あらら??さんが投稿したカフェ デザートムーン(長野/茅野)の口コミ詳細

レビュアーのカバー画像

あらら?の食堂♡

メッセージを送る

あらら?? (50代後半・男性・長野県) 認証済

この口コミは、あらら??さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。 問題のある口コミを報告する

カフェ デザートムーン茅野/カフェ、オーガニック

1

  • 昼の点数:5.0

      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク -
1回目

2025/09 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク-

風光明媚なるマクロビオティックなランチタイム

全国のあちらこちらに
道路に愛称やニックネームがつけられているのを目にすることがある。生活道路であったり、農道であったり、あるいは観光用に整備された道路であったりと、その種類はさまざまである。本来なら
国道◯◯号線
県道⬜︎⬜︎号線
広域農道なんとかかんとか
といった正式名称で十分に通じるのだろう。だが、それらはどうしても役所的で、いかめしく、一般の人間からするとどこか取り付きにくさを感じるものでもある。行政がつけた名称なのだから仕方のないことではあるが、日常的に呼ぶにはあまりに堅苦しい。そこで、人々はもっと柔らかで親しみやすく、響きのよい名前を好むようになる
〜〜ライン
××街道
といった具合に、少しロマンチックで、普段口にしないカタカナ言葉を含んだ愛称が生まれるのもそのためだ


調べてみると
国土交通省が「日本風景街道」というプロジェクトを展開しているらしい。これはまさに行政が、道路に新しい顔を与えようとする取り組みである。なるほど、彼らがつけた正式名称があまりにも味気ないので、別の形で魅力を補おうとしているのだろう。確かにそのままではつまらない。だからこそ、呼びやすい愛称が必要なのだ


長野県にも
その手の愛称を持つ道路は数多く存在している。例えば長野市北部には
アップルライン
がある。名前を聞くだけでりんご畑の広がる風景が浮かび、旅情を誘う。松本市西部には
サラダ街道
なる道路もあり、こちらは耳にしただけで新鮮な野菜を思わせ、いかにも美味しそうで楽しい響きを持っている。こうした道路名は、地域の特産品や風景を端的に表すと同時に、訪れる人の心を和ませるものでもある


家内とその友人たちとの会食のため
茅野市まで出かけてきた。これで何度目の訪問になるのだろうか。ほぼ定期的に開かれる集まりとなり、美味しいものを食べ、楽しいひとときを過ごすのは、何よりの楽しみである。今回訪れたのは


「デザートムーン」
茅野市街地から原村方面へ抜ける「ふるさとグリーンライン」沿いにある。なんとも心地よく、耳に優しい名前の道路である。正式名称は「茅野市道2級10号線」。いかにも味気なく、役所的で記号の羅列のようだ。しかし「ふるさとグリーンライン」という呼び名であれば、そこを走るだけで心が和み、景色に溶け込む感覚がある。住宅地から山間部を抜け、やがて広がる雄大な風景には、この名がぴったりと似合っている。そして何より、この道路沿いからは八ヶ岳が実に美しく望める。絶好のロケーションである


こちらは
切り妻屋根が印象的な建物で、外壁には木材がふんだんに使われている。メンテナンスの点では大変だろうが、この土地の風景にはこれ以上ふさわしい造りはない。まさに存在そのものが景色に溶け込んでいる。正面にはテラス席もあり、季節がよくなれば心地よい風を感じながら食事を楽しむこともできそうだ


店内は
吹き抜けの大空間が広がり、小屋組が見える造りになっている。飾り気を抑えながらもセンスのよいデザインで、落ち着きと洒落た雰囲気が共存していた。ここで提供されるランチは「ゆるマクロビ菜食ごはん」


マクロビとは
マクロビオティックの略称で
“穀物や野菜を中心とした日本の伝統的な食生活をベースに、陰陽論などの東洋思想を取り入れた食事法および生き方”
とされている。詳しい理屈までは理解していないが、要は肉や魚を使わず、野菜を中心とした料理である。ただし完全な菜食主義ではなく、乳製品や卵は取り入れる「ラクト・オボ・ベジタリアン」に近い。メニューにも「肉・魚を使わずに野菜中心でラクトオボベジの店」と明記されていた。つまり、厳格すぎない「ゆるさ」が魅力なのだろう


