シェフの料理は、飲兵衛のツボを突きまくるので、食べていて楽しかったです。宮古島まで食べに行くのは遠いなぁ…