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掲載保留ドゥ エピセ元町・中華街、石川町、日本大通り/中華料理、ワインバー、ダイニングバー
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夜の点数:4.1
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¥8,000~¥9,999 / 1人
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料理・味 4.2
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|サービス 4.1
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|雰囲気 4.0
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|CP 3.8
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|酒・ドリンク 3.5
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[ 料理・味4.2
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| サービス4.1
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| 雰囲気4.0
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| CP3.8
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| 酒・ドリンク3.5 ]
新しい味覚の世界にようこそ
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2019/08/16 更新
この暑いさなか、わたくしは取引先のグルメ姫と食事をすることになり、はたっと店選びに難航しておりました。店を探すのにも疲れた頃、神の啓示が降りてきたのでした。「どうせ自腹で驕るんでしょ。いつものように自分本意でなんか変わったものを食べに行けばいいじゃん」と。ありがたい知恵を授かったわたくしは、前から気になっていた、ヌーベルシノワで評判のこの店にお世話になることにしました。
スタッフの丁寧なお出迎えの後、個室に通されます。今回はお店側の都合により、個室を使ってくださいとのことでした。ありがたいことです。グルメ姫はわたくしが個室を予約したと思っております。シメシメとほくそ笑みます。きっと神様の思し召しなのでしょう。簡単なコースの説明がされた後、オマールのソース選択、メインの牛肉のソース選択、担々麺の冷温の選択が依頼されます。
さすがグルメ姫、わたくしの選択とかぶらないようにてきぱきと選択をしていきます。
いよいよ新しい味覚の舞台の幕開けです。最初は、アミューズブーシュ、「馬肉のたたき、中華風ソース」が登場します。中華ではなく、「シノワ」だけあり、ソースの美味しさが絶品です。フルーティーな甘さが控え目に主張すると同時に中華のスパイシーさも感じさせる万能型の役者です。このソースで、食事への期待がさらに膨らみます。続いて、前菜の盛合せが登場します。「紹興酒漬け、海鮮三種」、「フォアグラソテー」「クラゲ」「夏野菜のピクルス」どれも前座として申し分のない働きをし、食事の楽しさを加速させます。
3番目は「フカヒレのスープ」です。まずは、スープの香りを楽しみます。楽しむ前にその蠱惑的な香りに一瞬、意識が飛んでしまいそうでした。琥珀色のさらさらとしたスープのなかには干し貝柱、金華ハム、クコの実、蓮の実などが潜んでいます。それらが融合し、複雑でいて、それで澄みきった味を醸し出します。一口飲むと食事をする以前にも増して食欲が増進されます。『美味しんぼ』で紹介されていた「佛跳牆」、わたくしが一度飲んでみたいと願っている究極のスープです。このスープも「佛跳牆」と同じく器のまま蒸して調理されていることから材料こそ違えど、同種類のスープと言っても過言ではないでしょう。何より、あまりの美味しさから、「これが『佛跳牆』だよ」と言われたら信じてしまいそうです。
海鮮のメインはオマールのグリルです。葱と生姜の香りを利かせた、醤油ベースのソースがオマールの淡白な身の甘さを引き立てます。フィンガーボールの気遣いもあるので、ぷりっぷりの身を手で剥ぎ取り、ダイナミックに口に運びます。手掴みでオマールを食べる背徳感も相乗効果となり、食感も香りも味蕾をさらに刺激します。
肉のメインは、「山形牛のグリル エシャロットとトリュフのオイスターソース」と「鶉のパリパリ焼き 油淋鶏ソース」の二品がワンプレートで盛り合わさっています。フレンチと中華とのマリアージュと呼ぶに相応しいソースが山形牛の肉の旨味を引き立てます。トリュフも仄かな香りとオイスターソースの旨味が牛肉独特の臭いを打ち消します。個人的には脂身の少ないヒレ肉の方がこのソースとの相性が良いのではと感じましたが、これはこれで充分に堪能しました。フレンチではマデラ酒ベースやフルーティーなソースを鶉に合わせて食した経験があるのですが、中華の王道、油淋鶏ソースで食べるのは初めてです。単なる油淋鶏ソースと異なり、パクチーを潜ませているところが奥ゆかしく感じます。いくらぱりっと仕上げてもややもすると油っぽくなるところを巧みに清涼感をもたらすように工夫されているのでしょう。
締めには、担々麺の冷製、温製を交換しながら味比べをしました(フレンチのマナーに反してますが、個室の特権を活かしました)。冷製担々麺の方には白味噌が使われているということで幾分あっさり仕上がっていますが、その分、ラー油の辛さが引き立っています。グルメ姫は辛味を控えた、胡麻の香りが芳しい温製の方を気に入ったようです。
新しい味覚の世界を堪能でき、姫君もわたくしもご満悦でした。一品一品の確かさに加え、漸層式にメインへと到達する構成の見事さ、久々の感動です。しかしながら、それだけにフィナーレを飾るデザートには課題があるように思われます。フレンチの絢爛豪華さや、懐石料理のわびさびを余韻として残すものに比べて、中華料理のデザートは特殊なものを除き、単調で平坦だと感じるときがあります。今回の胡麻のブランマンジエはとても美味しいものでしたが、コースの締めくくりとしてはビジュアル的に調和が取れてないように感じました。特に女性をエスコートするときにはデザートの味はもちろん、ビジュアルも接待のポイントに含まれます。デザートを見た瞬間、さらに心が弾むものが登場してこそ、真の「ヌーベルキュイジーヌ」「ヌーベルシノワ」なのかなとも考えています。
デザートのことはあるにせよ、コースの内容が変わったら再びこの店に訪問したいと感じています。また、スタッフの方々の誠実なおもてなしに感謝申し上げます。グルメ姫のご機嫌も麗しゅうございました。