「ゆるマクロビの菜食ごはん ドリンク、デザート付」1780円
雑穀米ごはん
仙台味噌の味噌汁
そして十菜惣菜
名前の通り、十種類ものおかずが並ぶ豪華な定食である。しかも月替わりとのことで、訪れるたびに新しい味と出会える。9月の献立は以下の通り


飛龍頭
山形風だしのせ冷や奴
カポナータ
秋野菜の天ぷら
きのこの白和え
お揚げと緑野菜のおひたし
豆苗サラダ
さつまいもマッシュ
車麩のかつ
自家製漬物
そして食後には香港式ミルクプリンとドリンクが付く


どの料理も
丁寧につくられ、優しく温かみのある味わいであった。飛龍頭とは、がんもどきの関西風の呼び名で、豆腐を潰し、野菜をたっぷり混ぜ込んで揚げたもの。揚げたて熱々を頬張ると、口いっぱいに豆の香りが広がり、滋味深い


カポナータは
イタリア・シチリア島発祥の夏野菜の煮込み料理で、南フランスのラタトゥイユとよく似ている。トマトの酸味と野菜の甘みが絶妙で、ごはんに合うのが嬉しい


秋野菜の天ぷらは
レンコン、モロッコインゲン、かぼちゃの三種。軽やかに揚がっており、サクサク、ホクホク。かぼちゃの自然な甘さが際立ち、これだけをおかずにしてもごはんが進む。思わず「この十倍は食べたい」と思ったほどだが、適度な量だからこそありがたみが増すのだろう


車麩のかつは
特に印象的。出汁を吸った車麩に衣をつけて揚げると、見た目はまるでとんかつ。ひと口かじると、外はサクサク、中はふんわりと柔らかく、そこにソースの風味が加わって、まさに大人の遊び心を感じさせる一品であった


十菜を食べ終える頃には
十分な満足感に包まれる。どれも派手さはないが、心を込めて作られた料理は、食べる者の心身を満たす。デザートの香港式ミルクプリンもなめらかで優しい甘さがあり、食後の余韻を静かに締めくくってくれた


天候は晴れてはいたものの
雲が多くやや不安定であった。それでも十分に美しい景色を楽しめたが、もし雲ひとつない快晴であったなら、その風景はさらに圧倒的なものとなっただろう。八ヶ岳を背景に、緑の大地を走り抜け、ふるさとグリーンラインを駆け抜ける――それはぜひ一度、最高の条件で体験してみたいと思わせる光景であった


美しい愛称を持つ道路
そこで出会う美味しい料理、そして仲間たちとの時間が重なり、かけがえのない一日ができあがる。道路の名前ひとつをとっても、そこには人々の思いや物語が込められているのだと、あらためて感じた旅であった

2025/09/25 更新

エリアから探す

すべて

開く

北海道・東北
北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東
東京 神奈川 千葉 埼玉 群馬 栃木 茨城
中部
愛知 三重 岐阜 静岡 山梨 長野 新潟 石川 福井 富山
関西
大阪 京都 兵庫 滋賀 奈良 和歌山
中国・四国
広島 岡山 山口 島根 鳥取 徳島 香川 愛媛 高知
九州・沖縄
福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄
アジア
中国 香港 マカオ 韓国 台湾 シンガポール タイ インドネシア ベトナム マレーシア フィリピン スリランカ
北米
アメリカ
ハワイ
ハワイ
グアム
グアム
オセアニア
オーストラリア
ヨーロッパ
イギリス アイルランド フランス ドイツ イタリア スペイン ポルトガル スイス オーストリア オランダ ベルギー ルクセンブルグ デンマーク スウェーデン
中南米
メキシコ ブラジル ペルー
アフリカ
南アフリカ

閉じる

予算

営業時間

ページの先頭へ